ジョン・リリー
John Lyly
(1554~1606)

略歴

 オックスフォード、ケンブリッジ両大学で学んだ大学才人。政治家として働く傍ら文筆活動をした。それらの作品は全て上流階級に向けて書かれたもので、宮廷内での栄達を図ったが、成功しなかった。彼の作品の特徴は、比喩や典故、頭韻などを駆使し、華麗に装飾を施した、非常に人工的な文体を実験的に導入したところにある。今日では美文の代名詞となっているユーフュイズムという言葉は、彼の書いた散文ロマンス『ユーフュイーズ』(Euphues,1578)から生まれた。劇作家としては『キャンパスピ』Campaspe,1584、『エンデュミオン』(Endimion,1591)などを発表した。一定の才能は示したものの、結局はシェイクスピア登場の露払いを務めたに過ぎなかった。

最終更新:2008年01月30日 11:11