エリザベス・ギャスケル
(Elizabeth Cleghorn Gaskell)
(1810~1865)
略歴
ユステニアン派の元牧師の家に生まれた。旧姓はスティーヴンソン。1歳で母を亡くし、伯母の家に引き取られた。その後、父と兄を相次いで亡くすが、21歳で牧師であるウィリアム・ギャスケルと結ばれた。しかし、34歳になってようやく授かった長男が9ヶ月で病死すると、失意のどん底に突き落とされた。ところが失意の中で夫に勧められて書き綴った処女作が、世間で大好評を得、一躍時の人となった。著名な作家たちとも親しく交友を深め、その中には
チャールズ・ディケンズや
エリオット、
シャーロット・ブロンテらがいた。55歳の時、当時手がけていた作品の完成間近で、別荘で急死。
作品
いくつかの長編の他、多数の中短編を書いたが(
チャールズ・ディケンズの雑誌で発表されたものも多い)、同時代の巨匠と呼ばれるような作家に比べれば、現在の知名度は必ずしも高くなく、評価もまた似たようなものになっている。その原因はギャスケルが誰もが認めるほど善良ではあっても、強烈な個性に欠けていたせいかもしれない。代表作としては処女作の『
メアリ・バートン』
(Mary Barton,1848)や『
ルース』
(Ruth,1853)、『
北と南』
(North and South,1855)、『
シルヴィアの恋人たち』
(Sylvia's Lovers,1863)など。また『
シャーロット・ブロンテの生涯』
The Life of Charlotte Brontë,1857は現在でもブロンテ姉妹の研究の重要な資料となっている。
最終更新:2009年08月17日 18:36