パイルドライバー<技名>
逆さに抱えた相手の脳天を直接マットに打ちつける技の総称である。
基本的にはいずれも受身が取れず、危険な技の代表選手となっており、
アメプロでは基本的に御法度で、ルチャでは『マルティネーテ』と呼ばれて全面禁止行為となっている。
日本語では『脳天杭打ち』とも言われている技。
ドリル・ア・ホール式パイルドライバー
基本形。特に接頭辞を伴わない場合はこれを指すことが多い。
向き合った相手を背中から逆さに抱え込み、相手の頭は太ももに挟み込んだ状態から、
尻餅をついて脳天を打ちつける技。
元祖はルー・テーズとも呼ばれているが、テーズの技は投げっぱなしパイルドライバーとでも言うべき余計に危ないもので、
上のように抱え込んで落とすタイプは1950年代のバディ・ロジャースが元祖とされる。
相手のタイツを引っ張り込んで落とす形を用いていたレスラーもいたが、危ないどころか死人が出てしまったこともあり
現在ではほとんど見られない。
抱え込んで落とす形は、掛け手の太腿で受け手の頭を挟むため直接頭がマットにぶつかりづらくなっているのだが、
それゆえに却って乱発される傾向があったという。
東プロでは
ルーミアや
ミスティアあたりが時々座り込み式で仕掛けるが、
無差別級では
フランが抱えたままジャンプする型を何でもない技のように振り回しており、見る者を戦慄させている。
LU3W取りのために
アリスも習得してきたが、こちらは相手の胴ではなく股下から腰にかけてをクラッチする
ゴッチ式と呼ばれているものであり、受け手の下半身を固定することで体をコントロールしやすくする効果があるようだ。
ツームストン式パイルドライバー
ボディスラムのように相手の体を横回しにして持ち上げた状態で相手の腹部を抱え込み、
そこから膝をつくようにして脳天を打ちつける技。ドリル式以上に首に負担がかかりやすい落とし方となっている。
欧州系のレスラーに使い手が多く、モンスター・ロシモフ(後のアンドレ・ザ・ジャイアント)、
ダイナマイト・キッドなどが用いていた。彼らの技は抱えたままさらにジャンプする形で極めて危ない。
事実ロシモフは対戦相手の首をこの技で折ってしまい、以後は自粛していた。
現在のアメプロでは基本的に禁止だが、破壊兄弟こと
ジ・アンダーテイカーとケイン(WWE)のみ特例として許されており、
彼らも本気で頭からぶつけるようなかけ方はしていない模様である。
東プロでは
幽々子の代名詞となっているが、
メディも『ゲルセミウム・エレガンス』の名でキッドばりのツームストンを披露している。
リグルは、ボディスラムのように股下を抱えたまま深く膝を下ろす変型の技を『WTD』として用いる。
こちらは現在では天山広吉が『TTD』として使う、欧州式ツームストンに類似している。
リバースパイルドライバー
ボディスラムの要領で抱えたあと、膝ではなく尻餅をついて落とす技。
抱え方がツームストンだが落とし方がドリルなのでリバースとされている。
相手の体勢と落とし方との関係で首に負荷がかかりやすく非常に危険である。
上記TTDの原型はこちらのかけ方だったが怪我人が続出したため封印された、という逸話を持つ。
また、遠征時の蝶野正洋はストーンコールドにこれをかけられて首を痛め、
ストンコもオーエン・ハートにやられて重傷を負った、という因果なエピソードもある。
現在でも使用する日本人レスラーはいないこともないが、基本的に軽量級の相手のみに限られている。
東プロにおいては、
レティが『アンデュレイションレイ』、
ルーミアが『ムーンライトレイ』の名称で、
それぞれ決め技として用いている。こちらは胴体を抱え直して開脚ジャンプで落とす形である。
てゐの使う形は股下のクラッチを解かない形で原型TTDに近い。危険度ではこちらのほうが上。
リバースツームストンドライバー
こちらは抱え方がドリルだが落とし方がツームストンというもの。パンクラスの試合で時々見られるくらいで使い手が少ない。
東プロでも主な使い手は
慧音くらいだが、初期の
幽々子はこれと通常のツームストンを併用していた。
最終更新:2010年05月08日 21:30