紅と蒼の地平線


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『紅と蒼の地平線<あさとよるのはざま>』






(……吹き荒ぶ風。夜霧は世界を包んだ
 ……吹き荒ぶ風。朝露は世界を濡らした
 ……吹き止む風。空っぽの世界を僕達は見た)



(……嗚呼。世界ハ、世界ハコンナニモ……)



昇る太陽 欠ける月 地平の果てに現れる 紅の光
沈む太陽 満ちる月 地平の果てに没する 蒼の闇



(誰モガ闇ニ抱カレテ存在(い)ル)



道は続く 永く 紅く 生者(人)の光(道)は 閉ざされる
道は続く 永く 蒼く 死者(人)の闇(道)は 開かれる



(ダカラ安心シテ生キテ存在(い)テクレ)



廻る廻る紅と蒼 紡がれし幻想はひたすらに甘く
廻る廻る紅と蒼 訪れし夢想はひたすらに淡く



(僕ハ総テヲ解ッテ存在(い)ル)



昏く輝く紅の地平 人は夜(希望)を知らない
眩く煌く蒼の地平 彼は朝(絶望)を知っている



(夜明ケニ何ノ価値モ無イコトヲ、僕ハ知ッテ存在(い)ル)



朝(闇)に差し込む一筋の夜(光)
そこに輝かしい救済を見た
希望を求め僕達は行く
彩られた世界に何の価値があるのか



(――朝とは。
    夜を約束された存在。
    朝(苦痛)を代償に定められた夜(安寧)。
    人々は生まれ付いて間も無く、逃れ様の無い朝(枷)に身を囚われるだろう。
    だが安心して欲しい。
    夜は平等であり、夜は決して我々を裏切らない。
    誰しもが遅かれ早かれ、必ず夜を迎える。
    人は朝(始まり)と同時に絶望を架せられ、そして希望に満ちた夜(終わり)を願う。
    朝に嘆き、夜を求める。
    その真理を核として、世界は廻る。
    紅い太陽、蒼い月。
    ようこそ。夜は君を、歓迎する――)



朝(闇)を照らす幾条もの夜(光)
そこに眩い希望を見た
絶望を振り払い突き進む
色の無い世界に溢れんばかりの夢を描いて



(泣き叫ぶ聖人。
 棺を抱いた女。
 微笑む予言者。
 涙を流す人形。
 総てを識る樹。
 雪を恐れる童。
 愛を欲する男。
 嘆き抗う少年。
 夢を追う騎士。
 嗚呼。朝を駆け抜けし物語は、やがて夜の水底に詩を紡ぐだろう――)