四季

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*四季 (幻想を語る和物語集、四季百季万華鏡。 それは、ある墓地の跡地より発見された、質素な和綴じの古書。 刻まれた銘は、「花盗人」。 その内容は、どれも美しくも悲しい、幻想に満ちた物語集であった。 この楽集はその内容を現代語に訳し、音楽を奏でたものである――) 春には桜 夏には紫陽花 秋には彼岸花 冬には椿 花盗人の手には 常に紅い花があった (春は桜。木の根元を掘り続ける女。その下に眠るのは誰?) (夏は紫陽花。一人の侍、一人の女。鬼と化したのは誰?) 四季と思いは 廻るもの 春夏秋冬 喜怒哀楽 四季と百季を紡ぎ上げ 描いたそれは万華鏡 くるくりくるりら―― (秋は彼岸花。死に行く男と、川を渡す女。魂を流すのは誰?) (冬は椿。逃げる遊女と、手を引く男。裏切るのは誰?) 四季と思いは 廻るもの 春夏秋冬 喜怒哀楽 四季と百季を紡ぎ上げ 描いたそれは万華鏡 くるくりくるりら――

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