トーマス・キッド
(Thomas Kid)
(1558~1594)

略歴

 英国の演劇の黎明期を支えた人物。彼によって演劇が大衆の娯楽として定着した、と言っても過言ではない。彼の書いた流血と陰謀と復讐の物語である『スペインの悲劇(The Spanish Tragedy,1589)は、スペインの無敵艦隊を撃破した翌年だったこともあり、巧みな筋書き、個性的な登場人物、血が血を呼ぶ衝撃的な展開の連続が大いに観客を熱狂させた。本格的にブランク・ヴァースを使いこなしたことも大きく、マーロゥシェイクスピアに大きな影響を与え、直接の種本ではないものの『ハムレット』と少なからず類似性が認められる。





最終更新:2009年09月16日 17:39