乱世ノ好意

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*乱世ノ好意 <其処は、宵口の夜空、煌きに満ちた世界> <  > 小高い丘に立った一軒の小屋は、自然に囲まれて静かに佇んでいた。 一番近い町からも歩いて目指せば半日掛かる、そんな場所には白い髭の老人と、可愛い女の子が二人だけで住んでいた。 その日は、雲ひとつ無い満天の<星>空、新月の暦のお陰でいつもより綺麗に<星>が見えていた――― 「今日は<星>が綺麗だね、お爺様」(フランシスカ) 「あぁ、そうだね…、こちらから良く見えるということは、向こうからもこちらが良く見えるということだ…。」(アルベルト) 「向こうから?お<星>様にも誰かが居るの?」(フランシスカ) 「Fran、<星>というのはね、この世界を精一杯生きた人達の残り灯なんだよ。 だから、死んでしまった全ての人が、<星>になって私達を見つめてくれているんだ…。」(アルベルト) 「そうなんだ…それなら素敵だね。お父様もお母様も、私を見守っていてくれるかしら…。」(フランシスカ) 「ああ、きっと見ているよ…Stella(シュテラ)もAndreas(アンドレーアス)も私達を見守っている…。」(アルベルト) 「私達は親子なんだものね…。」(フランシスカ) 「Fran…いつか私が死んだら、お前の幸せを願おう…。」(アルベルト) (少しの間沈黙、小さく戸を叩く音) 「お客さんのようだね…待っていておくれFran」 (戸を開ける音。よくあるギィ、みたいなので) 「すみません、一晩だけ泊めていただけませんか?」(アンナ) 「こんな所に来るなんて珍しい、暖炉ぐらいしかないが、それでよければ泊まっていきなさい…」(アルベルト) 「ありがとうございます…私はAnna=Hardwich(アンナ=ハルトヴィック)、…しがない詩人です。」(アンナ) 「Anna=Hardwich…しがないだなんてとんでもない…この国で君の名を知らない人は居ないだろう…」(アルベルト) (場面変更、フランシスカの声ここから大人) (街の喧騒の効果音) 「見て貰えるかな、綺麗な占い師さん。」(レナートゥス) (喧騒の効果音止め) 私の店に初めて来たのがその男性だった。 左右で違う色の眼をしていたので今でもその印象は良く覚えている。 「いらっしゃいませ…お名前を教えてください。」 「Renatus=Kircheis(レナートゥス=キルヒアイス)、君の名前は何かな、占い師さん。」(レナートゥス) 「私は…Franzisca。Franzisca=Erheid」(フランシスカ) 「そう…Franzisca、いい名前だね。」(レナートゥス) 「ありがとう。さて…生年月日も教えてもらえますか。」(フランシスカ) 「1788年7月14日。あの革命のちょうど5年前さ。」(レナートゥス) 「ふふ、偶然ですね、私の三日前に生まれた貴方が最初のお客さんだなんて…。 では、占って参りましょう…。 全体的に良い星の巡りのようですね…今はお仕事をしていないようですけど、近く見つかると思いますよ。 恋愛についても運命の人が現れるかもしれませんよ。 でも最後に…、貴方を惑わせる事が起こるかも知れません、お気をつけて。」(フランシスカ) 「そう…ありがとう、精々気を付けよう。君も体には気をつけて、将来有望な占い師さん。」(レナートゥス) 「えぇ、ありがとう、初めてのお客さん。」(フランシスカ) ―――それが、私と彼の出会い 見えない輪は廻り始める。 まだ見ぬ喜劇と悲劇を目指すように、廻る――― <その世界の意味は、辛くても逃げないこと>

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