【魔剣領域BladeZoneⅣ-Ⅱ】


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 【魔剣領域BladeZoneⅣ】 赤い帽子の少女 Ⅱ


 アイアンボルト:

 師匠の教えにはすぐに分かる事柄と何を言っているか分からない難問がある。
 前者は技術的な教え。同じ鉄使いだけあってわかりやすく、聞いて実践すれば確実に強くなれる。
 後者は観念的な教え。哲学のようで何を言っているかいまいちわからない。特に分からない言葉がこれだ。
「弱さを認め、強さを望み、下限を信じ、上限を創造する」
 弱さを認めて強さを望むのくだりはわかる。きっと自分の弱さを認めて強くなりたいと望むのが強くなるための第一歩って意味だろう。俺はもうクリアしてる。
でも下限を信じて上限を創造する、の意味がさっぱり分からない。師匠も言うだけ言って意味は教えてくれない。
 まるで宿題のように言い渡されたこの言葉を俺は暇さえあれば考えていた。


 秋の日曜日。俺は電車に乗って車窓の景色を眺めている。
 ほんの少し前までは当たり前のように居たあの街の外が、今では少し懐かしい。
 学園都市に張られた結界の影響外に出たからか、開いた窓から吹き込む風の感触も少し違う気がする。気のせいかもしれねえけど。
 今回、俺は師匠に頼まれて元ターゲットと元依頼人と憎きガイジン護衛に同行している。今さら言っても仕方ないが、元殺し屋からすると「おいお前ら何で和気藹々と並んで電車乗ってんだ」と言いたくなる。
 と言うか俺も加えると元殺し屋+元ターゲット+元依頼人+護衛でいよいよ訳がわからない。なんだこれ。
 聞いていた話では今日は元ターゲットの母親の墓参りらしく、学園の外は危ないから一人でも多いほうが良いという話らしい。しかし集合場所で俺を見たときのガイジン野郎の「こいつ役に立つのか?」と口以上に物を言っていた目が本気でむかつく。
 同じ目を元依頼人もしていたのがまた腹立つ。どころか「この方、役に立ちます?」とか声に出してるんじゃねーよ。あんた俺に殺しの依頼してきたじゃねーか。俺失敗したけど。
 唯一真っ当に「よろしくお願いしますね」と言ってきたのが元ターゲットなんだからもうどうしたものかと。
「しかし、外は危険ねぇ……」
 そんなこと言われたって俺は異能に目覚めてからの三年間、ずっと外で暮らしていた。そりゃ殺しの仕事抜きにしても色々ぶっ飛ばされたりはしてきたが、今よりもっと弱かった俺でも生き残ってこれたんだからそんなに危なくもねえ気がする。
 師匠と護衛の考えすぎじゃね?
「お前の考えていることはわかる」
 護衛野郎がイタリア語で話しかけてきた。ってことは元ターゲット抜きの会話ってことか。
「が、お前とウルカさんじゃそもそも遭う危険の質が違うんだ。お前も殺し屋だったが、殺し屋に狙われることはなかっただろう?」
 まあ、それはたしかにあるかもしれないけどよ。
「成功率0%の殺し屋程度では、同業からも邪魔に思われなかったのでしょう? 潤香さんと比べること自体がおこがましいですね。死ねばよろしいのに」
「おい、今朝から思ってたけど発言が辛辣じゃないか元依頼人!?」
「ああ、カルラにとってお前は妹の命狙ったナス野郎らしいぞ」
「依頼してきたのそいつじゃん!?」
 理不尽すぎる!
 あと前から思ってたけど何でナス!?
「佐藤様」
 元依頼人の態度の不条理さを嘆いていると、元ターゲットも話しかけてきた……が。
「佐藤はやめろ。俺の名前はアイアンボルトだ」
 断じて、佐藤タツオじゃない。
「それはすみませんでした。ところで、おにぎりを作ってきたのですがよろしければいかがですか?」
 そう言う元ターゲットの手にはアルミホイルに包まれたボール状の物体が握られている。
「おにぎり?」
「はい、今日は姉さんやダルキー様、それに佐……アイアン様にもお世話になるので。せめてものお礼に私もお弁当を作ってきたんです」
 ……師匠、元ターゲットが一番優しいです。
「ありがたくいただくぜ。ところでそっちの二人は?」
「まだお腹が空いてないらしくて」
 ならお先にいただくとするか。
 アルミホイルを剥くと、全面を海苔で巻いたおにぎりが現れた。少しつたない形をしているが、だからこそ一生懸命さが伝わってくる。
「いただきます、っと」
 言って、一口、口にして、

 死んだ。

「が、は……」
 いや、死んだかと、思った。
 食った瞬間に自分が毒瓶でも一呑みにしたのかと錯覚した。
 かつて護衛にはるか海の向こうまで吹っ飛ばされた時以上に死を実感した。
 なんだ、これは……。
「お口に、合いませんでしたか?」
 最初は「あ、こいつ、俺に命狙われたこと恨んでやりやがったな」と思ったが、心配そうにこちらを窺うその表情に悪意の色は微塵もなく、「あ、こいつ、素でやったな」と理解するのは難しくなかった。
「……調理法、なに、した」
「まず、お米を洗って」
 そう言って思い出しジェスチャーする彼女の動きには、明らかに内釜に何かを注入しているモーションがある。こいつ、ナニ入れて米洗いやがった!?
 恐らく、炊き加減も無茶苦茶だろう。クッ! 全体に海苔が巻かれていて米の状態を把握できなかった!
「おい、てめえら……。知ってて食わなかったな?」
 こいつらは同居人。この元ターゲットの料理オンチぶりを以前から知っていたはずだ。
「誤解がないように言っておく。俺はキチンとした調理法を教えたぞ。全く上達しなかったし、おにぎりは俺も作ったことがないので知らんが」
 ……なんか作ってる時点で止めろよ。
「すまねえが、ちょっとこれは食えそうにない」
「そうですか……。申し訳ありませんでした」
「いや、いい。……こう言ったら何だけどあんたが味見してなくてよかったよ」
 食ってたら死んでいたかもしれんし。
 元殺し屋が元ターゲットに心配することでもねえけど。

「味見はしましたよ?」

 は?
「お前、これ食ったの? マジで?」
「はい。人にお出しするものを味見もせずに出すことは出来ませんから」
「味見した上で出したのか?」
「はい、特に身体的な不調も出ませんでしたから」
 こいつ、味覚どうかしてるんじゃねえのか?
 身体的に不調がない、って飯を出す基準じゃねえだろ普通。
「お前」
「ウルカさんは別に味覚がおかしいわけじゃない」
 護衛の奴がまたも俺の疑問を察したように口を挟んできた。元ターゲットには分からないようにイタリア語だ。
「五味はわかるし、美味いものは美味いと感じる」
こんなもん食える時点で舌はおかし……いや、そういえばさっきも味については言及してなかったな。
 だったら何でだ。
「ただ、不味いとか気持ち悪いとか、ネガティブなことを一切『何とも思わない』だけだ」
「あ?」
「彼女にとって、そもそもの基準が不幸に設定されてるんだよ。だから、不幸を不幸だと思えない。彼女にとってはそれで『普通』だからな」
 ?
 ネガティブとか不幸とかよくわからねぇけど、要するに寒い場所にいることが普通の奴は寒いのが平気?みたいな理屈か?
「しかし同時に、彼女にとって他人の不幸は不快らしいな」
「おい、いよいよわからねぇぞ」
「お前が最初に殺しに来たときも、さっさと殺されようとしただろ? あれは自分が殺される不幸を何とも思わず、『自分が殺されなかった時』の俺とお前とそこのカルラの不幸を鑑みて殺されようとしたってことらしい。まぁ、俺も気づいたのは一緒に暮らし始めてからだけどな」
「説明されても訳がわからねえんだよ」
 普通の人間は……そんな考え方しねぇんだから。
「俺も最初はネガティブなだけかと思ったんだがな。根が深い。どうにも、『不幸を不幸と思わないように』育てたとしか思えないんだ」
 育てたって……。
「……誰が?」
「決まってるだろう」
 ……これから墓参りに行く母親は彼女が幼い頃に死んだらしいから、消去法で……。
「父親か?」
「ただの冷遇、とはまた違ったんだろうな。どういう意図があったかは知らんが」
 父親が娘をそんな育て方をする意図、か。
 考えると気分悪いが俺がそういうことをする立場なら、そんなことをする理由は……。
「糞親父のことなんザぁ、どうでもいいだろうが糞パスタと糞ナスよぉ」
 俺でもぞっとするくらいの殺気が込められた声が思考を遮る。
 声の主はこれまであまり会話に入っていなかった元依頼人だ。
「潤香の問題は単純だ。糞親父が十年育ててあんな風にしたなら、アタシが十年掛けて幸せにする、それでいい」
 ……この元依頼人、人のことナスナス言いまくって最悪に口汚いが、妹のこと大切に思ってるらしいのは伝わってくる。
「たしかにそれが一番だろうな。幸い、彼女は不幸を不幸と思わないが幸福は幸福だと感じられる。家を離れて学園の友人やカルラと過ごしていれば自然と治っていくだろ」
「そういうこった。ナス野郎、前のに重ねて忠告するが手を出すなよ?」
「……出さねえよ、俺の目的は目下そこのガイジン野郎へのリベンジだからな」
 今日は何の因果か一緒に護衛なんざやってるが、学園都市に戻ったらとりあえず奇襲してやるつもりだしな。

 俺とあいつらの会話は終了。あいつらはあいつらで話しているし、俺はまた車窓の外の風景を眺めはじめた。
 風景を眺めながら、元依頼人に邪魔された父親の行動の理由を考えてみる。
 半ばボンヤリとしながら考えて、一瞬答えらしきものが浮かんだが、ありえないのでまた思考の海に沈める。流石にこれはない。

 いつか必ず不幸になるから不幸を不幸と思わないようにした、なんて考えは。


 <帽子>の魔女:

『触媒が針山市に入りましたわ』
 <鏡>の魔女が儀式のピースが揃ったことを告げた。
 もうこの町の準備は人も場所も仕上がっている。あとは詰めるだけ。
「手筈通りにまずは通信を落としましょう。基地局への仕掛け“も”、この数日で済ませておいたから」
 これで外部がこの町の異常に気づくのが遅れる。
『それと、触媒には護衛が三人います』
 護衛。名家の娘だからその可能性も考えていたわ。
「腕は立ちそう?」
『二人は一線級ですわね。一人は触媒――白東院潤香の姉の白東院カルラ。この国の異能力者育成機関『双葉学園』の高等部二年生。ラルヴァ討伐部隊でも活躍している異能力者。異能魔剣使いで、彼女の霊弓陰摩羅鬼は射抜いた部位の身体機能を停止させる呪いの弓使いですね』
「へぇ、弓とはまた……面白いさね」
 <使い魔>の魔女が少し嬉しそうに笑う。大方、銃と弓で競ってみたいとでも考えているのね。いくらかの思考に蓋をしても、基礎人格は変えていないからこういう本来の嗜好はよく出てしまう。いじろうと思えばいじれるけれど……変えると戦闘精度も落ちるのが悩みどころね。
「姉と言ったわね? だったらそちらを触媒に使ってもいいんじゃない」
『もう異能に覚醒しきっている者よりも、未覚醒の者の方が儀式には適していますわ。無色でないとあなたのレッドキャップの力とコンフリクトする可能性もありますよ?』
 けれど、もしものときは姉の方を使うことも視野に入れておかないと。
『二人目。こちらも中々の曲者ですわ。あのEADDの社員で、触媒の護衛のために来日した人物です。名前はダルキー・アヴォガドロ。こちらも魔剣使いで、使用魔剣は飢剣ヒダルカミ。能力はエネルギー吸収、と言っても力学的エネルギーと光、音しか吸収できません。もちろんあなたのレッドキャップに対する耐性は他の異能力者と同程度です』
「……流石ね」
 <鏡>の魔女の情報収集能力。
 彼女が本当のことを言っているかはわからないけれど、彼女の魔鏡ミラーデビルは鏡のある場所なら覗き見や盗聴が自由自在。能力の最大有効半径はもちろんあるのだろうけれどそれは教えられていない。お互いに信用しきってはいないから。
けれど、彼女はその能力で調べた相手の詳細から欠点に至るまで事細かに把握している。こうしている今もリアルタイムで情報を集めているんでしょうね。
「EADD! ミーナそれ知ってるよ! すっごくやばい所長とやばい社員がいるやばい会社だよ!」
「<帽子>の……もうちょっと頭良さそうに喋ればいいさね。にしても、ダルキーねぇ。EADDと言えば『軍神帝国』や『不死身のシリウス』なんかはあたしも聞いたことあるけど、そんな奴は知らないねぇ」
『あまり頻繁に仕事をする方ではないようです。その帳尻合わせで一年間の長期護衛に回されたようですね』
 内部事情までよくもまぁ……まるで白雪姫に出てくる魔法の鏡ね。
「あれ? 護衛って三人だよね? あと一人は?」
『雑魚ですわ』
 一蹴。
『アイアンボルト、本名は佐藤タツオ。鉄元素を操る超能力型の異能力者。双葉学園中等部の二年生で元殺し屋、と言っても成功率0%の雑魚。むしろこの程度の力で裏の世界を生きてこられたことが奇跡ですわ。今はあの『鉄血最小』に師事しているようですが、それでも考慮には値しません』
 <鏡>の魔女が言うならそうなんでしょう。
 けれど、戦力にならなくても潰すことに変わりないわ。迂闊に逃がして助けでも呼びに行かれたら面倒だし。
「それでどうするんだい? 三対三で一気にケリ付けて触媒攫っちまうかい? あっちは実質戦力二人みたいだしさ」
「……いいえ、そうはしないわ」

「三人を分断して討つ。逃がしても面倒だから、こちらも三手に分かれて同時に討つ」

「……そりゃ悪手じゃないかい? どうせなら三対一で潰していくのが得策に思えるさね」
「ミーナもそう思うよ!」
 たしかに常識で考えたらそうなのでしょうけど。
 常識じゃないもの……この二人は。
「三対一ね。忘れたの? 英国ではその構図で失敗しているのよ?」
「あー……」
「あ!」
 二人とも思い出したように声を上げる。
 思い出すのも苦々しいけれど、英国では戦って、負けて、撤退した。
 でもその原因はわかってる。相手も強かったけれど、最大の敗因はこちらにある。
「三対一。アタシがいる構図じゃできないことがあったわ。それが何かは、二人が一番良く知っているでしょ?」
「<帽子>のとあたしの、最大駆動さね」
「使ったらアリサちゃんが死んじゃうからね!」
 そう、英国ではそれができなかった。
 なぜならアタシのレッドキャップの最大駆動と違って二人の最大駆動は、直接的で、無差別で、強力過ぎる。
 その力を知っていたから、この二人をレッドキャップで駒にしたけれど……至近距離であれを使われたら敵より先にアタシが死んでしまう。
 だから二人には単独で戦わせるのがベスト。
「ま、こんな街中じゃ出来れば使いたくないさね」
「そうだねー。ヒドイことになっちゃうからねー」
 使いたくない、そう。
 使わなくても勝てるなら、それでもいいけど。
 使わなきゃ勝てないようなら使わせるから。
「相手の分断は<鏡>の魔女に任せるわ」
『任されましたわ』
「それじゃあ誰が誰を担当するか決めましょう。もっとも、ほとんど決まっているけれどね」


 アイアンボルト:

 到着した針山市は東京都内の筈なのに駅前が閑散としている。
 と言うよりも人の気配がほとんど無い。
 駅の駅員や駅前の店舗の店員はいるみたいだが、歩行者の姿がない。
 風景も古めかしい小さな町だが、もう少し人通りがあってもよさそうなものだろ。
「この町はこれで普通なのか?」
「都市部の人口が一万人にも満たない町なので普段からもあまり人は多くありません。ですが日曜日はもう少し賑わっていてもいいと思うのですけど……」
「注意はしておきましょう。この町で何か起きているとしても、私達は墓参りをして帰ればいいだけですから」
 ……しっかし、ガイジンの日本語は違和感ありすぎてきもいな。そんな丁寧喋りな奴じゃないだろ。あとお前、本当に護衛の仕事以外は考えてないのな。
「さっさと済ませようぜ……ん?」
 そこで、俺はこの場に三人しかいないことに気づいた。
「おい、元依頼人はどこ行ったんだ?」
「何?」
「そういえば、いつの間にか姉さんの姿がありませんね」
 あいつ、駅から出るまでのこの短時間で迷子になったのか?
 俺達ろくに移動もしてねえってのによく迷子になれんな。
「携帯は?」
「それが、かけてもみても繋がりません」
 何してんだか。
「仕方ねえ、探しに行くか。三人で手分けして探す……わけにはいかないから俺が探してくるぜ。お前とガイジンはここで待ってろよ」
「君もこの町は初めてでしょう? 探せますか?」
 うわ、本気で違和感酷いわこいつの丁寧日本語。
「舐めんな。プロの嗜みで現場の地図くらい頭に入れてるよ。俺はプロの殺し屋だからな」
「ああ、そうですか」
 なんかむかつく。
「佐藤さ……アイアンボルトさん、お気をつけて」
「おう。ちゃっちゃとお前の姉ちゃん探して連れてくるぜ」


 ひとまずは駅の出口からは見えなかった通りに入ってみるが、そこでも元依頼人の姿はない。
「しっかしどこ行ったんだか。駅からはそう離れてねえはずだけど」
 そんなことをいくつかの通りで繰り返しても、元依頼人の目立つ姿は見当たらない。
「反対側……駅の裏にでも行っちまったのか?」
 しかし、今日は妙に風が強いな。
 さっきから風が吹きつけてくる。北上してくる台風の予兆くらいには強い風だ。

「ねーねー、誰か探してるのー?」

「?」
 高い女の声。周囲に誰もいないのだからは明確に俺に話しかけている。
 だが周囲には、誰も、いない。
 四方を見回しても人の姿は見えない。
「こっちだよー!」
 その声で俺はようやく女の声が四方ではなく、上から聞こえていると気づいた。
 上を見ると、そこには俺の想像していない光景があった。
「はぁーい! <箒>の魔女ミーナちゃんダヨー」
 頭上では俺より少し年上の女が、箒(のような槍)に跨り、目立つ赤い魔女帽子を被り、風を纏い、パンツ丸見えで、浮いていた。
「…………」
「あっははー! 驚いてる驚いてるー! ミーナとスパルナを見た人はみんなびっくりした顔になるんだよー!」
 見せてるわけじゃないらしいから言ったほうがいいか。
「パンツ見えてる」
「……え?」
「ほとんど真下だから、箒の柄に遮られてもかなりはっきりパンツ見える」
「…………フフフー。コレハミセテルンダヨー。ダカラヘーキ」
 強がりだ、これ確実に強がりだ。
 だって顔真っ赤にして震えてんだもん。
 羞恥心でどっかに吹っ飛んでいく寸前みたいな顔してるし。
「ま、まあ上から見下ろし続けるのも失礼だから降りてあげるよ」
 そう言ってパンツ魔女は地面に降りた。降りる瞬間、一際強い風が俺に吹きつける。
 ……俺の念動力や学園の魔女研と違って風力で力任せに浮いてんのか。さっきから吹いてた風はこいつの飛行の余波か? 迷惑な飛び方だ。
 しかし……。
「いいのか?」
「パンツはもう見えてないでしょ!」
「パンツじゃねえ、こんな町中で異能使って飛んでいいのかよ」
 異能は世間に秘匿するものってのが国際的な基本的な異能ルールだ。
 それを白昼堂々こんな場所で大っぴらに使ってこいつ平気なのか?
 ……俺も以前に白昼堂々異能で攻撃とかしたが。
「大丈夫だよー。この一帯はアリサちゃんが操作し終わってるからー」
 操作?
 それに今の口ぶりだと、この魔女には仲間がいるのか?
 どんな?
「お前、いやお前ら何者だ?」
「ミーナはミーナ! ミーナ達は<赤色の魔女達>!」
 魔女。
 第一印象から魔女だと思ってはいたが本人の口からそう聞くとより納得できる。
 トンガリ帽子に箒にマントと、露骨過ぎるほどに魔女。よく見ると前にガイジンも使っていた翻訳呪が首に掛かっている。日本語で喋っているように聞こえてもそれは翻訳されているだけらしい。
 さて、俺には魔女に話しかけられる覚えはないし、<赤色の魔女達>なんてグループも知らない。こいつは仕事していた時を含めても見覚えのない面だ。
 学園にも魔女はいたが、それでも普通魔女は欧州が主流だろ? 何で日本の、こんな寂れた街にいるんだよ。
「何で俺に声かけた?」
「あのねーミーナはねー、余りなんだって!」
「余り?」
 何の?
「白東院ウルカを攫うのと、強い二人を倒すのはアリサとベアトリスがやるから、ミーナが残ったおまけザコを倒すの!」
 ……なるほどなるほど。よくわからんが、大体分かった。
 つまりこいつは、あの女を狙ってきた刺客ってことだ。
「っておい、おまけってのは誰のことだ?」
 魔女は思いっきり人差し指を俺に向けた。
「指差すんじゃねえよ!」
「とにかくねー、ミーナは君を倒しに来たんだよ! ザコ一人でも逃げて助けを呼ばれると面倒だからってアリサちゃん言ってたから! ザコをお掃除!」
 さっきから……。
「雑魚雑魚うっせえ!」
 吼えて、飛び退きながらポケットに忍ばせていた鉄球を最大速度で射出した。
 時速100キロ近い、当たったら悶絶必死の鉄球を魔女の腹部目掛けて飛ばす。
 避けても避けた方向に軌道を曲げる。
 師匠との特訓で精度も速度も引き上げられている俺の攻撃は、
「ふーん?」
 避けられるまでもなく、勝手にそれて道路脇のビルの壁面にめり込んだ。
「!?」
 二発、三発と続けて撃つが全て逸れて地面や壁に激突する。
 こっちの攻撃が通らない。
 まるであのガイジンを相手にしているときと同じような光景。
 その原理はもうわかった。さっきから、『余波』が俺に吹き付けてくるからな。
「風の防壁を張って、軌道を変えているってのか!」
「せいかーい!」
 魔女の周囲の空気は音を立て、注視すると小さな埃や石ころが渦巻いていることが分かる。
 常時展開のバリア。やはりあのガイジンを思い出す。
 けど、あいつのエネルギー吸収と違って、こいつのこれはただの風だろ?
 風相手に……。
「通じないってのか、俺の攻撃が……!」
 なおも攻撃を繰り返す。
 手持ちの鉄球以外に、鉄板やマンホールの蓋、多種多様の鉄をあらゆる角度でぶつけてみても、全て風の防壁に阻まれる。
 魔女自身は余裕綽々という面持ちでただ俺の攻撃を受けているだけ。攻撃してくる素振りさえない。
 魔女が動いたのは俺の攻撃が一分も続いた後。
 魔女は飽きたという表情で口を開いた。
「通じると思うのー? こんな弱いの」
 子供のような笑み、俺には残酷にも見える笑みを浮かべて魔女は言った。
「時速100キロくらい? でもさー、どんなピッチャーだってそのくらいの速さで球を投げられるよ。その程度じゃあ頭にでも当たらなきゃ人は死なないよー」
 君の攻撃はひどく弱いよ、と魔女は言った。
 言って、こちらに一歩ずつ近づき始めた。
 無邪気で酷薄な笑みを浮かべながら。
「だ、ったら!」
 俺は路上に駐車されていた車を浮かべ、最大速度で飛ばす。
 人の物を壊したら師匠が怒るとか、これが直撃すれば確実に死ぬとかそんなことも少し頭をよぎったがそれどころじゃない。
 俺の殺し屋としての、これまで誰も殺してこなかったが逆に殺されてもこなかった勘が言っている。
 どんな手を尽くしても倒せなきゃ俺が死ぬ。
「おおおおおおおおお!!」
 渾身の念動力。
 風程度で、防げるものなら防いでみろ!!
「これが君の全開かー」

「弱すぎる」

 魔女の言葉が耳に届くと、俺は宙にいた。
 抵抗できずに足が地面から離れて、浮遊感を感じる間もなく高速で射出された。
「ッ……!?」
 斜めに吹き飛んで鉄球と同じく壁面に激突した。


 罅割れた壁面に背を埋めながら、俺は動けずにいた
 全身に、死んじまいそうな痛みが走る。
 鉄球と同じように激突しても、鉄球じゃない俺の体は衝撃でズタズタになっている。
 どこが折れて、砕けて、破れたのかも自分じゃわからない。
 分かるのは血が入って赤く染まった視界の中で、無傷の魔女が立っていることだけ。俺が飛ばした車は照準のずれた場所で引っくり返っている。
「なんでこうなったかわかるー?」
「…………」
 わからねぇ……。
 何か言おうとしても、口が動かねぇ。
 モノを考える頭さえ気を抜くと落ちちまいそうだ。
「わからないなら君はやっぱりザコなんだよー」
 言い返そうとしても、言葉がでない。
 開いた口からは血がこぼれるだけだった。
 わかったこと……? 
 俺が弱くて、魔女が強いってことくらいだ。
 もう、自分で自分を騙せないくらい明確に力量の差を見せ付けられた。師匠の時よりヒドイ。
 体中の骨が折れて、心まで折れてしまった気がする。
 『ここまでやった』『十分だ』『元々俺は護衛なんてするはずじゃなかった』『師匠なら』『俺じゃ無理なんだ』『俺は弱いんだから仕方ない』
 そんな言葉ばかりが頭に浮かんで、段々と意識が遠のいて……。
「んー、もうお終いかな? じゃあミーナは触媒を攫いに行こうかな。きっと今頃アリサちゃんが護衛は押さえてるだろうし」
「しょく、ばい?」
 口が動いた。
 ただし出た言葉は、俺の意思、と言うよりほとんどオウム返しだった。
「あ、まだ動けたんだ」
「触媒、ってのは、なんだよ?」
 今度は自分の言葉で疑問を口にした。
「白東院ウルカのことだよー。人柱の儀式の触媒に使うから攫うんだー」
 ……ハハッ。俺も大概、バカだとか口が軽いとか言われるけどよ、こいつも相当だ。
 でもよ、人、柱?
 それって、生贄ってことだろ?
「なんの、ために?」
「知らないよー。疑問にも思わないよー。アリサちゃんと<鏡>の魔女が要るって言うんだもん」
 視界は霞んでるが、それでもわかる。こいつの目には感情が入ってない。まるで人形みてえだ。その、アリサちゃんだか、<鏡>の魔女の言うことを聞くだけの駒みたいなもんなのか……。
 だから、あいつのことを人柱にしても他人事のような声音が出せる。
 人を殺すのに他人事。
 まるで、殺し屋みたいだな。
 あ。
「フフッ……」
 人のこと言えねえや。バカなのも、殺し屋なのも俺だよ。
 違うのは、俺は弱くて、この魔女は強い。それだけ。
 段々と強くなってる。そんな言葉で自分を誤魔化して、俺はずっと弱いままだった。誰も殺せない弱い殺し屋。
 なにせ、「殺してください」って言ってきた相手さえ結局殺せなかったんだから。
「…………」
 そういえば、あいつはどうするんだ?
 触媒、人柱……自分がまた命狙われてるって聞いたら、あいつ……どうするんだよ。
 今はもう、拒否できるのか?
 それともあのときみたいに、他の奴の不幸を考えて死のうとするのか?
 自分が生贄になれば、あのガイジンや、姉や、俺の命が助かるからって。
 あのとき。
 俺が、あいつを、依頼で殺そうとした時に。
 あいつは死のうとしていたから。俺は殺し屋として、初めて、人を殺せそうだった。
 だけどそのとき、俺は、何を考えていたんだっけか。
『中々泣ける話じゃないか。しかしそれもここでお終いなのがより悲しいな』
 そんな台詞を言った覚えがある。我ながら三流悪党のような台詞じゃねえか。
 でもよ、あのとき、その台詞を言う直前まで俺は何も言えなかったんだ。
 あいつが、ガイジンと話して、あいつが生きようとするまで何も言えなかったんだ。
 あのときの俺は「これでいいのか?」って思ってた。
 俺は殺し屋だ。その最初が、自分の力で生きていく人間の第一歩が、「殺してください」なんて自分から言う奴を殺すことでいいのかって、俺は思ったんだ。
 だから正直、あいつが生きようとしてくれて良かったんだ。その後、失敗しちまって、依頼自体もご破算になって、殺し屋休業して学生なんざやってるが……あそこで「殺してください」って言ったあいつを殺しちまうよりは、きっと後悔していない。
 殺していたら、俺は世界で一番弱い殺し屋から、世界で一番情けない殺し屋になっていただろうから。
 だから俺は、あいつを、ウルカを殺せなかったことを今は微塵も後悔しちゃいない。
「だから、よぉ……」
 傷だらけの体。全身に走る痛みと痺れをやせ我慢しながら、俺は立ち上がる。
「後悔しちまいそうな展開……許容できねぇんだよッ……!」
 鉄球を魔女に撃ち放った。
 しかしそれもまた暴風の障壁に弾かれる。
「しっぶとーい。全身血だらけなのにすごいよー。でも、ミーナもザコのおまけ君に付き合うのはもう面倒くさいんだよ!」
 また俺の体が浮いて、飛ばされる。
 ただし、今度は服に仕込んでいた鉄球で服ごと自分を動かして、魔女の攻撃からの脱出を試みる。
 後ろに吹き飛ばされながらも、ひたすら横に動くことだけ考えて、魔女の攻撃から抜け出した。
「へぇ、わかったの?」
「もう、わかった」
 魔女の攻撃の正体は、やはり風。いわゆるジェット気流と言う奴だ。
 さっきまでの俺は風と甘く見ていたが、たしか風速が秒速40メートルを越せば、人は飛ぶ。奴の気流はその速度を上回っている。俺を飛ばすのも車の進路を変えるのも余裕だったはずだ。
 そして、そんなジェット気流が今は複数流れている。
 これ見よがしに渦巻く風の防壁は布石。
 いくつものラインで流れるジェット気流がこの魔女の最大の防御にして攻撃。
 これには欠点もある。風は、魔女の持っている箒からしか発生していないし、念動力のように相手に合わせて途中で曲げることも出来ない。だから気流は自然と直線の攻撃になるので読み易い。加えて風自体に威力は無く、風で物をぶつけるか飛ばして物にぶつけるかしなければダメージが発生しない。ぶつかる前に、気流から抜け出せばダメージを受けない。
 そんな考察してみても、きっと気づくのは遅いくらいだな。
 師匠やあのガイジンなら食らう前からこういう攻撃が来ると読めていたはずだ。
 俺はまだ弱いし経験も足りない。
 だから、今の俺でも出来ることをやるしかない。
 あれを倒すために、今の俺には何ができる。
 俺の力で、出来ることは何だ……ああ、そうか。
「そういうことかよ、師匠」
 こんなときになって、あの宿題の言葉の意味が分かった。
 師匠、俺がいつかこういう目に遭うとわかってて言ったんじゃないかってくらい、ジャストだ。
「フフッ」
「む、不敵な笑い。ミーナの攻撃が見えるようになっても、君の力じゃミーナとスパルナは超えられないよ!」
「超えるさ。今の俺の、上限でな」
 自分を見る。
 相手を見る。
 戦場を見る。
 空気を見る。
 そして、自分の内を見る。

「弱さを認め」
 俺はあの魔女よりも弱いと認め、
「強さを望み」
 あの魔女に勝てる強さを望み、
「下限を信じ」
 俺が確実に出来ることを……俺の力の下限を信じ、
「上限を創造する」
 弱い俺に出来ることから――強者を倒す強さを創造しろ!!

「呪文? 自己暗示? でも、そんなのミーナとスパルナの前では全部吹き飛ぶんだよー!」
 複数の気流の射線が激しく動き、通り全体を蹂躙する。
 人はいないが、物体は小石から車まで吹き飛んでいく。
 俺も気流そのものは必死に避けるが飛来する物体に少しずつ体を削られる。
 このままいけばいずれ気流に飲まれるか削り殺される。
 このままいけば、だ。
 俺は念動力で、魔女の背後からまた自動車を飛ばした。
 気流はあくまで俺を狙っていて、魔女の後方には無い。
 全力で動かした自動車は背後から魔女目掛けて時速100キロで飛翔し、
「気づかないと思ったー?」
 魔女が瞬時に発生させた新たな気流で撃墜された。
「そうなると思ったぜ」
 俺の狙い通りに。
「?」
 魔女が違和感に気づいたが、もう遅い。
 自動車の給油キャップは、飛ばす前に予め念動力で動かして外してある。
 そして空いた燃料タンクには別の鉄くずを放り込ませてある。
 俺は燃料タンクの中で思い切り鉄くずをかき回した。
 そこで小さな火花一つ起これば、

 車は魔女の後方で大爆発を引き起こす。

 爆風と爆炎、そして飛び散る無数の鉄くずが魔女を襲う。
 普通ならそれで詰み。
 しかし、まだ俺の組み立てた読み通りならあの魔女なら、
「おっどろいたー。今のはザコにしてはファインプレーだねー」
 風の防壁に守られたあの魔女なら爆風でも受け流す。
 しかしそれも、完璧じゃあない。

 至近距離での爆発で、鉄くずの一つも、防壁の内側に入り込んでいれば。
 俺の念動力の手は、暴風を乗り越えた一片の鉄くずを掴み、

「くたばりやがれ」
 帽子越しに、魔女の脳天へと突き立てた。

 手応えは、あった。
 確実に、相手の命に接触するだけの手応えを感じた。
 それを肯定するように、魔女の頭部から夥しい量の血が流れ出し、赤かった帽子をより赤く染める。
「……え?」
 魔女が頭部からの出血に気づき、額に手を当てる。
 そしてべったりとした血塗れの手のひらをぼうっと見つめる。
 いつしかその視線を俺へと移し、
「やったね?」
 そう呟いて、笑みすら消して、感情のない目で俺を見た。
 魔女の唇が動く。

「――地を掃え」

 最大駆動。
 その瞬間に、恐怖と驚愕で体が動かなくなる前に、
「オオオオオオアアアアアアアアアアアアアッ!!」
 俺は魔女の脳天に突き刺さった鉄くずに再度力を込め、より深くより強く、魔女の頭部に突き刺した。
「スパ…………」
 さらなる出血と共に、魔女の宣言が停止して、
 やがて魔女は背中から崩れ落ちた。

 何分経ったか。あるいは三十秒も経っていなかったかもしれない。
 体感で計りづらい沈黙の後に、俺は倒れた魔女の傍へと近寄った。
 頭部の血は止まっていないし、魔女らしかった帽子も破れているが、胸が呼吸で上下している。
 魔女の出血量は多いが、まだ生きているらしい。
 トドメを刺すなら今しかない。
 今しかないが、
「無理だな……」
 そう言って、俺も崩れ落ちた。
 激突や気流でダメージを受けすぎたのか、手足は震えるばかりでもう動こうとしない。
 魂源力もさっきの渾身の操作で尽きた。鉄球どころかスチールウールだって動かせそうにない。
 正直意識を保っているのも限界で、ここまでだ。
「あと二人、いるとか言ってたな」
 そっちはガイジンと元依頼人、ダルキーとカルラに任せよう。
 俺より強い二人なら、きっと何とかするだろ。
 俺はここで、お先に休憩。
 そうだ、その前に、言わなきゃならないことがあった。
「俺は、雑魚でも、おまけでもない」
 散々ザコザコと言い放ってくれた相手に向けて、そして俺自身に向けて、
「俺は……」

「俺は、アイアンボルトだ……」

 それだけ言って、初めての勝利の余韻に浸る間もなく俺の意識は深い夢の中に落ちていった。

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【魔剣データ】
【神槍・神掃スパルナ】
 嵐の神鳥の名を冠した神槍。外見上は箒に近い。スパルナの名の通り、能力は暴風を生み出すこと。
 使用者は<箒の魔女>であり魔剣魔女ハイウォーカー一族の後継者ミーナ・ハイウォーカー。
 スパルナは魔剣の中でも古いものにあたり、千年以上の歴史を持つ。魔剣魔女ハイウォーカー一族に伝えられているが、一族よりも、魔女という言葉よりも古い。
 暴風を纏い壁とする。高速の気流で物体を吹き飛ばす。さらには風を噴出して飛行するなどの用途がある。
 この中でも飛行は高等技術であり、速度調整、乗り手のバランス感覚、風防に割く精密操作が伴わなければ高速で飛んだ時点で落下してしまう。そのためハイウォーカー一族ではスパルナで空を飛べる者が継承者となる決まりがある。
 ミーナは飛行技術に長けておりかなりの高速で飛行できる。しかし飛びながらの気流操作攻撃は風を本体周囲から噴出するスパルナの構造上不可能なため、地上に降りてアイアンボルトと交戦した。

 「地を掃え スパルナ」の宣言で最大駆動を発動させる。
 最大駆動では一切の制御なく使用者の魂源力の限界まで暴風を発する。その有様は原理こそ違うがまるで竜巻。使用者のレベルによって威力は異なるが仮にミーナが使用していれば、戦場となったあの場所ではミーナ以外の人も車もビルも地上に残らなかったであろうと推測される。

 スパルナに限らず、魔剣の最大駆動は使用者の制御を離れてしまうことが多い。
 最大駆動のヒダルカミが暴食反転するまで止まらずに拡大するのも、陰摩羅鬼がホーミングで自立して相手を狙うのも言ってしまえば暴走に近い。
 ただしそれは、使用者は傷つけないという最低ラインを守った上での暴走であり、このラインを超えた魔剣は
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