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イーヴリン・ウォー - (2009/11/10 (火) 17:53:33) のソース

*イーヴリン・ウォー&br()&size(12){&italic(){(Evelyn Waugh)}}&br()&size(12){(1903~1966)}
**略歴
 ロンドン出身。父は出版社の社長で文芸評論家。ちなみに兄もまた作家である。オックスフォードに入学したが、2年で退学した。結婚した年に処女作を発表し注目を浴びた。その後離婚を経てカトリックに改宗した。作風はブラックユーモアに溢れた風刺的なものであるが、その一方でカトリック的な思想を盛り込まれている。しかしながらそれが単なる保守主義に過ぎないとか、名門崇拝(&italic(){the Cult of the Big House})的であるとの批判も多い。
**作品
 『&bold(){衰亡}』&italic(){(Decline and Fall,1928)}は処女作。最初の出版社からは突き返され、仕方なく別の出版社に社長が不在の時に持ち込んだ。というのもその出版社こそ彼の父親の出版社であったからで、父親に見られたら即反対されるのが分かっていたからだ。主人公ポール・ペニフェザーは不品行が理由でオックスフォードから放校になり、父の遺産管財人からの仕送りも途絶える中、様々な冒険を繰り広げる軽妙なタッチの喜劇。ちなに表題はギボンの『ローマ帝国衰亡史』から取られている。
 『&bold(){エドマンド・キャンピオン}』&italic(){(Edmund Campion,1935)}はカトリック殉教者の伝記。
 『&bold(){一握の塵}』&italic(){(A Handful of Dust,1937)}はヴィクトリア朝式の大邸宅とブラジルを舞台としたラースト婦人の破れた結婚を描いた。
 『&bold(){ブライズヘッド再訪}』&italic(){(Brideshead Revisited,1945)}はカトリック色の強い、かなりストレートな宗教小説。第二次大戦中に、ブライズヘッドという広大な邸に駐屯したライダーは、級友のセバスチャンと再会する。現代文明と人間性への幻滅が描かれ、古き良きものへの懐古に満ちた作品。
 『&bold(){愛されし者}』&italic(){(The Loved One,1948)}はアメリカ西部の葬儀産業を扱った黒い笑いに満ちた作品。


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