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W・H・ハドソン
(William Henry Hudson)
1841~1922

略歴

 アルゼンチン出身の作家、博物学者、鳥類学者。両親はアメリカ人。少年時代は生まれ故郷のアルゼンチンで育ち、農場を転々としながら鳥の生態を研究した。後に博物学者を志して英国へ渡る。アルゼンチン中央部パンパスに棲息する生物の生態を実地に調査して発表し、博物学者として認められる。作家としても活躍し、多くの作家たちと交流を深める。1900年に英国に帰化する。鳥類の保護活動に尽力し、死後その功績を英国政府に認められ、ハイド・パークの一角が鳥類保護区息とされ、そこにハドソンの記念碑が建てられた。

作品

 鳥類に関する本以外にも多数の小説や自然風物エッセイを発表している。その多くは自らの体験や人から聞いた話を基に書かれたようだ。処女小説である『 パープル・ランド(Purple Land,1880)は、形式としては異国旅行記のロマンスであるが、主人公はハドソン自身であるとされる。『 クリスタル・エイジ(A Crystal Age,1887)は一種のユートピア的な風刺小説である。『 ラルフ・ハーン(Ralph Herne,1888)は1971年にブエノスアイレスで起こった黄熱病の大流行を妹から聞き、それに着想を得た。『 ラ・プラタの博物学者(The Naturalist in La Plata,1892)はラ・プラタ川流域の生物の生態を観察した記録で、「博物誌の著書として特異のもの」と評価され、これによって初めて彼は世に認められた。『 パタゴニア流浪の日々(Idle Days in Patagonia,1893)もエッセイで、苦難の末パタゴニアに辿り着いたものの、怪我のために動けず、無為の日々に彼の目に写った自然の姿を記録したものである。『 エル=オンブ(El Ombu,1902)は若い頃に知り合った牧夫ガウチョから1868年に聞いた話から着想を得たロマンスで、晩年になってようやく出版された。これによって作家としても評価されるようになり、これはアメリカでも好評だった。そしてハドソンの代表作として知られているのが『 緑の館 熱帯雨林のロマンス(Green Mansions :A Romance of the Tropical Forest,1904)である。このロマンスは米国で人気となり、ある版ではルーズベルト大統領が序文を書いたという。南米ヴェネズエラの神秘的な森に住む魅惑的な少女リマと、政治的な理由で亡命していた青年アベルとの悲劇的な恋の物語である。『 はるかな国 とおい国(Far Away and Long Ago,1918)は自らの少年時代の思い出を書き綴ったもので、自伝文学としてまた自然観察の本としても評価が高い。