グリム研究ノート


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 ——想像できたなら、現実となる。夢見ることができたなら、そう成ることができる。
                     ウイリアム・アーサー・ワード


 物語は現実になりたがっている。
 それは人の心と結びつき、実体となる。欲望を叶え、自らが世界となるために。
 それが現象体ラルヴァ、カテゴリーグリムである。

 霧は現実と幻想の境界を曖昧にする。そしてそこから彼らは現れる。
 それは現実を侵す夢。
 これには明確な意思も自我もない、しかし歪んだ悪意である。
 この現象体ラルヴァは、人の願いを歪んだ形でかなえるもので、
 童話や古典文学、都市伝説に噂話といった、人間の心象を投影する形でその願望を成就させる。
 広範囲にわたりその狂った法則で現実を歪ませる。

 倒す方法は大きく分けて二つ。
 ひとつはその現象の範囲ごと、あるいは核となり凝縮した魂源力を強大な破壊力で叩き潰す方法。
 もうひとつは、中心となった人間から、カテゴリーグリムを引き離す事である。
 その方法はいくつかある。
 その願いの原因たる人間を探し当て、その願いや悩みを解決させて引き剥がすか、
 ——その人間を殺すことである。

 カテゴリーグリムには、四段階あると推測されている。
 まず、レベルアッシャー。活動段階、とも呼ばれる。
 強い欲望を持つ人間と結びつき、周囲にその効果を及し活動する。
 例として「ピーターパン」を挙げると、範囲内の人間が子どもに逆行する。

 そして次、第二段階、レベルイェツィラー。形成段階。
 その効果を形として作り出し、形成する。
 例として「ピーターパン」を挙げると、範囲内に「ネバーランド」の遊園地が形成され、
 ピエロや時計ワニ、ピーターパンと言ったラルヴァが誕生する。
 また、「切り裂きジャック」のように、原因となった人間がラルヴァの力を得て変質するのもこの段階から。

 第三段階、レベルブリアー。創造段階。
 完璧な異世界として、その範囲を完全に地上から隔絶する。新世界の創造である。
 この段階まで現象が進むと、通常の手段で入り込むどころか、外から確認することも出来なくなる。
 そこに最初からなにも存在してはいなかったかのように、なくなってしまう。
 そしてそこは、いわゆる妖精郷やマヨヒガといった、異界と化すのである。
 例として「ピーターパン」を挙げるなら、ネバーランドと化した町自体が別次元に消える。

 そして最終段階、レベルアツィルト。 原型段階。流出段階とも呼ばれる。
 ここに到達すると……その異界が流出し、現実を侵食する。
 その異界の、ラルヴァのルールが現実のルールに置き換わるのだ。
 例えば「ピーターパン」が最終段階に到達したなら、世界中のすべての人間が子供になってしまう、
 例えば「切り裂きジャック」が最終段階に到達したなら、世界中が殺人鬼の横行する霧の都になってしまう、
 例えば「不思議の国のアリス」が最終段階に達したなら、この世界が不思議の国になってしまう、
 そういうふうに「世界が書き換わる」のである。

 幸いながら、最終段階に到達したカテゴリーグリムは確認されていない。

 ——だが。
 今のこの世界が、カテゴリーグリムによって書き換わった世界ではない、という保障は……
 誰にも出来ないのではあるが。



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