「第39回大会詳報」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

第39回大会詳報」(2010/01/15 (金) 19:35:18) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

**第39回大会詳報 -[[大会詳報]]へ戻る ---- ついに至高の座の主が入れ替わり、新たな時代を迎えた東方プロレス。 守矢の時代の幕開けとも言うべきこの大会は、残る2つの無差別級タイトルマッチが行われるという豪華なラインナップを揃えていた。 しかも、それぞれのタイトルを持つのは[[LTW]]の[[GM天子軍]]、[[LTU]]の[[O.D.S]]と、東プロ二大ヒール軍団であり、どちらもヒールとして王座陥落は許されない状況。 張り詰めた空気は嫌がおうにも観客達の興奮を誘った。 それ以外にも、正月興行から始まった[[U3級]]NEXTトーナメントはついに決勝戦、そして久しぶりの[[マリアリ]]戦と、タイトルマッチ以外でもそれだけでメインを張れるクラスの試合を惜しみなく投入するあたりに、運営陣の、どんな状況であれ観客に対して手を抜くことは許さないという姿勢をひしひしと感じられるプログラムとなった。 いつものように、[[小町]]の試合予告アナウンスで、大会は幕を開けた。 前回同様に忘れたかったのか、それとも思わぬ快勝で験を担いだのか、またしても自分たちの出場試合のアナウンスを飛ばす小町に、[[本部長>映姫]]も呆れつつ突っ込み、第1試合のゴングと相成った。 ***第1試合 U3級時間差BR [[U3級]]では意外にも初めてとなる[[時間差BR>RR]]となった第1試合。 この試合が、しかし誰も予想だにしなかった展開となる。 ここ最近結果には結びつかないながらも好調な[[ルーミア]]が、ついにその眠れる才能の一端を垣間見せたり、[[パルスィ]]がついに念願の妬める相手として[[ルナサ]]をターゲットにしたりという展開をすべて吹っ飛ばしたのは、変な方向に覚醒した秋神[[静葉]]。 ついに念願の初勝利となったが、ファンもそれを素直に祝えない微妙な空気の中、それでも我らが[[総帥>チルノ]]が自ら体を張ってその増長に待ったをかけ、U3級らしい爽やかな(?)展開に、観客はいい感じに暖められた。 →展開の詳細については、[[U3級時間差BR]]参照。 ***第2試合 第2回[[魔理沙式イリミネーションマッチ>MIM]] [[紅魔館]] vs [[GM軍]] vs [[白玉楼]] 第2試合は、いわゆる3WAYタッグマッチ、考案者の[[魔理沙]]の名前を取って「魔理沙式イリミネーションマッチ」の 2回目の実施となった。 [[紅魔館]]は、前回不覚を取った[[おぜうさま>レミリア]]に[[咲夜]]の主従コンビ。[[GM軍]]は、いい加減「太巫女」の声を払拭したい[[霊夢]]が今回は[[衣玖]]を伴って登場、そして[[白玉楼]]は[[幽々子]]が、[[妖夢]]を連れて登場となった。 奇しくも、各チームに一人ずつ至高のLSW保持者がいるという豪華な編成を第2試合に持ってくるという展開に、観客は驚きつつも興奮のボルテージが一気に上がる。 こうして始まった試合だが、やはり前回大会で不覚を取ったのが心理的に響いているのか、いつもの軽快さが見られない[[レミリア]]。 しかし、そのような時こそ主を従者が支えるべき。スーパー瀟洒カップ優勝者の名は伊達じゃない、とばかりに[[咲夜]]が大爆発。まずは従者の手本をご覧なさいとばかりに妖夢を放り出す。そして非情に徹し「誰かにやられるくらいなら私の手で」と、危険な状況になった[[レミリア]]を自らリング外に放り出し、憂いを絶つと孤軍奮闘。幽々子も自らリング外に放逐する、金星ともいえるポイントを上げる。 が、ここが3WAYタッグマッチの怖いところ。気づいてみると、残る[[GM軍]]は2人とも健在で、それでもイクサンは葬ったものの、それまでスタミナを温存していた霊夢に最後の最後で敗れ、優勝も[[GM軍]]という結果となってしまった。 咲夜には気の毒としか言いようがない結果だが、その結果に持ち込んだ霊夢の戦略眼には唸らされる観客も多かった。 しかし、未だに紅魔館唯一無冠ながらも、自分と霊夢を除く4人を放り出した上に、霊夢とも互角に戦った咲夜を改めて評価する声もまた多く上がっていた。 そんな中、霊夢はLSW王者が前回大会で変わったことに触れ、「ファイトマネーが出るなら挑戦してやらなくもないわ」と言い残してリングを後にした。 ***第3試合 6人タッグマッチ [[八雲一家>八雲家]] vs [[守矢神社]] 前回大会で至高の座をついに手に入れ、嫌がおうにも盛り上がる[[守矢神社]]。今日の相手は仲の良さならこちらも負けていない、[[八雲一家>八雲家]]。互いにフルメンバーの6人タッグマッチとなった。 [[神奈子]]の戴冠の余勢を駆って、お家芸とまで言われた[[LTU]]の奪還を目指す守矢神社としては、まずはここで快勝して弾みを付けたいところだったが、主力の[[神奈子]]の調子が、さすがに[[永琳]]、[[幽々子]]と激闘という言葉すら生ぬるい連戦を続けてきたためか、いまいちの状況。二柱のもう片方の[[諏訪子]]も、序盤で[[紫]]の隠し技とも言うべき、断崖式ドラゴンスープレックスを食らってしまい、大ダメージを受けてしまう。 そんな状況に奮起したか、ピープルズ腋巫女[[早苗]]様は出来るだけ一人で支えようと奮闘するも、それこそが老練な紫の思うつぼ。最後は短いタッチワークでつなぎ、自コーナーから早苗を逃がさない状況を作り出し、最後は紫の必殺技「光と闇の網目」が早苗に炸裂し、ピンフォール負けとなってしまった。 試合後、相手の術中に見事にはめられたことに、今更ながら反省しきりの早苗様をよそに、紫は神奈子を挑発し、LSW挑戦に名乗りを上げた。 そこに乱入してきたのが、前試合でも挑戦を匂わせていた霊夢。自分こそが挑戦者にふさわしいと見得を切る、自称「ルナセレブ」に、神奈子は挑戦者はいつものようにコンテンダーマッチで決めれば良いと返し、さらに「私は誰の挑戦でも受ける」と言い切った。 その神奈子を襲ったのは、まさかの諏訪子。いきなりスワンダイブ式のクロスボディを決めると、自分も王者に挑戦し、神としてどちらが上か決着付けると息巻いた。その勢いに、紫も霊夢もコンテンダーマッチを3WAY[[BR]]の形式でやることを承諾。 しかし、霊夢は「自分が不利だから」という理由でレフェリーを[[パチェ]]にするように求め、受け入れられてしまう。 こうして、次回大会で **[[LSW]]次期挑戦者決定戦 3WAYバトルロイヤル&br(){} [[紫]]([[八雲家]]) vs [[霊夢]]([[GM軍]]) vs [[諏訪子]]([[守矢神社]]) (レフェリー:[[パチェ]](GM軍)) が決定した。 元々の紫の思惑としては、霊夢との因縁にシングルマッチで決着を付けるため、霊夢が必ず食いつくであろうLSWタイトルを使ったというところだったのであろうが、これまで一糸乱れぬ団結を誇ってきた守矢神社内部からの思わぬ造反劇に、観客の興味は一瞬にして「第二次諏訪大戦は起こるのか否か」に萃まってしまったのは否めないところであった。 ***第4試合 NEXTトーナメント決勝戦 [[穣子]]([[秋姉妹]]) vs [[リグル]]([[⑨軍]]) 前試合終了後の思わぬ展開に観客の興奮冷めやらぬ中、ここまで3大会に渡る長丁場で行われてきたNEXTトーナメントもついに決勝の時を迎えた。 片や、バックドロップを磨き上げ、強敵をリングに叩きつけてここまできた秋の神。 片や、USCこと[[幽香]]から伝授されたスーパーリグルキックを得て、強敵を貫いてここまできた夏の螢。 このトーナメント戦で頂点を極めるのはどちらかのみ。そのゴングがついに鳴らされる時がきた。 奇しくも姉[[静葉]]、そして[[椛]]と「秋の仲間」を破ってここまで来たリグルに、秋の敵討ちと闘志を燃やす穣子だったが、序盤はまずはリグルのペース。掟破りの逆DDTから、リグルキック、そしてさらにDDTと穣子にダメージを与えていく。 しかし穣子も伊達にここまで勝ち上がってきたわけではない。走り回るリグルに、投げ中心のスタイルでは対応できないとみるや、こちらにも蹴りはあるとばかりに、綺麗なドロップキックで撃墜する。 今度はリグルが、それならこっちも投げはあるとばかりにアトミックドロップ、そして掟破りの逆バックドロップを仕掛ける。 畳み掛けるリグルに対し、温存しているのか出せないのか、バックドロップを打てない穣子。 試合も中盤に入り、ややリグルペースかというところで、リグルは串刺し式リグルキック、高々と持ち上げてのブレーンバスターからサイドバスターと流れるような連続技で一気にカウント2.9まで追い込む。 だが秋はまだまだ終わるものかと、穣子はリグルを場外に放り出すと、自ら走り、トップロープから奈落断崖式ドロップキックという大技を放つと、それでもリングに戻るリグルに、一回戦で見せたランニングバックドロップホールドかと思わせて意表を突く逆さ押さえ込みで、こちらもカウント2.9に追い込む。 さらにDDTで虫殺しと仕掛ける穣子が見せた一瞬の隙を突いたのは、リグルの幽香直伝スーパーリグルキック。 しかしそれを2.9で辛くも返す穣子。そしてついに解禁、捻り式バックドロップに、ファンの間では「ありがてぇ」と拝む姿も。 /さらに後頭部にドロップキックを仕掛けておいてからのフォールはカウント2.9。ならばさらに投げるのみと、捻り式スパインバスターに、コーナーポストに打ち付ける捻り式バックドロップを放ち、さらに自らトップロープから二回目のミサイルキック。 リグルも、シャイニングリグルキックで反撃ののろしを上げると、自らリング外に出て、トップロープを飛び越えてのフライングボディアタック。 穣子の反撃も抑えてダブルリスト・アームサルト・スープレックス。穰子はカウント2.9返すもさらにブレーンバスター、2発目のスーパーリグルキックの直撃を受けてしまった。 万事休す。秋もこれで終演か、と誰もが思ったが、それすらも2.9で返す穣子。今度はこちらの番だとばかりに、リグルをコーナーポストの上に抱え上げ、放つは橋姫をも葬った、殺神式と並び称される、雪崩式バックドロップ。 これが決め手となり、ついに3カウント。勝利は豊穣の神に舞い降りた。 試合後、いつものように「おーたむ!おーたむ!」で締めた穣子(ちなみにリグルはやらされるものかと逃亡)は、[[静葉]]の祝福に応えつつ、2人でLU3Tを、という姉に対して、その前にやりたいことがあると返答。 言うまでも無く、その目標は[[LU3W]]。 前回の防衛戦で首を痛めたため、試合は欠場していた王者[[美鈴]]もその場に登場し、穣子の挑戦を承諾。ここで、 **[[LU3W]]タイトルマッチ [[美鈴]](王者・[[紅魔館]]) vs [[穣子]](挑戦者・[[秋姉妹]]) が正式に決定となった。 ***第5試合 シングルマッチ 伝統の[[マリアリ]]戦 [[魔理沙]]([[O.D.S]]) vs [[アリス]]([[ARMS]]) もはや語るまでもない。東プロの歴史そのものと言っても過言ではないこの2人のシングル直接対決は、しかし意外にもかなり昔のこととなる。 その時は、文字通り魔理沙に一方的に手玉に取られるだけだったアリス。だが、彼女の進化はここが原点となったといっても過言ではない。 今や軍団を束ねるまでになったアリスに対し、一見するとその頃と変わらない風の魔理沙。その勝負の行方は? 試合前に2人が軽くマイクでジャブを交わしてから、ゴングが打ち鳴らされる。と同時に、魔理沙は怒濤のパワープロレスを展開、金的攻撃も交え、早くもこれまでと同様に一方的な展開か、と思わせるが、そんなことはないとアリスは蹴リス砲を炸裂。さらに得意の絞め技ロイヤルストレッチを仕掛け、パワーも取り入れて進化したブレインプロレスの一端を見せる。 しかし、そんなのに付き合ってられないぜとばかりにパワー炸裂の魔理沙は、ラリアット、ドロップキックと重い打撃。それに対してアリスもフェイマサーから始まる怒濤の打撃攻撃。後頭部への蹴リス砲に続きがぶりからのネックロックと首を攻める。パワーに勝る魔理沙は力ずくでそれを振り解くが、さらにアリスは三角締め、そして[[LU3W]]タイトルマッチで解禁した、がぶりの姿勢からくるっと回転してのスピニングチョークで執拗に首にダメージを与え続け、[[レティ]]戦や[[美鈴]]戦で見せた以上の執念にファンも一瞬静まりかえる。 流石に大きく呼吸を乱された魔理沙は、背後に回ってドラゴンを狙うが、そんなことは百も承知のアリスは背後を取らせず、ロープに振って顔面への蹴リス砲。たまらず倒れた魔理沙をフォールして、早くもカウント2.9まで追い詰める。 魔理沙にダメージがたまっていることを確信したか、ここでアリスは必殺の首吊り蓬莱人形を発動し、さらに首を極めるもここはロープブレイク。 しかしアリスは止まらない。さらに腹部に膝蹴り、倒れたところでさらにフットスタンプと呼吸を乱させておいて、素早く今度はリング中央での蓬莱人形発動。ようやく力を振り絞って魔理沙はそれを振り解くが、ここまで押されるとは魔理沙本人もファンも思っていなかった展開に、場内にはざわめきが広がる。 しかし、ここまでの攻防でアリスも大きく体力を消耗しており、蓬莱人形から抜けた魔理沙に対してさらに追撃に行けなかった。 これがこの試合の一つのターニングポイントとなる。 仕切り直した魔理沙は、マッケンローでアリスをなぎ倒して反撃の狼煙を上げる。倒れたアリスにストンピングを落とすが、ここでアクシデント。 当たり所が悪かったのか、アリスの額が切れて流血。ついにマリアリ戦で血を見ることとなる。 出血は当然、より以上に体力を消耗する。元々魔理沙と比較してスタミナに難があるアリスは、より早く決着を迫られることになってしまう。 それでも果敢に攻めるアリスだが、再びがぶりからスピニングチョークを狙うも、同じ技は二度も受けないぜと強引にパワーで持ち上げ、叩きつける魔理沙。さらにインサイドガード状態の魔理沙に下からの三角締めを狙うアリス、そしてそれを強引に持ち上げて叩きつけることで封じる魔理沙と、プロレスというより総合格闘技を思わせる攻防に、ファンの間からも驚きと賞賛の声が上がる。 攻防を制して完全に調子を取り戻した魔理沙は、ここからは私の時間だぜとばかりに、出血するアリスの顔にジャンピングニー、ロープに振ってのラリアットと打撃を仕掛け、さらにマッケンローでリングに這わせて金的と歪みないラフ殺法を仕掛ける。が、アリスもただやられるわけがない。 再びがぶりの姿勢から、魔理沙がスピニングチョークを警戒していると見るや切り替えてのDDT、そして隙を見せた魔理沙に背後からの胴締めスリーパーとブレインプロレスらしい動きで翻弄する。 出血で体力がどんどん奪われていることを自覚してか、ここからアリスに焦りが見え始める。スリーパーがロープブレイクとなった後、すぐさまドールミラセティもまたロープブレイク。切り返して魔理沙はオクラホマスタンピードでマットに叩きつけ、引き起こしてのマッケンローと足を封じにかかる。しかしそのまま素直にやられはしないとアリスもフェイマサーで反撃するが、魔理沙は再びロープに振って渾身のラリアット。さらにもう一度ロープに振って今度はスパインバスターで叩きつけ、後頭部から叩きつけられたアリスはカウント2.9で危うく生還。しかし、出血と頭部への打撃で半ば意識は朦朧とするアリスに、魔理沙はさらに畳み掛け、投げっぱなしのパワーボムで叩きつけておき、引きずり起こして背後を取る。 ついにとどめのドラゴンか、と思われたが、なぜか魔理沙はそこでドラゴンにいかず、そのまま真下に叩きつけた。起死回生となったアリスは、かつて魔理沙からピンを奪った技、ダブルアームスープレックスを仕掛けるも、カウント2.9。しかし魔理沙も確実にダメージを受けていることを確信し、アリスはさらにがぶりからのDDTを仕掛け、高角度エビ固めをかけるもロープブレイク。ならばと二発目のドールミラセティだが、魔理沙はこれもカウント2.9で返す。 もはや両方とも意地での試合となったところで、魔理沙が仕掛ける。リングが一瞬揺れるほどのパワーボムでアリスが一瞬意識が飛んだところで、コーナーポストに上がり、前方回転してのミサイルキックを放つ。直撃して、ふらふらになったアリスを掴み、持ち上げる魔理沙。もう一度パワーボムかと思われたところで、さらに高く持ち上げて、リングに叩きつける魔理沙。もはやそれを返す力はなく、アリスはついに魔理沙の前に沈み、3度目の対決も魔理沙に軍配が上がった。0 試合後、魔理沙は最後の技はアリスが背後を取らせてくれないので即興で作った技だと明かし、技名について「ボムをドラゴン風に仕上げてみました。」と発表。 しかし食らったアリスが異を唱え、「マスタースパーク」を提案。魔理沙も勝手に呼べと応えたため、技名はそのようになった。 その後、アリスは今回の負けを認め、「ドラゴンなしで負けたんだから、こちらの完敗」と述べてリングを後にしようとした。が、その背後を取った魔理沙がいきなりそのドラゴンメテオスープレックスをアリスに仕掛け、「お持ち帰り用もあるんだぜ」と高笑い。激戦の疲労に加えて出血もあったアリスはその一撃で失神してしまう。 救出に来た[[萃香]]は、改めてアリスの分も[[LTU]]奪取を誓うが、魔理沙は一笑に付し、「ARMSに最高のバッドエンドをプレゼントするぜ」と言い残してリングを後にした。 ***第6試合・セミファイナル [[LTW]]タイトルマッチ [[文]]&[[小町]](挑戦者・[[本部軍]]) vs [[妹紅]]&[[慧音]](第四代王者・[[GM軍]]) 前回大会にて行われたコンテンダーマッチで、正直、[[椛]]意外は誰も想像しなかったと言っても過言ではなかった金星を、かの[[スカーレット姉妹>スカーレット家]]から挙げ、ついに[[あやこま]]は、タッグの頂点に手をかけるところまできた。 しかし、その頂点の前に立ちふさがるはあまりにも高い壁、[[もこけーね]]。 昨今の[[GM軍]]内部のもめ事があるとはいえ、個々の選手としての力量も、そして何よりタッグとしてのコンビネーションも最強と謳われる2人を前に、果たして、奇跡はまたしても起こるのか? それとも、もこけーねが順当に自らの防衛記録を伸ばすだけに終わるのか? ついにゴングが鳴らされる! レフェリーは、GM軍がらみの試合のため、当然のごとく[[パチェ]]であり、この点からもあやこまは不利と見られていた。 そんな中、放送席には、あやこまの実況といえばこの2人、[[イヌ科実況コンビ]]が座り、相変わらずの[[椛]]の贔屓実況とそれにツッコミを入れる[[藍]]という図式が選手入場のシーンから繰り広げられる。 そして始まった試合は、ここしばらく好調を維持している小町が、その勢いのまま王者組に襲いかかる。しかし、そこはもはやベテランといえる王者組、そう易々とペースは握らせないと、妹紅がターンバックルに頭を打ち付け、さらに椰子の実割りで長身の小町を一回転させ、怯んだところに飛び膝蹴りを一閃。 さらにマウントパンチと、審判も味方にした反則すれすれのラフ殺法でペースを取り戻す。 バックドロップで妹紅に一矢報いたところで文と交代する小町。前回大会で妹紅に襲われ屈辱の失神という目にあったことを根に持っていたのか、2人がかりのパワーボムに、ロックボト…ブックエンドで攻撃を浴びせる文。しかし王者組は冷静に交代すると、慧音は挨拶代わりに文をロープに振り、妹紅から伝授されたヴォルけーね・瞬を叩き込み、たまらず倒れた文をバッファロースリーパーで締め上げる。 一方、その頃放送席では、椛と藍が、例によって身内自慢を繰り広げており、実況の体をなしていない状況となっていた。が、ここで視聴者驚愕の展開。 いきなり、[[にとり]]が放送を切り替え、第二放送席に控えていた[[早苗]]と[[映姫本部長>山田]]の副音声実況が開始されるという、前代未聞の実況交代劇に。 リングの方では、互角の展開ながらも、要所を押さえているのは、やはり王者組。そしてついに慧音がハリけーねミキサーを解禁して文のお腹を貫き、悶絶する文。慌てて小町が救出に走り、カウント2で文は生還。 交代して登場の小町は、こちらも隠していた技を解禁。[[美鈴]]を思わせる蹴りのコンビネーションから、自らロープに走ってのラリアットで妹紅を倒す。 しかし、押さえ込もうとしたところで、救出に駆け寄ってきた慧音に邪魔され、さらに立ち上がった妹紅にリングの外に蹴り落とされてしまい、ペースを握れない。 一方、小町がリングに戻るまで休んでいた王者組が、ここで一気にスパートに出る。妹紅が飛びつきDDTからマウントパンチで小町の体力を削り、それでもようやく起き上がった小町に、慧音が豪快な必殺技・日出づる国の天子を叩き込む。 大ダメージを受けてしまった小町は、それでも間隙を突いて文にタッチし脱出に成功。 ここで、第二放送席に、マイクを切られてしまったことに気付いたイヌ科実況コンビが乱入。4人による実況という豪華な放送席になったが、リングの上はそんなことは気にせずとばかりにヒートアップ。 文がそれなりに奮闘し、妹紅を自コーナーに逆さづりにして掌打を浴びせ、そのまま押さえ込んでカウント2.9。思わぬことに飛び出してきた慧音を、こちらもリングインした小町がとらえ、必殺のデスブランドの体勢に、というところで起き上がった妹紅がそれを潰し、悪に染まりながらも最強タッグは伊達じゃないという流石のコンビネーションを見せると、技を封じられてダメージを受けてしまった小町に、さらに追い打ちの本家本元・フジヤマヴォルケイノ・イラプションを叩き込む。 これだけ大技を続けざまに食らってしまった小町はもう死に体と見切ったか、以降王者組は文に狙いを絞る戦術に出る。小町が動けない間、事実上2対1の戦いを強いられ、ただでさえ耐久力には難があると言われる文は、それでもこれまでに見られなかった必死さで、相手をがむしゃらに押さえ込むが、やはり相手のパートナーに的確なカットをされてしまい、万事休すの雰囲気が漂い始める。 そしてついに、満を持して妹紅は文にフジヤマ・ヴォルケイノIIを放つ。が、これが青コーナー目の前だったため、ぎりぎりで小町がなんとかカット。 駆け寄ってくる慧音も妹紅も小町に視線を向けた隙をついて、文が起死回生のリバース・フランケンシュタイナーで妹紅を投げつけると、三段蹴りを浴びせ、ロープに走ってのトルベジーノで妹紅をリングに叩きつける。ここで黄金パターンのサルタクロスに繋いでいると、技を掛けている間に慧音に潰されると判断してそのまま押さえ込む文だが、その判断をも上回る速度で飛び出した慧音の的確なカットに潰されてしまい、そしてフジヤマが三度火を噴く、ヴォルケイノ・イラプション。 完全に万事休す、と誰もが思ったであろうこの時、文が底力を見せる。思わず早苗も「キッセーキ☆」と口走ったカウント2.9から自力での生還を果たすと、そのまま風神スライディングキックで、ついに妹紅を退ける。 しかし、それに代わって、満を持しての登場は、十分に休んでいた慧音。文を赤コーナーに叩きつけ、さらに串刺し式ハリけーねミキサーで手荒い指導を加える。満身創痍となった文は、それでも一瞬の隙を突いて慧音に回転エビ固めを仕掛けるが、既に固めきる力もなく振り解かれるていたらく。 あとはどう料理するか、という状況で、慧音はロープに逃げられないようにと、文をリング中央まで引きずり戻す。が、文は、まだ死んではいなかった。 バックを取ろうとした慧音をカンガルーキックで吹っ飛ばし、完全に不意を突かれた慧音が倒れる中、コーナーに駆け上がる。 この期に及んでの疾さに、一瞬文を見失った慧音に向かって、コーナー最上段から飛翔。かつて、鬼をも倒した天狗の乾坤一擲の大技、「なんだかよくわからないけどすごい技」が再び、このリングで炸裂し、これで勝負あり。まさかのスリーカウントで、あやこまが勝利を掴んだ。 観客も椛もまさかの逆転勝利に声を上げる中、勝利の立役者となった文がリングの上で思わず泣き出し(泣きながらも暴言を吐くのが文らしいが)、それを慰める小町も、勝利の喜びに浸る。 だが、さらに驚天動地の展開がこの後繰り広げられる。 レフェリーのパチェが、リングの下から鎌を発見し、小町の反則だとして挑戦者組の反則負けをコールしようとしたのだ。 しかし、それを止めたのは、負けた側の慧音だった。正々堂々と戦って負けたのが事実だから、姑息な真似をするなとパチェを一喝する慧音。 それに対してパチェは、ベルトを失うのはGM軍として困ると答えたが、これが慧音の逆鱗に触れた。 慧音は静かに、これ以上己のプライドを汚すようなことはしたくない、とGM軍からの離反を宣言した。 慌てて翻意を求めようとした[[GM天子>天子]]を押しのけ、以前から軍団内で対立していた[[輝夜]]がリングインし、慧音に離反してどうするのかを尋ねる。 それに対し、慧音は妹紅に、もう一度最初からやり直さないかと誘いをかけるが、妹紅は、そういう綺麗事は一人でやってくれとあしらい、このタッグだけは別れることはないと信じられてきた最強タッグの分裂に、観客達からも驚愕の声が上がる。 こちらも思ってなかった展開だったのか、絶句する慧音。そんな慧音をあざ笑いながら、妹紅にすり寄る輝夜は、だが次の瞬間マットに叩きつけられていた。 フジヤマ・ヴォルケイノIIで輝夜を投げ捨てると、妹紅は「慧音のそういうところは嫌いじゃないが、お前は死ぬほど嫌いだ」と吐き捨て、自らもGM軍を離脱して慧音と行動を共にすると告げる。 そこでようやく[[霊夢]]達GM軍の残りメンバーもリングインし、裏切り者への制裁を高らかに宣言した。しかし、もこけーねが同じ方向を向いているならそのような妨害は何でもないとばかりに、慧音は新王者達に、自分たちが取り返すまでベルトを頼むと言い残し、リングを去っていった。 そんな2人に、なんだかんだ言っても、やはり最強タッグであり、そして試合ではラフ攻撃はあったが反則はしなかったことを思い起こして、自然に観客からも、試合前とは打って変わって拍手が送られていた。 一方の新王者はといえば、ようやく我に返って泣き止んだ天狗が文字通りの天狗になり、小町がどさくさ紛れにサボり宣言をするといういつものあやこま節に、夢ではなく本当にあやこまが頂点を極めたのだと悟ったファンは、拍手と歓声を送るのだった。 ***第7試合 メインイベント [[LTU]]タイトルマッチ [[萃香]]&[[鈴仙]]&[[メディ]](挑戦者・[[ARMS]]) vs [[幽香]]&[[永琳]]&[[雛]](第二代王者・[[O.D.S]]) 前回大会にて、ついに激突した両軍団。しかし、誰もが思わぬ結末を迎え、そしてそれを経て決まったこのタイトルマッチ。 かつて、[[O.D.S]]が[[守矢神社]]からこのタイトルをもぎ取った時にも似た構図。そして前試合で[[あやこま]]が見せた、奇跡とも言える逆転勝利。 それらを見てもなお、超えるには高い高い壁を前にする[[ARMS]]。 そして、それを迎え撃つ[[O.D.S]]は、前哨戦で[[魔理沙]]がARMSリーダー[[アリス]]に快勝した勢いで、このまま3度目の防衛を果たせるか。 決戦の時、来る! 放送席には、前試合でタッグの頂点を極めた余韻さめやらぬ[[あやこま]]がつく。 試合は、まずメディと雛という組み合わせ。ここはメディの毒針地獄突きに軍配が上がるが、それに代わって登場したのは「月の頭脳」永琳。 徹底的に腕を殺しにかかる永琳に、メディは鈴仙にタッチ。因縁の師弟対決は、鈴仙がメディとの毒うどん砲でまずは先制すると、ここで永琳はあっさり幽香と交代。 しかしここで、鈴仙がこれまでに見せたことがないほどの動きを元師匠の前で披露する。 代わり際の連携技を阻止すると、出鼻をくじかれたゆうかりんをコーナーポストに抱え上げると、久しぶりに見せる雪崩式アイドリングウェーブ。 そしてすぐさまキャトルミューティレーション、さらに通常型アイドリングウェーブと大技を立て続けに炸裂させる。 幽香としてはあまりに計算外のダメージを受けて交代を余儀なくされ、それでも萃香と交代しようとする鈴仙に一発お返しをと追いかけたところで逆に鈴仙・萃香のすうどん砲まで食らってしまう始末。まずは鈴仙が見せ場を創って会場を沸かせた。 そんな幽香に代わって登場した雛が、スピニングトゥーホールド、タイガースピンと、この中で唯一の[[U3級]]とは思えない見事な回転で萃香を翻弄し、さらに回転パワーボム・フォーチュントルネードまで決めてみせ、いきなり萃香もカウント2.9まで追い込まれるが、ここはARMSが連携を見せる。 全員での雛を太鼓の乱れ打ちに続いて、萃香がお返しとばかりに岩石落としで反撃し、なんとか無差別級の面目を保つ。 両者交代して、この試合二度目の師弟対決は、まずは鈴仙が今度は元師匠をキャトルミューティレーションで捕獲。しかし、永琳は慌てずに地獄突き、ストマッククラッシャーを浴びせると、ロープに振って必殺の掌底から、再度のストマッククラッシャーでダメージを加え、関節技とはこういうものよとばかりに一瞬で入り込む飛びつき式腕ひしぎ逆十字。やはり師匠の壁はあまりに高すぎたか、鈴仙は代わり際にメディとの毒うどん砲で一矢報いるのがやっとという状態。しかし永琳無双は終わらず、代わって出てきたメディも先ほどと同じく毒針封じの腕殺しを継続し、時がきたと見るや壺中の大銀河を仕掛ける。 しかし、ここで救出に飛び出してきた2人に永琳が気を取られた隙を突いて、メディがカリブドトキシンデスロックで反撃。しかし、その間に復活していた幽香に側面から攻撃を受けてしまい、やむなく交代するも、それを追ってきた永琳には萃香のブロックバスターホールドに続いてジクロロジフェニルトリクロロエタンを浴びせ、一矢報いる意地を見せる。 ここで10分が経過。ややO.D.S優勢か、しかしARMSも見せ場を作り一方的ではない、という展開が続く。 流石にやや疲れが見えた永琳に、さらにバックドロップ、2発目のブロックバスターと攻める萃香。しかしここまでの流れを作った永琳は悠々と退き、代わって出てきた雛は、萃香に臆することなくクロスチョップ、さらにスピニングトゥーホールドで攻め、たまらず援護に飛び出してきたメディが毒針エルボーを放つが、それにはドラゴンスクリューでお返しと、あくまでも回転にこだわる雛らしいところを存分に見せる。やはり剛の萃香に柔の雛は相性が良いのか、さんざんぐるぐると回される萃香に代わって、鈴仙がリングイン。3連の投げを放って雛の回転を止めるとそのままホールド。阻止せんと飛び出すO.D.SにARMSも全員で飛び出し、両軍がリングで入り乱れる中、萃香とメディが永琳に合体パワーボムを仕掛け、そして鈴仙がキャトルミューティレーションと見事な連携で師匠に一矢報いる。 しかしその間に、雛は幽香にタッチ。ついに究極加虐生物がリングに再登場する。 それでも鈴仙は臆することなく、低空ドロップキックで幽香の膝を打ち抜くと、そのままアンクルホールドで足を攻める。しかし、これで目覚めたか、援護に出てきた萃香をボディスラムで叩きつけると、その間に雛がクレイジーサイクロンで打ち落とした鈴仙に、ついに必殺のVFT。しかしこれを返すと鈴仙は師匠の目の前で一瞬で入り込むクロスフェイスで締め上げる。そこから脱出した幽香は、さらにダブルスパークを炸裂させ、そのまま固める。が、元師匠の目の前で無様を見せられぬとカウント2で返すと、鈴仙は脱出に成功。後を萃香に託す。 ここに、前回大会で因縁となった2人がこの試合で初顔合わせとなった。 萃香はすぐさまミッシングパープルボムを浴びせるが、前回の雪辱に燃える幽香はカウント2.9で返す。しかし鬼の猛攻は止まらず、ヘッドバッドから、自らロープに走っての百万鬼夜行。しかしこれも2.9で返す幽香は、援護に飛び出してきた2人を蹴散らし、萃香をリバースフルネルソンからそのまま叩きつける。これはカウント2で返す萃香だが、さらに幽香はステップキックの連打で萃香を倒し、さらに腕殺しをしかけるが、援護に出てきたメディのコンパロシドホールドを受けてしまう。それでもまだ王者は退かぬとばかりに、萃香に向日葵落としを仕掛けるがこれもカウント2。それでも酒が切れてきたか、肩で息をする萃香。そこに2発目の向日葵落としで万事休すかと思われるが、ここはARMSの2人が飛び出して窮地を救い、萃香は生還。しかしO.D.Sも出てきた鈴仙を永琳と雛がトータルイリミネーションで倒して援護する。 ここで一段落と思いきや、さらに試合は過激さを増す。リング中央で萃香を捕らえた幽香は、ドSらしい起き上がり小法師チョップ。萃香はそれに応えるようにエクスプロイダーで幽香を豪快に投げ飛ばす。しかし固めようとするところでO.D.Sが援護に飛び出し、窮地を脱した幽香はファイナルカットから、ウォールオブゆうかりん、VFTに繋ぐ。 だが、萃香にも意地がある。ここで負けるものかと跳ね返すと、横で援護に出てきたメディが永琳にオモイカネディバイスを受けるのを見ながら、2発目のエクスプロイダー。両軍共に総力戦の様相を呈する。 既に両者ともに5分以上出ずっぱりだが、どちらも交代しようとしない幽香と萃香。あくまでも決着は2人で付けようという気迫に、残る4人もそれに応えるごとく、懸命の援護射撃を続ける。 マンハッタンドロップにアバランシュプレスと力で押しまくる萃香に、ここにきて動きが凄みを増す幽香はラリアットをかわしてのフランケンシュタイナー。 両者ノックダウン状態から一瞬早く立ち上がった萃香が、ロープに走っての百万鬼夜行。一回転した幽香をそのまま固めるが、永琳が飛び出してカット。 それではとばかりにリング外に幽香を放り出し、追撃しようとする萃香だが、ここは飛び出した雛が回転延髄切りでそれを阻止。しかしリング下ではこちらも頼りになるメディがコンパロシドホールドを発動してさらに幽香の首にダメージを与える。 そんなメディから逃れ、リングに戻った幽香は、今度は萃香をリングの外に放り出し、戻るまで休憩しようとするが、そうはさせじとメディが追撃。だが、それも望むところとばかりに、援護に飛び出してきた永琳の腕殺しから、幽香のVFTへと繋がれてしまう。が、インターバルなしにリングに戻った萃香がメディを救出。そしてサポーターを直すと、リングを全力疾走して豪腕を振り抜いた。3発目の百万鬼夜行に、飛び出した永琳も鈴仙とメディの毒うどん砲で撃墜され、さしもの幽香もついに力尽き、ここで3カウントを聞くことになった。 試合後、ともに10分以上出ずっぱりで対決した萃香と幽香は、まともに口もきけないほど疲労困憊しながらも、さらに戦う意志を見せる。 それを押し留めたのは永琳。前回、幽香に非情の宣告を下した永琳だったが、「頼れる人に倒れられるわけにはいかない」と発言する。 それは、この試合の幽香を評価し、O.D.Sのリーダーとして改めて認めることを意味しており、それを受けて幽香も、今は退くが、今度は挑戦者としてなりふり構わずに行くと宣言し、リングを後にした。 なお、去り際に永琳は鈴仙に、「今日のところはまずまずなんじゃない」と声を掛けており、それに対して鈴仙が反発しつつもベルトに相応しくなってみせると誓い、やはりこの元師弟の関係は一筋縄ではいかない複雑さをファンにも垣間見せる一幕があった。 戦前での評価では、O.D.S有利と見られていたこの試合も、終わってみるとARMSの勝利となったが、それは取りも直さず、ARMSの連携力が難攻不落と謳われたO.D.Sのそれに匹敵するまでにレベルアップしていたこと、そして何より鈴仙が、前回大会でのアリスと永琳の発破に応えるように意外な頑張りを見せたことが、その勝利をたぐり寄せたと言えよう。 こうして、全7試合が幕を閉じた。 前回大会でのLSWに続き、この大会でLTW、LTUと、2大会で無差別級の王者が全て入れ替わるという波乱は、逆に言えば東プロの新たなる成長の証とも言える。 特に、LTW、LTU共に、難攻不落と呼ばれた王者組に挑む挑戦者が、下馬評の不利を覆して勝利を奪うという展開で、改めてタッグマッチの奥深さと魅力を存分に見せるものとなった。 この後、どのような物語が紡がれて行くのか、ファンの期待をよそに、リングは再びスポットライトを浴びる日まで、一時の静寂を取り戻す。 &italic(){2009年12月24日} ---- 次興行『[[第40回大会詳報へ>第40回大会詳報]]』 ---- &link_edit(page=第39回大会詳報, text=このページを編集)
**第39回大会詳報 -[[大会詳報]]へ戻る ---- ついに至高の座の主が入れ替わり、新たな時代を迎えた東方プロレス。 守矢の時代の幕開けとも言うべきこの大会は、残る2つの無差別級タイトルマッチが行われるという豪華なラインナップを揃えていた。 しかも、それぞれのタイトルを持つのは[[LTW]]の[[GM天子軍]]、[[LTU]]の[[O.D.S]]と、東プロ二大ヒール軍団であり、どちらもヒールとして王座陥落は許されない状況。 張り詰めた空気は嫌がおうにも観客達の興奮を誘った。 それ以外にも、正月興行から始まった[[U3級]]NEXTトーナメントはついに決勝戦、そして久しぶりの[[マリアリ]]戦と、タイトルマッチ以外でもそれだけでメインを張れるクラスの試合を惜しみなく投入するあたりに、運営陣の、どんな状況であれ観客に対して手を抜くことは許さないという姿勢をひしひしと感じられるプログラムとなった。 いつものように、[[小町]]の試合予告アナウンスで、大会は幕を開けた。 前回同様に忘れたかったのか、それとも思わぬ快勝で験を担いだのか、またしても自分たちの出場試合のアナウンスを飛ばす小町に、[[本部長>映姫]]も呆れつつ突っ込み、第1試合のゴングと相成った。 ***第1試合 U3級時間差BR [[U3級]]では意外にも初めてとなる[[時間差BR>RR]]となった第1試合。 この試合が、しかし誰も予想だにしなかった展開となる。 ここ最近結果には結びつかないながらも好調な[[ルーミア]]が、ついにその眠れる才能の一端を垣間見せたり、[[パルスィ]]がついに念願の妬める相手として[[ルナサ]]をターゲットにしたりという展開をすべて吹っ飛ばしたのは、変な方向に覚醒した秋神[[静葉]]。 ついに念願の初勝利となったが、ファンもそれを素直に祝えない微妙な空気の中、それでも我らが[[総帥>チルノ]]が自ら体を張ってその増長に待ったをかけ、U3級らしい爽やかな(?)展開に、観客はいい感じに暖められた。 →展開の詳細については、[[U3級時間差BR]]参照。 ***第2試合 第2回[[魔理沙式イリミネーションマッチ>MIM]] [[紅魔館]] vs [[GM軍]] vs [[白玉楼]] 第2試合は、いわゆる3WAYタッグマッチ、考案者の[[魔理沙]]の名前を取って「魔理沙式イリミネーションマッチ」の 2回目の実施となった。 [[紅魔館]]は、前回不覚を取った[[おぜうさま>レミリア]]に[[咲夜]]の主従コンビ。[[GM軍]]は、いい加減「太巫女」の声を払拭したい[[霊夢]]が今回は[[衣玖]]を伴って登場、そして[[白玉楼]]は[[幽々子]]が、[[妖夢]]を連れて登場となった。 奇しくも、各チームに一人ずつ至高のLSW保持者がいるという豪華な編成を第2試合に持ってくるという展開に、観客は驚きつつも興奮のボルテージが一気に上がる。 こうして始まった試合だが、やはり前回大会で不覚を取ったのが心理的に響いているのか、いつもの軽快さが見られない[[レミリア]]。 しかし、そのような時こそ主を従者が支えるべき。スーパー瀟洒カップ優勝者の名は伊達じゃない、とばかりに[[咲夜]]が大爆発。まずは従者の手本をご覧なさいとばかりに妖夢を放り出す。そして非情に徹し「誰かにやられるくらいなら私の手で」と、危険な状況になった[[レミリア]]を自らリング外に放り出し、憂いを絶つと孤軍奮闘。幽々子も自らリング外に放逐する、金星ともいえるポイントを上げる。 が、ここが3WAYタッグマッチの怖いところ。気づいてみると、残る[[GM軍]]は2人とも健在で、それでもイクサンは葬ったものの、それまでスタミナを温存していた霊夢に最後の最後で敗れ、優勝も[[GM軍]]という結果となってしまった。 咲夜には気の毒としか言いようがない結果だが、その結果に持ち込んだ霊夢の戦略眼には唸らされる観客も多かった。 しかし、未だに紅魔館唯一無冠ながらも、自分と霊夢を除く4人を放り出した上に、霊夢とも互角に戦った咲夜を改めて評価する声もまた多く上がっていた。 そんな中、霊夢はLSW王者が前回大会で変わったことに触れ、「ファイトマネーが出るなら挑戦してやらなくもないわ」と言い残してリングを後にした。 ***第3試合 6人タッグマッチ [[八雲一家>八雲家]] vs [[守矢神社]] 前回大会で至高の座をついに手に入れ、嫌がおうにも盛り上がる[[守矢神社]]。今日の相手は仲の良さならこちらも負けていない、[[八雲一家>八雲家]]。互いにフルメンバーの6人タッグマッチとなった。 [[神奈子]]の戴冠の余勢を駆って、お家芸とまで言われた[[LTU]]の奪還を目指す守矢神社としては、まずはここで快勝して弾みを付けたいところだったが、主力の[[神奈子]]の調子が、さすがに[[永琳]]、[[幽々子]]と激闘という言葉すら生ぬるい連戦を続けてきたためか、いまいちの状況。二柱のもう片方の[[諏訪子]]も、序盤で[[紫]]の隠し技とも言うべき、断崖式タイガードライバーを食らってしまい、大ダメージを受けてしまう。 そんな状況に奮起したか、ピープルズ腋巫女[[早苗]]様は出来るだけ一人で支えようと奮闘するも、それこそが老練な紫の思うつぼ。最後は短いタッチワークでつなぎ、自コーナーから早苗を逃がさない状況を作り出し、最後は紫の必殺技「光と闇の網目」が早苗に炸裂し、ピンフォール負けとなってしまった。 試合後、相手の術中に見事にはめられたことに、今更ながら反省しきりの早苗様をよそに、紫は神奈子を挑発し、LSW挑戦に名乗りを上げた。 そこに乱入してきたのが、前試合でも挑戦を匂わせていた霊夢。自分こそが挑戦者にふさわしいと見得を切る、自称「ルナセレブ」に、神奈子は挑戦者はいつものようにコンテンダーマッチで決めれば良いと返し、さらに「私は誰の挑戦でも受ける」と言い切った。 その神奈子を襲ったのは、まさかの諏訪子。いきなりスワンダイブ式のクロスボディを決めると、自分も王者に挑戦し、神としてどちらが上か決着付けると息巻いた。その勢いに、紫も霊夢もコンテンダーマッチを3WAY[[BR]]の形式でやることを承諾。 しかし、霊夢は「自分が不利だから」という理由でレフェリーを[[パチェ]]にするように求め、受け入れられてしまう。 こうして、次回大会で **[[LSW]]次期挑戦者決定戦 3WAYバトルロイヤル&br(){} [[紫]]([[八雲家]]) vs [[霊夢]]([[GM軍]]) vs [[諏訪子]]([[守矢神社]]) (レフェリー:[[パチェ]](GM軍)) が決定した。 元々の紫の思惑としては、霊夢との因縁にシングルマッチで決着を付けるため、霊夢が必ず食いつくであろうLSWタイトルを使ったというところだったのであろうが、これまで一糸乱れぬ団結を誇ってきた守矢神社内部からの思わぬ造反劇に、観客の興味は一瞬にして「第二次諏訪大戦は起こるのか否か」に萃まってしまったのは否めないところであった。 ***第4試合 NEXTトーナメント決勝戦 [[穣子]]([[秋姉妹]]) vs [[リグル]]([[⑨軍]]) 前試合終了後の思わぬ展開に観客の興奮冷めやらぬ中、ここまで3大会に渡る長丁場で行われてきたNEXTトーナメントもついに決勝の時を迎えた。 片や、バックドロップを磨き上げ、強敵をリングに叩きつけてここまできた秋の神。 片や、USCこと[[幽香]]から伝授されたスーパーリグルキックを得て、強敵を貫いてここまできた夏の螢。 このトーナメント戦で頂点を極めるのはどちらかのみ。そのゴングがついに鳴らされる時がきた。 奇しくも姉[[静葉]]、そして[[椛]]と「秋の仲間」を破ってここまで来たリグルに、秋の敵討ちと闘志を燃やす穣子だったが、序盤はまずはリグルのペース。掟破りの逆DDTから、リグルキック、そしてさらにDDTと穣子にダメージを与えていく。 しかし穣子も伊達にここまで勝ち上がってきたわけではない。走り回るリグルに、投げ中心のスタイルでは対応できないとみるや、こちらにも蹴りはあるとばかりに、綺麗なドロップキックで撃墜する。 今度はリグルが、それならこっちも投げはあるとばかりにアトミックドロップ、そして掟破りの逆バックドロップを仕掛ける。 畳み掛けるリグルに対し、温存しているのか出せないのか、バックドロップを打てない穣子。 試合も中盤に入り、ややリグルペースかというところで、リグルは串刺し式リグルキック、高々と持ち上げてのブレーンバスターからサイドバスターと流れるような連続技で一気にカウント2.9まで追い込む。 だが秋はまだまだ終わるものかと、穣子はリグルを場外に放り出すと、自ら走り、トップロープから奈落断崖式ドロップキックという大技を放つと、それでもリングに戻るリグルに、一回戦で見せたランニングバックドロップホールドかと思わせて意表を突く逆さ押さえ込みで、こちらもカウント2.9に追い込む。 さらにDDTで虫殺しと仕掛ける穣子が見せた一瞬の隙を突いたのは、リグルの幽香直伝スーパーリグルキック。 しかしそれを2.9で辛くも返す穣子。そしてついに解禁、捻り式バックドロップに、ファンの間では「ありがてぇ」と拝む姿も。 /さらに後頭部にドロップキックを仕掛けておいてからのフォールはカウント2.9。ならばさらに投げるのみと、捻り式スパインバスターに、コーナーポストに打ち付ける捻り式バックドロップを放ち、さらに自らトップロープから二回目のミサイルキック。 リグルも、シャイニングリグルキックで反撃ののろしを上げると、自らリング外に出て、トップロープを飛び越えてのフライングボディアタック。 穣子の反撃も抑えてダブルリスト・アームサルト・スープレックス。穰子はカウント2.9返すもさらにブレーンバスター、2発目のスーパーリグルキックの直撃を受けてしまった。 万事休す。秋もこれで終演か、と誰もが思ったが、それすらも2.9で返す穣子。今度はこちらの番だとばかりに、リグルをコーナーポストの上に抱え上げ、放つは橋姫をも葬った、殺神式と並び称される、雪崩式バックドロップ。 これが決め手となり、ついに3カウント。勝利は豊穣の神に舞い降りた。 試合後、いつものように「おーたむ!おーたむ!」で締めた穣子(ちなみにリグルはやらされるものかと逃亡)は、[[静葉]]の祝福に応えつつ、2人でLU3Tを、という姉に対して、その前にやりたいことがあると返答。 言うまでも無く、その目標は[[LU3W]]。 前回の防衛戦で首を痛めたため、試合は欠場していた王者[[美鈴]]もその場に登場し、穣子の挑戦を承諾。ここで、 **[[LU3W]]タイトルマッチ [[美鈴]](王者・[[紅魔館]]) vs [[穣子]](挑戦者・[[秋姉妹]]) が正式に決定となった。 ***第5試合 シングルマッチ 伝統の[[マリアリ]]戦 [[魔理沙]]([[O.D.S]]) vs [[アリス]]([[ARMS]]) もはや語るまでもない。東プロの歴史そのものと言っても過言ではないこの2人のシングル直接対決は、しかし意外にもかなり昔のこととなる。 その時は、文字通り魔理沙に一方的に手玉に取られるだけだったアリス。だが、彼女の進化はここが原点となったといっても過言ではない。 今や軍団を束ねるまでになったアリスに対し、一見するとその頃と変わらない風の魔理沙。その勝負の行方は? 試合前に2人が軽くマイクでジャブを交わしてから、ゴングが打ち鳴らされる。と同時に、魔理沙は怒濤のパワープロレスを展開、金的攻撃も交え、早くもこれまでと同様に一方的な展開か、と思わせるが、そんなことはないとアリスは蹴リス砲を炸裂。さらに得意の絞め技ロイヤルストレッチを仕掛け、パワーも取り入れて進化したブレインプロレスの一端を見せる。 しかし、そんなのに付き合ってられないぜとばかりにパワー炸裂の魔理沙は、ラリアット、ドロップキックと重い打撃。それに対してアリスもフェイマサーから始まる怒濤の打撃攻撃。後頭部への蹴リス砲に続きがぶりからのネックロックと首を攻める。パワーに勝る魔理沙は力ずくでそれを振り解くが、さらにアリスは三角締め、そして[[LU3W]]タイトルマッチで解禁した、がぶりの姿勢からくるっと回転してのスピニングチョークで執拗に首にダメージを与え続け、[[レティ]]戦や[[美鈴]]戦で見せた以上の執念にファンも一瞬静まりかえる。 流石に大きく呼吸を乱された魔理沙は、背後に回ってドラゴンを狙うが、そんなことは百も承知のアリスは背後を取らせず、ロープに振って顔面への蹴リス砲。たまらず倒れた魔理沙をフォールして、早くもカウント2.9まで追い詰める。 魔理沙にダメージがたまっていることを確信したか、ここでアリスは必殺の首吊り蓬莱人形を発動し、さらに首を極めるもここはロープブレイク。 しかしアリスは止まらない。さらに腹部に膝蹴り、倒れたところでさらにフットスタンプと呼吸を乱させておいて、素早く今度はリング中央での蓬莱人形発動。ようやく力を振り絞って魔理沙はそれを振り解くが、ここまで押されるとは魔理沙本人もファンも思っていなかった展開に、場内にはざわめきが広がる。 しかし、ここまでの攻防でアリスも大きく体力を消耗しており、蓬莱人形から抜けた魔理沙に対してさらに追撃に行けなかった。 これがこの試合の一つのターニングポイントとなる。 仕切り直した魔理沙は、マッケンローでアリスをなぎ倒して反撃の狼煙を上げる。倒れたアリスにストンピングを落とすが、ここでアクシデント。 当たり所が悪かったのか、アリスの額が切れて流血。ついにマリアリ戦で血を見ることとなる。 出血は当然、より以上に体力を消耗する。元々魔理沙と比較してスタミナに難があるアリスは、より早く決着を迫られることになってしまう。 それでも果敢に攻めるアリスだが、再びがぶりからスピニングチョークを狙うも、同じ技は二度も受けないぜと強引にパワーで持ち上げ、叩きつける魔理沙。さらにインサイドガード状態の魔理沙に下からの三角締めを狙うアリス、そしてそれを強引に持ち上げて叩きつけることで封じる魔理沙と、プロレスというより総合格闘技を思わせる攻防に、ファンの間からも驚きと賞賛の声が上がる。 攻防を制して完全に調子を取り戻した魔理沙は、ここからは私の時間だぜとばかりに、出血するアリスの顔にジャンピングニー、ロープに振ってのラリアットと打撃を仕掛け、さらにマッケンローでリングに這わせて金的と歪みないラフ殺法を仕掛ける。が、アリスもただやられるわけがない。 再びがぶりの姿勢から、魔理沙がスピニングチョークを警戒していると見るや切り替えてのDDT、そして隙を見せた魔理沙に背後からの胴締めスリーパーとブレインプロレスらしい動きで翻弄する。 出血で体力がどんどん奪われていることを自覚してか、ここからアリスに焦りが見え始める。スリーパーがロープブレイクとなった後、すぐさまドールミラセティもまたロープブレイク。切り返して魔理沙はオクラホマスタンピードでマットに叩きつけ、引き起こしてのマッケンローと足を封じにかかる。しかしそのまま素直にやられはしないとアリスもフェイマサーで反撃するが、魔理沙は再びロープに振って渾身のラリアット。さらにもう一度ロープに振って今度はスパインバスターで叩きつけ、後頭部から叩きつけられたアリスはカウント2.9で危うく生還。しかし、出血と頭部への打撃で半ば意識は朦朧とするアリスに、魔理沙はさらに畳み掛け、投げっぱなしのパワーボムで叩きつけておき、引きずり起こして背後を取る。 ついにとどめのドラゴンか、と思われたが、なぜか魔理沙はそこでドラゴンにいかず、そのまま真下に叩きつけた。起死回生となったアリスは、かつて魔理沙からピンを奪った技、ダブルアームスープレックスを仕掛けるも、カウント2.9。しかし魔理沙も確実にダメージを受けていることを確信し、アリスはさらにがぶりからのDDTを仕掛け、高角度エビ固めをかけるもロープブレイク。ならばと二発目のドールミラセティだが、魔理沙はこれもカウント2.9で返す。 もはや両方とも意地での試合となったところで、魔理沙が仕掛ける。リングが一瞬揺れるほどのパワーボムでアリスが一瞬意識が飛んだところで、コーナーポストに上がり、前方回転してのミサイルキックを放つ。直撃して、ふらふらになったアリスを掴み、持ち上げる魔理沙。もう一度パワーボムかと思われたところで、さらに高く持ち上げて、リングに叩きつける魔理沙。もはやそれを返す力はなく、アリスはついに魔理沙の前に沈み、3度目の対決も魔理沙に軍配が上がった。0 試合後、魔理沙は最後の技はアリスが背後を取らせてくれないので即興で作った技だと明かし、技名について「ボムをドラゴン風に仕上げてみました。」と発表。 しかし食らったアリスが異を唱え、「マスタースパーク」を提案。魔理沙も勝手に呼べと応えたため、技名はそのようになった。 その後、アリスは今回の負けを認め、「ドラゴンなしで負けたんだから、こちらの完敗」と述べてリングを後にしようとした。が、その背後を取った魔理沙がいきなりそのドラゴンメテオスープレックスをアリスに仕掛け、「お持ち帰り用もあるんだぜ」と高笑い。激戦の疲労に加えて出血もあったアリスはその一撃で失神してしまう。 救出に来た[[萃香]]は、改めてアリスの分も[[LTU]]奪取を誓うが、魔理沙は一笑に付し、「ARMSに最高のバッドエンドをプレゼントするぜ」と言い残してリングを後にした。 ***第6試合・セミファイナル [[LTW]]タイトルマッチ [[文]]&[[小町]](挑戦者・[[本部軍]]) vs [[妹紅]]&[[慧音]](第四代王者・[[GM軍]]) 前回大会にて行われたコンテンダーマッチで、正直、[[椛]]意外は誰も想像しなかったと言っても過言ではなかった金星を、かの[[スカーレット姉妹>スカーレット家]]から挙げ、ついに[[あやこま]]は、タッグの頂点に手をかけるところまできた。 しかし、その頂点の前に立ちふさがるはあまりにも高い壁、[[もこけーね]]。 昨今の[[GM軍]]内部のもめ事があるとはいえ、個々の選手としての力量も、そして何よりタッグとしてのコンビネーションも最強と謳われる2人を前に、果たして、奇跡はまたしても起こるのか? それとも、もこけーねが順当に自らの防衛記録を伸ばすだけに終わるのか? ついにゴングが鳴らされる! レフェリーは、GM軍がらみの試合のため、当然のごとく[[パチェ]]であり、この点からもあやこまは不利と見られていた。 そんな中、放送席には、あやこまの実況といえばこの2人、[[イヌ科実況コンビ]]が座り、相変わらずの[[椛]]の贔屓実況とそれにツッコミを入れる[[藍]]という図式が選手入場のシーンから繰り広げられる。 そして始まった試合は、ここしばらく好調を維持している小町が、その勢いのまま王者組に襲いかかる。しかし、そこはもはやベテランといえる王者組、そう易々とペースは握らせないと、妹紅がターンバックルに頭を打ち付け、さらに椰子の実割りで長身の小町を一回転させ、怯んだところに飛び膝蹴りを一閃。 さらにマウントパンチと、審判も味方にした反則すれすれのラフ殺法でペースを取り戻す。 バックドロップで妹紅に一矢報いたところで文と交代する小町。前回大会で妹紅に襲われ屈辱の失神という目にあったことを根に持っていたのか、2人がかりのパワーボムに、ロックボト…ブックエンドで攻撃を浴びせる文。しかし王者組は冷静に交代すると、慧音は挨拶代わりに文をロープに振り、妹紅から伝授されたヴォルけーね・瞬を叩き込み、たまらず倒れた文をバッファロースリーパーで締め上げる。 一方、その頃放送席では、椛と藍が、例によって身内自慢を繰り広げており、実況の体をなしていない状況となっていた。が、ここで視聴者驚愕の展開。 いきなり、[[にとり]]が放送を切り替え、第二放送席に控えていた[[早苗]]と[[映姫本部長>山田]]の副音声実況が開始されるという、前代未聞の実況交代劇に。 リングの方では、互角の展開ながらも、要所を押さえているのは、やはり王者組。そしてついに慧音がハリけーねミキサーを解禁して文のお腹を貫き、悶絶する文。慌てて小町が救出に走り、カウント2で文は生還。 交代して登場の小町は、こちらも隠していた技を解禁。[[美鈴]]を思わせる蹴りのコンビネーションから、自らロープに走ってのラリアットで妹紅を倒す。 しかし、押さえ込もうとしたところで、救出に駆け寄ってきた慧音に邪魔され、さらに立ち上がった妹紅にリングの外に蹴り落とされてしまい、ペースを握れない。 一方、小町がリングに戻るまで休んでいた王者組が、ここで一気にスパートに出る。妹紅が飛びつきDDTからマウントパンチで小町の体力を削り、それでもようやく起き上がった小町に、慧音が豪快な必殺技・日出づる国の天子を叩き込む。 大ダメージを受けてしまった小町は、それでも間隙を突いて文にタッチし脱出に成功。 ここで、第二放送席に、マイクを切られてしまったことに気付いたイヌ科実況コンビが乱入。4人による実況という豪華な放送席になったが、リングの上はそんなことは気にせずとばかりにヒートアップ。 文がそれなりに奮闘し、妹紅を自コーナーに逆さづりにして掌打を浴びせ、そのまま押さえ込んでカウント2.9。思わぬことに飛び出してきた慧音を、こちらもリングインした小町がとらえ、必殺のデスブランドの体勢に、というところで起き上がった妹紅がそれを潰し、悪に染まりながらも最強タッグは伊達じゃないという流石のコンビネーションを見せると、技を封じられてダメージを受けてしまった小町に、さらに追い打ちの本家本元・フジヤマヴォルケイノ・イラプションを叩き込む。 これだけ大技を続けざまに食らってしまった小町はもう死に体と見切ったか、以降王者組は文に狙いを絞る戦術に出る。小町が動けない間、事実上2対1の戦いを強いられ、ただでさえ耐久力には難があると言われる文は、それでもこれまでに見られなかった必死さで、相手をがむしゃらに押さえ込むが、やはり相手のパートナーに的確なカットをされてしまい、万事休すの雰囲気が漂い始める。 そしてついに、満を持して妹紅は文にフジヤマ・ヴォルケイノIIを放つ。が、これが青コーナー目の前だったため、ぎりぎりで小町がなんとかカット。 駆け寄ってくる慧音も妹紅も小町に視線を向けた隙をついて、文が起死回生のリバース・フランケンシュタイナーで妹紅を投げつけると、三段蹴りを浴びせ、ロープに走ってのトルベジーノで妹紅をリングに叩きつける。ここで黄金パターンのサルタクロスに繋いでいると、技を掛けている間に慧音に潰されると判断してそのまま押さえ込む文だが、その判断をも上回る速度で飛び出した慧音の的確なカットに潰されてしまい、そしてフジヤマが三度火を噴く、ヴォルケイノ・イラプション。 完全に万事休す、と誰もが思ったであろうこの時、文が底力を見せる。思わず早苗も「キッセーキ☆」と口走ったカウント2.9から自力での生還を果たすと、そのまま風神スライディングキックで、ついに妹紅を退ける。 しかし、それに代わって、満を持しての登場は、十分に休んでいた慧音。文を赤コーナーに叩きつけ、さらに串刺し式ハリけーねミキサーで手荒い指導を加える。満身創痍となった文は、それでも一瞬の隙を突いて慧音に回転エビ固めを仕掛けるが、既に固めきる力もなく振り解かれるていたらく。 あとはどう料理するか、という状況で、慧音はロープに逃げられないようにと、文をリング中央まで引きずり戻す。が、文は、まだ死んではいなかった。 バックを取ろうとした慧音をカンガルーキックで吹っ飛ばし、完全に不意を突かれた慧音が倒れる中、コーナーに駆け上がる。 この期に及んでの疾さに、一瞬文を見失った慧音に向かって、コーナー最上段から飛翔。かつて、鬼をも倒した天狗の乾坤一擲の大技、「なんだかよくわからないけどすごい技」が再び、このリングで炸裂し、これで勝負あり。まさかのスリーカウントで、あやこまが勝利を掴んだ。 観客も椛もまさかの逆転勝利に声を上げる中、勝利の立役者となった文がリングの上で思わず泣き出し(泣きながらも暴言を吐くのが文らしいが)、それを慰める小町も、勝利の喜びに浸る。 だが、さらに驚天動地の展開がこの後繰り広げられる。 レフェリーのパチェが、リングの下から鎌を発見し、小町の反則だとして挑戦者組の反則負けをコールしようとしたのだ。 しかし、それを止めたのは、負けた側の慧音だった。正々堂々と戦って負けたのが事実だから、姑息な真似をするなとパチェを一喝する慧音。 それに対してパチェは、ベルトを失うのはGM軍として困ると答えたが、これが慧音の逆鱗に触れた。 慧音は静かに、これ以上己のプライドを汚すようなことはしたくない、とGM軍からの離反を宣言した。 慌てて翻意を求めようとした[[GM天子>天子]]を押しのけ、以前から軍団内で対立していた[[輝夜]]がリングインし、慧音に離反してどうするのかを尋ねる。 それに対し、慧音は妹紅に、もう一度最初からやり直さないかと誘いをかけるが、妹紅は、そういう綺麗事は一人でやってくれとあしらい、このタッグだけは別れることはないと信じられてきた最強タッグの分裂に、観客達からも驚愕の声が上がる。 こちらも思ってなかった展開だったのか、絶句する慧音。そんな慧音をあざ笑いながら、妹紅にすり寄る輝夜は、だが次の瞬間マットに叩きつけられていた。 フジヤマ・ヴォルケイノIIで輝夜を投げ捨てると、妹紅は「慧音のそういうところは嫌いじゃないが、お前は死ぬほど嫌いだ」と吐き捨て、自らもGM軍を離脱して慧音と行動を共にすると告げる。 そこでようやく[[霊夢]]達GM軍の残りメンバーもリングインし、裏切り者への制裁を高らかに宣言した。しかし、もこけーねが同じ方向を向いているならそのような妨害は何でもないとばかりに、慧音は新王者達に、自分たちが取り返すまでベルトを頼むと言い残し、リングを去っていった。 そんな2人に、なんだかんだ言っても、やはり最強タッグであり、そして試合ではラフ攻撃はあったが反則はしなかったことを思い起こして、自然に観客からも、試合前とは打って変わって拍手が送られていた。 一方の新王者はといえば、ようやく我に返って泣き止んだ天狗が文字通りの天狗になり、小町がどさくさ紛れにサボり宣言をするといういつものあやこま節に、夢ではなく本当にあやこまが頂点を極めたのだと悟ったファンは、拍手と歓声を送るのだった。 ***第7試合 メインイベント [[LTU]]タイトルマッチ [[萃香]]&[[鈴仙]]&[[メディ]](挑戦者・[[ARMS]]) vs [[幽香]]&[[永琳]]&[[雛]](第二代王者・[[O.D.S]]) 前回大会にて、ついに激突した両軍団。しかし、誰もが思わぬ結末を迎え、そしてそれを経て決まったこのタイトルマッチ。 かつて、[[O.D.S]]が[[守矢神社]]からこのタイトルをもぎ取った時にも似た構図。そして前試合で[[あやこま]]が見せた、奇跡とも言える逆転勝利。 それらを見てもなお、超えるには高い高い壁を前にする[[ARMS]]。 そして、それを迎え撃つ[[O.D.S]]は、前哨戦で[[魔理沙]]がARMSリーダー[[アリス]]に快勝した勢いで、このまま3度目の防衛を果たせるか。 決戦の時、来る! 放送席には、前試合でタッグの頂点を極めた余韻さめやらぬ[[あやこま]]がつく。 試合は、まずメディと雛という組み合わせ。ここはメディの毒針地獄突きに軍配が上がるが、それに代わって登場したのは「月の頭脳」永琳。 徹底的に腕を殺しにかかる永琳に、メディは鈴仙にタッチ。因縁の師弟対決は、鈴仙がメディとの毒うどん砲でまずは先制すると、ここで永琳はあっさり幽香と交代。 しかしここで、鈴仙がこれまでに見せたことがないほどの動きを元師匠の前で披露する。 代わり際の連携技を阻止すると、出鼻をくじかれたゆうかりんをコーナーポストに抱え上げると、久しぶりに見せる雪崩式アイドリングウェーブ。 そしてすぐさまキャトルミューティレーション、さらに通常型アイドリングウェーブと大技を立て続けに炸裂させる。 幽香としてはあまりに計算外のダメージを受けて交代を余儀なくされ、それでも萃香と交代しようとする鈴仙に一発お返しをと追いかけたところで逆に鈴仙・萃香のすうどん砲まで食らってしまう始末。まずは鈴仙が見せ場を創って会場を沸かせた。 そんな幽香に代わって登場した雛が、スピニングトゥーホールド、タイガースピンと、この中で唯一の[[U3級]]とは思えない見事な回転で萃香を翻弄し、さらに回転パワーボム・フォーチュントルネードまで決めてみせ、いきなり萃香もカウント2.9まで追い込まれるが、ここはARMSが連携を見せる。 全員での雛を太鼓の乱れ打ちに続いて、萃香がお返しとばかりに岩石落としで反撃し、なんとか無差別級の面目を保つ。 両者交代して、この試合二度目の師弟対決は、まずは鈴仙が今度は元師匠をキャトルミューティレーションで捕獲。しかし、永琳は慌てずに地獄突き、ストマッククラッシャーを浴びせると、ロープに振って必殺の掌底から、再度のストマッククラッシャーでダメージを加え、関節技とはこういうものよとばかりに一瞬で入り込む飛びつき式腕ひしぎ逆十字。やはり師匠の壁はあまりに高すぎたか、鈴仙は代わり際にメディとの毒うどん砲で一矢報いるのがやっとという状態。しかし永琳無双は終わらず、代わって出てきたメディも先ほどと同じく毒針封じの腕殺しを継続し、時がきたと見るや壺中の大銀河を仕掛ける。 しかし、ここで救出に飛び出してきた2人に永琳が気を取られた隙を突いて、メディがカリブドトキシンデスロックで反撃。しかし、その間に復活していた幽香に側面から攻撃を受けてしまい、やむなく交代するも、それを追ってきた永琳には萃香のブロックバスターホールドに続いてジクロロジフェニルトリクロロエタンを浴びせ、一矢報いる意地を見せる。 ここで10分が経過。ややO.D.S優勢か、しかしARMSも見せ場を作り一方的ではない、という展開が続く。 流石にやや疲れが見えた永琳に、さらにバックドロップ、2発目のブロックバスターと攻める萃香。しかしここまでの流れを作った永琳は悠々と退き、代わって出てきた雛は、萃香に臆することなくクロスチョップ、さらにスピニングトゥーホールドで攻め、たまらず援護に飛び出してきたメディが毒針エルボーを放つが、それにはドラゴンスクリューでお返しと、あくまでも回転にこだわる雛らしいところを存分に見せる。やはり剛の萃香に柔の雛は相性が良いのか、さんざんぐるぐると回される萃香に代わって、鈴仙がリングイン。3連の投げを放って雛の回転を止めるとそのままホールド。阻止せんと飛び出すO.D.SにARMSも全員で飛び出し、両軍がリングで入り乱れる中、萃香とメディが永琳に合体パワーボムを仕掛け、そして鈴仙がキャトルミューティレーションと見事な連携で師匠に一矢報いる。 しかしその間に、雛は幽香にタッチ。ついに究極加虐生物がリングに再登場する。 それでも鈴仙は臆することなく、低空ドロップキックで幽香の膝を打ち抜くと、そのままアンクルホールドで足を攻める。しかし、これで目覚めたか、援護に出てきた萃香をボディスラムで叩きつけると、その間に雛がクレイジーサイクロンで打ち落とした鈴仙に、ついに必殺のVFT。しかしこれを返すと鈴仙は師匠の目の前で一瞬で入り込むクロスフェイスで締め上げる。そこから脱出した幽香は、さらにダブルスパークを炸裂させ、そのまま固める。が、元師匠の目の前で無様を見せられぬとカウント2で返すと、鈴仙は脱出に成功。後を萃香に託す。 ここに、前回大会で因縁となった2人がこの試合で初顔合わせとなった。 萃香はすぐさまミッシングパープルボムを浴びせるが、前回の雪辱に燃える幽香はカウント2.9で返す。しかし鬼の猛攻は止まらず、ヘッドバッドから、自らロープに走っての百万鬼夜行。しかしこれも2.9で返す幽香は、援護に飛び出してきた2人を蹴散らし、萃香をリバースフルネルソンからそのまま叩きつける。これはカウント2で返す萃香だが、さらに幽香はステップキックの連打で萃香を倒し、さらに腕殺しをしかけるが、援護に出てきたメディのコンパロシドホールドを受けてしまう。それでもまだ王者は退かぬとばかりに、萃香に向日葵落としを仕掛けるがこれもカウント2。それでも酒が切れてきたか、肩で息をする萃香。そこに2発目の向日葵落としで万事休すかと思われるが、ここはARMSの2人が飛び出して窮地を救い、萃香は生還。しかしO.D.Sも出てきた鈴仙を永琳と雛がトータルイリミネーションで倒して援護する。 ここで一段落と思いきや、さらに試合は過激さを増す。リング中央で萃香を捕らえた幽香は、ドSらしい起き上がり小法師チョップ。萃香はそれに応えるようにエクスプロイダーで幽香を豪快に投げ飛ばす。しかし固めようとするところでO.D.Sが援護に飛び出し、窮地を脱した幽香はファイナルカットから、ウォールオブゆうかりん、VFTに繋ぐ。 だが、萃香にも意地がある。ここで負けるものかと跳ね返すと、横で援護に出てきたメディが永琳にオモイカネディバイスを受けるのを見ながら、2発目のエクスプロイダー。両軍共に総力戦の様相を呈する。 既に両者ともに5分以上出ずっぱりだが、どちらも交代しようとしない幽香と萃香。あくまでも決着は2人で付けようという気迫に、残る4人もそれに応えるごとく、懸命の援護射撃を続ける。 マンハッタンドロップにアバランシュプレスと力で押しまくる萃香に、ここにきて動きが凄みを増す幽香はラリアットをかわしてのフランケンシュタイナー。 両者ノックダウン状態から一瞬早く立ち上がった萃香が、ロープに走っての百万鬼夜行。一回転した幽香をそのまま固めるが、永琳が飛び出してカット。 それではとばかりにリング外に幽香を放り出し、追撃しようとする萃香だが、ここは飛び出した雛が回転延髄切りでそれを阻止。しかしリング下ではこちらも頼りになるメディがコンパロシドホールドを発動してさらに幽香の首にダメージを与える。 そんなメディから逃れ、リングに戻った幽香は、今度は萃香をリングの外に放り出し、戻るまで休憩しようとするが、そうはさせじとメディが追撃。だが、それも望むところとばかりに、援護に飛び出してきた永琳の腕殺しから、幽香のVFTへと繋がれてしまう。が、インターバルなしにリングに戻った萃香がメディを救出。そしてサポーターを直すと、リングを全力疾走して豪腕を振り抜いた。3発目の百万鬼夜行に、飛び出した永琳も鈴仙とメディの毒うどん砲で撃墜され、さしもの幽香もついに力尽き、ここで3カウントを聞くことになった。 試合後、ともに10分以上出ずっぱりで対決した萃香と幽香は、まともに口もきけないほど疲労困憊しながらも、さらに戦う意志を見せる。 それを押し留めたのは永琳。前回、幽香に非情の宣告を下した永琳だったが、「頼れる人に倒れられるわけにはいかない」と発言する。 それは、この試合の幽香を評価し、O.D.Sのリーダーとして改めて認めることを意味しており、それを受けて幽香も、今は退くが、今度は挑戦者としてなりふり構わずに行くと宣言し、リングを後にした。 なお、去り際に永琳は鈴仙に、「今日のところはまずまずなんじゃない」と声を掛けており、それに対して鈴仙が反発しつつもベルトに相応しくなってみせると誓い、やはりこの元師弟の関係は一筋縄ではいかない複雑さをファンにも垣間見せる一幕があった。 戦前での評価では、O.D.S有利と見られていたこの試合も、終わってみるとARMSの勝利となったが、それは取りも直さず、ARMSの連携力が難攻不落と謳われたO.D.Sのそれに匹敵するまでにレベルアップしていたこと、そして何より鈴仙が、前回大会でのアリスと永琳の発破に応えるように意外な頑張りを見せたことが、その勝利をたぐり寄せたと言えよう。 こうして、全7試合が幕を閉じた。 前回大会でのLSWに続き、この大会でLTW、LTUと、2大会で無差別級の王者が全て入れ替わるという波乱は、逆に言えば東プロの新たなる成長の証とも言える。 特に、LTW、LTU共に、難攻不落と呼ばれた王者組に挑む挑戦者が、下馬評の不利を覆して勝利を奪うという展開で、改めてタッグマッチの奥深さと魅力を存分に見せるものとなった。 この後、どのような物語が紡がれて行くのか、ファンの期待をよそに、リングは再びスポットライトを浴びる日まで、一時の静寂を取り戻す。 &italic(){2009年12月24日} ---- 次興行『[[第40回大会詳報へ>第40回大会詳報]]』 ---- &link_edit(page=第39回大会詳報, text=このページを編集)

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: