Knight Horizon


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『KnightHorizon<まもりしもの>』


(――深い蒼に沈む空を蝕む焔の紅。
 馬の嘶き、揺れ動く大地、戦いは続く。
 小高い丘の其処彼処で鳴り響くのは、命(刃)と命(刃)が擦れ合う不愉快な悲鳴(音)。
 陥落寸前の砦の前に佇むは、紅き甲冑で身を固めし戦いの獣。
 その<騎士>の名は、Randolph。
 『夜明けの刃』(Knight Horizon)・Randolph Arkwright。
 昇り来る朝日を睨み付け、彼は迫り来る敵の大群へ向け、剣を抜き放った――)



打ち寄せる死(蒼)の恐怖に震えながら男は戦った
彼の背中には護るべき場所が在った



紅き髪 紅蓮の様に
紅き瞳 羅刹の様に



押し寄せる敵(蒼)の衝動 斬り開くは真紅の剣(つるぎ)



渦巻く砂塵は 太陽を遮る
列を成す死者の大群 蒼き炎を抱えて



我等 揺蕩(たゆた)う生の水面に浮かびし者



(『夜明けの刃/真紅の螺旋/不可避の死/三年寝英雄/涙脆い騎士』(Knight Horizon)・Randolph Arkwright。
 彼が振るうは慈愛に満ちた無慈悲なる一太刀、それは例外無く無価値な死を届けた。
 彼の苦悩と狂乱、そして涙に満ちた日々は続く。
 いつまでもいつまでも、昏い夜が明けるまで――)



朽ち果てる己(紅)の幻想に怯えながら男は戦った
彼の背中には護るべき人が在った



紅き刃 血塊(けっかい)の様に
紅き鎧 紅石(あかいし)の様に



突き動かす獣(紅)の衝動 突き穿つは真紅の槍



渦巻く灰燼(かいじん)は 邂逅(かいこう)を齎(もたら)す
熱を持つ生者の軍勢 紅き焔を湛(たた)えて



彼等 弛(たゆ)まぬ死の水底に沈みし者



剣を手に 生を瞳に 約束を心に乗せ
奔(はし)る紅を止められるモノなど 在りはしない



君が歌いたかった夢(歌)を歌おう
君が歌えなかった夢(歌)を歌おう
君と歌える日を夢見て歌おう



「Helena、笑わないで聴いておくれ。理解してくれとは言わない。ただ聴いていてくれるだけでいい。
 強い者、弱い者。富める者、貧しい者。賢き者、愚かしき者。誰もが口を揃えて歌える歌、それが私の願う正義の形なんだ。
 力無くして語れぬ正義なんて、そんなモノは支配と同じだ。
 それでも、時代は支配(正義)を必要としている。誰かが世界を統べ、答え(正義)を示さなければならない。
 夜はまだ明けないのなら、私は剣を握るこの手を休めたりはしない、責めたりもしない。
 この苦しい時代(夜)の向こうにある、優しい時代(朝)の為に、私は剣を振るう。
 それが罪ならばこの身を焼けば良い、それが咎ならばこの身を貫けば良い。
 この夜が明けた時、そこに生きる希望(子供)達が笑顔で居られる世界が在る。
 ――それが私の、Randolph Arkwrightの、夢なんだ」



戦場に咲き乱れる花 赤い紅い花
戦場で舞い踊る<騎士> 悲しい哀しい<騎士>
奔(はし)る紅を止められるモノなど 在りはしない



立ち上がり 燃え上がり 駆け抜ける 歪(ゆが)む十字(クロス)



紅き剣を手に
紅き雷(いかずち)に成り
紅き焔と共に
紅き獣の如く



掻き抱き もがき抜き 滅び往く 罰の弓矢(アロー)
血の涙 流し在る 罪人の 胸貫く



(立ち尽くす英雄、地に伏せる英雄。
 その身から零れ出るのは紅い、紅い血(涙)。
 『不滅の太陽』(Knight Horizon)・Randolph Arkwrightは、最期の瞬間(時)に幻想(夢)を見た。
 死の(蒼い)魔物に意識を喰われながら見たそれは、懐かしい思い出。何よりも美しく、何よりも暖かな思い出。
 大好きなあの大きな<樹>の木陰。そこで昼寝をしていた頃の優しい記憶(風景)。
 涼やかな風、薫る緑。目を開けると、愛しい女性(ひと)の笑顔が在った)



「嗚呼、Helena……見ろ、夜が明ける。
 眩しいな……夜明けだ。紅い、紅い夜明けだ。
 おかしいな……夜が明けたと言うのに、酷く眠い……
 なあHelena……一眠りさせてくれないか? ゆっくり寝て、夢を見たい。
 君の元へ帰ってくるのは、それからだ。いいだろう? Helena……」



君が歌いたかった夢(歌)を歌おう
君が歌えなかった夢(歌)を歌おう
君と歌える日を夢見て歌おう



泣きながら眠る君の為に 優しい夢(歌)を歌おう……