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ハート・クレイン
(Hart Crane)
(1899年~1932年)

略歴

 オハイオ州ギャレッツヴィル出身の詩人。裕福な実業家の家の一人息子として生まれたが、両親の不和であったため愛情への飢えから精神的に不安定にな日々を送った。そのためか後に同性愛とアルコールに溺れるような自滅的な性格になってしまった。試作を始めたのは高校の頃からで、1917年に両親が離婚すると退学してニューヨークに出たが、経済的に自立することは難しくしばらくの間は、地元とニューヨークを行き来して生活した。ニューヨークでは新進気鋭の詩人たちと親しく交わり、またパウンドエリオットのモダニズム運動に強い影響を受けた。その一方で幻視体験や神秘主義にも興味を覚え、傾倒していくようになった。その文体は伝統的形式に従いながらも、言語の実見にも積極的に取り組んだ。しばしば造語を用いる他、口語や俗語など多彩に用い、その一方で言語の意味よりも連想や音の連なりを重視した。そのためにアメリカ現代詩の中でも最も難しい詩人の一人とされている。1932年、メキシコから帰国する船上で、詩人としての前途に絶望したのか、船から身を投げた。

作品

 『 白いビル(White Buildings,1926)は処女詩集。同性愛をテーマとした詩を含む。
 代表作は『 (The Bridge,1930)エリオットに傾倒していたクレインだが、『荒地』で示された悲観的な世界観に失望し、逆に現代世界の混沌と苦悩を扱いながらも、霊的な発展の継続性を表現しようと模索し、そこから生まれたのがこの作品である。これは当時世界最大であったブルックリン橋を断片化した世界を繋ぎ統合するものの象徴として、あるいは過去と現在を繋ぐ想像力の象徴として描いた。この作品は一連の叙事詩をコラージュ状に配した独特のものである。