その異変はまず、ひとりの生徒の身に降りかかりました。
「キャー!」
太い悲鳴が寮内にこだましました。
ここは全寮制の女子学園。国内の各地から生徒を集めるほどの規模を誇ります。
「どうしたの?」
彼女たちの中には、小等部からこの学園に就学する者も多くいます。
「朝起きたら……男の子に……。」
ゆえに、
「本当? ねえ、ちょっと体見せて!」
「えっ、や……あっ!」
男性と接する機会があまり無かった者もまた多いのです。
彼女はその典型的な一例。友人の身に起きた変化に興味津々です。
これからこの部屋で何が起こったのかは皆さんのご想像におまかせします。

一人の少女を襲った、いまだ病気とも呪いとも分からぬ異変は、瞬く間に学園内を覆い尽くしました。

廊下を歩く数人の少年たち。もうすっかりこの生活にも慣れてしまったようです。
「みんな結構変わったな。」
「そう言うお前こそ。」
「男って楽でいいよね。」
どこを見渡しても男、男、男。既に学園は男子校へと化していました。
「そういえばマコトはあんまり変わんないね。」
「むしろ男の子になって可愛くなったかも。」
一番小柄なマコトくんに彼らの視線が集まります。
「えっと……そのことなんだけど、実は……。」
と、マコトくんは彼らにカードのようなものを見せました。
「健康保険証?」
「あれ? 性別欄見て。」
「おとこ……? たしか調査が終わるまでは性別変更はできないんじゃなかったっけ?」
「ってことは……。」
そうです。マコトくんは最初から男の子だったのです。
「女装して女子高へ潜入……? アニメみたいでカッコイイ!」
「今まで騙しててごめん……。」
「いいよいいよ、マコトっち可愛いし。」
「なるほどね。元から男だから変わらなかったのか。」
「いや……、その……。」
なんだか歯切れが悪いマコトくん。どうやらまだ何か隠してるようです。
「なんだよ、男らしくないぞ。はっきり言いなよ。」
「……女の子になってしまいました。」
マコトくんがそう言うや否や、一人の少年が後ろからマコトくんの制服の中に手を入れました。
「ひゃっ!」
「おお、小ぶりながらこれはこれは。」
彼にしてみれば女の子同士のスキンシップのつもりでしょうが、客観的に見るとただの痴漢行為です。
「ちょっと……やめ……。」
マコトくんはその後素敵な学園生活を送りましたとさ。

元レス
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220262396/125
最終レス投稿日時
2008/11/24 02:18:32

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最終更新:2008年12月05日 01:14