めぐり続ける神呪

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*めぐり続ける神呪 <其処は、絶望に沈む寒村、炎に包まれた終端の世界> <<黒色の運命(Schwarz)>> 「嗚呼、どうしてこんな事になってしまったのだろう(かしら)…」(レナートゥス+フランシスカ) (効果音:警鐘) 「皆殺しにしろ!」(なんか渋いおっちゃんの声) 国境線の小さな村に響き渡る怒号、誰もが恐怖に飲み込まれた。 駆け回る<戦車>に怯え、絶望に押されて逃げ惑う。 逃げ遅れた者は皆、為す術もなく身を散らした。 「速く、もっと速く走るんだFran! 」(レナートゥス) 「もうこれ以上は無理よRenatus…」(フランシスカ) 「早く、僕の手を取ってくれ…!」(レナートゥス) 必死に逃げてゆく一組の夫婦(やがて二人は、小さな白い教会へと逃げ込んだ) 誰よりも生きたいと願う二人… 「誰一人逃がすな!」(皆殺しの人と同じ声) 獲物を探す猛獣は、目に付く全てに火を吐いた。 この世に地獄を創る<戦車>、瞳に映った者を噛殺してゆく。 「もう走れないわRenatus…」(フランシスカ) 「あぁ…僕ももう…短い間だったけれど、楽しかったよFran…」(レナートゥス) 「Renatus…思えばまだ五年しか経っていないのね、私達が出会ったあの日から…」(フランシスカ) 「もっと、ずっと昔から知っている気がしたよ…」(レナートゥス) 「えぇ…私も…これで一緒…ずっと一緒ね…。」(フランシスカ) 「あぁ、ずっと一緒だFran…」(レナートゥス) 二人は、強く手を握り合って大きな十字架に向かって誓う… 「「主よ、死が二人を分かつとも…私達はずっと―――」」(レナートゥス+フランシスカ) 嗚呼、そのままなら幸せだったというのに…黒い輪は廻り始めてしまった… 彼の眼に映る現実、炎に染まった十字架が彼女に襲い掛かる最後の光景。 最期の笑顔が灼き付いてしまった… 「Fran…君の仇は僕が取るから…安心して待っていておくれ…」(レナートゥス) 残された男は、動かない恋人の手を握り締め、色の無い涙を流す。 死の衝動は魔術師を狂わせ、約束の輪を逆転させてゆく… 「皆殺しだ(Es ist ein Massaker…)…誰一人逃がしはしない(Niemand fehlt…)…」(レナートゥス) (悲鳴) 嗚呼、そこに残ったのは 一人の亡霊と形見のリングだけだった (狂ったようなレナートゥスの笑い声) 「誰か…彼を止めて…お願い…」(フランシスカ) 「輪を廻しているのが私ならば良かった…」(アルベルト) <その世界の意味は、決して振り返らないこと>

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