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トマス・カーライル
(Thomas Carlyle)
(1795~1881)

略歴

 英国の評論家、思想家、歴史家。ヴィクトリア朝初期を代表する典型的な知識人。スコットランドの清教徒派的な家庭に生まれ、牧師になろうと志してエディンバラ大学に学ぶが、次第に信仰に対する深い懐疑にとらわれた。ドイツ文学を研究し、『シラー伝』を書いた他にゲーテ作品の翻訳を行った。またゲーテとは文通をしており、多大な影響を受けたという。彼の「バイロンを閉じよ、ゲーテを開け」の言葉は有名。英国ロマン派の限界を見抜いていた。

作品

 『 衣装哲学(Sartor Resartus,1833-4)は、架空のドイツの哲学者トイフェルスドレックの手記を翻訳・解説した、という形で書かれた。その中で社会、国家、宗教、道徳など全ての文化、及び思想は人が魂の上に着た衣服に過ぎないと断じた。また後半では、カーライル自身の苦悩の遍歴を詳述している。 『 英雄崇拝論(Heroes and Hero Worship,1841)は、カーライルがこの前年に行った講演を編纂したものである。神、預言者、詩人、僧侶、文人、帝王それぞれの英雄を、マホメット、ダンテ、シェイクスピア、ナポレオン、クロムウェルなどの人物を例に論じ、英雄に対する独自のロマン的英雄像を提示した。
 『 過去と現在(Past and Present,1843)では、当時の放任主義的経済の行く末を憂慮し、それに対して道徳心に基づく産業の新しい倫理観の必要性を説くと共に、信仰の復活と英雄的政治の到来を熱望した。
 彼の文体は総じて固く難解であるが、その重厚さが強い説得力を持っている。歴史家としては『フランス革命史』(The French Revolution,1837)がある。