懸橋
何処までも広がる蒼い<<物語>>(そら)
見上げる小さな人々
その結末(あお)の果てにどんな夢を描く
見えない道を辿り
白い羽の彼女は
この美しい青空(せかい)を巡って行く
空はずっとそこに在る
苦しみも哀しみも抱いて
アナタと共にそこに在る
癒されぬ嘆きの為に
アナタの流した涙もいつか
この蒼い海(そら)に白い島(くも)を創るでしょう
この海(せかい)にはそんな悲しみさえ
それはきっと必要な存在(もの)
ただ躰躯(からだ)を打つ灰い<<悲哀>>(あめ)
止む気配など感じない
その嘆き(くろ)は何よりも昏いんだ
夜明けの光を浴びて
白翼の彼女は
薄月に陰を落として翔んでゆく
誰もが皆生きて行く
哀しみと苦しみを抱いて
それでも皆生きて行く
訪れる終端(おわり)の為に
涙に創られた雲もいつか
この青い地上(そら)を輝く雨で濡らすでしょう
この地上(せかい)にはそんな涙さえ
それはきっと必要な存在(もの)
燦然と煌く緋い<<憧憬>>(かげ)
光は誰に降り注ぐ
その終端(あか)の先は誰にも解らない
彼女も空を見上げて
黒い空の向こうに
とても美しい星空(せかい)を夢見る
アナタも皆と生きて行く
苦しみと哀しみに抱かれて
アナタも空と生きて逝く
歓びの結末(おわり)の為に
<<物語>>(そら)と<<悲哀>>(あめ)と<<憧憬>>(かげ)が総て揃い
この世界に初めて綺麗な
<<夢>>(にじ)が描かれるでしょう
それは何より必要な存在(もの)―――
アナタは一人じゃない
独りだなんて思わないで
私が居るからずっと見ているから
高い<綺麗な青>(そら)の果てから
「あなたの空は何色ですか?」
最終更新:2008年01月13日 23:03