或ル国ノ殺意


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或ル国ノ殺意


『或ル王ノ悪意』――

冬の都 厚い雲 人は怯え 暮らす
守られる筈の命 希望 やすらぎ
夜の街 駆ける悪夢 人は震え 眠る
奪われる運命の光 炎 ぬくもり

やがて戦いが始まる そう愚かな小競り合いだ...欲するのは領地でなく勝利と云う事実だけだ
いずれ戦いが始まる そう浅はかな鬩ぎ合いだ...理由もなく奪っては飾り立てる愚か者だ

――躯の上を往く《鮮血を啜る紅い絨毯》...気まぐれに虚空をなぞる愚者の指が 駒を遊戯板の上へ誘う...
   太陽と月が巡る《殺戮を赦す昏い王都》...或る者は愛しい人を、或る者は大切な人を奪われ、続く路は喪失の白...

夜毎巡る忘れえぬ痛みに瞳を閉じる...【太陽】...最後に残ったのは一片の紙片
やがて巡る耐えられぬ悼みに唇を噤む...【月】...最期に遺ったのは一編の詩篇

戦い果てて焼けた地に残った焔は
硝子細工によく似た儚い月光

時計の針は止まったまま 光を待っている...

『或ル男ノ決意』――

雲の切れ間から差し込んだ眩い希望は
照らす大地に芽生えた果てない陽光

時計の針は動き出し 光が満ちている...

――それは嵐の夜の出来事、稲妻の刹那
   それは満月の夜の出来事、雷光の【聖戦】...

嗚呼...愛した女性を奪われ...愛した家族すら喪った...
されどそれすらも世界と呼ぶならば...そんな世界要らない

――男は立ち、王は倒れた
   明ける暗闇、男達は王宮の兵士によって捕らわれ、人知れず処刑された
   弱者を虐げねば存在を示せぬ者もいるこの世界で、彼らの行いは正しかったのだろうか
   大衆は王の死など知らず、政治とて同じ...王の死など関係なく、新たな歯車によってまた廻り始める
   彼らの明かされざる物語に手向ける華の如く...暁の空に白い羽が舞い上がった...