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**ぼくらの ◆IU4EWEf33I (非登録タグ)[[パロロワ]] [[ニコニコ動画バトルロワイアル]] [[第百二十四話⇔第百二十五話]] [[第百二十五話⇔第百二十六話]] [[かっこいい古泉]] [[ジョジョ]] [[水酸化カリウム]] [[頭脳派コンビ]] ---- |sm124:[[人として軸がぶれすぎて、もはやぶれてない(後編)]]|[[時系列順>第三回放送までの本編SS]]|sm119:[[さよなら絶望黒花]]| |sm124:[[人として軸がぶれすぎて、もはやぶれてない(後編)]]|[[投下順>101~150]]|sm126:[[信仰は儚き人間の為に]]| |sm114:[[Unlocked room]]|古泉一樹|sm148:[[Encount "Modern or Ancient"]]| |sm114:[[Unlocked room]]|八意永琳|sm148:[[Encount "Modern or Ancient"]]| |sm106:[[さよならフシギダネ! かことのけつべつ!]]|&color(red){フシギダネ}|&color(red){死亡}| ----
**ぼくらの ◆IU4EWEf33I (非登録タグ)[[パロロワ]] [[ニコニコ動画バトルロワイアル]] [[第百二十四話⇔第百二十五話]] [[第百二十五話⇔第百二十六話]] [[かっこいい古泉]] [[ジョジョ]] [[水酸化カリウム]] [[頭脳派コンビ]] ---- 唐突ですが人が夢を見る仕組みをご存知でしょうか? 睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の二種類あって周期的に繰り返され、体は眠っているが脳が軽く活動しているレム睡眠時に我々は夢を見るわけなのです。 何でこんな事を話すかですか?寝ている時間の半分しかない幸せなレム睡眠時に僕がたたき起こされた事、少しでも解って欲しかったからです。折角キョン君の夢を見ていたのに。 どうしていつもいいところで夢って覚めるんでしょうか。 さて、色々愚痴をこぼしたところで、僕の物語を再開させましょう。 ――――ハッ――― ゴホッゴホ、ウゲェェ 目が覚めると、見知らぬ部屋で大きくむせ返っていた。 何だ!どうした?何が起こった!?What happened!? 今の僕には理解できない!!何、この急展開!! 眼の奥が溶けていく様な感覚、さっきまで僕は寝ていたようだ。 しかし僕は何時寝たのだ? そしてむせた時特有の喉と頭を突き抜けるいやな感じ、胸を押さえようと手を出そうとするが何故か手が出ない。何が起こっているのか確認しようとしても、首が動かない。 まさか夢の中で彼に縛られたのがそのまま!………まさか。 手で眼を擦りたい所だが手が出ないのでは仕方ない。瞬きを幾度かし、目を凝らす。 目の前には女が立っていた。誰だと聞く暇も無く、彼女は喉に剣を突きつけた。 まずい、ここは殺し合いの会場。抵抗しようにも、文字通り手も足も出ない、殺される。 「さて、古泉一樹。あなたは私のことを知っているかしら?」 さあ、どうす…え? 「何で…お…前、ゴホッ……の名前を……」 さっきの液体がまだ気管に残っており、むせながらの回答だったがその女は僕の言いたいことを理解したようだ。 「…そう、知らないようね。……じゃあ、それはいいわ。もう一つ、いい?貴方はこのゲームに 乗 っ て い る?」 ……今なんて言った?このゲームに乗っているかどうかだと?この質問は下手すると一発で自分の死が確定してしまうような質問だ。そんなことは寝起きの僕でも解る。しかしなんでこんな大事な質問を寝起き時にするのか? 他人の立場になって物を考えられない人間は最低だ!!ああああ、そんな事を考えている暇は無い、KOOLになれ、古泉一樹!考えてみよう、どんな発言をすべきなのか。 ここで「貴女はどうですか?」という選択肢はないだろう。こいつの目を見ればわかる。この女、僕を試していやがる。自分が先に乗っているか乗っていないかを言えば、その答えに応じた答えしか言わない事をわかっていやがる。 彼女がゲームに乗っていた場合、ゲームに乗っていない発言をしたらまずアウト、生かしておく理由が無い。ゲームに乗っている発言をしたら…?相手が自分を殺さずにゲームに乗っているかどうか聞いているという事は何か理由があるという事だ。 それはつまり、僕がサトシに持ち掛けた話と同じ様に、共闘しようという事だろう。このゲームはまだまだ序盤、まだ第二放送も始まっていない。ここでゲームに乗っている人間を殺す事はこの先効率が悪すぎる。 次に彼女がゲームに乗っていなかったら、ゲームに乗っていると言ったらアウトだ。僕がそっち側の人間であったらそいつは間違いなく殺す。か、身動きの取れないようにするだろう。ではゲームに乗っていないといった場合はどうか。 この女は共にゲームを止める方法だの脱出する方法だのを探そうと持ちかけて来るだろう。そこを仲間の振りをしてついて行き、そいつが油断した時殺す。これならばいける。 でも、そうでも、何より情報が足りない、今の段階ではYESかNOどちらを選んだとしても確率2分の1!そしてこの殺し合いの会場はそんな低確率に賭けられるようなあ甘い場所じゃあない。ならば方法はただ一つ、 誤魔化す! これしかない、他の話題で話をずらし、YESかNOで答えられるまでの情報を引き出す。僕ならそれができるはずだ。ただし興味を引くものでなかったら駄目だ、誤魔化すな!の一言でDEAD END! ではそんな話題があるか?あるわけ無い、この女と僕は初対面なのだ……いや、最初にこの女はなんて言った?「私のことを知っているかしら?」だと?僕はこの女に見覚えはない、どういう事だ?僕は自分の脳細胞をフル回転させる。 色々な考えと同時に様々な映像が飛び込んでくる。今までの記憶、キョン君と始めて会った時の記憶、あの貧乳宇宙人に彼を寝取られそうになった記憶、次々と流れてくる映像の数々。しかし突如、何故か思い出したくも無い爆乳女で頭の中のDVDデッキがストップした。 キョン君を惑わす悪鬼悪霊の輩、ちょっと位巨乳でロリ顔なだけで、僕に胸さえあればこんな奴…………ッ!! なるほど、人間ピンチの時の爆発力は物凄いものだという事が解った。大分DIOの気分が解りましたよ。 「答えない……という事は、この剣であなたの喉を引き裂いても良いという意味で取るけど、良い?」 あのサトシのつれていたヲタチと言う生き物、明らかに今の世界にはいない。過去にいた生き物の中にも、だ。あんな手から火を出せる生き物なんているはずが無い!ならば答えは一つ、未来から。それしかない。 恐らくイタチか何かをベースに遺伝子を弄ったりしたのだろう。そう考えれば自然とさっきの事が説明できる。この女とはそう遠くない未来に会う運命で、僕の他にも未来にこの女に関わりのあるやつらがいる。 そしてこの女は知り合いと会い、話が通じなかったんだ!だから僕に聞いてきた、自分を知っているかと。 さてタイムリミットだ。取り敢えずこれで―― 「待った!!僕は、僕からして未来に、貴女と会う運命にある!!違いますか!?」 この質問なら確実に興味が沸くはずだ。 「ッ!!………驚いたわ。」 ギリギリだった。見ると女は手に力を入れ、僕を切り殺す手前であった。 「なるほど……やはりそうでしたか、実は僕も一人知り合いを見つけたのですが話が通じず困りました。」 もちろん嘘だ、だがここはこの流れに乗るしかない。 「貴女と私は何時、何処で出会いました?」 「それが……信じてもらえないかも知れないけど、古代の中国で、なの。」 ナルホド、コダイチュウゴクデ…………落ち着こう。これは嘘じゃない、嘘ならこんな唐突なこと言わない!第一僕の世界にいるじゃないか、こういう事をする奴――いや、できる奴!! 涼宮ハルヒ、あのチート野朗しかいないだろう。あいつのせいで僕はどんなに迷惑を被ったと思っているんだ、一度そこの所を小一時間みぃぃぃぃっちり話し込みたい。……立場上無理ですよね。 「そうですか………にわかに信じがたいですが非常に興味深い、詳しくお話を聞かせて下さい」 「いいわよ」 なるほど、聞くところによると僕たちSOS団のメンバーは何故か全員三国志の世界に飛ばされたようだ。それであのイカレ女が中国統一を目指してゲンドウ軍という軍と戦うも、あの女が例によって例の如く自己中心的に振舞ったおかげでハルヒ軍は滅んだそうだ。 ざまぁwwwww その後僕はそのゲンドウ軍という所で武将としてこの女の軍と戦っていたらしい。しかし君主のニート――いや、ニートの君主か?――が「ゲンドウ軍を吸収して部下にするwww」とか言っていたそうで僕の情報は割と知っているそうだ………え?終わり? うわっ、話が途切れた。色々と彼女の話を聞いたがまだ結論を出せるまでの情報が足りない、どうする!!会話をつながなければ。 「それじゃあ私に協力してくれそうね。」 えッ!? と…とりあえずここはYESと言っておかないと彼女が乗っているにしろ、いないにしろ、おかしい。 「……解りました、僕も一人では心細かったので、協力しましょう。僕のことも良くご存知のようですし。」 もう僕を信じたというのか? 「フフフ……そんな顔しなくてもいいわよ、貴方がゲームに乗っている事は解っていたから。」 「なっ!?」 マズイ、声を出してしまった!! 「別にブラフとかじゃないわ、貴方を発見した状態を見てそれが明らかったから。ゲームに乗った人間が貴方を気絶させたのなら確実に止めは刺す。 止めを刺したと思って去ったにしてもあんな軽い打撲だけという事はないない。つまりゲームに乗ってない人間を襲って返り討ちに合い、そのまま放置されて逃げられた、でしょ?」 青天の霹靂だった。この女はここまで解っていて僕に質問してきたのか、僕はこの女に完全に負けた。そしてあの時僕は気絶したのか、全く思い出せない。 「………………お察しの通りです。」 「で、本当のところはどうなの?」 「どう……とは?何のことです?」 「私に本当に協力するかどうかよ。」 この女の強さは十分に解った。サトシなんかとは段違いだ。もうサトシといる必要はない。では、この女と組ませてもらうことにしましょうか。 「ええ、協力させてください!」 「うふ、素直ね。そういうの、嫌いじゃないわ。」 「じゃあ取り合えず情報交換でもしましょうか。」 あっ、その前に大事なことを聞くのを忘れていた。 「その前に名前は何というんです?」 「そういえば名乗ってなかったわね、私は八意永琳。月の頭脳、八意永琳よ。」 月の頭脳……なんというか突っ込んではいけない気がします。黙っておいた方が無難ですね。 「永琳さん…ですか、解りました。あとできれば動けるようにしてほしいんですが…」 「ああ、忘れてたわ。今出してあげる。」 情報交換して得たことは、サトシが死んだこと。あの二人がまさかサトシに勝てたとは……、あとは僕を縛っていた何かがデイバックであったこと。 この伸縮性はあとで何かに使えるかもしれない、覚えておこう。そして永琳さんがゲームに乗る理由……さっき話してくれた三国志の世界に呼ばれた皆が元通りになる事を、悪魔に願う為だそうだ。 それからこの場所の地下には色々な薬がある部屋があるらしい。そして永琳さんは今からそこに潜り薬を見てきたいと言った。 「見ての通り、ここには細い階段が一つだけしかないわ。そこで貴方に見張っておいてほしいの。」 「解りました、では何かあればおよびください。」 「ありがと」 そう言って永琳さんは潜っていった。 その気になれば今、この女は殺せる。が、それをやるメリットは何も無い。永琳さんとは完全に利害が一致している、そこはサトシとは違う。そして彼女の話が本当ならば、彼女の裏切りはまずない。 永琳さんと僕が最後の二人になり、僕が彼女を殺れば、彼との合法的に愛しの彼とニャンニャンできる世界ができ、逆に僕が殺られても、彼女の願いは優勝して皆を元通りにする事だから最悪僕とキョン君は生きて元に戻れる。 まあさっき言ったことが全て嘘では無いという証拠はない。最低限は警戒する必要はある―――― 「ちょっと、一樹!」 突然の声で一旦思考は中止させられた。見ると永琳さんが階段から顔を出していた、薬品をいっぱい持って。 「何でしょう」 「これら薬品を私のデイバックに入れておいてくれない?」 「わかりました………その薬品ですね。」 うーん、重い。これ誰が運ぶんだ?……いや、考えなくてもわかる………欝だ。 しかもこれ…ラベルの絵のガイコツは笑ってこっちを見ている。一応僕は理系の人間だ。だから渡された薬品の怖さが解る。もちろんこれらは武器として使用するのだろう、本当に敵に回らなくて良かった。 でも、もしデイパックを思い切り(そんなの無いと思う―――いや、無いと信じたい)落としてこれらのボトルを割ったら………ゾッとしてきた、もうこの事は考えないようにしよう。 細い階段を降り、その部屋へと入る。 「ふふ……それにしても古泉一樹、やはり頭は回るようね………」 彼の答えには満足した。どっち道、あそこで確率に身を任せ安直にYES、NOとだけ、答える奴ならば切ろうと思っていた。そんなやつ、仲間にしても足を引っ張るだけ………ニートみたいに。 彼も私と同じ所まで推理できていたこと、素直に評価してあげる。 それと彼に言いそびれた事が二つある。一つはこの部屋に隠し通路があるかもしれないという事、推論の域をでていないから言ってもしょうがないと思ったからだが、もう一つはゆめにっきの事だ。 これは完全に言い忘れていた。私自身、忘れようと思っていたからだ。もし見せたらどうなるだろう。もしかしたら彼は発狂してしまうかもしれない、でももしあれを全部読むことができたら……? あの内容は興味がある。もしかしたら何かヒントがあるかもしれない、この殺し合いに有利な何かが。まあ今はここにある薬の種類と隠し通路を探すとしましょう。 約1時間後 「う~ん、ないわねぇ」 殺し合いに使えそうなものならばいくつか出てきた。当然それは一樹にデイバックにしまわせた。しかし隠し通路はいくら探しても出てこない。 「ひょっとして鍵か何か必要なんじゃ…」 そう言いかけたその時 「「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!!」」 突然西から悲鳴が聞こえてきた、地下なのでよく響く。 「聞こえました?今の悲鳴」 一樹が階段から顔を出して聞いてきた。 「ええ、何かしら?一体」 「とりあえずどうします?」 「どうしますって何を?」 「そこに行くかどうかですよ。」 ああ、通路の事で頭がいっぱいで気がつかなかった。 「貴方はどう考えているの?」 「……ここはあえて待ってみるというのはどうでしょう。」 ………なるほど 「待つといってもこの街のはずれでですが。」 今の悲鳴を聞いたら普通乗っている人間も乗っていない人間もとりあえずそこに集まるはず、今の悲鳴は恐らく断末魔の叫び、つまりそこにはゲームに乗った人間がいるということ。 そうしたらそこでは戦闘が予想される。そしてその戦いに勝者が出ても無傷であるはずが無い、自分の怪我を治そうと私のように町へ向かうはず。そこに来た奴を叩く。なるほど、こちらのリスクは少ない、手負いならば負けるはずも無い。 「そうね、そうしましょうか」 その悲鳴が断末魔の叫びでなく、ヒゲが生えたショックによるものだったなんて思いもよらなかったであろう。 元サトシのフシギダネであった獣は栄養補給をするため、日向で支給品の食料を食べていた。植物でもある彼にとっては最も効率の良い栄養補給の仕方であった、が。 ――足らない。この食事はフシギダネ用に用意されていたものであったので進化したフシギソウには全てを平らげても足らなかった。ならば光合成だけで栄養を調達しなくてはならない。 彼は日に当たる面積が最も広くなるように体を広げ休んだ。 今日は日差しが強い、良く回復できるだろう。 どれくらい休んだだろうか?30分?1時間?だいぶ栄養補給できたし、色々これからの事も考えられた、弾幕の練習でもするか。 ………なるほど、進化も悪くないものだ。進化によって二つ、俺は成長した。一つ、種祭「プラントカーニバル」で出す弾を自在に操れるようになった事、もう一つは、発想力が豊かになったことだ。 どうやら進化とは外見だけじゃなく頭の中身も変わるらしい、フシギダネ時代には出てこなかったようなアイディアがでてくる。 ツルの鞭を組み合わせた物や、甘い香りを使った物等、様々なアイディアが浮かんでくる。しかし、どれもこれもエネルギー消費が激しすぎる。 それならば種祭「プラントカーニバル」に強弱をつけるだけの方がいける、もう弾も自由に操れる様になったしな。 さて、また俺のゲームを再開しよう。そう思ったとき、 「「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!!」」 西から悲鳴が聞こえてきた。彼はすっと立ち上がると、ほとんど機械的に悲鳴の場所に向かった。 そこには人がいる。 ならばそこにいる奴を殺す、それだけだ。 「そこの角でいいでしょう」 「どのくらいかかったかしら?15分くらい?」 怪我をしている自分を気遣ってか一樹はゆっくり目に進んでくれた。意外と気が利くじゃない。 まあ、重いデイバックを持たせているからかも知れな―――― フシギソウは気付いていた。野生のポケモンである彼には直感的に人間が二人、西へ向かっている事が解っていた。 そしてその二人が俺に気付いていないのは仕草でわかる。ならばする事は一つ、奇襲だ! 彼は体当たりをかますため、力を足にためる。 ―――今だ――― 「ッ!!ぐっ!!」 突如出てきた緑の化け物の体当たりによって一樹はボロ雑巾の様に吹っ飛んでいった。 「一樹!!」 返事がない。当たったのは左肩、まあ死んではいないだろう。 「ソウッ~~(いってぇ~~)」  それよりも何この化け物、こんな生き物見たことな―――あれ?昔何か本に書いてあったような気が……ってそんな事考えている場合じゃあない。取り敢えず弾幕を―― 「ソウソウッ!!(種祭「プラントカーニバル」)」 「なっ!!」 その化け物は突然叫びだすと種を発射したかと思うと、次々とその身を破裂させ様々な弾を放ち始める。 でも、 「ソウ(勝った!!)」 「この程度で勝ったつもり?」 「ソウ?(何?)」 この位の弾幕だったら余裕――とまではいかないが、かわせる。 「意外とやるじゃない、でもこれじゃあ、ウドンゲだってかわせるわよ?まっ、これでも喰らってとっととリタイアしちゃいなさい。覚神「神代の記憶」!!」 緑の化け物の周辺にレーザーを放つ、フッ、背中が重そうね。続いて米粒のような放射弾を放つ……何の反応もない、死んだのかしら?体力もそろそろヤバイし切り上げるか。 周囲には黒煙が上がっており、化け物の姿を確認するのに数秒を要した。 「あら、驚いた。まだ生きていたの?」 驚いたことに、まだその緑の生き物は生きていた。しかし所々皮膚は黒く焼け焦げ、足もフラフラの状態だった。 「いつまで続くかしら?」 流石にスペルカードを使うのは体力の消耗が激しいのでレーザーだけに切り替える。……さっき調子に乗りすぎたなぁ「ほらほらほら……」 横に転がったり無理してジャンプしてかわしているがそれも時間の問題――――のはず、でも何かおかしい、どうして段々元気になっていっているのか?5発に1発程度は確実に当たっているのに。見ると焦げ後が一つ残らず回復していた。 「う……ぐがぁ……」 「「一樹、どうした!」」 突如、気絶したと思っていた一樹が突然苦しみだした。いきなりどうした?あの体当たりは急所には入っていない。あんな苦しみ方、おかしい。振り返り彼を見てみると肩から変なツタが生えている。 さっき体当たりを食らった場所―――この種で一樹から養分を吸い取っていたのか!これならばあの異様な回復力も説明できる。さっきの体当たりはこの種を植え付ける為だった。中々狡猾な化け物だ。 こいつを取ってやりたいとこだが今は戦闘中、そんな隙などない。 「ソウ(くらえ)」 ぐっ、葉が腹部に突き刺さり、持っていた剣を落としてしまった。拾うのは無理そうね。 でも狙いを絞らせないよう飛び回ってレーザーを乱発しようにも体力的に厳しいわね。この疲労感、もうそんなに動き回れないでしょうし。レーザーも一回打てるかどうか。 回避を必要最低限の動きでやり、こっちは体力が回復するまで待つしかない。 気がつけばあの化け物の方がこの戦いのイニシアティブを握っている。 「ソウソウ!!(さっきのお前の弾幕を見て閃いた弾幕だ。種祭「プラントカーニバル改」)」 さっきと同じ技ね、そう何度も喰ら―――なッ!! 今回も弾を飛ばす、ここまでは一緒だった。しかし今度は弾けた弾がビームになっている、全て。そしてこのビーム、スピードが速い、速すぎる。 「ソウ。ソウソウッ!!(お前のレーザーで閃いたんだ。俺も種からソーラービームを飛ばしてみたらどうかってなぁ!!)」 しかし弾数は明らかに少ない。全ての弾がこのままの軌道で行くとすれば、私に当たる確率のある軌道をとるのは、2時の方向からの2つ、正面からの1つ、それと11時の方向からの3つのみ。 ここは7時の方向に避け一樹の持っていたデイパックから逆刃刀を取り出しそれで闘うのがベスト。 私は予定通り7時方向へバックステップ――よし、回避完了。あとはデイパックから―――キャァァァ!! あ……熱い!背中が焼ける!!! あ…ありのまま 今 起こったことを話すわ! 「ビームをかわしたと思ったらいつの間にか後ろから来たビームに当たっていた」 な…、何を言ってるのか わからないと思うけど、私も何をされたのかわからなかった。 一体どうして? 私はビームが来た方向を線で辿って行くとそこには鏡があり、そこからまた線を結んでいくとそこにはさっき避けた正面からのビームが発射されたポイントがあった。 反射を利用したの!?まさか!!!化け物の分際で!? …………負けたわ、ダメージも結構やばい、もう足に力が入らない。 もう……駄目ね…… 私は諦めた。しかもさっきの攻撃、肉体よりも精神的にきた。 こんな低能そうな化け物に、私は知恵比べで負けた。私が、獣に。何が月の頭脳だ。情けなさに涙すら浮かんできた。悔しさに歯がガチガチ震える。 もう、何もかも、どうでも良くなって来た。 ニートも、 姫も、 他の皆も、 もういい、どうだって 「ソウ、ソウソウ。(あきらめたか、それじゃあお望み通り殺ってやろう)」 私の首にツタが巻き付く、苦しい。 そしてそのまま化け物は私の体を上に持ち上げる。 どうやら私の人生はここで終了するそうだ。 風を切る音が私の耳に………え? 「「「「「「グギャァァァァァァァ!!!!」」」」」」」 何故か私はツタから解放された。 眼を開けるとそこには苦しんでいる化け物の姿が。 いったい何が起こった!? 少し時間を前後させましょう。あの生き物が種をばら撒き、その種からビーム放った時とほぼ同時、僕古泉一樹は意識を取り戻した。 ああ、体がダルイ。まるで力を吸われているみたいだ。見ると永琳さんが僕にタックルを喰らわせた生き物と戦い、しかも押し負けているじゃないか。さあ、どうする古泉一樹!! 今、僕はここから彼女を見捨て逃げることもできる。でもそれはベストの選択ではない。ここで彼女を見捨てれば、確実に彼女は負けるだろう。そして彼女以上の味方は、もう僕の目の前に現れないだろう。 そうなると生存確率はグッと減る。これじゃあ彼を生き返らせる事ができない。  ならば―――助けるしかない。 どうやって?僕には何の力もない。少なくともあの化け物に匹敵するだけのパワーはない。 僕があいつに勝てる方法――― ――――あった!!!!――――― たしか彼女に持たされていた薬品の中にアレがあったはず!僕は起きたことを悟られないよう、寝ながらデイパックを開ける。 目的の物は……これと…これと…………よし、全てちゃんとあった。にやけ笑いが止められない。体が震えてきた、武者震いと言うものか?あああ、テンションが上がってきた。 僕は目的の物を取り出す。僕は北高の理数系の特別進学クラスに入っていて良かったと心から思う。 問題はどうやってこれをやるか、…………よし、作戦は練れた! 僕は彼女達に一瞥をくれる――マズイ!化け物が彼女の首を絞めている!彼女はもうぐったりしている。畜生!やろうにも僕にだって心の準備ってもんが―――ええい、もうこうなったら自棄だ!とことんやってやる。 もう一度頭の中で作戦の手順を繰り返す。完璧だよぉぉぉぉ、この作戦はよぉぉぉぉ!! ………マズイ、キャラが崩壊してしまった、まあいいか。 よし、実行に移そう!まず支給品のボトルの中の水はたっぷり入っているから水を少し捨てる。 次にフレーク状のアレをこのボトルに入れ――うわ!!こんなに反応するとは思わなかった、ヤバイ!!もう持っていられない。 アレとはそう、水酸化カリウムの事だ。馴染みがないかも知れないが、こいつは水によく溶け強いアルカリ性を示し、水に溶かす際に激しく発熱する。 医薬品の製造に用いるため、あの部屋に置いてあった物だ。こいつは目に入れたら最後、この殺し合いの場じゃあ失明確実!目の見えない敵なんてもう敵ではない。 いつぞやのカマドウマの事件を思い出す。今回またあの時のように遊んでバレーをやったら僕は終わるな、普通に投げよう。 「「「「ふんもっふ!!!!」」」」 僕はボトルをその化け物に投げつけた。よし、この軌道なら必ず当たる。あの化け物は今彼女の首を絞めているから避けることはできな――― 「ソウッ!!(気がつかないと思ったか、このマヌケ!!)」      バシィィィ、と俺はツタでボトルを払い飛ばした。 払い飛ばされたボトルからは溶液がながれでて、辺りの金属と反応している。 「ソウッ、ソウソウ(なるほど、その不思議な液体を俺にかけるつもりだったのか)ソウソウ(しかし演技はもっと上手くやるべきだったな)!!」 と言ってもこいつには言っている事が解らないか。さっさとこの女を殺し、そこの優男を甚振るとしよう。 ――ニタリ―― ッ!!何だあいつ!あいつは今、必死の策を俺にやぶられた。こんな時に笑みをッ!恐怖のあまり気でも違ったか! 「クックックッ」 「ソウ(何がおかしい)?」 本当に突然なんだ?あんな苦し紛れにでるくらいならば、お前にはもう策も何も残ってはいないだろう。それなのになぜ腕を組み、目を閉じて笑っていやがる。 「こーやって腕を組んで目を閉じる笑いは勝利の笑いですよ。気がついていませんか?貴方は僕の上をいったつもりでも、そのさらに上を僕がいっていたのです。」 ……何だそれは? 「上を向いてください。」 「ソウ(上だと…)」 太陽がまぶしい、それだけだ。 「ソウ!ソウソウ!!(それがどうした!ハッタリのつもりか!!)」 「あーあ。折角チャンスを与えたのですが、残念です。」 何だこの男!本気で気でも狂ったんじゃないのか。 決定!!この男は後で必ず嬲り殺す。俺をなめ過ぎだ! ―――ビシャァァァ――― なっ!!突然頭の上に何かが落ちてきた。いや、液体がボトルと共に降って来た。 「ほらね、言ったでしょう。」 液体の量は多く、頭からしたってきた液体が目に――――― 「「「「「「グギャァァァァァァァ!!!!」」」」」」」 熱い!!熱い熱い熱い熱い熱いィィ!!!! 目が!!目がァァァァァァァ!!! 「随分と痛そうですねぇ、まあ、もう聞こえてないと思いますが。」 僕があの時取り出したものは実は三つ。水と水酸化カリウムと――そう、ご存知濃硫酸。僕の本当の作戦はこうだ。 水に水酸化カリウムを入れてその溶液を投げるといった、あたかも即席で考えましたと言わんばかりの事をする。しかしそれを投げる時に気付かれないようにもう一本、硫酸の方を手の中に忍ばせておく。 投げる時、腕が肩の上のところで水酸化カリウム水溶液の方を投げ、振り切った後の左脇の辺りで、空高く濃硫酸のボトルを投げる、できるだけボトルの口を緩ませておいて。 あの水酸化カリウム水溶液はあえて弾けるくらいの軌道で投げておいた。それを弾いたのにも関わらず僕が慌てたような仕草をしなければ確実に相手は僕に注意を傾ける。そこを『ガシャーン』でEND!! あの化け物には眉毛も無ければまつ毛も無い。頭に落としたら確実に眼に入る。 そう、これが僕の作戦です。 どう考えたって戦いの最中、わざわざ水を少し捨て、その中に水酸化カリウムを入れて投げるなんて事はするはずない。そういう事は戦いの前にあらかじめやっておく。 でもあえてやった事によって、それが悪あがきのように見せ、隙を作った。 やはり化け物風情では僕の相手をするのは一万年と二千年遅かったようですね。 その化け物は狂ったように暴走するも―――なにせ眼が見えていない。ガンガンぶつかりながら東に去って行った。追う必要は無い。どうせアイツは死ぬのだから。 ………おおっと、彼女を助けに行かないと。 見れば彼女はもうツタから解放されてゴホゴホ咳き込んでいた。彼女の傍に近寄る 「僕があの化け物を斃しました。もう何もしなくても、直に死ぬでしょう。でもぼくらの怪我も激しい。ここは一旦あの薬局に戻り、怪我の治療をしましょう。」 そう、―――あの時は必死で気がつかなかったが僕の左肩は今脱臼している、物凄く痛い。それほどまでに僕は必死だったのだろう。しかも同時に物凄く眠い、まるで体力を奪われたかのように。 「貴方が、ゴホッ!!………斃した?あいつを?………どう…やって?」 酷く喋り辛そうだ。 僕は手短に、僕のした事を喋った。もちろん尾鰭なんてつけていないですよ? すると彼女は短く、 「そう………助けてくれてありがと。」 と言って立ち上がり、地面に落ちている剣に向かった。ここにくるまで彼女が装備していた剣だ、僕が気絶していた時に落としたのだろう。 しかし流石僕、彼女をあれしか喋れないまでに感極まさせてしまった。 まッ、僕の興味はキョン君にしか向いていませんがね。 僕は彼女の後を追い、彼女の分のデイパックも持って、横に並んで薬局へ向かった。 悔しい。 私が倒せなかったあの化け物を、一樹が一人で倒せたなんて!私はあの時感極まって喋れなかったんじゃない、悔しくて喋れなかった! それだけじゃあない、私はこいつに命を救われた。たかが人間に、この私が。 悔しい―――でも、それだけこいつの株が上がった。 薬局に帰るのに、来た時間の倍かかった。 着くなり一樹は肩をはめてくれと言ってきた。私のせいでこうなったのだ、私がはめる必要があろう。その後二人であの部屋に行き、疲れたのか彼は死んだように眠った―― ―――と、思ったら突然 「キョンキョキョンキョキョキョンキョン、あ―――――ッ!!」 と大声で寝言を言い始めた。夢遊病なんじゃないか?こいつ、掴めない男だ。しかし、人生どこでどんな拾い物をするか解ったものじゃあないな。 取り敢えず背中の火傷は何とかした。私も疲れた、寝るとしよう。 私は階段の入り口の蓋を閉め、眠りについた。 【E-3 町・薬局内部・薬売りの部屋@怪~ayakashi~化猫 の部屋/一日目・午後】 【八意永琳@東方シリーズ&新世紀 東方三国志~ひぐらしの憂鬱~】 [状態]:肩に怪我(縫合済み)、精神的疲労・中、かなりの体力消耗、とても悔しい 、背中に火傷(手当て済み)、睡眠中、古泉一樹を信頼 [装備]:王者の剣@DQ3 [道具]:全て古泉一樹に持たせた [思考・状況] 1.古泉一樹と協力して優勝を目指す。 かなり信頼。 2.レナは放っておいて、自滅を待つ 3.ニートや皆を探す、必要なら共闘も考える 4.隠し通路には鍵か何か必要なのかしら?目が覚めたら一樹と協力して探しましょう。 5.目が覚めたら薬を作りたいが、無理はしない。 6.ゆめにっきはいずれ何とかしたい。古泉一樹にゆめにっきの耐性があれば読ませ、その内容を全て知っておきたい。 7.ゲームに優勝し、悪魔と取引をして皆が元通りになれることを願う。 ※地下に薬売りの部屋@怪~ayakashi~化猫には隠し通路があると睨んでいます。鍵の存在も視野に入れています。 ※地下に薬売りの部屋@怪~ayakashi~化猫には現在蓋がされています。よく見れば床に変な所があるとわかるかも知れません。その中で二人は眠っています。 【古泉一樹@涼宮ハルヒの憂鬱】 [状態]:睡眠中、頭部強打、八意永琳を信頼、肩脱臼(肩は永琳にはめてもらいました) [装備]:無し [道具]:支給品一式*2(食料一食、水二本消費)、ゆめにっき@ゆめにっき(手の形に血が付着、糸で厳重に封をしてある)     逆刃刀@フタエノキワミ アッー!(るろうに剣心 英語版)、赤甲羅@スーパーマリオシリーズ     鎮痛剤二包み、睡眠薬二包み、糸(あと二メートルほど)、裁縫針、ワンカップ一本(あと半分) 、武器になりそうな薬物 [思考・状況] 1.いっちゃんは嬉しくなると、つい、犯っちゃうんだ♪ 2.キョン君(´Д`;)ハァハァ…ウッ…… 3.優勝して、愛しの彼を生き返らせる。 4.殺し合いにのっていない参加者を優先的に始末。相手が強い場合は撤退や交渉も考える。 5.八意永琳と協力。かなり信頼。 6.優勝して「合法的に愛しの彼とニャンニャンできる世界」を願う(ただし、生き返らせることを優先) ※第二回放送は八意永琳に教えてもらいました。 ※薬品に関しては次の書き手さんに任せます。 熱いぃ!熱い熱い!! 何なんだ!これは!!俺は何を目に入れられたんだ?痛い、酷く痛い!!目が開けられない。 目が開かず、自分の位置の掴めない俺はガンガンと思い切り建物にぶつかりながら暴走していた。何故かは解らない。奴らから逃げようとしたからかもしれないし、痛みのあまり暴走しているだけなのかもしれない。 痛いところは目だけではない。あの液体にかかった所は火傷になった時のように熱くて痛い。 俺は悟った。もう、自分は助からない事を。 奴は止めを刺しはしなかった、つまり放っておいても死ぬからだ。 数十分後か数時間後か、この苦しみを味わい続けながら、俺は、死ぬ。 畜生!畜生畜生畜生!!ちくしょう、ちくしょう……… サトシの分も、ピカチュウの分も、俺は生きてやるって決めたのに!! こうしてる間にも痛みはどんどん酷くなる。ならばいっそ―― どれほど走っただろうか、もう地面がアスファルトから土へと変わっている。 何で走っているのだろう、自分でも理解できない。 何で止まらないのだ、自分でも解らない。 そんな無限ループを繰り返していたら突然、地面に土が盛って山になっている所があり、俺は転んでしまった。その土は空気を含んでおり、軽かった。 豪快に転んでしまったのでその山は崩れた。さっきから何度も転んで全身傷だらけ。もういい、諦めた。ここらで自害でも―― ――俺の脚に何かが当たった―― 手だった、人の。でも、この手の感覚は初めてじゃない。いや、何度も何度も撫でて貰った気がする、この手で。俺はその手の主が誰だか一瞬で理解できた。 ――サトシの手だ―― さっき俺がつまずいたのはサトシの墓だったのだ。誰か心優しい人に埋葬してもらったのだろう。そして俺が走り続けていた理由も解った。 俺は、サトシに会うために走っていたのだ。 そして、俺の話はここで終わりだ。 ――――これだけで俺はもう満足だ。俺は…俺はもうサトシの所に行くとしよう。 俺は自分の舌を噛み切った サトシの横で &color(red){【フシギダネ@ポケットモンスター 死亡】} &color(red){【残り40人】} |sm124:[[人として軸がぶれすぎて、もはやぶれてない(後編)]]|[[時系列順>第三回放送までの本編SS]]|sm119:[[さよなら絶望黒花]]| |sm124:[[人として軸がぶれすぎて、もはやぶれてない(後編)]]|[[投下順>101~150]]|sm126:[[信仰は儚き人間の為に]]| |sm114:[[Unlocked room]]|古泉一樹|sm148:[[Encount "Modern or Ancient"]]| |sm114:[[Unlocked room]]|八意永琳|sm148:[[Encount "Modern or Ancient"]]| |sm106:[[さよならフシギダネ! かことのけつべつ!]]|&color(red){フシギダネ}|&color(red){死亡}| ----

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