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**第38回大会詳報
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月は巡り、如月。
正月特番も、ハプニングはありつつもほぼ無事に終了し、いよいよ冬本番が訪れる幻想郷。
しかし、そんな寒さなど関係なし! とばかりに熱く燃える、東プロ本部会場にて、第38回大会が開始された。
折しも、外の世界ではバレンタインデー。その習慣を幻想郷に持ち込んだ早苗様が、入場客全員にチョコレートを
プレゼントするという根も葉もない噂が飛び、男性客が詰めかける一幕も。
困惑する早苗様に、なぜか「素敵なお賽銭箱はあちらよ」とアピールする霊夢も出現し、一時会場前が騒然とするも、
そこに登場した本部長に、「皆さんの積める善行は、好きな選手を全力で応援することです」と諭され、
納得したファンは粛々と会場入りし、事なきを得た。
その後、なぜかてゐが本部長に呼び出されてお説教されていたという目撃情報もあったらしいが、定かではない。
それはさておき、本大会は久しぶりの[[LSW]]タイトルマッチに[[LTW]]次期挑戦者決定戦を含めた全8試合と、
特番直後とはいえ編成に手を抜くなどあり得ないという東プロの意志の現れを示すものとなった。
中でも驚きの声が上がったのが、第6試合として突如発表された[[O.D.S]]と[[ARMS]]の全面対抗戦であり、
過去の因縁を良く知るファンの間では、これをメインにしてもいいくらいでは、という声まで上がっていた。
一方、大会開始前にお馴染みの本大会の組み合わせ発表を行う[[小町]]だが、わざと第7試合のアナウンスを
飛ばして、[[本部長>山田]]に突っ込まれる一幕も。
***第1試合 2vs1ハンディキャップマッチ [[リリーホワイト>リリー白]]・[[リリーブラック>リリー黒]] vs [[咲夜]]
夏フェス以来久々となるハンディキャップマッチ、先に挑戦者として登場するのは、前回大会で東プロマットに初登場となった
春の使者[[リリーズ]]。
その[[リリーズ]]に胸を貸すのは、[[紅魔館]]の瀟洒な従者こと[[咲夜]]さん。
リングインするなり、暴言を吐きまくるリリーブラック(ただし口パクが合っていない)と、「ハルデスヨー」のリリーホワイト。
そしてやっぱり、なぜか実況席から姿を消している[[天狗>文]]。そして瀟洒に暴言をスルーする咲夜。
妙な雰囲気のまま始まった試合は、やはり2対1ということで、苦戦を強いられるP…メイド長。
が、やはり瀟洒なメイドはただでは倒れず。勝利を確信したリリーブラックが、隙ありとばかりに
飛び込み前方回転エビ固めを仕掛けたが、それは老獪な咲夜が仕掛けた罠だった。その動きを読みきっていた咲夜は、
飛びついてきたリリーブラックを、余裕をもってそのまま押し潰し、3カウント。
ここは経験の差が勝敗を分けた形となった。
試合後、マイクを取った咲夜は、前回大会にて[[アリス]]との激闘を演じた末に、首の古傷を再発させてしまった
[[美鈴]]の容態についてファンに報告した。幸い致命的なものではなかったが、それでもかなりの重傷で、2、3大会の
欠場となるという咲夜の言葉に、ファンはその回復を祈りつつ、応援の拍手を送った。
***第2試合 8人タッグマッチ [[静葉]]・[[ヤマメ]]・[[早苗]]・[[諏訪子]] vs [[ルーミア]]・[[レティ]]・[[メルラン]]・[[藍]]
第2試合は、前回大会で行われたNEXTトーナメント1回戦で敗退した4人に、[[無差別級]]の4人を加えた8人タッグマッチとなった。
勝つ者があれば負ける者もあるとはいえ、負けた者に対するフォローも忘れない本部の姿勢は、多くのファンの共感を呼ぶところであった。
また、[[守矢神社]]の[[早苗様>早苗]]と[[ケロちゃん>諏訪子]]にとっては、大きな戦いに臨む[[神奈子]]のためにも、勝って景気を付けたいところ。
しかし試合は、いきなり⑨ばりにスピアーを外すケロちゃんに、一抹の不安が漂う。
負けじとばかり、というわけでもないだろうが、コーナートップから豪快に一人アトミックホイップを決める本家[[チルノ軍]]の[[ルーミア]]。
しかしこのルーミアが、前回敗退したとはいえ好調ぶりをみせ、即席タッグを見事に繋ぎ、さらには[[ヤマメ]]に十進法ムーンライトレイの洗礼を
浴びせたり、コーナーで[[レティ]]を追い込んだ[[諏訪子]]を捕まえて追撃を封じたりと大活躍。
一方のケロちゃんも、久々のケロちゃんカッターを惜しげもなく2発も放って見せ、守矢神社の神は神奈子だけではないことを
存分にアピールする。
そこまであまり目立たなかった[[藍]]と[[早苗]]も、終盤になってからそれぞれ八雲八流、コーナートップから長い飛距離の飛びつきスイングDDTと
華麗な跳び技を披露し、見せ場を作る。そして、この2人の戦いは、八雲回転蹴りにはドロップキック、早苗ボトムには回転バックドロップ、
大外刈りからのフェイスカットには風神風車固めと、互いに出し惜しみなしの密度の濃い技の応酬となる。
しかし、決まるかとおもわれた風神風車固めを、この試合でいい動きを見せるルーミアがカット。さすがに攻め疲れた早苗が[[静葉]]にタッチして交代した
その瞬間を狙い澄ましたかのように、藍が大技デンジャラス・ドライバー・テンコーを豪快に決め、20分を超える激闘にピリオドを打った。
それぞれに見せ場を作ったメンバーをよそに、[[LU3T]]王者の[[めるぽ>メルラン]]はいまいち目立てず、[[秋神>静葉]]に至っては、出たと思ったら
やられた形となり、ますます死に芸が身についたと言われる始末、と明暗が分かれる形となった。
***第3試合 NEXTトーナメント準決勝第1試合 [[椛]] vs [[リグル]]
互いにルチャタイプ同士という、東プロでは珍しい組み合わせの試合となったNEXTトーナメント第1試合は、エリート対雑草と言われており、
下馬評でもやはり前[[LU3T]]王者の[[椛]]が有利とされていた。
試合が始まると、やはり足技中心に攻める[[リグル]]に対し、椛は前回は封印していた腕殺しを解禁。さらに早い段階から
大技の疾風トルベジーノを繰り出す等、本気を見せてじわじわと攻めていく。
パワーに勝るリグルに対し、椛は立ち回りの上手さを発揮して、攻められつつも攻撃を単発にさせることで焦りを誘う作戦。
しかしリグルのパワーは椛の予想を超えており、中盤はほぼ一方的に攻められるという予想外の展開に。そんな状況からも椛は
なんとか大技のの字スタナーを決め、さらに2発目のトルベジーノも決めるが、前回大会で憧れの(?)[[幽香]]に奥義を伝承してもらっておいて、
ここで負けるわけにはいかないリグルも粘り、カウント3が遠い。
攻め疲れたのか一瞬の隙を見せた椛。それを貫いたのは、幽香から伝承されたリグルの奥義ディGカッターことスーパーリグルキック。
これで、リグルが勝利し、ついに決勝進出となる。
負けてもなお爽やかに相手を祝福する椛の姿は、[[U3級]]の持ち味のひとつである清涼感をアピールするものであり、観客も納得の拍手を送った。
その一方で、リグルは何度も「夢じゃないよね?」と繰り返して、「何を期待してるんですか?」と椛に突っ込まれる、とお約束の笑いでこの試合を締めた。
***第4試合 NEXTトーナメント準決勝第2試合 [[パルスィ]] vs [[穣子]]
NEXTトーナメントもう1試合は、東プロではまだ2試合目にして既にパルいワールドを展開する[[パルスィ]]と、バックドロップ神[[穣子]]の試合。
序盤から激しい殴り合い蹴り合いとなるが、途中で我に返ったか、穣子がドラゴンスクリューから本来の技中心の組み立てに戻る。
が、そんなことよりお前が妬ましいとばかりの喧嘩プロレスを展開するパルスィが終始ペースを握る。
穣子も要所で反撃を試みるも、そのラフ攻撃に押しまくられ、ついに大技ジェラシストドライバーまで受けてしまう。危ないところをロープに
救われた穣子は、とうとう堪忍袋の緒が切れたとばかりにパルスィをコーナーポストに抱え上げると、雪崩式バックドロップ。
しかし、その程度で嫉妬心は折れやしないと2.9で返すパルスィ。ならば折れるまで投げるまでと、穣子は続いてターンバックル式
バックドロップを放つが、パルパルラッシュで返される。もはや躊躇なし、と、穣子は再度雪崩式バックドロップを敢行。これには流石の
パルスィも意識を飛ばされて3カウント。ついに豊穣神がファイナルへと駒を進め、次回大会で
**NEXTトーナメント決勝戦 [[リグル]] vs [[穣子]]
が決定した。
試合後、おきまりの「おーたむ!おーたむ!」をパルスィにもやらせようとする穣子、そして小声だがついやってしまうパルスィに、
殺伐とした試合から一転して、多くのファンが癒された。
***第5試合 6人タッグマッチ [[ミスティア]]・[[妖夢]]・[[紫]] vs [[てゐ]]・[[輝夜]]・[[霊夢]]
もはやすっかり因縁の対決となった、[[八雲>八雲家]][[白玉>白玉楼]]連合と[[GM軍]]との試合。しかもレフェリーは[[パチェ]]となると、悪い予感しかしないのも
むべなるかな。
試合前のスキットでは、前回大会での勝利からか余裕を見せて挑発する[[霊夢]]に、[[紫]]は自分は[[幽々子]]の代理よといなす。
しかし試合は、やはり悪徳レフェリーの援護を得て反則・乱入し放題の[[GM軍]]ペースで進む。
そんな中、屈辱の『[[Phantazm Down事件>Ph.D]]』からの帰還後、勝ち星こそつかないものの絶好調を維持している紫は、今回も試合前のやる気のなさげな雰囲気からは
一転して気を吐き、ブラックてゐガーボムを喰らわしてきた[[てゐ]]に、お返しとばかりに超絶秘技ファイヤースタースプラッシュを浴びせて喝采を浴びる。
一方の霊夢は[[ミスティア]]を、すっかりお馴染みとなったマッハふみふみこと鬼巫女ストンピングで踏みつけるが、それでも
怖じけずに向かっていくみすちー。しかし、霊夢をKFCから丸め込んだところで、[[輝夜]]がカットしがてら蓬莱の玉砕き、そして起き上がった霊夢が
再び鬼巫女ストンピングという踏みつけコンボで退ける。代わった[[妖夢]]を援護すべくリングに飛び出した紫だったが、霊夢に気をとられているところで、
後ろから出てきた伏兵・輝夜のアックスギロチンドライバーを喰らってしまい、しばらく交代は無理な状況に。
スキマ妖怪を封印することに成功したGM軍側は、ターゲットを未熟者に絞り、姫様がリングに登場。挨拶代わりに幽々子のゆゆパンばりの姫パンを喰らわし、通常式チンクラから、
背後を取って美麗な秘技・永夜返しと流れるような攻撃。妖夢一巻の終わりかと思われたが、ここは紫が救出に成功。そして紫が霊夢を53歳、ミスティアがてゐに
串焼きDDTと全力で支援をかける。それでも輝夜は綺麗なブリッジのジャーマンを連発してで妖夢を仕留めようとするも、ミスティアの
素早いカットから、妖夢が全力での未来永劫斬。普段働かない姫はパワー全開で責めたためにガス欠になったのか、この丸鋸の直撃で意識を
飛ばされてしまい、そのまま3カウントを聴く羽目に。
これまでの戦績からすれば金星と言っても過言ではない勝利をあげ、主の[[LSW]]防衛戦にこれ以上ない弾みをつけてみせた元祖従者の妖夢。
一方、屈辱的な負け方に、パチェに何とかしてと泣きつく[[輝夜]]だが、パチェは、流石にこれは無理と一蹴。一方でお説教しようとする[[慧音]]に対しては
暴言を吐く輝夜の姿に、GM軍も一枚岩ではないことをさらけ出すと共に、輝夜がGM軍の中で孤立しつつあるのではないかという疑念がさらに深まる結果となった。
***第6試合 8人タッグマッチ [[アリス]]・[[萃香]]・[[鈴仙]]・[[メディ]] vs [[幽香]]・[[永琳]]・[[魔理沙]]・[[雛]]
複雑な遺恨の渦巻く東プロにおいても、これほどもつれた遺恨関係はちょっと他では見られない、[[ARMS]]と[[O.D.S]]の全面対抗戦。
互いにフルメンバーと出し惜しみなし、満を持しての激突に、ファンも期待の高まりを押さえきれない一戦となった。
入場直後から、早速火花の散るような口撃バトルの応酬を経て、ゴングが鳴らされる。
互いに「判っている」同士の試合は、[[雛]]vs[[メディ]]、[[魔理沙]]vs[[アリス]]、[[永琳]]vs[[鈴仙]]という因縁のマッチアップで進み、それぞれの経てきた
歴史を知るファンを喜ばせる。
それぞれの選手が一巡した後、この試合2度目のマリアリ対決から、次第に試合は動き出す。普通、タッグマッチでは中盤にかけては乱戦になることが多いものだが、
乱戦こそO.D.Sがもっとも得意とするところ。タッチワークでは見事な連携を見せ、さらに集中して一人を痛めつけるラフ殺法と歪みない戦いっぷりで、
一転して危機に陥るARMSだが、これまでのようにそこで崩れてしまわない。こういう局面でも冷静に戦えるメディが、永琳すら怯ませる地獄突きからの
カリブトドキシンデスロックでO.D.Sに傾き掛けた流れを取り戻すと、代わって出てきた幽香にもリバースジクロロジフェニルトリクロロエタンから、
かつて雛の首を破壊した恐怖の技コンパロシドホールドを決める。これはO.D.Sコーナー目の前だったために、締め落としは阻止されるが、さらに猛毒ゲルセミウム・
エレガンスまで決め、毒のフルコースを受けた幽香は流石にどうしようもなく交代。しかし去り際にファイナルカットでお返しはしておくのがドSらしいところ。
相手が魔理沙に代わったところで空気を読んだか、メディもアリスに交代、この試合で3回目のマリアリ直接対決となる。
マッケンローから急所攻撃でペースを掴もうとする魔理沙は、そのままアリスの背後を取って必殺のドラゴン、と思いきやそれをブルドッキングヘッドロックで
切り返すアリス。そのままついに囚われの魔理沙人形に移行かと思いきや、それをパワーで潰す魔理沙、だがそうくるのは判ってたと三角締めに切り替え締め上げるアリス。
互いの手を知り尽くした同士ならではの高度な読み合いを見せる2人に、観客もヒートアップする。
そして両軍共選手は入れ替わり、萃香と永琳が対峙。永琳が垂直落下式ブレーンバスターを喰らわすが、お返しとばかりに萃香が豪腕を唸らせ、ショートレンジ
百鬼夜行。しかし前回大会で神とも互角に戦った永琳はその程度では倒れぬと、一瞬で入り込むと膝十字固め。しかしこれはARMS陣営の目の前で、好調のメディが
あっさりとカットすると、立ち上がりざま萃香が酒霧を吹き付け、そのままラッシュ。しかし流石というか、ペースを握られつつも冷静に、永琳は自陣に
退くと、ここまで休んでいた幽香に後を託した。
不死身の蓬莱人が中盤を支え、フィニッシュを究極加虐生物に託す。O.D.Sの黄金パターンにARMSもはめられたのか、と観客の誰もが思った中、
十分回復した幽香は萃香を捕らえ、ついに必殺のウォールオブゆうかりん・VFTに持ち込む。慌てて飛び出すARMSの面々も、同じく飛び出したO.D.S
に押さえられ、高々とそそり立つ「つるぺたの壁([[文]]談)」を前に、善戦空しく万事休す。…と誰もが思った。
しかし、ついにここにきて、不沈艦が目覚めた。鬼がゆうかりんの壁をカウント2.9で跳ね返すと、そこで心強い仲間メディが援護のドラゴンスクリュー。
そして倒れた幽香を引きずり起こした萃香は、自らロープに走り、そして豪腕を振り抜いた。会心の一撃を受けて文字通り一回転し、そのままリングに崩れ落ちて
動かなくなる幽香を尻目に、高らかに右腕を振り上げ、「うぃぃ~~~っ」と雄叫びを上げる萃香。これが、東プロ初の「''打撃技による失神KO''」の瞬間であった。
快勝したARMS側は、現王者を倒したのだから資格は十分なはずと、次回大会での[[LTU]]タイトルマッチを要求。一方、意識を取り戻したものの、まだ
錯乱気味に泣き出す幽香に、永琳は非情の掌底を喰らわし(一説によると、この一撃でずれていた首の骨を元に戻したのだとも)、遊び呆けているからだと一喝しておいてから、
おもむろに挑戦者の編成を確認した。それに対しリーダーのアリスは、ARMSとしてLTUに挑戦するメンバーは、萃香、メディと鈴仙だと宣言する。困惑して辞退しようとする
鈴仙だったが、それに対して元師匠の永琳がどこまでも逃げるのねと嘲笑。流石にかちんと来たのか、鈴仙は自ら師匠と相対して戦うことを決める。
一方で、ようやく我を取り戻した幽香は、赤っ恥をかかしてくれたARMS、なによりも萃香に対し、十倍にして虐め倒すと宣言。さらに、負けたら追放でも粛正でも受けると
自らを追い込みつつ復讐を誓った。
その一方で、LTUタイトルマッチなら自分は余るな、という魔理沙に、なら自分と前哨戦でもやらない、と誘うアリス。魔理沙もそれに合意し、
ここに次回大会での
**前哨戦 [[アリス]] vs [[魔理沙]]([[伝統のマリアリ戦]])
*[[LTU]]タイトルマッチ [[萃香]]&[[メディ]]&[[鈴仙]]([[ARMS]]・挑戦者) vs [[幽香]]&[[永琳]]&[[雛]]([[O.D.S]]・第二代王者)
の2試合が決定した。
ここまで唯一遺恨が無かった幽香と萃香との間に新たに遺恨が発生し、全面抗争がさらに激化するARMSとO.D.S。その第2ラウンドが
どういう結果となるのか、そして久しぶりに表舞台に姿をみせる[[マリアリ]]シングルマッチはどうなるのか、ファンを魅了して止まない組み合わせが次回大会も見られる
とあって、会場の興奮もさらに盛り上がっていく。
***第7試合 [[LTW]]次期挑戦者決定戦 [[文]]・[[小町]] vs [[レミリア]]・[[フラン]]
前回大会第5試合で、[[守矢神社]]と[[O.D.S]]を退けた[[天狗>文]]が、思わず調子に乗って挑戦を表明してしまった[[LTW]]。
しかし、その後第7試合で、もう一組が名乗りを上げる。かつての初代LTW王者であり、そしてそれぞれが至高の[[LSW]]ベルトを巻いたことがある、
最強タッグの呼び名も高い[[スカーレット姉妹]]。
当然のように現王者の[[もこけーね]]も、最初から[[スカーレット姉妹]]が次の挑戦者であると考えており、紅姉妹も、そしてファンのほとんども、
この次期挑戦者決定戦は、タイトルマッチの前の軽いウォーミングアップとしか思っていなかった。
一方の[[実況組]]はというと、[[文]]はいつものようにこの大会も平然と実況をこなしていたが、その暴言も軽く空回り気味。[[小町]]に至っては、
開始前アナウンスではこの試合をわざと飛ばしたり、第5試合が終わった時点で次が出番だと思い込んでいたりと明らかに緊張から変なテンションに
なっていた。
この試合の実況席には、お馴染みイヌ科実況コンビの[[椛]]と[[藍]]に加え、[[紅魔館]]からゲスト解説として招かれた[[咲夜]]の、誰が名付けたか
イヌ科実況トリオが陣取る。相変わらずの贔屓実況の椛に、当然ながらおぜうさま至上主義の咲夜、そして2人に挟まれつつ冷静に[[橙]]LOVEを貫く藍と、
なんとも騒がしい実況席となった。
そしてついにゴングが鳴り、始まってしまったこの試合。しかし、一度腹をくくってしまうと妙に強い小町が、長身を生かしたリーチのある攻撃を仕掛け、
小柄なフランは反撃もままならず追い込まれるという意外な展開になる。一方、文とレミリアの技対決はレミリアに軍配が上がり、
連続フランケンシュタイナーで前に後ろに投げられる文。しかし互いに交代すると、やはり小町が、スロースターター故に起き上がりは
動きがまだ重いフランを攻める。さすがのフランもリーチ差に上手く対応しきれず、一旦レミリアに交代。しかし、小町の勢いは
衰えず、レミリアも予想外の劣勢に焦ったか、流れを変えるべく雪崩式か断崖式フランケンシュタイナーを狙おうと小町をコーナーポストに担ぎ上げるが、
逆にリバースブレーンバスターで投げ落とされ、さらに追撃のエルボードロップまで受けてしまう始末。ふらつくレミリアに、小町は
死神の烙印・デスブランドを敢行するも、赤コーナー目の前だったため妹様のカットが入り、危うく死神の案内付きで川を渡りかけたレミリアは
九死に一生を得る。お返しとばかりに奇襲のマヤ式スープレックスで小町を固めるレミリアだが、こちらも足の速さは幻想郷一とばかりに飛び込んだ文がカットし、
自分が彼岸を渡りかけた死神もカウント2.9で帰還する。そこに、今度こそ三途の川を渡れとばかりにレミリアは美技・不夜城レッドを放つも、
位置が悪くロープブレイク。しかし、目の前で姉の美技を見せられてついに目覚めたのか、交代したフランが小町をポストに担ぎ上げ、
かつて小町を病院送りにした因縁の技・雪崩式ツームストンドライバー。ここも再び文が自慢の快足を飛ばしてフォールをカットするが、
流石に不夜城に雪崩式と大技を喰らった小町は文と交代する。
相棒の活躍を見て珍しく奮起したのか、文もフランに対して「普通のエルボー」こと風神エルボーを敢行。だが、それが眠れる妹様を
本気で起こしてしまったか、放り投げ式パワーボムに引っ張り起こしてのショートレンジクローズライン、さらにロープに走ってのダブルニーと
文を痛めつけると、そのまま場外に放り投げ、その後を追って自らもトペを敢行しようとするが、それを小町が体を張って阻止。しかし邪魔をされて
逆上したフランに、パイルドライバーで潰されてしまう。
小町が文字通り体を張って稼いだ貴重な休憩時間を得てリングに戻った文だったが、反撃に出ようとしたところでココナツクラッシュを喰らい
一回転。危うく2.9で返すと、某ボトムに似たブックエンドで倒すが、フランも飛びつきDDTできっちり反撃。さらにバックドロップで再び場外に投げ落とす。
追撃はさせじとリング上で小町がフランと組み合うも、今度はレミリアが文の所に向かい、場外戦が勃発。2組がリングの上下で戦いを繰り広げる。
しかし、場外戦も一段落した、と思って自陣に戻ったレミリアだったが、それが痛恨の判断ミス。フランのところに戻ると思われた文が、
背を向けたレミリアを追撃し、断崖式ドラゴンスクリューから場外ジャーマンスープレックス、延髄切りと連続技を仕掛けて援護不能になるまで沈黙させる。
一方で小町も、リングに残ったフランに2発目のデスブランドを炸裂させ、懸命の援護射撃。
そして姉を徹底的に黙らせてからリングに戻った文が、まだデスブランドの余波でふらついていたフランに、延髄蹴りを仕掛け間髪入れずに丸め込む。
技名のとおり電光石火で、ダメージで自コーナーから動けないレミリアをよそに、3カウントで金星を挙げた。
観客のほとんども、歓声よりも疑うようなの声を上げ、妹様も納得いかないと声を上げる中、してやったりの文は、ここぞとばかりにレミリアに
暴言を投げるも、リングインしてきた[[LTW]]現王者[[妹紅]]にフジヤマヴォルケイノIIで叩き付けられ、あえなく失神。
しかし妹紅も、とりあえずうるさい天狗を黙らせてみたものの、スカーレット姉妹が勝った場合のマイクしか想定していなかったのか、
残る小町をスルーしてレミリアに噛みつく。もっとも、大口を叩いておきながらタイトルマッチにたどり着くことなく完敗の体たらくでは、
何も言い返せず涙目のおぜうさま。
一方スルーされた小町が挑戦者はこちらだと宣言し、ようやく向き直った妹紅と[[慧音]]も次回大会でのタイトルマッチに合意し、
**[[LTW]]タイトルマッチ [[文]]&[[小町]]([[実況組]]・挑戦者) vs [[妹紅]]&[[慧音]]([[GM軍]]・第四代王者)
が決定となった。
想定外といえば想定外の結果ではあるが、相手にその実力を出させない(レミリアは不夜城レッドを一度だけ、フランに至っては決め技の
レーヴァテインもスターボウブレイクも出さずに終わっている)というのは立派な作戦であり、また最後の局面は、カットしに来るであろうレミリアを先に
完全に潰しておいてから、さらにフランの唯一苦手とする丸め込みで勝負を決めるという頭脳プレーで、さらに戦前に散々怯えて見せていたことすら、
心理的に油断を誘う罠(ブラフ)だったとすれば、吸血鬼姉妹は文字通り天狗の手の中で踊っていたことになる。
本当に[[あやこま]]がそこまで考えていたかは知る由もないが、この一戦の結果は、レスラーたるもの、いかなる相手であっても
全力を尽くさねば足元をすくわれるという、当たり前だが忘れがちな事実を改めて選手とファンの前に突きつけたと言えよう。
なお、余談ながら、意外なことに文が失神したのはこれが初めてだったりする。
***第8試合 メインイベント [[LSW]]タイトルマッチ [[神奈子]](挑戦者) vs [[幽々子]](第四代王者)
前回大会、神と神の死闘を制して、至高のベルトへの挑戦権を得たのは、[[守矢神社]]の[[八坂神奈子>神奈子]]。荒ぶるオンバシラ神。
その挑戦を受けて立つ、至高のベルトの持ち主は、[[白玉楼]]の[[西行寺幽々子>幽々子]]。儚く美しき亡霊嬢。
冥界の管理者は神すら葬るのか、それとも中央神話は死を超越するのか。ついに、[[LSW]]タイトルマッチという名の荘厳な戦いが、ここに開幕する。
ゴングと共に、真っ向からぶつかり合う2人。互いに、出し惜しみなど必要なしとばかりに飛ばしハイスパートレスリングを見せる。
最初に技を見せたのは神奈子。得意のクロス式STFに幽々子を絡め取る蛇に、そこから逃れた亡霊嬢はハンマーパンチでお返しをすると、蝶が舞うごとくと
称される、美しい軌跡のその場飛びムーンサルト。しかし神奈子もやられるばかりではない。間合いを詰めたところで突然前転浴びせ蹴りという
トリッキーな攻撃は、さすがに幽々子も想像してなかったらしくまともに受けてしまう。しかしその程度では同様しない王者は、フェイスバスターで
傾き掛けた流れを切ると、さらに神奈子の回転張り手にカウンターで裏拳を合わせるテクニカルなところも見せる。
互いに一歩も引かない流れの中、神奈子が掟破りの逆チョークスラムで幽々子をリングに叩き付ける。自らの得意技を使われてどう思ったのか、
亡霊嬢はここで埋葬技を発動。LSW王者として絶対の説得力を持つ技に磨き上げたラストライドで神奈子を叩き付けるも、さすがにまだRest in Peaceとは
いかずカウント2。しかしここが勝負所とみたか、さらにバタフライディリュージョンを発動する幽々子。これは位置が悪くロープブレイクとなるが、
すぐさま神奈子をロープに振ると斧爆弾アックスボンバー。さらにフットスタンプを重ね、神奈子を一気にカウント2.9まで追い込む。神奈子の反撃も
軽くいなしつつ、今度は初期の頃の黄金パターン、ファルコンアローからの亡霊クラッチで再びカウント2.9。
しかし、[[永琳]]の怒濤の攻撃さえ凌ぎきった軍神がその程度であっさり沈むわけがない、とばかりに、神奈子は首に巻き付くような注連縄ラリアットで
反撃ののろしをあげる。王者も流れは渡さないとばかりにゆゆパンを放つも、神奈子は今度はこちらの番だとばかりにストレッチバスターで落とし、
必殺の蛇神万力。それでもやはり王者は並みの相手ではない。万力から抜けるや2発目のゆゆパンに、墓石落としツームストンドライバー、さらに
ジャンピングブレーンバスターと大技を惜しみなく出し、主導権を握る。神奈子もなんとかしたいが、反撃が単発に抑えられ完全に王者ペースのまま、
試合は中盤へ。
何とか活路を見いだしたい神奈子は場外戦を挑むが、こちらも幽々子が一枚上手で、神奈子はカウント18で危うくリングアウト負けになりかける始末。
やはり、王者に隙はないのか、と守矢陣営は重苦しい空気。
一方、いよいよ調子を上げてきた幽々子は、投げっぱなしジャーマンで神奈子をリング外まで放り投げる。
しかし、この一撃で、これまでは眠っていたのさと言わんばかりのオンバシラの反撃が開始される。
リングに戻るや、幽々子の首根っこを捕まえて叩き付ける、ネックハンギングボムでついに幽々子もカウント2.9に追い込まれる。再度、今度は
ランニング式のゆゆパンでペースを戻そうとする幽々子だが、逃がすものかと二度目のストレッチバスターから蛇神万力。それでも王者は諦めない、
とばかりに抜け出すと、幽々子はエルボースマッシュからムーンサルトで神奈子をフォールするも、こちらもカウント2.9。お返しとばかりに神奈子は
エクスパンデッド・オンバシラで幽々子をリングに突き立てるが、これも2.9で返される。
戦いは終盤、さらに過激になってゆく。
幽々子はエプロンから断崖式チョークスラムという殺人技を発動。しかし負けてられじと神奈子も場外でバックドロップを敢行。もはや試合というより
壊し合いの域に達する。
互いにリングに戻ったところで、幽々子は出会い頭にブレーンバスターを放とうとするが、この局面でまだこんな動きが、と観客も驚く身のこなしを
見せる神奈子。高々と持ち上げられたところで身を捻って脱出するや、お返しの注連縄スープレックスから片羽締めを決めるも、これはロープブレイク。
だが、ここでついに蛇が本性を現す。ネックハンギングツリーで持ち上げると、そのまま落としてフォールするが、またしてもロープブレイク。
王者も意地をみせ、本家チョークスラムで神奈子を叩き付けると、コーナーポストから反魂蝶・ムーンサルトプレス。安らかに眠れとばかりにフォール
するも、2.9で返す神奈子。
もはや、どちらが倒れてもおかしくない状況で、最後の力を振り絞る2人。しかし、最後の最後に意地を見せたのは、守矢の軍神だった。
[[早苗]]の技、風神風車投げに、さらに[[穣子]]のバックドロップと妖怪の山の技を放ち、さらにコーナーポストに幽々子を追い詰めると、前回大会で永琳
すら葬った最強の技・雪崩式マウンテン・オブ・フェイスを狙うが、しかしそれは王者が読んでいた。コーナーに乗せようとする神奈子の一瞬の隙を突いて、
この試合2度目のバタフライディリュージョン。しかしほんの僅かに運が味方せず、神奈子が辛くもロープを掴み、脱出されてしまう。
万策尽きた王者を襲う蛇。この日3度目の蛇神万力の発動に耐える力はもはや無く、亡霊嬢はタップし、負けを認めた。
新王者が誕生し、LSW王座が久々に移動。守矢神社にとっては、あの屈辱の[[LTU]]陥落から久しぶりの戴冠となった。
完敗を認め、新王者を素直に祝福した幽々子は、祝勝会改め残念会を開くからと、負けてもなお優雅にリングを去り、観客達は去りゆく前王者に
暖かい拍手を送った。
一方、守矢陣営ではやはりというか案の定というか、みんなの腋巫女早苗様が新王者以上に大はしゃぎし、神奈子の方が呆れてたしなめる一幕も。
それでも神奈子も勝利の美酒に酔ったか、珍しく軽口を叩いては恥ずかしがるという珍しいシーンも見られた。
しかし、守矢の二柱のもう片方である[[諏訪子]]がこの場に姿を見せなかったことをいぶかる声も、若干ながら存在していた。
こうして、一つの時代が終焉を告げ、そして新たな時代が始まった。
今後、新王者神奈子の時代がどのようなものになるのか。
そして次回大会で行われる2つのタイトルマッチの行方は。
さらに、久しぶりに邂逅するかつての盟友同士の戦いは、どのような結末を見せるのか。
全ての答えは、リングだけが知っている・・・。
&italic(){2009年3月13日}
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次興行『[[第39回大会詳報へ>第39回大会詳報]]』
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&link_edit(page=第38回大会詳報, text=このページを編集)
**第38回大会詳報
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月は巡り、如月。
正月特番も、ハプニングはありつつもほぼ無事に終了し、いよいよ冬本番が訪れる幻想郷。
しかし、そんな寒さなど関係なし! とばかりに熱く燃える、東プロ本部会場にて、第38回大会が開始された。
折しも、外の世界ではバレンタインデー。その習慣を幻想郷に持ち込んだ早苗様が、入場客全員にチョコレートを
プレゼントするという根も葉もない噂が飛び、男性客が詰めかける一幕も。
困惑する早苗様に、なぜか「素敵なお賽銭箱はあちらよ」とアピールする霊夢も出現し、一時会場前が騒然とするも、
そこに登場した本部長に、「皆さんの積める善行は、好きな選手を全力で応援することです」と諭され、
納得したファンは粛々と会場入りし、事なきを得た。
その後、なぜかてゐが本部長に呼び出されてお説教されていたという目撃情報もあったらしいが、定かではない。
それはさておき、本大会は久しぶりの[[LSW]]タイトルマッチに[[LTW]]次期挑戦者決定戦を含めた全8試合と、
特番直後とはいえ編成に手を抜くなどあり得ないという東プロの意志の現れを示すものとなった。
中でも驚きの声が上がったのが、第6試合として突如発表された[[O.D.S]]と[[ARMS]]の全面対抗戦であり、
過去の因縁を良く知るファンの間では、これをメインにしてもいいくらいでは、という声まで上がっていた。
一方、大会開始前にお馴染みの本大会の組み合わせ発表を行う[[小町]]だが、わざと第7試合のアナウンスを
飛ばして、[[本部長>山田]]に突っ込まれる一幕も。
***第1試合 2vs1ハンディキャップマッチ [[リリーホワイト>リリー白]]・[[リリーブラック>リリー黒]] vs [[咲夜]]
夏フェス以来久々となるハンディキャップマッチ、先に挑戦者として登場するのは、前回大会で東プロマットに初登場となった
春の使者[[リリーズ]]。
その[[リリーズ]]に胸を貸すのは、[[紅魔館]]の瀟洒な従者こと[[咲夜]]さん。
リングインするなり、暴言を吐きまくるリリーブラック(ただし口パクが合っていない)と、「ハルデスヨー」のリリーホワイト。
そしてやっぱり、なぜか実況席から姿を消している[[天狗>文]]。そして瀟洒に暴言をスルーする咲夜。
妙な雰囲気のまま始まった試合は、やはり2対1ということで、苦戦を強いられるP…メイド長。
が、やはり瀟洒なメイドはただでは倒れず。勝利を確信したリリーブラックが、隙ありとばかりに
飛び込み前方回転エビ固めを仕掛けたが、それは老獪な咲夜が仕掛けた罠だった。その動きを読みきっていた咲夜は、
飛びついてきたリリーブラックを、余裕をもってそのまま押し潰し、3カウント。
ここは経験の差が勝敗を分けた形となった。
試合後、マイクを取った咲夜は、前回大会にて[[アリス]]との激闘を演じた末に、首の古傷を再発させてしまった
[[美鈴]]の容態についてファンに報告した。幸い致命的なものではなかったが、それでもかなりの重傷で、2、3大会の
欠場となるという咲夜の言葉に、ファンはその回復を祈りつつ、応援の拍手を送った。
***第2試合 8人タッグマッチ [[静葉]]・[[ヤマメ]]・[[早苗]]・[[諏訪子]] vs [[ルーミア]]・[[レティ]]・[[メルラン]]・[[藍]]
第2試合は、前回大会で行われたNEXTトーナメント1回戦で敗退した4人に、[[無差別級]]の4人を加えた8人タッグマッチとなった。
勝つ者があれば負ける者もあるとはいえ、負けた者に対するフォローも忘れない本部の姿勢は、多くのファンの共感を呼ぶところであった。
また、[[守矢神社]]の[[早苗様>早苗]]と[[ケロちゃん>諏訪子]]にとっては、大きな戦いに臨む[[神奈子]]のためにも、勝って景気を付けたいところ。
しかし試合は、いきなり⑨ばりにスピアーを外すケロちゃんに、一抹の不安が漂う。
負けじとばかり、というわけでもないだろうが、コーナートップから豪快に一人アトミックホイップを決める本家[[チルノ軍]]の[[ルーミア]]。
しかしこのルーミアが、前回敗退したとはいえ好調ぶりをみせ、即席タッグを見事に繋ぎ、さらには[[ヤマメ]]に十進法ムーンライトレイの洗礼を
浴びせたり、コーナーで[[レティ]]を追い込んだ[[諏訪子]]を捕まえて追撃を封じたりと大活躍。
一方のケロちゃんも、久々のケロちゃんカッターを惜しげもなく2発も放って見せ、守矢神社の神は神奈子だけではないことを
存分にアピールする。
そこまであまり目立たなかった[[藍]]と[[早苗]]も、終盤になってからそれぞれ八雲八流、コーナートップから長い飛距離の飛びつきスイングDDTと
華麗な跳び技を披露し、見せ場を作る。そして、この2人の戦いは、八雲回転蹴りにはドロップキック、早苗ボトムには回転バックドロップ、
大外刈りからのフェイスカットには風神風車固めと、互いに出し惜しみなしの密度の濃い技の応酬となる。
しかし、決まるかとおもわれた風神風車固めを、この試合でいい動きを見せるルーミアがカット。さすがに攻め疲れた早苗が[[静葉]]にタッチして交代した
その瞬間を狙い澄ましたかのように、藍が大技デンジャラス・ドライバー・テンコーを豪快に決め、20分を超える激闘にピリオドを打った。
それぞれに見せ場を作ったメンバーをよそに、[[LU3T]]王者の[[めるぽ>メルラン]]はいまいち目立てず、[[秋神>静葉]]に至っては、出たと思ったら
やられた形となり、ますます死に芸が身についたと言われる始末、と明暗が分かれる形となった。
***第3試合 NEXTトーナメント準決勝第1試合 [[椛]] vs [[リグル]]
互いにルチャタイプ同士という、東プロでは珍しい組み合わせの試合となったNEXTトーナメント第1試合は、エリート対雑草と言われており、
下馬評でもやはり前[[LU3T]]王者の[[椛]]が有利とされていた。
試合が始まると、やはり足技中心に攻める[[リグル]]に対し、椛は前回は封印していた腕殺しを解禁。さらに早い段階から
大技の疾風トルベジーノを繰り出す等、本気を見せてじわじわと攻めていく。
パワーに勝るリグルに対し、椛は立ち回りの上手さを発揮して、攻められつつも攻撃を単発にさせることで焦りを誘う作戦。
しかしリグルのパワーは椛の予想を超えており、中盤はほぼ一方的に攻められるという予想外の展開に。そんな状況からも椛は
なんとか大技のの字スタナーを決め、さらに2発目のトルベジーノも決めるが、前回大会で憧れの(?)[[幽香]]に奥義を伝承してもらっておいて、
ここで負けるわけにはいかないリグルも粘り、カウント3が遠い。
攻め疲れたのか一瞬の隙を見せた椛。それを貫いたのは、幽香から伝承されたリグルの奥義ディGカッターことスーパーリグルキック。
これで、リグルが勝利し、ついに決勝進出となる。
負けてもなお爽やかに相手を祝福する椛の姿は、[[U3級]]の持ち味のひとつである清涼感をアピールするものであり、観客も納得の拍手を送った。
その一方で、リグルは何度も「夢じゃないよね?」と繰り返して、「何を期待してるんですか?」と椛に突っ込まれる、とお約束の笑いでこの試合を締めた。
***第4試合 NEXTトーナメント準決勝第2試合 [[パルスィ]] vs [[穣子]]
NEXTトーナメントもう1試合は、東プロではまだ2試合目にして既にパルいワールドを展開する[[パルスィ]]と、バックドロップ神[[穣子]]の試合。
序盤から激しい殴り合い蹴り合いとなるが、途中で我に返ったか、穣子がドラゴンスクリューから本来の技中心の組み立てに戻る。
が、そんなことよりお前が妬ましいとばかりの喧嘩プロレスを展開するパルスィが終始ペースを握る。
穣子も要所で反撃を試みるも、そのラフ攻撃に押しまくられ、ついに大技ジェラシストドライバーまで受けてしまう。危ないところをロープに
救われた穣子は、とうとう堪忍袋の緒が切れたとばかりにパルスィをコーナーポストに抱え上げると、雪崩式バックドロップ。
しかし、その程度で嫉妬心は折れやしないと2.9で返すパルスィ。ならば折れるまで投げるまでと、穣子は続いてターンバックル式
バックドロップを放つが、パルパルラッシュで返される。もはや躊躇なし、と、穣子は再度雪崩式バックドロップを敢行。これには流石の
パルスィも意識を飛ばされて3カウント。ついに豊穣神がファイナルへと駒を進め、次回大会で
**NEXTトーナメント決勝戦 [[リグル]] vs [[穣子]]
が決定した。
試合後、おきまりの「おーたむ!おーたむ!」をパルスィにもやらせようとする穣子、そして小声だがついやってしまうパルスィに、
殺伐とした試合から一転して、多くのファンが癒された。
***第5試合 6人タッグマッチ [[ミスティア]]・[[妖夢]]・[[紫]] vs [[てゐ]]・[[輝夜]]・[[霊夢]]
もはやすっかり因縁の対決となった、[[八雲>八雲家]][[白玉>白玉楼]]連合と[[GM軍]]との試合。しかもレフェリーは[[パチェ]]となると、悪い予感しかしないのも
むべなるかな。
試合前のスキットでは、前回大会での勝利からか余裕を見せて挑発する[[霊夢]]に、[[紫]]は自分は[[幽々子]]の代理よといなす。
しかし試合は、やはり悪徳レフェリーの援護を得て反則・乱入し放題の[[GM軍]]ペースで進む。
そんな中、屈辱の『[[Phantazm Down事件>Ph.D]]』からの帰還後、勝ち星こそつかないものの絶好調を維持している紫は、今回も試合前のやる気のなさげな雰囲気からは
一転して気を吐き、ブラックてゐガーボムを喰らわしてきた[[てゐ]]に、お返しとばかりに超絶秘技ファイヤースタースプラッシュを浴びせて喝采を浴びる。
一方の霊夢は[[ミスティア]]を、すっかりお馴染みとなったマッハふみふみこと鬼巫女ストンピングで踏みつけるが、それでも
怖じけずに向かっていくみすちー。しかし、霊夢をKFCから丸め込んだところで、[[輝夜]]がカットしがてら蓬莱の玉砕き、そして起き上がった霊夢が
再び鬼巫女ストンピングという踏みつけコンボで退ける。代わった[[妖夢]]を援護すべくリングに飛び出した紫だったが、霊夢に気をとられているところで、
後ろから出てきた伏兵・輝夜のアックスギロチンドライバーを喰らってしまい、しばらく交代は無理な状況に。
スキマ妖怪を封印することに成功したGM軍側は、ターゲットを未熟者に絞り、姫様がリングに登場。挨拶代わりに幽々子のゆゆパンばりの姫パンを喰らわし、通常式チンクラから、
背後を取って美麗な秘技・永夜返しと流れるような攻撃。妖夢一巻の終わりかと思われたが、ここは紫が救出に成功。そして紫が霊夢を53歳、ミスティアがてゐに
串焼きDDTと全力で支援をかける。それでも輝夜は綺麗なブリッジのジャーマンを連発してで妖夢を仕留めようとするも、ミスティアの
素早いカットから、妖夢が全力での未来永劫斬。普段働かない姫はパワー全開で責めたためにガス欠になったのか、この丸鋸の直撃で意識を
飛ばされてしまい、そのまま3カウントを聴く羽目に。
これまでの戦績からすれば金星と言っても過言ではない勝利をあげ、主の[[LSW]]防衛戦にこれ以上ない弾みをつけてみせた元祖従者の妖夢。
一方、屈辱的な負け方に、パチェに何とかしてと泣きつく[[輝夜]]だが、パチェは、流石にこれは無理と一蹴。一方でお説教しようとする[[慧音]]に対しては
暴言を吐く輝夜の姿に、GM軍も一枚岩ではないことをさらけ出すと共に、輝夜がGM軍の中で孤立しつつあるのではないかという疑念がさらに深まる結果となった。
***第6試合 8人タッグマッチ [[アリス]]・[[萃香]]・[[鈴仙]]・[[メディ]] vs [[幽香]]・[[永琳]]・[[魔理沙]]・[[雛]]
複雑な遺恨の渦巻く東プロにおいても、これほどもつれた遺恨関係はちょっと他では見られない、[[ARMS]]と[[O.D.S]]の全面対抗戦。
互いにフルメンバーと出し惜しみなし、満を持しての激突に、ファンも期待の高まりを押さえきれない一戦となった。
入場直後から、早速火花の散るような口撃バトルの応酬を経て、ゴングが鳴らされる。
互いに「判っている」同士の試合は、[[雛]]vs[[メディ]]、[[魔理沙]]vs[[アリス]]、[[永琳]]vs[[鈴仙]]という因縁のマッチアップで進み、それぞれの経てきた
歴史を知るファンを喜ばせる。
それぞれの選手が一巡した後、この試合2度目のマリアリ対決から、次第に試合は動き出す。普通、タッグマッチでは中盤にかけては乱戦になることが多いものだが、
乱戦こそO.D.Sがもっとも得意とするところ。タッチワークでは見事な連携を見せ、さらに集中して一人を痛めつけるラフ殺法と歪みない戦いっぷりで、
一転して危機に陥るARMSだが、これまでのようにそこで崩れてしまわない。こういう局面でも冷静に戦えるメディが、永琳すら怯ませる地獄突きからの
カリブトドキシンデスロックでO.D.Sに傾き掛けた流れを取り戻すと、代わって出てきた幽香にもリバースジクロロジフェニルトリクロロエタンから、
かつて雛の首を破壊した恐怖の技コンパロシドホールドを決める。これはO.D.Sコーナー目の前だったために、締め落としは阻止されるが、さらに猛毒ゲルセミウム・
エレガンスまで決め、毒のフルコースを受けた幽香は流石にどうしようもなく交代。しかし去り際にファイナルカットでお返しはしておくのがドSらしいところ。
相手が魔理沙に代わったところで空気を読んだか、メディもアリスに交代、この試合で3回目のマリアリ直接対決となる。
マッケンローから急所攻撃でペースを掴もうとする魔理沙は、そのままアリスの背後を取って必殺のドラゴン、と思いきやそれをブルドッキングヘッドロックで
切り返すアリス。そのままついに囚われの魔理沙人形に移行かと思いきや、それをパワーで潰す魔理沙、だがそうくるのは判ってたと三角締めに切り替え締め上げるアリス。
互いの手を知り尽くした同士ならではの高度な読み合いを見せる2人に、観客もヒートアップする。
そして両軍共選手は入れ替わり、萃香と永琳が対峙。永琳が垂直落下式ブレーンバスターを喰らわすが、お返しとばかりに萃香が豪腕を唸らせ、ショートレンジ
百鬼夜行。しかし前回大会で神とも互角に戦った永琳はその程度では倒れぬと、一瞬で入り込むと膝十字固め。しかしこれはARMS陣営の目の前で、好調のメディが
あっさりとカットすると、立ち上がりざま萃香が酒霧を吹き付け、そのままラッシュ。しかし流石というか、ペースを握られつつも冷静に、永琳は自陣に
退くと、ここまで休んでいた幽香に後を託した。
不死身の蓬莱人が中盤を支え、フィニッシュを究極加虐生物に託す。O.D.Sの黄金パターンにARMSもはめられたのか、と観客の誰もが思った中、
十分回復した幽香は萃香を捕らえ、ついに必殺のウォールオブゆうかりん・VFTに持ち込む。慌てて飛び出すARMSの面々も、同じく飛び出したO.D.S
に押さえられ、高々とそそり立つ「つるぺたの壁([[文]]談)」を前に、善戦空しく万事休す。…と誰もが思った。
しかし、ついにここにきて、不沈艦が目覚めた。鬼がゆうかりんの壁をカウント2.9で跳ね返すと、そこで心強い仲間メディが援護のドラゴンスクリュー。
そして倒れた幽香を引きずり起こした萃香は、自らロープに走り、そして豪腕を振り抜いた。会心の一撃を受けて文字通り一回転し、そのままリングに崩れ落ちて
動かなくなる幽香を尻目に、高らかに右腕を振り上げ、「うぃぃ~~~っ」と雄叫びを上げる萃香。これが、東プロ初の「''打撃技による失神KO''」の瞬間であった。
快勝したARMS側は、現王者を倒したのだから資格は十分なはずと、次回大会での[[LTU]]タイトルマッチを要求。一方、意識を取り戻したものの、まだ
錯乱気味に泣き出す幽香に、永琳は非情の掌底を喰らわし(一説によると、この一撃でずれていた首の骨を元に戻したのだとも)、遊び呆けているからだと一喝しておいてから、
おもむろに挑戦者の編成を確認した。それに対しリーダーのアリスは、ARMSとしてLTUに挑戦するメンバーは、萃香、メディと鈴仙だと宣言する。困惑して辞退しようとする
鈴仙だったが、それに対して元師匠の永琳がどこまでも逃げるのねと嘲笑。流石にかちんと来たのか、鈴仙は自ら師匠と相対して戦うことを決める。
一方で、ようやく我を取り戻した幽香は、赤っ恥をかかしてくれたARMS、なによりも萃香に対し、十倍にして虐め倒すと宣言。さらに、負けたら追放でも粛正でも受けると
自らを追い込みつつ復讐を誓った。
その一方で、LTUタイトルマッチなら自分は余るな、という魔理沙に、なら自分と前哨戦でもやらない、と誘うアリス。魔理沙もそれに合意し、
ここに次回大会での
**前哨戦 [[アリス]] vs [[魔理沙]]([[伝統のマリアリ戦]])
*[[LTU]]タイトルマッチ [[萃香]]&[[メディ]]&[[鈴仙]]([[ARMS]]・挑戦者) vs [[幽香]]&[[永琳]]&[[雛]]([[O.D.S]]・第二代王者)
の2試合が決定した。
ここまで唯一遺恨が無かった幽香と萃香との間に新たに遺恨が発生し、全面抗争がさらに激化するARMSとO.D.S。その第2ラウンドが
どういう結果となるのか、そして久しぶりに表舞台に姿をみせる[[マリアリ]]シングルマッチはどうなるのか、ファンを魅了して止まない組み合わせが次回大会も見られる
とあって、会場の興奮もさらに盛り上がっていく。
***第7試合 [[LTW]]次期挑戦者決定戦 [[文]]・[[小町]] vs [[レミリア]]・[[フラン]]
前回大会第5試合で、[[守矢神社]]と[[O.D.S]]を退けた[[天狗>文]]が、思わず調子に乗って挑戦を表明してしまった[[LTW]]。
しかし、その後第7試合で、もう一組が名乗りを上げる。かつての初代LTW王者であり、そしてそれぞれが至高の[[LSW]]ベルトを巻いたことがある、
最強タッグの呼び名も高い[[スカーレット姉妹]]。
当然のように現王者の[[もこけーね]]も、最初から[[スカーレット姉妹]]が次の挑戦者であると考えており、紅姉妹も、そしてファンのほとんども、
この次期挑戦者決定戦は、タイトルマッチの前の軽いウォーミングアップとしか思っていなかった。
一方の[[実況組]]はというと、[[文]]はいつものようにこの大会も平然と実況をこなしていたが、その暴言も軽く空回り気味。[[小町]]に至っては、
開始前アナウンスではこの試合をわざと飛ばしたり、第5試合が終わった時点で次が出番だと思い込んでいたりと明らかに緊張から変なテンションに
なっていた。
この試合の実況席には、お馴染みイヌ科実況コンビの[[椛]]と[[藍]]に加え、[[紅魔館]]からゲスト解説として招かれた[[咲夜]]の、誰が名付けたか
イヌ科実況トリオが陣取る。相変わらずの贔屓実況の椛に、当然ながらおぜうさま至上主義の咲夜、そして2人に挟まれつつ冷静に[[橙]]LOVEを貫く藍と、
なんとも騒がしい実況席となった。
そしてついにゴングが鳴り、始まってしまったこの試合。しかし、一度腹をくくってしまうと妙に強い小町が、長身を生かしたリーチのある攻撃を仕掛け、
小柄なフランは反撃もままならず追い込まれるという意外な展開になる。一方、文とレミリアの技対決はレミリアに軍配が上がり、
連続フランケンシュタイナーで前に後ろに投げられる文。しかし互いに交代すると、やはり小町が、スロースターター故に起き上がりは
動きがまだ重いフランを攻める。さすがのフランもリーチ差に上手く対応しきれず、一旦レミリアに交代。しかし、小町の勢いは
衰えず、レミリアも予想外の劣勢に焦ったか、流れを変えるべく雪崩式か断崖式フランケンシュタイナーを狙おうと小町をコーナーポストに担ぎ上げるが、
逆にリバースブレーンバスターで投げ落とされ、さらに追撃のエルボードロップまで受けてしまう始末。ふらつくレミリアに、小町は
死神の烙印・デスブランドを敢行するも、赤コーナー目の前だったため妹様のカットが入り、危うく死神の案内付きで川を渡りかけたレミリアは
九死に一生を得る。お返しとばかりに奇襲のマヤ式スープレックスで小町を固めるレミリアだが、こちらも足の速さは幻想郷一とばかりに飛び込んだ文がカットし、
自分が彼岸を渡りかけた死神もカウント2.9で帰還する。そこに、今度こそ三途の川を渡れとばかりにレミリアは美技・不夜城レッドを放つも、
位置が悪くロープブレイク。しかし、目の前で姉の美技を見せられてついに目覚めたのか、交代したフランが小町をポストに担ぎ上げ、
かつて小町を病院送りにした因縁の技・雪崩式ツームストンドライバー。ここも再び文が自慢の快足を飛ばしてフォールをカットするが、
流石に不夜城に雪崩式と大技を喰らった小町は文と交代する。
相棒の活躍を見て珍しく奮起したのか、文もフランに対して「普通のエルボー」こと風神エルボーを敢行。だが、それが眠れる妹様を
本気で起こしてしまったか、放り投げ式パワーボムに引っ張り起こしてのショートレンジクローズライン、さらにロープに走ってのダブルニーと
文を痛めつけると、そのまま場外に放り投げ、その後を追って自らもトペを敢行しようとするが、それを小町が体を張って阻止。しかし邪魔をされて
逆上したフランに、パイルドライバーで潰されてしまう。
小町が文字通り体を張って稼いだ貴重な休憩時間を得てリングに戻った文だったが、反撃に出ようとしたところでココナツクラッシュを喰らい
一回転。危うく2.9で返すと、某ボトムに似たブックエンドで倒すが、フランも飛びつきDDTできっちり反撃。さらにバックドロップで再び場外に投げ落とす。
追撃はさせじとリング上で小町がフランと組み合うも、今度はレミリアが文の所に向かい、場外戦が勃発。2組がリングの上下で戦いを繰り広げる。
しかし、場外戦も一段落した、と思って自陣に戻ったレミリアだったが、それが痛恨の判断ミス。フランのところに戻ると思われた文が、
背を向けたレミリアを追撃し、断崖式ドラゴンスクリューから場外ジャーマンスープレックス、延髄切りと連続技を仕掛けて援護不能になるまで沈黙させる。
一方で小町も、リングに残ったフランに2発目のデスブランドを炸裂させ、懸命の援護射撃。
そして姉を徹底的に黙らせてからリングに戻った文が、まだデスブランドの余波でふらついていたフランに、延髄蹴りを仕掛け間髪入れずに丸め込む。
技名のとおり電光石火で、ダメージで自コーナーから動けないレミリアをよそに、3カウントで金星を挙げた。
観客のほとんども、歓声よりも疑うようなの声を上げ、妹様も納得いかないと声を上げる中、してやったりの文は、ここぞとばかりにレミリアに
暴言を投げるも、リングインしてきた[[LTW]]現王者[[妹紅]]にフジヤマヴォルケイノIIで叩き付けられ、あえなく失神。
しかし妹紅も、とりあえずうるさい天狗を黙らせてみたものの、スカーレット姉妹が勝った場合のマイクしか想定していなかったのか、
残る小町をスルーしてレミリアに噛みつく。もっとも、大口を叩いておきながらタイトルマッチにたどり着くことなく完敗の体たらくでは、
何も言い返せず涙目のおぜうさま。
一方スルーされた小町が挑戦者はこちらだと宣言し、ようやく向き直った妹紅と[[慧音]]も次回大会でのタイトルマッチに合意し、
**[[LTW]]タイトルマッチ [[文]]&[[小町]]([[実況組]]・挑戦者) vs [[妹紅]]&[[慧音]]([[GM軍]]・第四代王者)
が決定となった。
想定外といえば想定外の結果ではあるが、相手にその実力を出させない(レミリアは不夜城レッドを一度だけ、フランに至っては決め技の
レーヴァテインもスターボウブレイクも出さずに終わっている)というのは立派な作戦であり、また最後の局面は、カットしに来るであろうレミリアを先に
完全に潰しておいてから、さらにフランの唯一苦手とする丸め込みで勝負を決めるという頭脳プレーで、さらに戦前に散々怯えて見せていたことすら、
心理的に油断を誘う罠(ブラフ)だったとすれば、吸血鬼姉妹は文字通り天狗の手の中で踊っていたことになる。
本当に[[あやこま]]がそこまで考えていたかは知る由もないが、この一戦の結果は、レスラーたるもの、いかなる相手であっても
全力を尽くさねば足元をすくわれるという、当たり前だが忘れがちな事実を改めて選手とファンの前に突きつけたと言えよう。
なお、余談ながら、意外なことに文が失神したのはこれが初めてだったりする。
***第8試合 メインイベント [[LSW]]タイトルマッチ [[神奈子]](挑戦者) vs [[幽々子]](第四代王者)
前回大会、神と神の死闘を制して、至高のベルトへの挑戦権を得たのは、[[守矢神社]]の[[八坂神奈子>神奈子]]。荒ぶるオンバシラ神。
その挑戦を受けて立つ、至高のベルトの持ち主は、[[白玉楼]]の[[西行寺幽々子>幽々子]]。儚く美しき亡霊嬢。
冥界の管理者は神すら葬るのか、それとも中央神話は死を超越するのか。ついに、[[LSW]]タイトルマッチという名の荘厳な戦いが、ここに開幕する。
ゴングと共に、真っ向からぶつかり合う2人。互いに、出し惜しみなど必要なしとばかりに飛ばしハイスパートレスリングを見せる。
最初に技を見せたのは神奈子。得意のクロス式STFに幽々子を絡め取る蛇に、そこから逃れた亡霊嬢はハンマーパンチでお返しをすると、蝶が舞うごとくと
称される、美しい軌跡のその場飛びムーンサルト。しかし神奈子もやられるばかりではない。間合いを詰めたところで突然前転浴びせ蹴りという
トリッキーな攻撃は、さすがに幽々子も想像してなかったらしくまともに受けてしまう。しかしその程度では動揺しない王者は、フェイスバスターで
傾き掛けた流れを切ると、さらに神奈子の回転張り手にカウンターで裏拳を合わせるテクニカルなところも見せる。
互いに一歩も引かない流れの中、神奈子が掟破りの逆チョークスラムで幽々子をリングに叩き付ける。自らの得意技を使われてどう思ったのか、
亡霊嬢はここで埋葬技を発動。LSW王者として絶対の説得力を持つ技に磨き上げたラストライドで神奈子を叩き付けるも、さすがにまだRest in Peaceとは
いかずカウント2。しかしここが勝負所とみたか、さらにバタフライディリュージョンを発動する幽々子。これは位置が悪くロープブレイクとなるが、
すぐさま神奈子をロープに振ると斧爆弾アックスボンバー。さらにフットスタンプを重ね、神奈子を一気にカウント2.9まで追い込む。神奈子の反撃も
軽くいなしつつ、今度は初期の頃の黄金パターン、ファルコンアローからの亡霊クラッチで再びカウント2.9。
しかし、[[永琳]]の怒濤の攻撃さえ凌ぎきった軍神がその程度であっさり沈むわけがない、とばかりに、神奈子は首に巻き付くような注連縄ラリアットで
反撃ののろしをあげる。王者も流れは渡さないとばかりにゆゆパンを放つも、神奈子は今度はこちらの番だとばかりにストレッチバスターで落とし、
必殺の蛇神万力。それでもやはり王者は並みの相手ではない。万力から抜けるや2発目のゆゆパンに、墓石落としツームストンドライバー、さらに
ジャンピングブレーンバスターと大技を惜しみなく出し、主導権を握る。神奈子もなんとかしたいが、反撃が単発に抑えられ完全に王者ペースのまま、
試合は中盤へ。
何とか活路を見いだしたい神奈子は場外戦を挑むが、こちらも幽々子が一枚上手で、神奈子はカウント18で危うくリングアウト負けになりかける始末。
やはり、王者に隙はないのか、と守矢陣営は重苦しい空気。
一方、いよいよ調子を上げてきた幽々子は、投げっぱなしジャーマンで神奈子をリング外まで放り投げる。
しかし、この一撃で、これまでは眠っていたのさと言わんばかりのオンバシラの反撃が開始される。
リングに戻るや、幽々子の首根っこを捕まえて叩き付ける、ネックハンギングボムでついに幽々子もカウント2.9に追い込まれる。再度、今度は
ランニング式のゆゆパンでペースを戻そうとする幽々子だが、逃がすものかと二度目のストレッチバスターから蛇神万力。それでも王者は諦めない、
とばかりに抜け出すと、幽々子はエルボースマッシュからムーンサルトで神奈子をフォールするも、こちらもカウント2.9。お返しとばかりに神奈子は
エクスパンデッド・オンバシラで幽々子をリングに突き立てるが、これも2.9で返される。
戦いは終盤、さらに過激になってゆく。
幽々子はエプロンから断崖式チョークスラムという殺人技を発動。しかし負けてられじと神奈子も場外でバックドロップを敢行。もはや試合というより
壊し合いの域に達する。
互いにリングに戻ったところで、幽々子は出会い頭にブレーンバスターを放とうとするが、この局面でまだこんな動きが、と観客も驚く身のこなしを
見せる神奈子。高々と持ち上げられたところで身を捻って脱出するや、お返しの注連縄スープレックスから片羽締めを決めるも、これはロープブレイク。
だが、ここでついに蛇が本性を現す。ネックハンギングツリーで持ち上げると、そのまま落としてフォールするが、またしてもロープブレイク。
王者も意地をみせ、本家チョークスラムで神奈子を叩き付けると、コーナーポストから反魂蝶・ムーンサルトプレス。安らかに眠れとばかりにフォール
するも、2.9で返す神奈子。
もはや、どちらが倒れてもおかしくない状況で、最後の力を振り絞る2人。しかし、最後の最後に意地を見せたのは、守矢の軍神だった。
[[早苗]]の技、風神風車投げに、さらに[[穣子]]のバックドロップと妖怪の山の技を放ち、さらにコーナーポストに幽々子を追い詰めると、前回大会で永琳
すら葬った最強の技・雪崩式マウンテン・オブ・フェイスを狙うが、しかしそれは王者が読んでいた。コーナーに乗せようとする神奈子の一瞬の隙を突いて、
この試合2度目のバタフライディリュージョン。しかしほんの僅かに運が味方せず、神奈子が辛くもロープを掴み、脱出されてしまう。
万策尽きた王者を襲う蛇。この日3度目の蛇神万力の発動に耐える力はもはや無く、亡霊嬢はタップし、負けを認めた。
新王者が誕生し、LSW王座が久々に移動。守矢神社にとっては、あの屈辱の[[LTU]]陥落から久しぶりの戴冠となった。
完敗を認め、新王者を素直に祝福した幽々子は、祝勝会改め残念会を開くからと、負けてもなお優雅にリングを去り、観客達は去りゆく前王者に
暖かい拍手を送った。
一方、守矢陣営ではやはりというか案の定というか、みんなの腋巫女早苗様が新王者以上に大はしゃぎし、神奈子の方が呆れてたしなめる一幕も。
それでも神奈子も勝利の美酒に酔ったか、珍しく軽口を叩いては恥ずかしがるという珍しいシーンも見られた。
しかし、守矢の二柱のもう片方である[[諏訪子]]がこの場に姿を見せなかったことをいぶかる声も、若干ながら存在していた。
こうして、一つの時代が終焉を告げ、そして新たな時代が始まった。
今後、新王者神奈子の時代がどのようなものになるのか。
そして次回大会で行われる2つのタイトルマッチの行方は。
さらに、久しぶりに邂逅するかつての盟友同士の戦いは、どのような結末を見せるのか。
全ての答えは、リングだけが知っている・・・。
&italic(){2009年3月13日}
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