【PAN・2・パニック!】


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 俺はパンツが好きだ。
 俺はパンツが大好きだ。
 勿論男のパンツなんて微塵も見たくは無い。だが女の子のパンツは、例え地獄に落ちても見たい。
 太ももが伸びる女子のスカートの中にあるユートピアに夢を馳せるのは男として当然のことだろう。あの中にはどんなパンツがあるのだろうか。レースか、黒パンツか、縞々か。それを考えるだけで一日が過ぎていってしまう。
 でも、どれだけ見たくても犯罪に手を染めたら青春がパーになってしまう。十六で人生を棒に振るうような真似は出来ない。それに女の子を傷つけるようなことをするのは俺の信念に反する。
 しかし、もし偶然にパンツを見ることができたら。
 それなら誰も悪く無いし、きっと女の子も笑って許してくれるだろう。
 そう、例えば風が吹いてスカートがめくれてしまったりとか。それならばきっと見てしまっても怒られない。
 だけど現実はお色気漫画じゃない。
 パンチラがそんな御都合よく拝めるほど人生は甘くは無い。
 ならばどうする。黙って偶然が舞い込んでくるのを待つだけか。
 否。断じて否!
 男には死ぬと解っていてもやらなければならない時がある。だが運命は俺に味方をしていた。
 今日、俺は異能に目覚めたのだ。
 わずかな風を巻き起こすだけの、ちっぽけな異能だ。だけど訓練すればスカートを舞いあがらせるほどの大きな風を起こすことができるかもしれない。俺はこの異能を“|地獄魔神旋風波《シルフ・デス・タイフーン》”と名付けた。素晴らしくかっこいい名前で、自分自身のセンスに惚れぼれしてしまう。
 けど能力が開花したら学園に報告しなければならない義務がある。しかし学園に能力に目覚めたことを知られれば、異能を使ってパンチラを拝むチャンスが無くなってしまう。恐らく悪用したことがばれてしまうだろう。
 報告を怠っても、週に一度の未覚醒者の定期異能検査で異能に目覚めたことがバレてしまうだろう。
 そう、つまり期限は一週間だ。チャンスはそれまでしかない。
 定期検査の日までに、“|地獄魔神旋風波《シルフ・デス・タイフーン》”を完璧に操れるようにならなければならないのだ。
 その日から俺は血のにじむような訓練に身を費やした。
 最初はそよ風程度しか風を発生させることしかできなかった。だがそれではスカートを巻き上げるには足りない。それに加え、スピードも必要だ。女子がスカートを手で押さえるよりも速くしなければならない。
 このパンツのための特訓は誰にも知られてはいけない。俺は人気の無い裏山で授業が終わったらすぐに修業を開始し、夜中も休みなく、睡眠時間はたった一時間しか取っていない。時間が勿体なく、昼休みも暇があれば教室のカーテンなどを使って風を操る練習した。
 体力が無くなり魂源力が尽き始めるが、そんなことで泣きごとは言っていられない。この異能が完成すればパラダイスが俺を待っているんだ。
 血反吐を吐き、身体中が軋み始める。それでも俺は己の異能に磨きをかけ続けた。



 そして訓練を始めてから一週間が経った。
 今日は異能の定期検査だ。今日で俺が異能に目覚めたと言うことが学園側に知られる。だから今日の朝こそが勝負の時だ。
 その日のために前日は早く寝て、朝ごはんもきっちり食べてベストコンディションである。
 体中に魂源力が満ち満ちているのがわかる。この一週間で俺の魂源力は増大され、風を完璧に操ることができる。
 “|地獄魔神旋風波《シルフ・デス・タイフーン》”は完成した。
 俺は校門をくぐり、自信に満ちた顔で正面玄関へと向かう。
 その途中で俺は一人の美少女が登校しているのを見た。その女の子は小柄で、とても可愛く、どう見ても小学生くらいにしか見えない背丈だった。だがリボンの色を見る限り俺の一個先輩のようだ。見た目が幼い年上の女の子。つまり合法ロリ。
 俺の好みにドストライクだ。
 決めた。俺の異能をあの女の子に使う。俺が最初に見るのは、あの女の子のパンツだ。一体どんなパンツを穿いているんだろうか。想像すると手が震える。俺の一週間の努力が実る時がようやくやってきたのだ。
 俺は両の手をわずかに回転させ、周囲の風の流れをわずかに変えていく。掌に大気が圧縮され、わずかに地面の砂が舞い上がり始める。
 さあ俺の異能を見せてやる。
「“|地獄魔神旋風波《シルフ・デス・タイフーン》”!!」
 と、俺は心の中だけで叫び、周囲の風を大爆発させて女の子の周囲に突風を発生させる。木々の葉が舞い上がり、砂嵐が起きる。風は猛スピードでその女の子のスカートを舞い上げる。
 見えた。
 ついに見えた。
「見え………………………………………………………………………………………………なんじゃこりゃああああああああああああああああああああああ!」
 俺はそこにありえないものを見た。
 そんなバカな。
 嘘だ。
 嘘だ!
「わーん。パンツ見えちゃうよー」
 などと目の前のそいつはそんなことを言っている。ふざけるな、お前は、お前は!
「……私の千乃のパンツをよくも見たわね」
 そんなドスの効いた女の声が背後から聞こえた。驚いて振り返ると、そこには背が高くておっぱいの大きな化け猫が立っていた。そして鋭い爪を剥き出しにして俺に襲いかかってきて、そこで俺の意識は途絶えた。



「あれ。俺なにしてたんだっけ」
 目が覚めると保健室の天井が視界に映った。保健医の話では玄関前で気絶してる所を運ばれたのだと言う。
 驚いたことにここ一週間の記憶がすっぽり抜けていた。
 肉体的、あるいは精神的ショックを受けたせいだろうと保健医は言っていた。俺はいったいなんで記憶を失って倒れてたんだろう。
 その日の定期検査で俺は自分が異能に目覚めたことを知らされた。しかも風を操るタイプの異能だという。
 まったく自覚が無かったが、どうやら俺の魂源力の量はなぜかめちゃくちゃ多く、凄まじい威力を持った風を起こせるのだという。
 定期検査が終わり、下校をしていると、急に風が吹き、目の前を歩いていた女の子のスカートをめくり上げてしまった。
 だが俺は目を逸らす。
 なぜだかわからないがスカートの中を見るのが怖くなっていた。
 パンツ怖い。


 その後俺が「戦場の風神」とラルヴァに恐れられるようになるのは、また別のお話。


(続かない)






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