デイヴィッド・ガーネット
(David Garnett)
(1892年~1981年)
略歴
ブライトンに生まれる。父は作家のエドワード・ガーネット、母はロシア文学の翻訳者コンスタンス・ガーネット。初め王立協会で植物学を専攻したが、第一次大戦が勃発すると良心的兵役拒否をして、戦災者の救済に奔走した。戦後には友人と大英博物館の近くに書店を開いた。いわゆるブルームズベリー・グループの一人であった。最初の妻に先立たれた後に再婚しているが、その相手は同性愛関係にあったと噂されたダンカン・グラントの娘であった。彼女と離婚した後はフランスに移り住んだ。
作品
いずれも奇妙な着想が特徴。
代表作は『狐になった奥様』(Lady into Fox,1922)。ある日突然、狐の姿になった妻が次第に野生に目覚めていくことに戸惑う夫の姿を描いた奇妙な物語。
他に『動物園に入った男』(A Man in the Zoo,1924)は恋人との喧嘩をきっかけに動物園入りを志願する男を描いた。『水夫の帰郷』(The Sailor's Return,1925)はアフリカの黒人女性と結婚し、故郷で居酒屋を始めた水夫が、周囲の偏見と戦いながらついには殺されてしまう悲劇。『イナゴの大移動』(The Grasshoppers Come,1931)は不時着した飛行機とともに砂漠にとり残された男が、イナゴの大群に襲われるという極限状態を描いた。『ビーニー・アイ』(Beany-Eye,1935)はビーニー・アイの異名を持った殺人狂の男と家族の物語。『アスペクツ・オブ・ラブ』(Aspects of Love,1955)は奔放な女優ローズを中心とした男女4人が織り成す恋物語。
最終更新:2011年10月08日 15:29