逸楽した領土


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逸楽した領土



<其処は、狂った王国、黒い薔薇を畏れる世界>
<<赤色の輪(Rot)>>



1793年6月26日
地上の青空と呼ばれた詩人Anna=Hardwich(アンナ=ハルトヴィック)が自殺した。
その後に彼女の自宅より見つかった遺書に記された最期の詩…



(最も幸せな人生とは何だったのでしょうか
誰よりも賢くて、誰よりも博識な貴方ですら、分からないでしょう
最も不幸な人生とは何だったのでしょうか
誰よりも愚かで、誰よりも無知な私ですら、この答えは分かるのに
私が生きたのは、
囀れない小鳥と咲けない花ばかりの
そんな、世界でした…
嗚呼、幸せとはこんなにも手に入れ難きものだったのですね…
私は金色よりも銀色よりも
どんな派手な色よりも
唯、色の無い幸せだけが望みだったのです)(アンナ)



「Alexis様万歳!Anneliese様万歳!Rosenberg家万歳!」(バックに響く感じがイメージ)



<皇帝>、Alexis=Von=Rosenberg(アレクシス=フォン=ローゼンバーグ)、後に黒き薔薇と謳われる暴君。
正妃、Anneliese=Von=Rosenberg(アンネリーゼ=フォン=ローゼンバーグ)、後に白き吸血者と謳われる女性。
この二人を中心に、赤い輪は廻り始める。
ただその先にある希望と絶望を目指して、廻る―――




宮廷に響く偽りの賛美、人々に響く無音の憎悪。
その両方の中心で、愚かな<皇帝>は酔い痴れる
聞こえる全てが、全て真実だと思い込んで…
その隣ではいつも、狡猾な正妃が静かに笑う
見え得る全てが、思いのままと勘違いして…
幸せなのは彼らだけ、不幸なのは全ての人達



(神様、この人生は貴方が決めたものでは無かったと信じています…
あの薔薇だって本当は黒を望んでなどいなかったでしょう)(アンナ)



荒れてゆく領土、逸楽する宮廷
宮廷の者達は民衆に目を向けない
第三身分(平民)達の世界が壊れかけていることに
それが
自分達の世界を壊してゆくことに
軋み始めた世界を嘲笑う様に歴史は廻る



(誰が一番悪かったのでしょう
どうすれば止められたのでしょう
私に何か出来ることはあったのでしょうか…
ごめんなさい、神様…。貴方に貰ったたった一つのものだったのに…)(アンナ)



「食料が無いなら土でも食べれば良いのではありませんこと?」(アンネリーゼ)



悪魔の様なその声は、宮廷から外には響かない
第三身分(平民)達はまだ知らない
全てを操っている彼女の存在に
彼らどころか<皇帝>すら気付いていない



(一番悪かったのは私かもしれません…
いえ、きっと、私だったのです…
許してください、神様…。今度は、次こそは逃げませんから…) (アンナ)
瑠璃細工の懐中時計を手に、彼女は真っ青な海へと…
(ごめんなさい、Franちゃん、Albertさん…)(アンナ)



「哀しく赤い輪は廻り始めてしまったのですね…」(フランシスカ)
「悪いのは、自分が悪いと思い込んでしまうことだ…」(アルベルト)



<その世界の意味は、悲しみに背を向けないこと>