ジョン・アップダイク
(John Hoyer Updike)
(1932~2009)
略歴
ペンシルヴァニア州シリングトン出身。両親はユダヤ人。ハーヴァード大学を主席で卒業した。在学中から作品を発表していた「ニューヨーカー」誌のライターとなり、後に作家となった。都会派作家として活躍し、全米図書賞、ピューリッツァー賞を2度、全米批評家協会賞、ペン/フォークナー賞を受賞した。
作品
『
プアハウス・フェア』
(Poorhouse Fair,1959)は福祉国会に対する個人的な反感を寓意的に表した中編。
『
同じドア』
(The Same Door,1959)は初期の短編集。
『
走れウサギ』
(Rabbit,Run,1960)は代表作となったシリーズの第一作。ハリー・“ラビット”・アングストロームという元高校のバスケットボール選手の主人公は、平凡な家庭生活に飽き飽きすると共に、スター選手だった時代を懐かしみ、ついに逃亡を企てる。続編に『
帰ってきたウサギ』
(Rabbit,Redux,1971)、『
金持になったウサギ』
(Rabbit is Rich,1980)、『
さようならウサギ』
(Rabbit at Rest,1990)がある。
『
鳩の羽根』
(Pigeon Feathers and Other Stories,1962)は短編集。
『
ケンタウロス』
(The Centaur,1963)は田舎町で暮らす高校教師の父と息子の卑小な現在を、ケンタウロスとプロメテウスの神話に比して描いた。全米図書賞受賞。
『
農場』
(Of the Farm,1965)はしじで暮らす母子の愛情を描いた。
『
一人称単数』
(Assorted Prose,1965)
『
ミュージック・スクール』
(The Music School,1966)
『
カップルズ』
(The Couples,1968)は性の解放と教会の衰退を描き、大胆な性描写で論議をよんだ。
『
ベック』
(Bech,1970)はユダヤ系作家を主人公とした作品。
『
日曜日だけの一ヶ月』
(A Month of Sundays,1975)は宗教家を描いた作品。
『
結婚しよう』
(Marry Me,1976)はそれぞれに家庭を持つ男女が、あらゆる困難を乗り越えて結婚しようとする物語。
『
クーデタ』
(The Coup,1978)はアフリカの架空の国を舞台に、政治と金と宗教が渦巻く姿を描いた。
『
イーストウィックの魔女たち』
(The Witches of Eastwick,1984)はフェミニズムを風刺して話題をよんだ現代の寓話。
『
ブラジル』
(Brazil,1994)はブラジルを舞台に裕福な白人の娘とスラム育ちの黒人青年の恋を描いた。『トリスタンとイズー』を下敷きにしている。
『
終焉』
(Toward the End of Time,1997)は米中戦争後のボストンを舞台に、引退した老人の日常と妄想、そしてやがて訪れる肉体の崩壊を描いた。
『
ガートルードとクローディアス』
(Gertrude and Claudius,2000)は
シェイクスピアの悲劇『ハムレット』に登場する母ガートルードを描いた。
最終更新:2009年12月08日 15:09