手慣れた献花

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*手慣れた献花 <其処は、夢の中の教会、男が一人彷徨う世界> <<黒色の輪(Schwarz)>> 「おはよう、今日はいい天気だねFran」(レナートゥス) 『えぇ、本当に。お散歩でも行きたい気分』(フランシスカ) 「そうだね、一緒に散歩でも行こう まだまだ行ってない所が一杯あるからね」(レナートゥス) 『ふふ、そうね。今日はちょっと遠くまで歩いて見ましょう』(フランシスカ) 「あぁ、そうだな…、村の東側に湖があるんだ、一緒に行こう」(レナートゥス) 手を繋いで歩く道はいつも晴れ渡っていて 隣に居るのは愛する女性 強く感じる愛する温もり ああ、彼女が居るだけで僕は幸せだ 二人でいるだけでどんなことも超えてゆける… 彼女はいつも微笑んで僕を見てくれる 僕もいつも笑顔で彼女を見ていたい そんな簡単な願いがきっと<恋人>の証 僕と彼女はまだ<恋人>同士だと信じてる… 二人で行った小さな湖畔で 手を強く握って草むらに寝そべった 空は澄んでいて果てしなく 水は空を映してキラキラと輝いた この世界はこんなにも美しいんだ 改めて僕はそう思った 隣で寝息を立てる彼女の横顔を 起こさぬようにそっと見つめながら 僕は近くで摘んだ花を結んで 彼女の細い腕に結びつけた 約束と希望を込めて そんなささやかな贈り物を… ああ、僕はなんて幸せなんだろうか… (曲調一変) 「殺人鬼の息子が幸せになれる訳が無いじゃない」(クローエ) 彼女のそんな声が聞こえる気がした 僕は恐ろしかった 僕は失いたくなかった 僕は…『彼女』とは違うと思っていたのに… 「は…はは…ははははははは!!! そうだ…何を勘違いしていたんだ僕は 僕はあの女の血を継いでるんだ こうなることは分かってたじゃないか…」(レナートゥス) <血塗れの手足>(真っ赤な花)を崩れた教会に捧げてゆく 彼女への贈り物として… その村に残されたのは、湖と花畑と一組の<恋人>だけ… 後の世の御伽噺に魔術師と歌われたRenatus=Kircheis 彼はこの後5年以上も真っ赤な花を供え続けた… 「Renatus…私は最期まで愛していました…」(フランシスカ) 「悲しい…悲しいものだな……いや…人の事は言えないか…」(アルベルト) <その世界の意味は、領分を見極めること>

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