【高校生龍河弾】


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

「せぇやッ!!」
 掛け声と共に男は全力で目の前に立っていた異形のソレを全力で殴り飛ばした。
 男の名前は龍河弾。東京湾に埋め立てられた島に建っている双葉学園高等部の生徒だ。
 龍河が殴り飛ばした異形のソレはラルヴァ。この世界に存在する人外の化け物である。
 一見すると大型の獣のようにも見えるソレだが、ラルヴァには様々な種類が存在し、獣に似たタイプのソレはその中の一種に過ぎない。
 断末魔をあげながらぶっ飛んでいったソレは、ピクピクと何度か動いた後、完全に活動を停止させた。
「全く世話のかかる奴だ」
「お疲れ様です先輩。流石ですね、力も使わずにラルヴァを倒しちゃうなんて」
 肩の力を抜くように一息ついていた龍河を、後ろから一人の女子が話しかけてきた。
 この女子は龍河の後輩で、同じように双葉学園の高等部に通っている。
 後輩の言う力とは、異能の力。一部の資質ある人間にしか使えない特殊な能力の事だ。
「なに、下級レベルのラルヴァも倒せないような柔な鍛え方はしてねェよ」
 ラルヴァの中には異能の力で無ければまともに相手に出来ない奴も存在するが、弱い奴なら素手でも充分倒す事が可能である。
 だからと言って本当に素手だけで倒してしまえる奴はそうそういないだろう。
「でもあたし、先輩が力を使った所まだ見た事ないですよ」
「そりゃ、この作戦はお前みたいにまだ力に目覚めたばかりの奴の為にやってるみたいなもんだからな」
 でも一度くらい見てみたなぁと彼女は呟いた。
 最近になって異能の力に目覚めたらしい彼女は、まだ完全に力を使いこなせてはいない。
 現在龍河たちが参加している作戦と言うのは群れをなして危険性の高まってきているラルヴァの殲滅作戦で、彼女のようにまだ力に慣れていない能力者が多く参加している。
 龍河は多くの実戦を経験し既に自分の力を使いこなしているが、その高い戦闘能力を買われて戦力調整として参加する事になった。龍河以外にも同じ理由で作戦に参加している能力者は何人か存在していた。
 この作戦中、龍河は彼女とコンビを組んで動く事になっており、既に三回ほど大きな戦闘があったが基本的に龍河は後輩に経験を積ませようとサポートする形で戦っていた。
「だいたい俺も思いっきり戦いたいが、このあたりのラルヴァは雑魚ばかりみたいだからな」
「あ、でもB班の方はさっき中級種のラルヴァが多く出現したみたいで応援要請があったじゃないですか」
 先程までの戦闘が始まる前の事。
 別の方角からラルヴァを追い詰めていたB班から連絡があり予想以上にラルヴァが多く出現しために龍河たちの班に応援を求めてきたのだ。
「何組か向こうの班に行っちゃいましたし、こっちにたくさんのラルヴァが襲ってきたりしたら大変ですね」
「何言ってんだ。上級種のラルヴァでも出て来ない限りはお前たちだけでも何とかなるはずだぜ」
 龍河たちの班は二人を含めてまだ十人もの能力者がいる。
 これまでの戦闘経験を活かして落ち着いて対処すれば十分な戦力だと龍河は判断していた。
「そんな事よりはやく班の連中と合流するぞ。お前が深追いしすぎるから少し他の連中と離れちまったからな」
 まだ戦闘には慣れていないからだろう。彼女は目の前の敵に集中しすぎて少し他のメンバーと離れしまっていた。龍河が片を付けなければどこまで追っていたかもしれない。


「龍河先輩、B班から連絡がありました」
 龍河と後輩が無事班のメンバーと合流すると、メンバーの男子の一人がそう報告をしてた。
「ラルヴァの群れと交戦中に上級種と思われるラルヴァと遭遇。倒す事は出来ましたが一体とは限らないので注意されたし。との事です」
 了解と龍河は短く返事した。
「上級種ってそんなのまでいるんですか」
 後輩の女子は少し不安げな表情で龍河に尋ねてきた。
 一口にラルヴァと言ってもその強さは下級と上級では雲泥の差だ。いくら能力者といえども下手をすれば一撃で倒されてしまう事だってある。
 本格的な戦いは今日が初めての彼女の不安は相当なものだろう。
「そう心配そうな顔をするな、そんなのが出てきた時の為に俺みたいのがこの作戦に参加させられてるんだ」
 龍河は彼女を安心させるよう頭に手を置いてポンポンと叩いた。
「おっと、そうこう言ってるうちに向こうからお出ましのようだな」
 ゆっくりとこちらに近づいてくる物体を確認して、龍河は気を引き締める。
「ら、ラルヴァだ。しかもさっきまでの奴よりデカいぞ」
 さっきまでの話の事もあり「まさか上級種!?」と慌てる奴もいたが、班の一人が別方向に視線を向けながらそれを否定する。
「たぶんそれは中級種ね。もう一匹向こうから近づいてくるけど、こっちのはもっと大きい」
 目が良くなる力でも持っているのか、龍河にはまだ視認する事は出来ないがそれが本当の事だと肌で感じ取っていた。
「どうやらそっちが上級種のようだな」
 龍河の言葉に班のメンバーはざわつき始める。
「さっきも言ったように上級種は俺がやる。お前等はをそっちの中級種の相手をすればいい」
「しかし龍河先輩。僕たちはまだ中級種のラルヴァとなんて戦った事はないんですよ」
 うんうんと頷く班の一同を見て龍河は大きく溜め息をつく。
「おいおい中級とは言え数は一体だけだぜ、お前等だけでも充分倒せるはずだ。それに倒せなくても時間稼ぎくらいは出来るだろう、止めは俺が刺してやる」
 他のメンバーと同じくまだ不安が残る後輩の女子だったが、真っ直ぐな眼差しで龍河を見た後、意を決したように口を開く。
「わかりました。先輩も頑張って下さい」
 彼女の言葉に他のメンバーも覚悟を決めたらしく真剣な顔付きになる。
「あっちを片付けたら俺もすぐに戻ってくるからそれまで死ぬなよ。やばいと思ったら逃げてもかまわん」
 それだけ言うと龍河は上級種のラルヴァの元へと駆けだした。


 そこにはネコ科の肉食獣を巨大化させたようなラルヴァがいた。全長五メートルはあろうかという体全体から威圧感を放っている。
 ラルヴァは目の前に立った龍河を瞬時に敵と判断したのだろう。勢い良く突進してきた。
「とぉッ!」
 龍河は右足を高く上げると、自分の方へと向かってるラルヴァに対してタイミング良くかかと落としを決める。
 ラルヴァの頭部にクリーンヒットし突進を止める事は出来たが、大したダメージは無いようだ。だが龍河の目的はダメージを与える事では無い。
 そのままラルヴァの頭を踏みつけるように跳躍すると両腕に力を込める。次の瞬間、龍河の腕は一回り大きくなり、形が異形のものへと変化する。その衝撃に服が袖口から破け散った。
 そして落下の速度も利用して拳をラルヴァへと叩き付けた。
 あまりの衝撃に大地に亀裂が生じる。
 龍河は一度間合いを取ってラルヴァの様子を確かめる。確かな手応えは感じていた。しかし油断は出来ない。
 拳を握り直し一気に止めを刺そうとしたその時だった。
「なッ!?」
 突如ラルヴァの全身が炎に包まれた。
 ラルヴァは赤黒く燃える炎を発しながら、ゆっくりと起き上がる。その威圧感は先程までとは全然違っていた。
「なるほど、さっきまでは本気じゃなかったわけか」
 龍河の問いに答えるようにラルヴァが喉を鳴らしている。
 怒りに燃えた瞳で睨み付けるラルヴァに対し、龍河も負けじと睨み返す。
「ならこっちも本気でやってやるぜ!!」
 そう言って龍河は天高く咆哮をあげた。
 全身に力が漲ってくる。細胞の一つ一つが活発化して身体の芯から燃えるように熱くなる。
 激しい閃光が迸る。そして、龍河は変身した。
 人間のモノとは明らかに違うモノに変質したその身体はどことなくドラゴンを彷彿とさせる。
 まるで人型のクリーチャー。龍河が持つ異能の力であると知らなければラルヴァと勘違いされても不思議はない姿だ。
 その姿を危険なものと判断したのか、ラルヴァは一旦後ろに下がると大きく口を開いては炎を吐く。
 でも龍河は引かない。迫り来る炎などお構いなしにラルヴァへと突っ込んでいく。
 炎のダメージが無い訳ではないが、変身した龍河の身体は灼熱の砂漠や極寒の雪山だろうと適応出来る。炎や吹雪などにある程度の耐性があるからだ。
 そうして間合いを詰めてきた龍河に対して炎を吐くのを止めたラルヴァは、腕を振り上げ接近戦に切り替える。
 両者の力と力がぶつかり合った。



「もぅ、いい加減に倒れてよぉ!!」
 その頃後輩の女子は中級種のラルヴァに追いかけ回されていた。
「いつの間にか戦ってるのあたしだけだし」
 最初の内は班のメンバー全員で攻撃していたものの、誰の攻撃も大したダメージを与えられなかった所為か、一人、また一人と諦めるように戦線を離れてしまったのだ。
「えいっ!」
 全力で走り、間合いに余裕が出来た所で遠距離攻撃。そして再び走る。
 この行動を何度繰り返した事だろうか。
 攻撃が当たった瞬間、ラルヴァは怯んだような動きをするので多少なりともダメージあるはずだが、それまで相手にしてきた下級種の打たれ強さとは桁が違うようだ。
「意外と足が遅くて良かったけど、いつまで続ければいいのよ」
 ぼやきながらも走っていると、空から何かが降ってきてラルヴァに直撃した。
「えっ、な、何?」
 砂塵舞う中、落下地点にぼんやりと現れたのは二メートルを超える大きな人影だった。
 いや、確かに人型ではあるが、そのシルエットは明らかに人ではない。
「またラルヴァ?」
 人影がゆっくりと彼女の元へと近づいてきて、次第にその姿がハッキリと見えるようになる。
 どこかドラゴンを彷彿とさせるソレを見て、彼女はその場から逃げ出す事も出来ずに腰を抜かしてしまう。
 彼女の目の前までやってきたソレは突然身体から閃光が迸る。
 何か攻撃を仕掛けてくるのだと思った彼女は「もうダメ」そう呟いて思わず目を閉じた。
「ちゃんと無事だったみたいだな」
 どんな攻撃が来るか絶望で一杯だった彼女に発せられたのは、一人の男の声だった。
「せ、せん……ぱい……?」
 恐る恐る目を開けるとそこには龍河が立っていた。
「今の……先輩の力なんですか…………もう、脅かさないでくださいよぉ~」
「おっと悪かったな、変身してる最中は喋る事が出来なくてな」
 口ではそう言っているが龍河に悪びれた様子はなかった。
「他の連中はやっぱ逃げたか、まぁいざとなったら逃げとは言ったけどなぁ……。お前は最後まで逃げなかったんだな」
「はい、先輩がすぐに来てくれるって思ってましたし、出来る限りの事はやってみようと……」
「上出来だな。お前はきっと強くなるぞ」
 その言葉に彼女は頭を下げてお礼を言おうとした。が、そこで重大な事に気が付く。
「ありがとうござ…………って、何で裸なんですか先輩!!」
「ん、あぁ、さっきは力を全力で使ったからな、全部破けちまったぜ」
 ハッハッハと笑い飛ばす龍河に、彼女は両手で顔を隠しながら文句を言う。
「な、ならせめて前を隠して下さいよ。…………着替えとかないんですか?」
「班で荷物持ちして奴に一緒に予備の服を持って貰ってるし、あいつが戻ってくれば」
 龍河自身、全力で力を使ったらどうなるかぐらいわかっているのでちゃんと着替えは用意はしていた。だけどその服を持った奴がいなくなられたのでは着替えようが無い。
「そんな、じゃあそれまでずっと裸でいるつもりですか!?」
「別にいつもの事だしなぁ、細かい事は気にするなよ。お前が連絡とれば他の奴等もすぐに戻って来るだろうさ」
 指の隙間からチラチラと龍河の方を見ていたが、自分が裸である事を本当に気にしてないような様子なので彼女は大きく溜め息をついた。
「うぅ、でも助けて貰ったお礼は一応言っておきますね。ありがとうございます、先輩」




「なるほど、それで龍河さんはたまに上半身裸でいる時があるんですね」
 クラスメイトの話を聞いた水分理緒は、納得の表情でそう言った。
「うん、このまえもそれで風紀委員に呼び止められてた」
 双葉学園高等部二年の教室にて、彼女はクラスメイトであり龍河と同じ醒徒会役員でもある水分に去年の事を話していた。
「別に先輩は露出狂とかそう言う趣味がある訳じゃないみたいなんだけど、物臭っていうのか面倒くさがりっていうのか、細かい事を気にしない所があるから。着替えも用意するだけで持ち歩いたりしないんですよ」
 彼女はあれからもよく龍河とコンビで行動していたので、そう言った所を何度も見てきた。
「人がプレゼントした服着てた時でも平気で力使ったし」
 ふと彼女の脳裏に何か嫌な事を思い出が再生される。
「…………でも、あの行動力や決断力は凄いなぁって思うけどね」
 次第に色々な事を幸せそうに思い出していく彼女を見て、水分は小さく笑みを浮べる。
「あら、わたしそろそろ醒徒会の定例会議に行かないといけませんので」
 水分がふと時計をみると、思いの外時間が経っていた。
「あ、もうそんな時間? 長々とごめんなさい」
「いえ、こちらこそ。……そうだわ、なにか龍河さんに伝えておく事あるかしら」
 彼女は一度考えるような仕草をしたが、すぐに答えるのだった。




後輩の女子 

「今度はあたしの話、ちゃんと聴いて下さいね」


【基本設定】

名前 (未定)
学年 高等部二年
性別
年齢 17
身長 155
体重 41

  • 性格
明るく活発で努力家な所もある

  • 生い立ち
一般的な家庭で生まれ育った

  • 基本口調・人称
あたし・あたな・キミ

  • その他特記事項
龍河が三年だった時の一年間、二人コンビを組んでいた
彼女の方は龍河に対して色々な感情を抱いているが、龍河の方は頼れる相棒とか仲間とかそれくらいにしか思われてない


【パラメータ】

総合ポイント:22


数値 パラメータ
レベル 7
物理攻防(近) 1
物理攻防(遠) 4
精神攻防 4
体力 3
学力 4
魅力 3
3


名前:



ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。