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ジョン・アーヴィング
(John Irving)
(1942~)

略歴

 ニューハンプシャー州エクスター出身。幼い頃に両親が離婚したため、母の実家で育てられ、そこで文学好きの祖母から強い影響を受けた。学生時代を通じてレスリングで活躍したが後にその道を断念、大学を転々しながら文学を志し、その間に結婚し子を授かった。短編が雑誌に掲載されると奨学金を得てアイオワ大学の創作科に入り、ヴォネガットに師事した。1967年、同大学を卒業し、修士論文として書いた作品で作家デビュー。その後全米図書賞を受賞し、精力的に作品を発表している。常々ディケンズを尊敬すると語っており、作品にもその影響が強く表れている。

作品

 『 熊を放つ(Setting Free the Bears,1966)は処女作。バイク旅行の途中に果樹園で事故死した友人の遺志を継ぎ、「僕」はウィーンの動物園の熊などの動物たちを檻から解き放つ。
 『 ウォーターメソッドマン(The Water-Method Man,1972)は尿道に欠陥があるために常に水療法(多量の水を摂取し排出する)を続ける男が一家を成すまでの数奇な人生を描いた。
 『 158ポンドの結婚(The 158-Pound Marriage,1974)は大学教授夫妻とレスリングコーチ兼ドイツ語講師の夫妻の夫婦交換的な交際を描いた。
 『 ガープの世界(The World According to Garp,1978)は驚異的な売り上げを記録した代表作。全米図書賞受賞。主人公T・S・ガープは、看護婦で後に著名な女性活動家になる女性と戦傷によって意識不明になった男との間に「完全に欲望抜きの関係」によって産まれた。ガープはレスリングに熱中し、後に作家となる。ガープは結婚し子供にも恵まれるが、数奇な運命の渦に巻き込まれていく。指摘されているようにこの作品に登場するガープの著作はそれまでの、そしてその後のアーヴィングの作品と少なからぬ類似点を持っている。
 『 ホテル・ニューハンプシャー(The Hotel New Hampshire,1981)は「熊のいるホテル」に強い憧れを抱く父親とその一家の物語。
 『 サイダーハウス・ルール(The Cider House Rules,1985)は堕胎をも行っている孤児院で生まれ育った主人公の成長と、父親代わりの堕胎医との交流を描いた。
 『 オーエン・ミーニーのための祈り(A Prayer for Owen Meany,1989)は奇跡的な能力を持った奇形の人オーエンの生涯を通して、1950年代以降のアメリカ社会の変質を1987年の時点から回想した。
 『 サーカスの息子(A Son of the Circus,1994)はボンベイで続発する映画を真似た娼婦殺人事件が、20年前遭遇した殺人との奇妙な類似をみせるという、インドを舞台に奇想天外な物語。
 『 未亡人の一年(A Widow for One Year,1998)は壊れた一家族の物語を、小説内小説の手法を駆使して描いた。
 『 また会う日まで("Until I Find You",2001)は父に逃げられた母子の物語。父は教会のオルガニスト、母は刺青師。子のジャックは母の意向で元女子高で学び、女役もこなす子役として活躍。その後ハリウッドで活躍するが満たされず、かつて断念した父親捜索の旅に出る。
 『 第四の手(The Fourth Hand,2005)はTVレポーターのパトリックは取材中の事故で左手を失ってしまう。それ以降、彼は不思議な夢に悩まされるようになる。やがて名医によって事故死した男の左手を移植されることになるのだが、その手の未亡人から驚くべき依頼を受ける。他人の不幸をネタにする報道のあり方を皮肉った作品。