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**Traumatize ◆qwglOGQwIk (非登録タグ) [[パロロワ]] [[ニコニコ動画バトルロワイアル]] [[ツンデレのジンクス発動]] [[第九十六話⇔第九十七話]] [[第九十七話⇔第九十八話]] [[R-18]] [[ずっと阿部さんのターン!]] [[暗黒進化]] [[鬱カオス]] ---- 「かがみー、橋の上に二人組が見えるよ?」 「ほんとだ。でも片方は角が生えてるみたいだけど大丈夫かな?」 「二人組っていうことは危ない人じゃないと思うなぁ」 「確かに……普通は危ない人とは一緒に行動したりしないだろうからね。  行きましょ、イッカクモン」 「ほいきた!」 歩みを止めていたイッカクモンが歩き出す。 どうやら相手のほうもこちらに気が付いたのか、近寄ってくるみたいだ。 何かあったときのために一応拳銃を構えていたが、ただ近寄ってくるあたり襲ってくる気はなさそうだ。 イッカクモンの背中から降りた私と真は、橋の向こうからやってきた青いツナギの男と角の生えた女の子に話をすることにした。 「私は柊かがみ、この子は真であっちがイッカクモンよ」 「ほう、真くんにイッカクモンくんか……」 「いや、僕は女の子なんだけど……」 真がすかさず訂正する。 まあ、私も最初は見間違えたし、言われなければ気が付くのは難しいだろう。 「女の子ぉ……?」 「いや、本当なんだよ。よく誤解されるけど……」 「嘘だッッッ!!!」 「うわっ!?」 男が急に叫ぶ。びっくりした。 隣のイッカクモンも驚いている。真はなんか頭を抱えている。 「こんなかわいい子が女の子のはずが無いッッッ!!!」 「あ、あうううううう……」 隣の真はというと先ほどの発言が効いたのだろうか、へたり込んでいる。 多分、真の中では胸に剣がぐさぐさと刺さっているのだろう。 ……さすがにちょっとばかりかわいそうだ。 「……まあそれはいい。俺は阿部高和、いい男だ」 「そして私は小さな百鬼夜行、伊吹萃香さ!」 青いツナギの男が阿部高和、そして角の生えた女の子が伊吹萃香と言うらしい。 百鬼夜行というぐらいなのだから、きっと角が生えているのは鬼なのだからなのかもしれない。 本物?の鬼がいるというのも少しばかり驚きだが、阿部さんの言う『いい男』とは何のことだろう。 さっきから微妙に違和感を感じないでもないが、とりあえず本題に移ることとしよう。 「あの、阿部さんに萃香ちゃん。私達は仲間を集めているん……」 「「だが断る」」 突如、私の言葉は阿部さんと萃香ちゃんによって遮られる事になる。 え、断る……? 「仲間を集めてあの悪魔どもに立ち向かう? そんなものはご免だね」 「私達は私達のやり方で、正々堂々と無理やりヤル」 「というわけで真くんにイッカクモンくん、一発やらせろ!」 「「「え、ええー!」」」 や、ヤル? 殺る……? でもニュアンス的におかしいか………… じゃあ、もしかしてもしかしなくても、犯…… 「ねーねーかがみー、やらせろっていったいどういうこと?」 その一言がキーワードになって、私の頭の中にめぐるめくピンク色の世界が展開される。 あああああ、違う違う違うー! 何かおかしい、おかしいって! 「ややややや、やるってあ、あんた!」 「そ、ケツを掘らせろってことだ」 頭の中が一瞬フリーズ。 ケツ、ケツ、しり、尻。 目の前のこいつ、阿部高和と言う男はいわゆるひとつの……アレなのかもしれない。 とりあえず私の貞操の危機?は多分なさそうだが、代わりに真が危ない。っていうかイッカクモンもターゲット!? 隣の真を見ると、顔を真っ赤にしてあわわわわと呟いている。きっと私も今あんな顔をしているんだろう。 イッカクモンはというと、何が何だかよく分かってないのか、ヤルってどういうこと? ケツを掘るっていったい何? 等々、この状況をまったく理解していないようだ。 「ねーねーかがみー、真ー。ケツを掘るっていったいどういうこと?」 絶対言えない。……っていうかイッカクモンに教えちゃ絶対いけない。 純真無垢なイッカクモンにとって、こんなことは知らなくていいのだ。 「真くんはまだ弱そうだからもう少し取っておきたい所だが、もう収まりがつきそうに無いんでね……  悪いが、二人とも無理やりやらせてもらうぜ」 「なるほど、阿部は衆道の人だったのか。……でもさっき弱い奴は食わないなんて言ってなかったか?」 「男は狼なんだぜ。さっきはお預け食らった上に、やりたくもねえクソ女の相手までやらされたんだ。  もう我慢しろって言っても、俺の理性はもたないんだぜ」 「欲望に忠実なのはしょうがないな、うんうん」 隣の萃香はというと、うんうんと唸って何やら一人納得しているようだ。 理解不能……一体どうすればいいのか。 「あ、あんたね! 無理矢理やるっていうのは犯罪な……」 「…邪魔するんじゃねえよ」 急に胸元に衝撃が走ったかと思うと、私は後ろにゴロゴロと吹き飛ばされる。 「「かがみ!」」 「お前らには拒否権は無い。邪魔するっていうんなら殺す」 「そうそう、下手に抵抗すると死ぬよ」 「かがみ、真。こいつら……」 イッカクモンも多少は状況を理解し始めたのか、臨戦態勢を取る。 よろよろと立ち上がる私の元には、真が駆け寄ってきた。 このままじゃ…… 「どうやら交渉決裂のようだな」 「それじゃ、約束通り阿部にはそいつを譲るよ」 「ハープー……」 「待って、イッカクモン!」 「かがみ……?」 「話があるの」 何とか間に合ったみたいだ。 以前緊張状態とはいえ、とりあえずイッカクモンもあっちも手を出してはいない。 そして周りの視線が、私のほうへと注がれる。 「その、……い、一発やらせてくれれば、殺しはしないのよね?」 「そう、殺したりはしない。真くんとイッカクモンくんをやらせてくれればな」 「約束して、一発やったら仲間に……」 「それは駄目だ、見逃すならいい」 「……分かったわ」 なんとか殺し合いは未然に防げたようだ。 目の前の阿部が手に持つライフルといい、未だ未知数の鬼の子といい、この場で戦ったら皆が生き残れる保証は無い。 私達は無事に仲間を集めて脱出すると約束したのだから、ここで仲間を失うようなことがあってはいけない。 貞操は重い、でもそれ以上にもっともっと重いみんなの命を救うべきなのだ。 まあ、おそらく貞操の危機から最も遠い私が言うことじゃないんだけどね……。 「それじゃ、まずは真くんから……」 「待って、さっきも言ったけど真は女の子よ……」 「おいおい、だから嘘は……」 「なら、確かめればいいじゃない。それではっきりするでしょ?」 「まあ、それもそうだな」 「か、かがみ……」 「真、恥ずかしいと思うけど上を脱いで下着を見せれば……真は救われるのよ」 「う、うん……」 真は少しばかり迷っていたものの、阿部の早くしろ! との催促に促されるようにして上着を脱ぐ。 下からはブラジャーと、その下のかすかなかすかな膨らみが姿を現せた。 真、本当にごめんなさい……。 「これは見事なつるぺただ……」 「……だが足りない」 「「えっ!?」」 同時に驚く、何で? 「世の中にはハト胸と女装少年という素敵ワードが存在するッ!!!  声も高い、女物の下着を着けている。たしかに見た目は女だ。ボクっ子だ。  だが、その見かけに俺はだまされない。  なぜならこんなにあからさまな子は絶対に男! 俺のカンがそう言っているッ!!!」 「だ、だから僕は女の子ですってばー!」 「そうよそうよ!これを見て何で分からないの?」 「俺が納得できないんだからしょうがない、脱げ」 「真、済まないんだけどスカートも……」 「……全部だ」 「え?」 「全部脱げえええええッッッ!!!」 一瞬自分の耳を疑った、眩暈がした。 何よこれ……。 「ん、おぬしは……?」 「英雄の代理人、スパイダーマッ!」 すぱいだーまっ!か。ワシが言えた話じゃないが変な奴じゃのう。 英雄の代理人と名乗っていたが、福山の奴に何か……? 「すぱいだーまっ!よ、そういえば福山の奴は一体どうした?」 「……彼は英雄として、その身を殉じたよ」 「あんの……馬鹿がっ…………!!!」 思わず悪態を付く。薄々感づいていたとはいえ、その言葉を漏らさざるを得なかった。 長い長い?夢の経験則から言って、あの怪我は迅速な治療を要するものであったのは間違いない。 あのまま満足な治療を受けられないのなら、間違いなく死ぬ。それがそうなっただけだ。 だが、ワシはそれが許せなかった。 地球防衛軍として、守るべき大切な命を守れなかった。だからこそこの言葉を漏らしてしまったのだろう。 「英雄、福山芳樹は最後に言った。"一人でも多くの人を救ってくれ"と。  あいつが教えてくれたその言葉は決して無駄なんかじゃなかった。  奴の言葉が俺を、一人の人間を救った。絶対に無駄なんかじゃない」 「……そうか」 「だから俺は英雄の代理人として、少しでも多くの人を救う  俺は俺に出来ることをやる。それこそが福山芳樹という人間の思いを無駄にしないということなんだ」 福山の歌は、決して無駄じゃない。か……。 「……ワシも同じじゃ、二度とこんなマネはさせんよ。  地球防衛軍、EDFの誇りに賭けて、このストーム1が誓う」 その内に秘める思いは、ワシもすぱいだーまっ!も、行き急いだ福山の奴も同じか。 目の前の男と握手を交わし、その思いを、誓いを守る。 福山芳樹という男が命を賭けて掴み取ったその思いを、二人で守る。 「ところで、YOKODUNAの奴は……?」 「あの相撲取りか……。残念だが奴は、この殺し合いに乗ってしまったらしいぞ」 「なんと、奴はSHURAに堕ちたか……」 すぱいだーまっ!の奴は一人意気消沈する。 あの相撲取りが何を考えていたのかはさっぱり分からんが、修羅とな。 「ストーム1、奴はどっちに!」 「……残念だが見失っちまったわい。ワシにも行方は分からん」 「そうか。ありがとうストーム1、俺はあいつを止めなければ……」 「待つんじゃ、すぱいだーまっ!よ。ワシも協力するぞ」 「……感謝する」 「礼は無用、さて行くか!」 「……待ってくれ、先にやることが出来た」 「先に、やること……?」 「福山の奴を埋めてやりたいんだ。本当はストーム1、あんたに頼むつもりだった」 「そうか、まずは福山の奴を埋めてやるとするか」 ワシとすぱいだーまっ!はそれまで進んでいた道を引き返し、山頂をぐるりと回りこむように進む。 起伏の激しい山道を走るのは難しいが、人の命が掛かる状況下ではのんびりなどしていられない。 ワシとすぱいだーまっ!は福山の奴を埋めた後とりあえず雪原地帯を探索して民間人を保護しなければならない。 その後は、いさじの奴とつかさちゃんの所に戻り、塔へと向かう強行軍じゃ。 だが、その程度でへこたれるようなワシではない。 どんなに辛い任務であっても、ワシは地球防衛軍として最高の働きをする。 「ここだ」 しばらく走ったところで、ワシは山のふもとに力なく寝転がる福山の奴を見つけた。 その表情は、とても安らかじゃった……。 「う、うぁぁぁぁぁああああん!!!」 「おー、よしよし」 「も、もうお嫁に行けないぃぃぃぃぃ!!!!!  アイドルとしても、もう駄目かもしれないぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」 私の胸に抱かれて泣いているのは真、それもすっぱだかの。 正真正銘、何も身に着けていない。 「……畜生、畜生、畜生、畜生…………」 「阿部、ほら水」 「悪いな萃香ちゃん、俺の手に振りかけてくれ」 「うぁぁぁぁぁん!!!」 酷い。アレだけ酷いことをして、自分の手が不潔だからとかいう理由で手を洗うか。 どれだけ酷いかというと、それは私の口からは決して語ることが出来ない。 真はアイドルらしいが、こんなことが世に知れれば、恐らくアイドルとして完全に止めを刺されること間違いなしだろう。 そんな私に出来ることは、こうやって胸を貸して慰めてやることぐらいしかない。 「あんな可愛い子が女の子のはず無いのに、俺のカンも鈍ったか……」 「誰にでも不調なときはある。気にしないほうがいいぞ阿部」 散々な言い様だ。命さえ掛かってなければ、決して許せることではない。 でも私がこうやって言いくるめた手前、ふつふつと胸中に浮かぶ怒りを外に出してはいけないのだ。 我慢……、我慢……。 「……イッカクモン」 「ん、何かがみ」 「これから、あなたはとても辛い目に会うかもしれない。でも、これは私達全員が戦わずに、死なずに済む方法なのよ  あなたに犠牲を強いるのは間違ってるかもしれないけど、お願いできる?」 「ようするに真がやられたのと同じようなことでしょー? スキンシップならオイラ嫌いじゃないしー」 「ありがとう、でも本ッ当に辛いんだから、覚悟してね」 「かがみは心配性だなー。任せなって、オイラが頑張ればみんな戦わなくて済むんでしょ。 それぐらいオイラにはどってことないって」 「イッカクモン、本当に気をつけてね。"初めてだからやさしくしてね"を絶対に忘れちゃ駄目よ」 「何かよく分からないけど、分かった」 イッカクモンはうなずくと、目の前で臨戦態勢(とても言えない意味で)を取っている阿倍の元に近づく。 「えーっと、初めてだからやさしくしてね」 「嬉しい事言ってくれるじゃないの、俺は初めてでも構わずに食っちまう男なんだぜ?」 「食べる? おいら食べられて死ぬのは凄い困るんだけどなー?」 「ああ、大丈夫。死にはしないさ、食べるってのはただの物の言いようさ」 「ふーん」 「それじゃ、イカせて貰うぜ」 阿部の体が一瞬光ったかと思えば、イッカクモンをその二の腕に抱えるとどこかへ走り去ったではないか。 いくらあの男が良い体をしているとはいえ、絶対的な体格差があるはずなのに軽々と持ち去ってしまった。 一体、どこからあんな力が? 遙か遠くに走り去ったイッカクモンと阿部、ようやく泣き止んだ真。 そして暢気に寝転がる萃香。 その奇妙な間が、私にはとても不気味に思えてならなかった。 「ヴゥゥゥオオオオオオオオオオオオオオオオオー!」 その間が途切れた瞬間、獣の咆哮が辺りに響いた。 い、一体何が……? 「アッー!アッー!アアアアッー!痛い痛い痛いッー!!!  やめてやめてやめていたいいたいいたいぃぃぃいいい!!!」 イッカクモンの悲痛な叫びが聞こえる。 耐えて、耐えるのよイッカクモン。 「いたいいたいいたいいたい死ぬ死ぬ死ぬ死ぬぢぬぢぬぢぬううううううッー!」 耐えて、ごめんね、ごめんね……。 「死んじゃう、かがみ助けてー! 真助けて! 本当に死んじゃうー!  しぬ! しぬしぬしぬしぬー!」 「イッカクモン!」 「おっと、邪魔はいけないよ」 聞くに堪えかねて私はイッカクモンの元に向かおうとするが、巨大な力で体が引きとめられる。 見れば萃香が、寝転がりながらも私の腕をがっちりとつかんで、離そうとしない。 「ちょっと、離しなさいよ!」 「約束を破る気か?」 「うっ……」 それを言われると苦しい。自分から話をしておいて、自分から約束を反故にするわけにはいかないだろう。 約束を破るなら、容赦しないと言う目で萃香は私のことを睨む。 悔しいが、私にはただただ黙って待つしかないのか。 「ヴォアッー!アアアアアアアアアアアアアアアッ!」 苦しそうな獣の咆哮が、イッカクモンの苦しみの叫びが辺りを包む。 どうやっても手出しできない自分の歯がゆさにイラ付きながらも、とにかくイッカクモンを、約束を信じるしかない。 「……耐えるのよ、耐えるのよイッカクモンッ!」 私は、無力だった。 隣の真も服を着ることさえ手付かずで、何もすることはできなかった。 「イッカクモン、出るぞッ!出すぞおおおおおおおおおお!!!」 「やめて、やめて、やめてやめてやめてやめてやめてぇぇぇぇぇええええええええええええ!!!」 ひときわ大きな阿部の声もこちらに届く、それ以上に大きな、悲痛なイッカクモンの叫びが木霊する。 「とぉぉおおおわっ!」 「ヴォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!」 最後の咆哮が解き放たれて、私達から音が消えた。 あれだけ騒がしかった咆哮が全て消え去り、奇妙な沈黙だけが場を包んだ。 ……こうしちゃいられない。 「こ、これで約束は果たしたでしょ! 私は行かせて貰うわよ!」 「どうぞご自由に」 言われるまでもなく、私は走り出す。 ごめんね、ごめんねイッカクモンッ……! いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい 「ああ、とっても良かったよイッカクモン君……」 イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ 「でも、ちょっとばかり大味すぎたな……  最後はいい感じに締まってくれたんだが、最初はちょっと緩過ぎたかな」 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い 「まだ満足してないし、せっかくだからもう一度味見を」 やめて、やめて。ヤメテヤメテヤメテやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて しんじゃう、もうだめ、ゆるして、ゆるして、ゆるして、ゆるして………… 「ヴぉ、ヴォオオオオオ、や、やめ、やめ…………」 「いいね、いいねいいねいいよ。凄くいい声で喘ぐじゃないか、それじゃもう…」 「ちょっと!」 「もういいでしょ! 一発やったんだからさっさとやめなさいよ!」 「おいおい、俺の一発っていうのは、満足いくまでってことなんだぜ」 「これ以上やったらイッカクモンが死んじゃうわよ!  私達皆が生きているのが条件なんだから、いい加減にしなさいよ!」 「……ちっ」 たす、かった…………? 「イッカクモン、大丈夫」 「……………………ぜ、ぜんぜん、大丈夫じゃ……ない…………」 死ぬかと思った。 何が大丈夫だ。かがみのお陰とはいえ、もう少しで本当に死ぬところだった。 痛かった、苦しかった、辛かった。抗っても抗っても駄目だった。 本当に、もう駄目かと思った。 「……かがみの馬鹿! 何が大丈夫だ、殺されるかと思ったじゃないか! かがみの嘘吐き!」 「ご、ごめん……。でもそんなに辛いものだとは思ってなかったから」 「つらく、ない……?」 「いや、まさか私もこんなことになるとは思わなくて……。  ……本当にごめん」 そんな辛くない? どこが? 殺されるほど辛かったのにそんなに辛くない? かがみは何もされてないから分からないんだ、現に真はあんなにわんわん泣いてたじゃないか。 今なら分かる、あれがどれほど酷い事だったのか。 別にかがみが悪いわけじゃないんだけど、すごくムカムカする。 「ふん、何がこんなことになるとは思わなくて、だ。かがみの無責任、オイラをよくも騙したな!」 「わ、悪かったってば……」 ふん、手を会わせて頭をぺこぺこ下げれば謝ったつもり? かがみはオイラ達の苦しみを解っちゃいない。あれはやられた奴にしかわからない痛みなんだ。 一生忘れられない、忘れたくても忘れられない。どれだけ頭の中から払おうと思っても、消えない。 永遠に、頭の中でぶり返される。木霊する。 それを理解せずにただ謝られても、白々しいだけだ。 「ふん、変に同情されるのはご免だね! そうだ、いっそかがみもケツを掘られちゃえば! そうすればかがみにも分かるよ!」 「なっ……!」 かがみが顔を伏せる、いい気味だ。 「黙ってれば何よ! このケダモノ!  あんだけ大声出して叫ばれても迷惑なのよ。男の子なんだからちょっとは我慢しなさいよ!」 「なっ……、なんだいなんだい。オイラが悪いって言うのかよ、愚痴を吐くのがそんなに悪いのかよ」 「ふん、何よメソメソと。私は努力したのよ。皆が無事に帰れるように少しでも平和的に考えた。  ちゃんとあなたも助かったし私はやることやったのに、なんで私ばかりこんなに責められなければいけないのよ!」 「かがみは全然分かってない!」 「私は女の子なんだから分かるわけ無いでしょ! それぐらい考えなさいよ!」 ムカつく、ムカつく、ムカつくムカつくムカつく…………。 かがみは悪くないと頭では分かっている。悪いのはあの男だと。 でも、頑張ったオイラに対してその仕打ちは何だ?少しは労わろうとも思わないのか。 ムカつく、憎い、ウザい。 「ふん、かがみなんかそこら辺でケツを掘られて死んじゃえばいいんだ、ばーか」 「ふん、私のことが嫌いならどっかに行きなさいよ、不潔」 オイラの頭の中が、真っ白になった。 ただ頭の中に残っていたのは、かがみへのやるせない、どこへ向かえばいいのか分からない気持ちだけだった。 「なっ……!?」 突然私の腰につけたデジヴァイスに紋章のようなものが浮かび上がったかと思うと、黒い光がイッカクモンを包んだ。 その黒い光はイッカクモンを覆うように展開すると、少しずつ小さくなっていった。 そして光が完全に消えたとき、そこにイッカクモンは居なかった。 「何よ、これ……」 目の前には、黒光りしたヒトガタの、何かが立っていた。 「イッカク……モン…………?」 「かがみ」 「何よ?」 「かがみはどっかいけって言った。かがみこそどっかいけ」 何が起こったのか理解できなかった。 ただ私が最後に目にしたのは、私の胸元を通る白くて太いそれ、目の前の化け物から放たれた触手だった。 「かがみのぶぁ~か」 倒れる私の視界が徐々に薄くなる。 嘘でしょ、おかしいでしょ。こんなアホくさい死に方って無いわよ。 アレな展開のせいで口げんかが始まって、その口げんかが原因でカッとなって殺される。 何よそれ、何よそれ、何よそれ。 みんなが協力できるように頑張った私が間違ってたっていうの? どうなのよ! 誰か答えてよ……。みゆき、こなた、つかさ…………。 「お、阿部お疲れ」 「ただいま、萃香ちゃん」 本当は猛烈に不満だったが、一発終えたのでここら辺で妥協することにした。 まあたしかに、満足いくまでやってたら本当に死んでたかもしれない。 俺のゲイボルグは、なんと罪作りなんだろうか。 イッカクモンは十分に強いと思ったし、そもそもサイズ的に余裕があるかと思った。 だが結局のところはゲイボルグのせいで瀕死まで追い込まれてしまった。 俺が満足いくまでヤレる相手と言うのは、相当に少ないのかもしれないな。 「それじゃ阿部、行くか」 「待て萃香ちゃん、背中の真く…真は?」 「良いつるぺただから、お持ち帰りすることにした」 なるほど、そういえばそんなことも言ってたな。 萃香ちゃんによるとうるさいから気絶させたらしい。 「そうか、しかし勿体無いなぁ。これで男の子だったら全てが完璧だったのに」 「確かにそうだが、無いものを不満に思っても仕方が無い。  それとも阿部は前についてるのが無いと駄目なのか?」 「いやな、何となく駄目なんだよ。ビンビンにはなるんだがねえ……」 「そういうものなのか」 「そういうものだ」 俺の苦くて甘い秘密のマイメモリーをふと思い返す。 まだ自分の性癖を理解していなかったあの頃は、もしかしたら普通の恋愛をしていたのかもしれない。 まあ、男の良さを知った俺に戻る道なんてない。良いものはいつだって未来にあるものなのだ。 さて、良い男を求めて……。 「待て」 「ん?」 後ろを見れば、ウホッ!いい触手。 白くて太くてぶっとい触手を持つ男型の怪物が現れたではないか。 その男型怪物は、言葉を交わす間さえ無く俺と萃香ちゃん目掛けて触手を飛ばしてきたではないか。 だがその触手には、ちっとばかりパワーが足りないな。 早さもいいが、力強さも伴ってないと駄目なんだぜ。 俺は触手をその手で掴む。隣の萃香ちゃんも軽々と掴む。 「糞っ!」 「おいおい、俺に何のようだい」 「ケツを掘られた恨みだ。殺す」 ずいぶんと物騒なことや獲物だが、どうやらこいつは俺にケツを掘られた奴らしい。 んー、きょんクンの亡霊か?それともイッカクモン君の亡霊か? 「お前は一体誰だ? 俺はお前なんて掘った覚えは無いぜ」 「俺はマリンデビモン、かつてはイッカクモンだった。  お前に復讐するために、進化した」 「これはこれは……、もう一度ヤル元気になってくれるとは嬉しいねぇ」 俺は戦闘態勢を取る。 萃香ちゃんに目配せをする。分かったとばかりに少し後ろで待機する。 ちょっとばかり残ってた分、第二ラウンドで出し尽くしてやるぜ。 そんなことを思った矢先、マリンデビモン君に突如銃弾が突き刺さり、怯んだではないか。 後ろを見れば、怪しい仮面の男達が佇んでいる。 「大丈夫か!」 「おぬしら大丈夫か! その化け物は?」 「ああ、心配無用さ」 「そうそう、これは阿部の獲物さ」 「何を言っておる、あんな凶暴な奴を相手にお前さんが何とかなるわけが無い。ワシらに任せい!」 ふうん、何やら面白くなってきたじゃないか。 後ろには仮面の男、と何やら重装備の男。 ウホッ!いい男だらけ! 後ろの連中もなかなかの強者みたいだし、これは第五ラウンドぐらい期待できそうだな。 なかなか俺好みの展開になってきたじゃないか。お祭りってのはこうじゃなきゃいけないねぇ。 &color(red){【柊かがみ@らき☆すた 死亡】} &color(red){【残り48人】} 【B-2 橋の手前/一日目・昼(放送直前)】 【ゴマモン(マリンデビモン)@デジモンアドベンチャー】 [状態]:体力僅か、強い憎悪 [装備]:なし [道具]:支給品一式*2 、ピーピーマックス*2@ポケットモンスター、ニューナンブ(弾数5/5)@現実、デジヴァイス@デジモンアドベンチャー 光の護封剣@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(現在使用不可)、琴姫の髪、テニスボール、不明支給品0~1個(武器はなかったものと思われる) [思考・状況] 1.阿部高和は絶対に殺す。地獄の苦しみを味あわせてから殺す。 2.皆殺し ※かがみへの間違った思いから暗黒進化しました。 ※かがみが持っていたデジヴァイスの中には誠実の紋章が入っていますが、何故入っていたのかは不明 【阿部高和@くそみそテクニック】 [状態]:全身に中度の怪我、体力中回復、ちょっと不満 [装備]:AK74(17/30)@現実、予備弾薬各100発@現実、傘@現実、時計型麻酔銃(現在針は装着されていません。予備針残り1本)@名探偵コナン [道具]:支給品一式*2(食料、水一食分消費)、ノートパソコン(バッテリーほぼ消耗)@現実、E缶@ロックマンシリーズ、津田英治ブロマイド(音声付き)@大変な途中下車シリーズ [思考・状況] 1.前のマリンデビモン君、後ろのいい男達、ウホッ! 2.ネット環境を確保するため、町を目指す 3.強い、いい男を食う。死ななかったらお持ち帰り 4.弱い、いい男を(多分)保護。参加者が減り、成長したら食う 5.ソウルフレンド萃香と協力 6.萃香の獲物には手を出さない。(非常時は別) 7.見つかれば主催者でも食っちまうんだぜ 【伊吹萃香@東方Project(つるぺったん)】 [状態]:全身に中度の怪我、体力中回復、妖力微回復、魔力0(両方回復中)、開き直り、酒乱幼女リリカルすいか [装備]:ミニ八卦炉@東方project [道具]:支給品一式*3(食料、水六食分消費)、秘密の鍵@スーパーマリオワールド、E缶@ロックマンシリーズ [思考・状況] 1.どっちからにしようかなぁ…… 2.つるぺた(真)保護。強そうなつるぺたなら戦うか考える。 3.巨乳死すべし。 4.ソウルフレンド阿部と協力 5.せっかくなので腕試し。主催者と戦いたい 6.貧乳はステータスだ!希少価値だ! 7.そろそろ酒を飲みたい 【菊地真@THE IDOLM@STER】 [状態]:全裸、ショック、気絶、お持ち帰られ中 [装備]:なし [道具]:支給品一式(0~2)、A.C.E.3@現実(少し詩音の血がついている)、DMカード(エネミーコントローラー、融合) [思考・状況] 1.(気絶) 2.服を着たい。 3.つかさ、イッカクモンと西方を回って友人や仲間を探す。 4.バトルロワイアルからの脱出 【スパイダーマン@東映版スパイダーマン】 [状態]:健康。鉄十字団を倒し終えていない状態。英雄の代理人。 [装備]:サテライト30@真赤な誓い [道具]:支給品一式、DIGIZO HYPER PSR(残り二十分程度)@現実、上海人形、花粉防止用マスク、テニスボール3 [思考・状況] 1.目の前の男と幼女に加勢し、化け物を倒す。 2.ストーム1と協力する 3.英雄の遺志を継ぎ、可能な限り誰も死なせない。 4.その後、昼過ぎまでにいさじ達を迎えに行く。 5.YOKODUNAを探して、止める。 6.夕方に仲間と塔で待ち合わせ。 7.場合によっては、探索を諦め仲間の保護を優先。 【ストーム1@おじいちゃんの地球防衛軍】 [状態]:健康 [装備]:ウィンチェスター M1895/Winchester M1895(狙撃銃、残弾2)@現実、予備弾丸20発     無限刃@るろうに剣心(フタエノキワミ アッー!)、トカレフTT-33(6/8) [道具]:支給品一式、きしめん@Nursery Rhyme、たいやき@ポケモン金コイキングだけでクリアに挑戦 [思考・状況] 基本:異星人を撃退じゃあ。 1.目の前の化け物を撃退し、男と幼女を守る。 2.すぱいだーまっ!と協力する。 3.雪山で遭難している人がいないか見に行く。 4.地球防衛軍として地球を守る ※真の服はB-2に放置されています ※C-3にあった福山芳樹の遺体は埋葬されました。 |sm96:[[けだものとのそうぐう]]|[[時系列順>第二回放送までの本編SS]]|sm98:[[Neo Dark Ruler]]| |sm96:[[けだものとのそうぐう]]|[[投下順>51~100]]|sm98:[[Neo Dark Ruler]]| |sm76:[[勇気を受け継ぐ子供達へ]]|&color(red){柊かがみ}|&color(red){死亡}| |sm76:[[勇気を受け継ぐ子供達へ]]|ゴマモン|sm110:[[なにもかも なにもかも]]| |sm91:[[ふたりはヤルキュア]]|阿部高和|sm110:[[なにもかも なにもかも]]| |sm91:[[ふたりはヤルキュア]]|伊吹萃香|sm110:[[なにもかも なにもかも]]| |sm76:[[勇気を受け継ぐ子供達へ]]|菊地真|sm110:[[なにもかも なにもかも]]| |sm75:[[それぞれの誓い~天海突破~]]|スパイダーマン|sm110:[[なにもかも なにもかも]]| |sm83:[[STORM]]|ストーム1|sm110:[[なにもかも なにもかも]]| ----

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