ネルソン・オルグレン
(Nelson Algren)
(1909年~1981年)

略歴

 ミシガン州デトロイト出身のアメリカの作家。3歳の時にシカゴに移住した。イリノイ大学卒業。プロレタリア的傾向が強く、下層社会の人々の姿をスラングを多用する手法で活写した。その作品は世界的に高く評価されたもののシカゴでは不評だった。後に全米図書賞を受賞した。また寺山修司に大きな影響を与えたという。

作品

 『長靴をはいたやつ(Somebody in Boots,1935)は処女作。1930年頃の不況期を背景に、そこで生きる少年の放浪と犯罪を描いた。
 『朝はもうこない(Never Come Moming,1942)は、シカゴのスラム街を舞台にボクサーを目指すポーランド系の少年の、暴力と欲望の世界を描いた。
 『黄金の腕の男(The Man with the Golden Arm,1949)は代表作で全米図書賞を受賞。モルヒネの中毒者で天才的な賭博師フランキーの、退廃と挫折を描いた。
 『荒野を歩め(A Walk on the Wild Side,1956)は、不況下の底辺社会を舞台に、欲望と堕落に満ちた姿を描いた。
 『最後の回転木馬(The Last Carousel,1973)は短編や回想録、旅行記などを集めたもの。
 他に『ネオンの荒野(The Neon Wilderness,1947)は短編集などがある。



最終更新:2010年12月23日 16:50