【HERO SAGA  下】


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『あれは助けてもらったってことでいいんだよな…?』
 仁は周囲を警戒しつつ誰もいない街路を走り抜けていた。
 まだ身体の節々に鈍い痛みが残っているが、動くのに支障があるほどではない。Fアークの強力な一撃を受けてこの程度で済んだのは、仁があらかじめどう攻撃が来るのか知っていたが故のことであった。
 まるきりの一般人でもラルヴァと異能者の闘いを見る機会がたまにというレベルで起こりうるこの学園都市島。ここではショーの一番の盛り上がりどころである殺陣の部分は、他と同じような普通の芝居では自然と目の肥えている客にはまるで通用しない。
 そのため、FACのステージでは要所要所で本気の攻撃を打ち込むことが奨励されている。殺し合い的な意味での本気ではないとはいえ、普通にこんなことをすれば怪我人が続出することは火を見るより明らか。
 そこで、FACでは独自に『晒し』と呼ばれる技法を発展させていた。要するに攻撃を打ち込む前にボディランゲージによる簡易的な暗号で攻撃の内容を伝えるという術である。これを違和感なくかつ相手にははっきりと見えるように行うことができるかどうかが一流アクターの条件とも言われていた。
 そのお蔭で受身が間に合い最小限のダメージで場を離脱することができた仁は、幸い誰に見つかることもなく本部に戻ることができた。
 仁は真っ直ぐに更衣室に向かい自分のロッカーを開ける。
『メールに詳しいことは書いた』
 あの時、短い均衡の最中仁にしか聞こえないように送られた一誠の言葉。今手掛りとなり得るのはこれしかない、と期待を込めて仁はメールボックスを開いた。
[事態は切羽詰っているので前置きは省略させてもらうよ。君は今狙われている。もしここまで読んで心当たりがあるのなら、添付した地図に比較的安全なルートを書いておいたので今すぐここから逃げてほしい。]
 仁はすぐに送られてきた地図に目を通し、更衣室を後にした。指示されたルートの通りに走りながら、仁はメールの続きを読む。
[首尾よくこの場を離れることができたなら、申し訳ないがしばらく気をつけて過ごしてほしい。といっても人目につかないような場所に行かなければそれでいいはずだ。連中も殊更に他人を巻き込むようなことはしないので、君の恋人や知り合いに危害が及ぶ心配はしなくていい。こちらの方は断言できないが、君に我慢をさせるのもそう長くはないと思う。]
 容易く鵜呑みにするわけには行かないと思いつつも、仁は友人やなにより大事な改に手がのびることがないと知り胸のつかえが少し小さくなるのを感じた。
[さて、僕としてもこれを書くのは忸怩たる思いがあるのだけれど、やはり書かなければならないだろう。何より君はそれを知る権利がある。あるいは君も見当がついているかもしれないけど、君を狙っているのは一人というわけではない。君に敵対する個人の集まりでもない。]
 やはり、という思いはあった。一誠も書いていた通りその可能性は薄々感づいていたのだ。とはいえできればそうであってほしくなかった、考えていた中でも特に厄介な可能性、それが今確定された事象となる。
[僕も所属している組織、ヒーロー協会。それが君を狙う敵だ。]
「ははっ、運がいいな。ガキどもがウザイからちょっと退避してたら目当ての獲物が引っかかるなんてよ」
 だが、その感情を噛みしめる間もなく仁を狙う敵が現れる。
 プリズムセブン。虹の七色のスーツを纏う七人組の戦隊にしてFACでは人気ナンバー2のヒーロー。確かヒーロー協会とは無関係のはずの彼らが何故追っ手に名を連ねているのか。
「あっちの都合はどうでもいいけどよ、むかつくお前をボコれるチャンスを逃す手はないよなあ」
「うちのチーム女が三人いるって設定なのに実際は女っ気ゼロ、俺らの苦しみがお前に分かるのか!」
「MO(モテる男)は皆敵なのじゃよー」
「ああもうどいつもこいつも!」
 いきなり訳の分からない状況に投げ込まれ流されっぱなしだった仁。そんな中で蓄積されていたストレスが彼らの身勝手な言い分を起爆剤についに爆発した。
「俺はここから出て行きたいだけだ。邪魔するって言うならぶっ飛ばす!」
 怒りの警告も柳に風のプリズムセブン。そうだろうなと思っていた仁は無言で数歩距離をとる。
 仁は呼気と共に両拳を腰溜めに引きつけ、次の瞬間両腕を胸の前に突き出しクロスさせた。次いで手首を返しクロスさせたままの両腕を溜めた力を少しづつ解き放つように前方に突き出す。
「ガナル・チェンジ!」
 響く声と共に掌を大きく開きつつ両腕を胸に引きつけ、そのまま斜め下に開く。
 キーワードとアクションが揃い、仁の中の力が解放される。
 両手の甲、胸、両足首。仁の体と融合した五つの宝石状のパーツ、ガナル・コアから堰を切ったように赤光があふれ出す。赤光は仁の体を取り巻くように展開し、やがて仁を中心とした半球状のフィールドを形成すると、そこから赤光の布が一枚一枚降り積もっていくかのように仁の体に覆いかぶさっていった。やがて身体の各所から装甲が浮き上がり、全身を硬く覆っていき、最後に装甲面から発した白光が爆発したかのように輝き、空気に溶けるように消え…
 そこに残るは赤き鎧を纏った戦士、仁のもう一つの姿であるガナリオンだった。


「ガナル・クロー!」
 ルビーにも似た光沢の爪が閃き、紫色の全身スーツに身を包んだ男が崩れ落ちる。
「あー、プリズムパープル!」
「プリズムセブンが負けちゃった…」
 プリズムセブンを追ってやってきた児童たちの悲しい声がガナリオン一人しか立っているもののいない戦場を支配する。実にやりにくい。
 無垢な児童の声にはその場の善悪を規定する魔力がある。今ガナリオンはその魔力によって生み出された逆風を一身に受けていた。
 ガナリオンも決して子供人気がないわけではない。日課の初等部通学路の巡回の際はよく声援を受けてもいる。だが、この場に居る子供はヒーロー協会のヒーローかFACのヒーローを見に来たものが大半であり、そういう意味でガナリオンは完全にアウェーであった。
『くそ、あいつらがお前らのことどう言ってたか聞かせてやりたかったぜ』
 降りかかる火の粉を払っただけなのに理不尽な罪悪感を背負わされる。割に合わないことおびただしい状況に心中でそう毒づきながらも走り去ろうとするガナリオン。だが、そこに聞こえてきた一つの声が彼を金縛りにした。
「本当に君は運が悪いな」
 まさか、と思いながら仁は声のほうに振り向く。残念ながらその想像は裏切られることが無かった。
 会場である商店街の外まであと数十m、一呼吸で駆け抜けられる距離。その行動をさせじとばかりに一誠―Fアークが立ちふさがっていた。
「…どういうつもりですか」
「誤解の無いように言わせてもらえば、昔とても世話になった人がヒーロー協会の幹部でどうしても断りきれなかった、僕がここにいるのはそれだけの理由だ。君が可愛くてスタイルがいい彼女と一つ屋根の下で暮らしていることに嫉妬している輩もいるようだけど、僕はそういうのにも興味はない。最後に僕の担当エリアを通るように仕向けたのも確実に君を逃がすため、適当にやりあったらやられる振りをするつもりだった」
「『だった』、ですか」
 いや、言葉を聞かずとも分かる。大人しく仁を逃がすつもりなら道の真ん中に行く手を遮るような形で立っているはずがない。なにより、今こうして仁に向け敵に対するような気迫を放ってくるはずがない。
「そう、だね」
「プリズムセブンの仇討ちですか?」
 Fアークとプリズムセブンは同じFACのヒーローとして競演していることも多かった。それを思い出し問う仁。
「半分正解かな。まあ個人的には子供たちに敬意を払えない彼らはあまり好きではないんだけど」
「半分?」
 仁の疑問に答えるようにFアークのバイザーの下で視線が流れる。正面のFアークを注視しつつも意識の一部をそちらに向ける仁。どうやらFアークが示しているのは先ほどの児童たちのようだ。
「Fアークー、あの赤い悪者やっつけてー!」
「プリズムセブンのかたきうちだー!」
 事情も知らぬままガナリオンを悪者扱いする子供たち。
「君は本当に運が悪い、だからさっきそう言ったんだ。…子供たちの前では、『このFアークに敗北も後退も許されない』」
 その言葉を境に、まるで中の人が入れ替わったかのようにFアークのまとう雰囲気が一変する。
『見えない…?』
 愕然とする仁。何度も一緒に仕事をしていれば、スーツの中のアクターがスーツに与えられた役とどうしても同調しきれない部分が自然と見えてくるようになるものだ。
 仁自身はそれをスーツ中のアクターが透けて見える、そんなイメージで感じ取っていた。
 誰もが、Fアークと何年も付き合い自分の一部といっても誰も疑念を呈するものなどいないであろう一誠ですら、常ならばうっすらと中の人のイメージが感じ取れる。
 だが今はFアークのスーツの下のイメージがまったく読み取れない。集中により極限までFアークとシンクロしている、そこから導き出されるのはこの答えしかない。
 一誠の異能〈演神〉の特殊性、それは意識的なコントロールがまったく不可能で、無意識的に演じる対象と自分の物理的能力の差を補填するというやり方でしか使用することができないという点。
 そしてその副次的な作用としてより対象を明確にイメージできるほど、より対象に没入して演じるほど力が増す(正確に言えば想像した理想値に近づく)という点がある。
 そう、今のFアークこそが最強の、あるいは本当のFアークであった。


「アークウェイブ!」
 衝撃波がガナリオンを狙う。既に一度見た技、かわすのは楽。その思惑は事実を前にあっさりと砕けた。
「早いっ!」
 前に見たときより段違いに早い衝撃波は一息でガナリオンの足元まで届いていた。辛うじて宙返りでかわすガナリオン。衝撃波は後ろの壁にぶち当たり薄紙を破るようにあっさりと貫いてしまう。
「威力もダンチか!」
 だが驚く暇もあらばこそ、一足飛びにFアークが空中のガナリオンの元に飛び込んでくる。
「アークツインスラッシュ!」
「ガナル・ブースト!ブースト・キック!」
 微妙に軌道を変えて迫る二本の剣を空に赤いマントのような軌跡を残す空中回し蹴りが迎撃する。
 お互いの技の威力で弾き飛ばされた二人は同時に着地し、そして同時に相手に向けて飛びかかった。
 ガナリオンの右のガナル・クローをFアークの左腕の剣が払う。Fアークの右腕の剣をガナリオンの左のガナル・クローが受け止める。
 次の瞬間にはお互いに左右の攻防が入れ替わる。そしてもう一度。
 三度目の入れ替わり、それが起こる前に退いたのはガナリオンの方だった。
『考えてみりゃ、真面目に戦いに付き合う必要なんてないよな』
 向こうの思惑はともあれ、こちらは追ってくるヒーロー協会の連中を振り切れればそれでいいのだ。
 そう思い至った仁は迫る右剣を回し受けで受け流し、すかさずミドルキック。Fアークは半歩下がりつつ左腕でガード。強引な攻撃で仁体勢は大きく崩れたが、
『よし、うまくいった』
「ガナリオン・ジャンプ!」
 コマンドワードと共に全身に展開されているレンズから赤い粒子が滝のように湧き出し、仁の体を空中に押し上げる。
 仁の意図を察したFアークも追いすがるようにジャンプするが、それにもかかわらず距離はどんどん開いていく。
 屋内ステージを含めたヒーローショーでのパフォーマンスを前提に考えられているFアークを思い描く際強力なジャンプ力は想像していないはずだ、この仁の読みは大正解だったようだ。
 あとは隣の通りに着地しておさらばといこうか、そう考える仁に爆音を後にひき迫る二つの影。
「な!」
 見事なコンビネーションで二つの人影は左右から蹴りを仕掛ける。ガードは間に合ったものの、二対一では勢いに抗しようもなく、仁は元の場所へと叩き落されてしまった。


「理事長!副理事長も…」
 彼らを見下ろす建物の屋根に着地した二人、戦国武将が使っていたような鎧兜に身を包んだ男とバイソンの生皮を剥いだかのような作りの外套を頭からすっぽりとかぶった男をそれぞれ見やり呆然と呟く一誠。
「随分と引っ掻き回されていると聞いて慌てて出てきたのだが、まさか君ほどの男まで抜かれかけるとはな」
「…申し訳ありません」
「ちょっと待てよ」
 と、そこにようやく立ち上がった仁が割り込んでくる。
「理事長ってことはお前がヒーロー協会のトップなのか?」
「いかにも」
 鎧兜の男が大仰に頷く。仁は改めてそちらを睨みつけた。
「一体全体なんでこんなことしやがるんだ!」
 憤懣を叩きつけるような仁の怒号に理事長はやれやれとばかりに首を振ると、バイソンの外套男―副理事長に顎をしゃくって話を促す。
「そも変身ヒーローとは何であるか。それは己の姿を力ある姿に変え正義のために己が力を振るうものだ」
「だがこの島では姿を変えずとも力を振るい人々を守るものが山ほどいる。ならば変身ヒーローが姿を変える意義はどこにあるのか」
 副理事長の言葉を理事長が引き取り、まるで連歌のような二人で一つの話が続いていく
「…それは苦悩と決意。今までの自分を、平和な生活を捨てることへの『苦悩』と、それでも人の持つしがらみから自らを解き放ち正義を遂行するための存在になるのだという『決意』」
「苦悩と決意、それを覚悟として示すがための仮面や鎧。そう、我らの、変身ヒーローのこの姿は我らのプライドそのものなのだ」
「しかるに貴様には苦悩も決意も欠けている。調べはついているぞ。貴様は成り行きで実験に参加し自分が何になるのかはっきり認識すらしないままその姿と力を手に入れた」
「むぅ…」
 どこで調べたのかはともかく、基本的に今言われたことは間違いではない。唸るしかない仁のことは構わず話は続いていく。
「しかも貴様は備品という情けない扱いになってもなお開発者の女に媚びへつらい平和な生活に未練たらたらだ」
「我らヒーロー協会はそんな貴様を悪として断罪する」
「ふざけるな!」
 糾弾の言葉に仁はそう怒鳴り返した。
「御託並べてるけど結局は俺に彼女がいるのが気に入らないだけなんだろ!大体俺がどんな生活を送ろうが俺の勝手だ!」
「やれやれ…ヒーローとは力を持つが故に私的な存在でなく皆の奉仕者として生きねばならないのだ」
「偽ブランド品と同じだ。貴様のようなまがい物にのうのうと闊歩されれば我らがこれまで必死に培ってきたヒーロー像が損なわれる」
 全く交点の無い思想はいくら言葉を重ねても空しくすれ違うだけ。そう悟った仁は理事長に向け拳を突き上げた。
「俺は今までどおりに過ごしたいだけだ。放っといてくれるならそれで良し、でもそれを邪魔するなら誰であろうが叩きのめす!」
「できると思うか?」
 理事長の不敵な声、それを合図に周囲を取り巻く建物、その屋根や屋上に数十人の人影が現れる。ガナリオンを見下ろしながら大きく取り囲む男たちの姿形は様々、だがその雰囲気は見るからにヒーロー的で、ヒーロー協会の手のものというのは明らかであった。
「心配するな、我らもヒーローとして全員まとめてという真似はせんよ」
 そう言われても致命的に不利なことには何も変わりはない。燃費がよろしくない、これがガナリオンの弱点なのだ。仮に一人一撃で倒せたとしても途中で変身を維持できなくなってしまう。
「どうだ?絶望を味わったか?…少し哀れになってきた、最後のチャンスをやろう」
 装甲の下で歯噛みする仁の姿を察しているのかいないのか、理事長は不意にそう持ちかけてくる。
「我らの特訓を受けて真にヒーローに相応しい心となり更正するか、さもなくばそのヒーローに見える紛らわしい姿を捨て只人として生きると誓うか」
 二つに一つ、どちらも拒むならここで全員を相手にして倒されろ。言外の脅迫を込めた最後通牒を受け仁はしかし、それとは別のことを考えていた。
『考えてみりゃ、いきなりガナリオンにさせられて最初はなんだこりゃって思ったよな』
 ラルヴァを倒して日銭を稼ぐ生活設計を燃費の悪い能力に変えられたことで狂わされたり、その分パワーアップしたことで戦える機会が減った分を補うために危険な敵と戦う羽目になったり、(今は慣れたけど)人前で変身ポーズを取るのが恥ずかしかったり。
 …思い返すと大変な目に遭ってばかりな気がする。それでも、こんな絶体絶命の窮地に陥ってすら、仁の心には髪の毛の先ほどの後悔も無かった。
 それは何故か…いや、考えるまでもない。
「ガナリオンは捨てない」
 小さく、だが確固たる何かを込めてそう仁は告げる。
「そうか、貴様のような軟弱な人間には辛い特訓だが」
「…そして、お前たちの言うようなヒーローになる気もない」
「なにっ!どういうつもりだ!」
 まさか断られるとは思っていなかったのか、途端に激高する理事長。だが仁はそれを無視して続けた。
「そりゃあ目の前に困った人がいてどうにかできるなら助ける、そのくらいはするけど俺にTVの中のヒーローのような高尚な心なんて無い。ガナリオンになったのも下心全開な理由だったし、こうなった今だってやばい相手とはできたら戦いたくなんてないし。でもな」

――カーネリアンだとパンチが弱いから、ちょっともじって『ガナリオン』にしたんだよー!やっぱりヒーローの名前には濁点がなきゃ!
――ヒーローは最初に生身のまま助けなきゃ! 変身はその後だよ!

「俺にヒーローであってほしいって思ってる人がいる。この姿にはその想いが詰まっている。だから俺はあいつのためにヒーローになる。ただしお前らの信じるヒーローじゃない。そっちはそっちで頑張ってくれ。俺は…」
 理解できないという空気をまとう者、思案げに見守る者、考えが伺い知れない者、理由はさておき沈黙で仁を見守っている。万感の思い
を込め、仁は最後の言葉を搾り出した。
「…俺はあいつ一人のためのヒーローだ。それが言うならば俺のヒーロー道だ!」
「否否否否!そんなものがヒーローだと認められるか!Fアーク、悪いが外様の君は下がってくれ、この愚か者への制裁は身内で済ませないと気がすまん。誰か!奴の腐った認識を叩き壊そうというものはいないのか!」
 おう、といくつもの声が上がる。だが理事長は怪訝そうに辺りを見回した。上がる声は明らかにこの場にいるヒーローの数より少ない…せいぜい半分程度だったのだ。
「どうした、お前たち!」
 どこか白けた雰囲気で戦闘態勢を解いているヒーローたちに呼びかける理事長。
「悪いけどついていけんわ。いいじゃんそんなヒーロー道があったってさ」
「そうだそうだ、ヒーローがリア充で何が悪い!」
「な…!」
「ほら見たことか!貴様のような者がいるから腐ったリンゴのように汚染が広がっていく!」
 意外な言葉に目を白黒させる理事長。副理事長はガナリオンに向き直りそうまくしたてる。
「そいつは関係ない、前からあんたらの黴臭い考えにはうんざりしてたんだ」
「丁度いい機会だ、ロートルはここらで引退しとくか?」
「ほざくな若造!」
 あっという間に屋根の上のヒーローたちは二つに分裂し憎憎しげに睨みあう。台風の目のようにその動きから取り残された道の上でFアークがその様子を静かに眺めていた。
「いずれだとは思っていたけど、まさか今この時だとはね」
 淡々と呟くその姿はどこか小さく見える。仁の目には、今ははっきりとスーツの下の一誠が映っていた。
「ただ一人のために…か。掛け値なしにそう思っているから、こんなにも君の言葉が僕に突き刺さるんだろうな」
 そう告げる一誠からは迷いを抱えていることが容易に見て取れた。この人も一人の人間なのだ。ヒーローであるFアークでもなく、ヒーローショーに全てを捧げた完璧なアクターでもなく。変な話だが、仁は初めて彼のことをそう思えた。
「だけど、君と同様僕にも譲れない正義が…ある!」
 だが、その一言で迷いは一誠の姿と共にバイザーの奥に塗りこめられる。元のように殺気を放つFアークとガナリオンは再び正面から向かい合った。
「…決着をつけようか」


「俺の全てで君を倒す!君の全てを見せてみろ!」
 決然と告げると、Fアークは両腕を真横に伸ばし二本の剣を胸の高さに掲げる。そのまま腕を前に回すと、鋭い衝突音と共に二本の剣が柄尻で合体し上下両方に刃を持つ一本の合体剣となった。
「あれは…!」
 Fアークチームで仕事をしていた仁は知っている。二本の剣を合体させて放つ技はたった一つ。Fアークの最大奥義、その名は、
「受けてみろ、この俺の最大の技を!エクリプス・ブレイカー――!!」
 一旦合体剣を背中に隠し大音声と共に跳躍するFアーク。空中で合体剣を勢いよく振り上げると、力が集中し太陽のような輝きを放つ剣が背中の影から現れ月の影から太陽が現れた時のような閃光が降り注ぐ。
「最強の技には最強の技だ!」
 それでしか対抗できない、これまでの戦いの経験がそう強く主張している。その声に従い、ガナリオンも負けじと叫ぶ。
「ガナリオン・トルネード!」
 コマンドワードが響き、両手首のリングが手の甲のガナル・コアと融合して巨大化する。Fアークに突きつけた両腕のそのリング、右腕の方が時計回り、左腕の方が反時計回りに猛然と回転を始め、生まれる二本の真紅の柱が見る見るうちに天に向けて伸びてゆく。赤い粒子の竜巻がまるで命あるもののように動き、裂帛の気合と共に舞い降りるFアークをサンドイッチのように挟み込んだ。
「ぐうっ!だが、この程度で俺は止まらない!」
 二つの竜巻の互いに相反する回転がFアークを空中に縛り付ける。だが、Fアークはそう叫ぶと合体剣を振るい無理やりに竜巻を押しのけた。
 どうにか上半身の自由を取り戻し再び合体剣を上段に構えるFアーク。次の瞬間赤の光が天を衝き、ガナリオンが大ジャンプでそのFアークの上を取った。
 身体をぴんとのばして後方宙返り、そして身体をひねり眼下のFアークを見据える。
「これが俺の必殺技!ガナリオン・スクリュー・クラッシュ!!」
 両脚から、次いで両肩から粒子が噴出しガナリオンの身体を凄まじい勢いで回転させる。更に発生した粒子を推進力に、ガナリオンは巨大な赤のドリルと化してFアークに突撃していく。
 光そのものを閉じ込めたかのように白く輝くFアークの合体剣が振り下ろされる。そして、その場の全てを、大地すらも揺るがす轟音が響き渡った。
「うおおおおっ!」
「あああああっ!」
 二つの必殺技が、いや、二人のヒーローの正義、信念、意地、それら諸々をひっくるめて発露する想いが相反する力の奔流となり、互いに相手を喰らおうと牙をむく。
 一瞬の均衡。だが、その一瞬には千の攻防が内包されていた。傍目には対等に見える二つの力。だが、実はそこには明らかな差があり、その差は歴然とした結果となって顕れる。
「ああっ、Fアークー!」
 電柱に叩きつけられるFアークの姿に児童たちの金切り声に近い悲鳴が沸き起こる。折れ曲がった電柱を滑り落ちるように再び大地を踏むことができたFアークだが、それがかなったのは片足だけ…片膝をついた状態から起き上がるのにも苦労するほどのダメージだった。
「くっ…」
 だが、苦渋の息を漏らしたのは、必殺技勝負で押し切りほぼ無傷で着地したはずのガナリオンの方だった。
「そう、だな」
 よろめきながらも再び立ち上がるFアーク。その声は余裕とは縁遠いものであったが、それでもどこかしっかりと一本の芯が通っているのが感じられた。
「真正面から技を受けたから分かる。君はあの技をもう一度使うことはできない」
「……」
「そして、同じように俺の技を受けた君には分かるだろう。俺の方は、残る全ての力を振り絞れば、後もう一度なら…」
 そう言うと、Fアークは苦しげに持ち上げた二つの剣を再び胸の前で合体させる。
「これで最後だ。エクリプス・ブレイカー……!」
 頭上に高々と掲げられた合体剣にじわじわと力が流れ込む。何がそれほどまでに彼を突き動かしているのか。精魂を込めたという言葉が相応しいほどの彼の凄絶な気迫に、全ての人間が思わず呼吸すら躊躇ってしまいそうになるほどに気圧されていた。
『ここまでなのか…?いや!』
 その気迫を真正面から叩きつけられるガナリオンもその例外ではない。思わず浮かんでしまった弱い考えを叩き伏せる仁。だが、彼の今持つ手札ではどうにも活路が見出せないのもまた確かだった。
「やはり駄目か」
 魂源力蓄積量メーターでもあるガナル・コアを見やるがその結果は前と同じ。ガナリオンの最強技であるガナリオン・トルネードとガナリオン・スクリュークラッシュのコンボを発動するには魂源力が少しだけ足りない。
『トルネード無しなら…いや、それじゃ』
 ガナリオン・トルネードに対処が必要だったからこそさっきは打ち勝てた。不完全な技ではあの時と同じ結果を出すのは不可能だ。当然、威力の劣るそれ以外の技も論外である。
「使える技は無し、か。くそっ、ここまでかよ…」
 自分が負ける。そのこと自体よりガナリオンが、そしてそれに込められた改の思いが否定される、そのことのほうが悔しい。

――機能があったんじゃない。『今』作ったんだ!

 と、何か手はないのかともがくように記憶の海を手探りにかき回していたその先にその言葉が引っかかった。強敵との戦いの際他ならぬ自分自身が言った言葉。その言葉の通り即席で生み出した技で戦いをリードしたのだ。
『役に立つ技が無ければ作ればいい…そう、だったら』
 そう思い至ると、まるで闇夜に明かりをつけたかのように活路が、対抗策が見えてくる。
「おいおい、マジかよ」
 思わず自分で思いついたアイデアに突っ込みを入れてしまう仁。明かりに照らしだされた活路は、路は路でも危うい路、まるで爪先立ちで綱渡りをするがごとくの無理難題だった。
『おいおい、マジかよ』
 心の奥の自分がそう仁を笑う。自分でも成算があるから思いついたんだろうに。どうにかするしかなくてそれをどうにかする手があるのに何を迷ってるんだ?
 その物言いにかつて特訓に付き合ってくれた先輩の面影を感じ、仁は苦笑いを漏らす。
『正直考えがシンプルすぎてついていけない時もあるけど…』
「今は同感!」
 もう迷いはない。一点の曇りもない心で、仁は眼を見開きただ前を見据えた。


 全ての力を一点に束ねたFアークが、突っ込んでくる力も残っていないのだろう、合体剣を天に向けたままじりじりと迫ってくる。
 最後に小さく息を吐き、ガナリオンはFアークへと飛び込む。回避不可能なライン、そこまで引きつけてFアークはガナリオンに合体剣を振り下ろす。もとよりガナリオンに今更小細工をする意図はない。更に靴一足分ほど踏み込むと、完全に速度が乗りきるその直前の合体剣にガナリオンは自らの右肘を叩きつける。
『駄目だよ、それでは』
 エクリプス・ブレイカー、Fアークの必殺技とはその程度では止められるようなものではない。ガナリオンの腕を覆う装甲が赤色の欠片となって砕け散る姿が、Fアークの中で確定的な未来の図として浮かび上がる。
 その未来図までの道をなぞるようにFアークの合体剣はあっさりとカーネリアンの鎧に食い込んでいく。次の刹那、まるで意地を見せたかのように装甲に食い込んだ合体剣の動きが止まる。だが、これもFアークの予見した経過の通り。ガナリオンの装甲がエクリプス・ブレイカーを食い止めることができるのは一瞬よりほんの短い時間に過ぎない。誰よりも自らの力を知るFアークの予測は完璧だった。
 しかし、こうなることはガナリオンも想定済みだったのだ。
「逆ガナリオン・トルネード!」
 その雄叫びと共に両腕のリングが巨大化し回転する――ガナリオン・トルネードとは逆に右腕のリングが反時計回り、左腕のリングが時計回りに。
 今、右肘で正面から振り下ろされる合体剣を受け止めているため右拳は斜め上からガナリオンに突きつけられており、逆に左拳は斜め下からガナリオンに突きつけられている。その状態で発生した赤い竜巻は地面から上にのびるものと空から下に下りてくるものの二つ。その二つが一つの巨大竜巻となってガナリオンを包み込んだ。
 逆の回転方向、敵ではなく自分が対象、そしてもう一つの『逆』は、拘束するためではなく回転させるための竜巻だということ。
 ガナリオンを飲みこみ、振り回そうとする竜巻の巨大な力。Fアークは一刀でその力を強引に押さえ込みなおも斬りこもうと力を入れる。
 だが、そこに更にもう一つの力が加わった。回転の力、化勁。正面からぶち当たるのではなくいなす為の、いわば柔の力。
 それが荒ぶる暴風、剛の力と重なる。柔と剛が合わさった究極の回転。それはFアークの描く未来図を吹き飛ばす力だ。。
 ギン、と重く鋭い音が響き、限界に達したガナリオンの右腕部装甲が吹き飛ぶ。だが、守るものがなくなった仁の右腕に襲い来るはずだった合体剣は腕の皮膚を掠めただけで、届くことのないまま空を切って落ちていく。
 そう、回転の力が必殺の一撃をギリギリのところで受け流したのだ。必ず殺すと書いて必殺技と呼ぶ。逆に言えば必殺技をもってしても勝負を決することができない場合、そこには致命的な隙が生まれる。
「うおおっっ!!」
 回転に食いこむように動きを止めていたエクリプス・ブレイカーが外れたことで無軌道に回りだすガナリオン。Fアークの最大の隙を突くべくガナリオンは左脚を力強く大地に突き立て、強引に身体の回転を止めた。
「ぐぅっ!」
 無理を通した代償が左足からの鈍い痛みの形で告げられる。もう左脚はしばらくは戦闘ではまともに使えないだろう。だが、
「構うものかっ!」
 回転の残滓を利用し左拳を引き絞るように構える。これを最後の一撃とせんとばかりにガナリオンの左腕が赤く赤く輝いた。
『ここまで、かな』
 敗北を覚悟した一誠、だがそれを知りつつもその動きに諦めはない。そう、子供たちの前ではFアークに敗北も後退も許されないのだ。
 空しく地面を砕いた合体剣を、間に合わないと知りつつ跳ね上げるFアーク。粒子の爆発と共に打ち出される拳が土煙の中に消える。再び土煙の中から現れた拳が次の瞬間自分を叩き潰す、その未来が幻視として脳裏に映し出された。
 そして、今度もその未来は覆される。
 広がる土煙の中、攻撃が来る気配がない。一誠が思わず眉をひそめた時土煙の向こうから声が響いた。
「やるなFアーク…残念だがここは退いてやろう。だが、次に遭った時が貴様の最後と思え。それまで仮初の平和を楽しむことだ、ふはははは…!」
 そしてガナリオンの気配は急速に遠ざかっていく。最初からあの一撃は自分狙いでなく突進の勢いで離脱するためのものだったのか、と納得する一誠。
『情けをかけられたのかな…?いや、違うか』
 きゃいきゃいと歓声をあげる児童たちの声を背にしながら一誠は仁の言葉を思い返していた。
『彼のヒーローたる理由は一番大事な人のためのもの、だから僕のヒーローたる理由とこの場では必ずしも矛盾はしない。とはいえ自らの体を張ってまでどっちも守り抜くとはね。……完敗だな』
 土煙が去った道で、一誠は仁が去った方を見やる。当然、とうの昔にこの場を去った仁の気配すら残ってはいない。それを承知で一誠は誰にも届かない小声で口を開いた。
「それにしてもまだ照れが残っているし感情の乗りもちぐはぐだ。名有りの役につけるのはまだ早い、かな……」


「仁ちゃーん」
 あれからしばらくの時がすぎ、懸念していたヒーロー協会の再襲撃もなく、気味が悪いくらいの何もなさが逆に気にかかるということはあったものの、仁は平和な時を過ごしていた。
 そんなある日の夕方、二人の夕食の後洗い物のために台所に向かったはずの改が慌てて仁の元に戻ってきた。
「どうした?何かあったのか?」
「ごめーん、仁ちゃん宛てに手紙が来てたの忘れてて」
 ばつの悪そうな顔をする彼女に、別に洗い物の後でもいいのになと少し呆れる仁だったが、それよりも恋人のそんな行動に対する嬉しさの方が先にたち、「ありがとな、改造魔」と笑顔で手紙を受け取る。
 再び台所に舞い戻る改のエプロン姿を見て『裸エプロンっていうのもいいかも』と不埒な考えを抱いた仁だったが、もしそれを持ちかけたら彼女は断らない気がして、そしてそうなったことが万一周囲にばれた場合の周囲の自分に対する扱いの変化のことまで思いが及び「やめやめ」と妄想を断ち切ってしまう。木山仁、存外に取り越し苦労の多い少年であった。
 そんなこんなで渡された封筒にようやく目をやる仁だったが、その瞬間やや緩んでいた顔が正反対の変化を遂げる。
 「河野一誠」差出人の欄にその名が書いてあったのだ。
 緊張しつつ開封し、下に向けて少し振ってみると、まず出てきたのは一枚の写真。
「なんだこりゃ、妹さん…か?」
 その写真は一誠と一人の少女のツーショット写真。一誠に半ば肩を寄せながらも反対側の半身を大きく乗り出しカメラに向けてピースサインをしている快活そうな少女は、どう記憶をひっくり返してみても覚えがない。
 特に説明も書いていなかったので、仁はとりあえず写真は脇に置くことにしもう一度封筒を振って便箋を取り出した。

  ~  ~  ~  ~  ~  ~  ~  ~

 連絡が遅れてしまってすまない。そしてまずは僕たちの組織の都合で君に多大な迷惑をかけたことを組織の一員として詫びさせてほしい。
 さて、今回こうやって手紙を送ろうと思ったのは僕の個人的なこととそうでないことと、二つ伝えておきたいことがあったからなんだ。
 まずはそうでないほうから伝えようと思う。
 ヒーロー協会は古参と若手との間の対立が激化してついに分裂することとあいなった。
 誤解しないでほしいが、君に繰り言を言いたいわけではない。もともと潜在的な対立は進行していて、今回のことがなくてもいずれはこうなっていたはずだったんだ。
 大事なことは、これによってもはやヒーロー協会は君に構っている余裕はなくなったということだ。もしこの騒動が落ち着いて――僕もそのために尽力するつもりなのだけど――また今回のことを思い出すものがいたとしても、僕が全力でそれを阻止するとここで約束する。
それが僕にできるせめてもの罪滅ぼしだと思う。
 さて、もう一つ、僕の個人的なことを伝えようと思う。
 その前に君に改めて礼を言わなければいけない。
 君の言葉、たった一人のためのヒーローという言葉。僕には僕の信じるヒーロー像があってそれは変えるつもりはないんだけど、君の言葉はそれとは別の意味で僕に変革をもたらした。
 実のところ、情けない話だけど最近僕は付き合っている彼女と心がすれ違っていてね、いわゆる関係の危機という奴だったんだ。
 だけど、君の言葉で僕の目が醒めたことで心のすれ違いもなくなり、僕と彼女はより心の絆を深めることができた。
 本当にありがとう。君は正に僕の恩人だ。
 感謝の気持ちを込めて僕らの幸せな姿を君に送ろうと思う。また見てやってほしい。
 彼女との結婚の時には――まだまだ時間はかかりそうだけど――恋のキューピッドである君も心の仲人として共に祝ってもらえたら嬉しいと思っている。
 さて、仲人というのは常識的にいって夫婦であるものなわけで……余計な心配だとは思うけど君も頑張ってほしい。
 それでは。

  ~  ~  ~  ~  ~  ~  ~  ~

 読み終わった仁は目をむいて便箋を放り出し再び写真を手に取る。
 一誠の長身を考慮してもなお小柄な身体。勝気ではあるが幼げな顔立ち。そして何より特徴的な制服。
「どう見てもこの娘初等部です本当にありがとうございました」
 声のトーンはみるみる急降下し、仁の体も萎びた草のようにがっくりと崩れ落ちる。
「そういやあの人すごい子供好きだったよなあ…」
 ひょっとして俺は知らず知らずのうちにとんでもないことに手を貸してしまったのではないだろうか。そんな考えが仁の頭をぐるぐると回転する。
「仁ちゃんどうしたの?」
 と、そこに洗い物を終えた改がやってきた。
「いや、まあなんつーか、もうどうにでもなーれってな気分だわ、はは…」
 小首を傾げる改に首をもたげる気力もないまま力なく手を振って言う仁。
「ホント?じゃあガナリオンの再改造の実験していい?」
「おー、どんとこーい……え?冗談じゃないの?」
 生返事の直後、悪い予感に駆られ改を見上げる仁。彼女の爛々と輝く目が何よりも雄弁に否、と答えていた。
「今日はチャージアーップ!にする?それとも超変身!にする?それとも…」
「いやもう止めろってマジで、な?な?それ明らかにやばい匂いぷんぷんするし、ちょ、ま、アッー!」
 仁の叫びが響き渡る。彼の望んだ(?)生活はこうして今日も平和に(?)過ぎていくのであった。



    終わり




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