欺瞞の花


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欺瞞の花



<其処は、夢の向こうの夢、一人だけの世界>
<<黒色の輪(Schwarz)>>



「まだだ…まだ足りない…
嗚呼、待っていておくれ僕のFranzisca…
必ず僕がもう一度…」(レナートゥス)



教会の亡霊は
血の海の中心で
動かない彼女の
手を取り踊る



停まっている黒い輪で
ひたすら一人舞い続け
やがて僕はその手で
血に染まった黒を廻そう



彼の得物は何なのか
誰一人分からなかった
死んで逝く者達すら
例外では無く



「皆殺しだ(Es massakriert(エス マッサクリエルト)
僕らの城に立ち入る者は誰一人逃がさない
(Person vermist die in unserer Burg auch eingeschlossene(ペルゾーン フェアミスト ディー イン ウンゼエール ブルク アオホ エインゲーシュロゼーネ)」(レナートゥス)



彼が手を振りかざせば
獲物は気付けばバラバラ
視界を奪われて初めて
自分の死を識って逝く



この小さな世界では
きっと皆不幸せ
それでもどうして貴方は
笑顔で泣いているの?



「漸く…百個…(Hundert)
これで…これで君を…」(レナートゥス



あぁ今こそ
僕が集めた
樽一杯の血汐と
百対の手足
そして、この
真珠のリングで
君の呪いを解こう



「<蘇れ、僕の可愛い小さな花…>(Erholt sich,Meine schone kleine Blume(エアホールト ズィヒ マイネ ショーネ クライネ ブルーメ)」(レナートゥス)



世界に叛いた魔術は
成功するはずもなく
彼は一人立ち尽した
101人の亡骸の前で



『もう、私のことは忘れていいから』(フランシスカ)
「そんな事は僕には出来ない…
君が死んで、僕の生きる理由はもうこれしかないんだ」(レナートゥス)
『どうして?あの誓いで…私達はずっと一緒なのよ。
たとえ今は、私が死んで貴方が生きていたとしても…ずっと一緒なのよ。』(フランシスカ)
「Fransizca…僕は君に言っていないことがあったんだ…」(レナートゥス)
『貴方の生まれなんてどうでも良かったの。私は何があってもずっと愛しているわ……
逆位置のカード達の入口を順に、後ろから辿れば二つ目の歌(Lied)になる…
貴方はね、何時までも私の正位置の恋人だから…どうか…』(フランシスカ)




頭の中に響く優しい声で
彼は深紅の海で目を醒ます
そして、彼は謝りながら
手足を集め、弔った



悲劇の<魔術師>、Renatus=Kircheis



彼は壊れた村を直し始めた…
百の墓と、一の碑を立て
せめてもの罪滅ぼしとして…
新しい生きる意味として…



「…私の分まで、どうか、幸せに…」(フランシスカ)
「彼の道は間違っていたのかもしれない…けれど、私は応援しよう…」(アルベルト)



<その世界の意味は、明日を見据えて歩むこと>