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**二人合わせばレッドベジーモンの知恵(後編) ◆jVERyrq1dU (非登録タグ) [[パロロワ]] [[ニコニコ動画バトルロワイアル]] [[若本]] [[第百五十一話⇔第百五十二話]] [[第百五十二話⇔第百五十三話]] [[自重しないニーKAS]] ---- しかし、KASニートの快進撃はここまでだった。 KASは遠くの方から何者かが線路の上を猛烈な勢いで走ってくるのに気づいた。 黒くてよく分からないが、シルエットからして人間ではない。おそらく主催側の別の化け物だ。 透明だから隠れてやり過ごすか。KASはニートを手招きして物陰に身を潜めた。 KASはニートが素直に隠れた事に少し驚いた。こいつは主催側であるはずなのに もしかしてこいつは本当に俺と同じ侵入者なのか……? 何者かがぶつぶつ呟いて、いや、叫んでいる。 「我はピエモン様の代理人ッ、デジモン管理の会場代行ォ~。 この俺の使命はピエモン様に逆らう愚者を血の一片たりとも絶滅する事ッ エイメンッ!!!」 出てきたのは、今までとは違う化け物だった。無駄にいい声だ。 後ろにまた種類の違う様々な化け物を引き連れている。全員さっきまでの奴より明らかに強そうな見た目をしている。 そんな化け物達は隠れている二人の横を走って通り過ぎ、倒れているレッドベジーモンの元に駆けた。 「てんめえぇ!さっきからなぁんか妙に騒がしいと思って来てみたら!なあぁに気持ちよさそうに寝てんだよおぉ!!  てめえも裏切り者だろ!!ただでさえ忙しい時によおぉぉ!!」 その化け物はレッドベジーモンの胸倉を掴み片手で持ち上げ、 「ここで何があった!!さっさと起きやがれぶるああああああ!!」 顔面を殴った。レッドベジーモンはそのまま気絶していれば良かったのだが、不幸な事に目覚めてしまった。 「わ、若本様!!どうしてここにいるベジ?」 「それはこっちの台詞だってヴぁ。なあぁんでお前こんな所でのん気に寝てんだ!お前さっきの裏切り者とグルだろうぶるああああ!」 「ひ、ひええ、すいません、ううう裏切り者じゃないです、何の事ベジか!?そそそそそのし、侵入者がいて」 「侵入者だと!?」 アイスデビモンは辺りを見渡した。 「いねえじゃねえかぶるああああ!!てめえやっぱ裏切った野郎だなッッ!!」 「ややや奴らは透明マントを着ているベジ」 アイスデビモンは直属の部下を引き連れ、怪しい所を順に捜索し始めた。 裏切り者かもしれないレッドベジーモンはアイスデビモンに首根っこを掴まれ、動けない状態だ。 このままじゃやばい、よく分からないけど裏切り者扱いされてるベジ。減給どころじゃないベジ。 馬鹿のレッドベジーモンもさすがに自分の危機に気づいた。 とにかく自分が裏切ってない事を証明しなければいけない。何でもいいから話してみよう。 黙っていたら余計に怪しまれるかもしれない。そう思いレッドベジーモンは口を開いた。 「わわ若本様。あの、色々混乱が起きてるって聞いたベジけど大丈夫なんですか?」 「そりゃああもう大変だってヴぁ!電車が線路を塞ぐは裏切り者は出るは本部と通信が途絶えるはでなッ!」 「……じ、実は裏切り者が出たって初めて聞いたベジ。そいつらはやっつけれたベジか?」 「ああ~俺がゆとりに負けるとでも思ってんのかよおッッ!」 「ごごごごごごめんなさいベジ」 アイスデビモンは必死に何度も謝るレッドベジーモンを無視し、自分が裏切り者をどう倒したか語り始めた。 ようするに自慢話である。多分色々と脚色されているだろう。話はこんな内容だった。 アイスデビモンが追加の監視デジモン達を率いて電車で会場に向かっている時、 ゆとりのデジモン数匹が線路に罠を仕掛けたそうだ。そのせいで電車は横転し、多数の死傷者が出た。 ゆとり達は混乱しているデジモン達にさらなる追い討ちをかけていく。 そこで、壊れた電車の中から颯爽と現れたのが、ご存知我らのアイスデビモンだ。 『雑魚がぁ!!』惚れるようないい声でそう呟くと、ゆとり達に向かって勇猛果敢に飛びついていったらしい。 しばらくゆとり数匹と熾烈な戦いを繰り広げた後、彼はまた呟いた。『塩くれてやるッ』 そして必殺技のサイコクラッシャー(フロストクローの事)を放ち見事に勝利を収めたのである。 「塩をくれてやったベジか……」 「ぶあああか野郎ッッ!『死をくれてやる』だ!!妙な空耳するなってヴぁ!ところで本題だがお前も裏切り者じゃねえだろうな!」 「じ自分は裏切ってないベジ!自分はただ電車撤去の命令をされたからここに来て、それで侵入者にぶちのめされちまったベジ」 「何やられてんだぶるあああ!!」 「すすす、すいませんベジ」 KASとニートは物陰に隠れてレッドベジーモンのあわれな姿を眺めていた。彼らに罪悪感は無い。 あれが例の若本様って奴か。確かにこええそしてめっちゃいい声。俺並だぜ。第二面の敵ってとこか。 あいつ強そうだし見つかったら面毒さそうだな。ま、透明だから大丈夫だけどwwwwwwww 「あ、なんか鼻がwwヘェーックショイッッ!!!wwww」 おまwww何というタイミングの悪さ。 「誰だってヴぁぁぁぁぁ!!」 「そこベジ!!そこから声が聞こえてきたベジ!」 レッドベジーモンが指差した空間をアイスデビモンが率いてきたデジモン達が取り囲んだ。 その動きにはひとつの無駄も無かった。完璧に統率の取れた動きである。 アイスデビモンはレッドベジーモンの首根っこから手を離し侵入者達に向かって叫んだ。 「諦めてさっさと出て来いぶるああああ!!」 「そうだそうだベジ!」 「裏切り者がしゃしゃり出て来るなってヴぁぁぁぁぁ!」 「す、すいません」 レッドベジーモンは大人しく後ろに下がった。 (お前何やってくれてんだ!完全に取り囲まれたっていう) (サーセンwwwでもくしゃみはさすがに仕方ないww) KASとニートは小声で会話する。 さてどうするか。VIPマリオでも64マリオでもこんなピンチはさすがに無かったぜ。 そういやこいつは本当にどっち側なんだろうな。 KASはニートを疑わしそうに眺める。はたして主催側なのか、それとも自分と同じ立場なのか。 こいつが主催側ならすごい助かるぜ。名づけて人質戦法! 『やいおまえらこいつの命が惜しかったら道を開けな!』 『ぶるあ仕方ないぶるあ。道開けるぶるあどうぞぶるあ』 という戦法だ。うーんでもTASと同じ卑怯者戦法ってのがなあ……。 「思い出した!侵入者の一人はニートって名前ベジ!ゲームの参加者ベジ!」 「もろ参加者じゃねえか!!」 参加者かよ!ああ俺の作戦オワタ\(^o^)/ 「ちくしょおおおおお!!塔組の奴らを見逃してやったからって調子に乗りやがってええええ!いい加減出て来いぶるあああ!」 (うはwwあいつめちゃくちゃ怒ってるぞwこれはヤバイwwww) ニートがまるで他人事のように言った。 「お前らだいたいの位置は分かるだろってヴぁ。適当に飛び掛って捕まえろおおおお!!」 アイスデビモン直属のデジモン達が二人に飛び掛ってきた。 二人の居場所は完全には把握されていないが四方八方から飛び掛ってくるので逃げ場はない。 「やべえwwwかつてないピンチwwwwww」 KASはほとんど本能的な動きでニートを抱え、前方にスピンジャンプした。 ニートを抱えて飛ぶ事は苦しくなかった。いつも自分の体ほどの大きさのスイッチやカギ、 ブロックを持ち運んでいるKASにとってニートの貧弱な体はむしろ軽いぐらいだった。 「うはwww」 ニートが驚いている。KASがニートを助けたのにそれほど深い意味はない。ただ、なんとなくだ。 KASは一匹のデジモンを踏み台にしてさらにジャンプし、駅のホームに着地した。 線路にはたくさんのデジモンがたむろしている。それを見てKASは優越感に浸ったのかほくそえんだ。 「貴様、その動き!何者だ!」 アイスデビモンが叫ぶ。 ふふふ シュバッ シュバシュバッ(ここでマントを脱ぎ捨てる) 「TASが神なら無職を助けるスーパー透明人間になる男、KAS!」 チャーチャチャーチャチャチャ(ポコポコポコ…)チャチャッチャチャー KASはマントを華麗に脱ぎ捨て、ポーズを決める。ニートを助け、包囲網を抜けて気分が高揚しているのだろう。 まあ、いつもの事だが。 ふふふww シュバッ シュバシュバッ 「ロールちゃんや萃香をあらゆる角度から監視したい男wwニートwwww!」 チャーチャチャーチャチャチャ(ポコポコポコ…)チャチャッチャチャー ニートもKASの真似をし、ポースを決め、マントを脱ぎ捨てた。KASとは違い、言っている台詞が完全に変体である。 「よりによってニーKASに進入されてるとはてめえ嘗めてんのかぶるああああ!」 アイスデビモンはせっかくカッコいいポーズを決めた二人を無視して、レッドベジーモンに掴みかかる。 無視された二人は少しだけムカついた。 「やいやい!若本さんよお!俺の事無視してんじゃゆーってウぁ」 「人の口癖真似してんじゃねえええ!ってヴぁだ、ってヴぁぁぁぁ! お前微妙に違うんだよ!」 「何言ってんのおまいらwwww」 ニートの言葉にアイスデビモンは切れた。 「うるせええええ!!おめえら二人とも殺されはしないとたかを括ってんじゃあないだろうな。 おっさんを怒らせるモンじゃねーよ!! エネミーコントローラー!」 「「は?(ww)」」 二人は困惑した。アイスデビモンは懐から何やらゲームのコントローラーのような物を取り出したからだ。 「左左上上BAってヴぁぁぁぁ!!このコマンドによりKASの首輪を爆発させるッッッ」 アイスデビモンが慣れない手つきでボタンを押し、とんでもない事を言い放った。 『ピピピピ後三十秒で爆発します』 あのコントローラー見たこと無いな。PS3のか?などと考えていたKASは驚愕した。 エネミーコントローラーは首輪の爆破装置だったのだ。KASの首輪が音を立てる。 全ての参加者にそれぞれ一つずつ首輪を爆発させるためのコマンドがあるのだろうか。 とにかくヤバイ。このままでは自分の首輪が爆発して、マジで死んでしまう。おいおい冗談だろ 「マジでか」 ニートの初めて見せた真面目な顔が事態の深刻さを物語る。 今までのにやけた顔ではなく深刻な顔でKASを見つめた。 え、マジで?俺まだTASと決着つけてないし、まだ120スター集めてねーよ。 え、嘘?えマッジでえ~~これは嘘だよな? アイスデジモンは汚らわしい物を眺めるかのような目つきでKASを見ていた。 爆発に巻き込まれては困るので部下のデジモン達を後ろに下がらせた。 エネミーコントローラーという名の機械を大切そうに持っている。 首輪の起爆装置をDMカードの『エネミーコントローラー』型にしたのは おそらくマルクかピエモンがエネコンシリーズに嵌っているからだろう。 『残り十秒』 これは……死ぬ。オワタ\(^o^)/ 「ははは!爆発させるわけねーだろぶああかやろう!!左左上上BA!このコマンドにより爆破キャンセル発動!」 再びボタンを押すと、首輪の電子音が止まった。KASは物凄く安堵し、その場で座り込んでしまった。 「貴様らなんぞいつでも殺せるッッッ!死にたくなかったら回れ右して殺し合いして来いいい!!」 アイスデビモンの怒声が響いた。 ふふふ 「俺の勝ちだ!!若本!!ここで俺を殺しとけばいいのによm9(^Д^)」 KASは屈服しきっていたと思っていたアイスデビモンは驚いた。 「あの天才的な発想を見せたカイバーやレムーなんかの俺の仲間がそのうち首輪を分解してくれる! そして俺が脱出経路を見つけた!!お前らもうすぐオワタだ!!」 「何ぃぃ」 アイスデビモンは顔を真っ赤にして怒る。 「ピエモン様とマルク様が作った首輪がそう簡単に外せると思ってんのかてめえは!!」 「いつか絶対外せる!!俺が頑張ってここまで辿り着いたようにカイバー達だってやってくれてるぜ!」 なぜかKASには確信に近いものがあった。仲間への信頼がそうさせたのかもしれない。 「無理だってヴぁぁぁ!この首輪はそう簡単なもんじゃぶるあああ!」 「絶対に外せる!!」 「そうだそうだwwww!」 ニートもKASに加勢して大声を張り上げた。あ、こいつもう絶対に参加者だな。KASはついに確信した。 「カイバー達にこの事を伝えるためにここは、一旦引く!」 「そこまで言ってただで返すと思ってんのかてめえは!殺さねえがこいつにやられた分は絶対に返してやる!!」 アイスデビモンはレッドベジーモンを指差し叫ぶ。レッドベジーモンは主人の優しさに触れ、感動の余り涙目になっていた。 「カイバーに脱出経路の事を伝えなきゃならん!  心配しなくてもすぐに首輪を外してお前の前にまた現れてやるぜい!」ぜいwww」 ニートが声を揃えて言った。 バグは見つけた、TASにも主催者にも絶対に勝ってやる!友情パワーでなんとかなるぜ!! 「俺はカイバーにこの事を伝えた後、TASのスットコドッコイをフルボッコしてぶちのめし、  またお前の前に現れて大暴れしてやるぜ!!覚悟しろよ若本!!!」 KASの宣戦布告にアイスデビモンの怒りはついに臨界点を超えた。 「てめえるあ!さっさとあいつら捕まえて来い!俺の目の前に正座させろぶるああああああああ!!!」 デジモン達が再び二人に飛び掛った。デジモン達の動きはKASとニートが透明でなくなったため、より正確になっていた。 「おいどうすんだこれwwwさすがに逃げ切れんww多すぎw」 「心配する必要ナッシング!俺はこのドローに全てを賭ける!」 KASは大げさな動きでゆっくりと自分の帽子に手を伸ばした。 「ドローカード!ソリッドとソリダスを発動!!」 帽子に入れておいた蛇二匹を鷲掴みにし、向かってくるデジモン達に投げた。 「うわああ!」 何匹かのデジモンが蛇に驚く。例のレッドベジーモンのように、中には腰を抜かしたデジモンもいた。 完璧だったアイスデジモンの統率にひびが入った。 「チャンスktkr!行くぜ無職!!YahooYahooYahooYahooYahoo!」 KASはニートを抱え一目散に走り出した。このバグ空間から抜け出して、海馬達に伝えなければならない。 「うはwwはええww」 後ろからアイスデビモンの怒声が聞こえてきた。デジモン達がKASとニートを追う。 しかし、スタートの早かったKASに追いつけるデジモンは一匹もいなかった。 「「あ~ばよ~若本のとっつあ~ん(www)」」  ▼ ▼ ▼ 「ああ、逃げられたベジ。もう自分の給料おしまいベジ……減給ですんでくれたらいいけど」 レッドベジーモンがぶつぶつと愚痴っていた。二人を追跡したデジモン達がぞろぞろと戻ってくる。 さすがにゲーム会場までは追っていけない。これからも色々としなければならない事もある。 若本こと、アイスデビモンは必死に怒りを抑え、これからの事について思考していた。 今回の一件はピエモン様の顔に泥を塗る大失態だ。塔組の奴らに対して何の対策も講じなかったのも失敗だっただろうか。 「KASとニートの監視を強化しろ。塔組の奴らもだってヴぁ」 アイスデビモン直属のデジモンに命じた。すぐに透明マントと石ころ帽子を身に纏い会場へと駆けて行った。 壊れた電車はまだまだ片付いてはいない。撤去作業も引き続きしていかなければならない。 撤去作業のために本部から増援を送って欲しいが、通信がおかしくなっており、それも望めない。 会場にいるデジモンを少しずつ駅に集めるぐらいの事しか出来ないだろう。 今回の一件をピエモン達に知らせるのにもかなりの時間が掛かりそうだ。 全く最悪だ。アイスデビモンは胸の内で毒づいた。 「この駅は全部禁止エリアにした方が良さそうだな……」 今後、塔組やニーKASのような奴らを出さないためにも……。 アイスデビモンは一匹のデジモンを呼び、 駅を禁止エリアにした方がいいという事と、塔組とニートKASが駅に侵入したという事を、ピエモンに伝えに行かせた。 そのデジモンは本部に向かって線路の上を走っていった。電車という交通手段が使えないため、徒歩で行かせるしかない。 次の放送までに報告が済めばいいが……。 さて、俺も撤去作業の指示をやりにそろそろ行くか。 今、思い返せばここにわざわざ来たのはレッドベジーモンとニーKASの騒がしい話し声が聞こえ、 裏切り者の残党かもしれないと思ったからだ。結局、レッドベジーモンが裏切り者かどうかははっきりしない。 まあ、奴の処遇は決めてあるがな。 アイスデビモンもまた線路の上を歩き始めた。 それにしてもKASめ、参加者の分際で嘗めた口を!! 「あ~ちくしょおおおおおおおお!!!何なんだよおぉッッ!!俺が線路の上にいる限り絶対に本部に行かさねえからなってヴぁぁぁぁ!!」 やっぱり怖いベジ。ああどうして自分はあんな馬鹿コンビに騙されたんだろ。 これからなんとか挽回しないとろくでもない仕事押し付けられるベジ。いや、その前に処罰か……。 いまだに裏切り者疑惑は晴れてないベジ。 「ちょっとそこのお前」 後ろから声をかけられた。アイスデビモン直属のデジモン、いわゆるエリートだ。 「ななっ、何でしょうか」 思わず声が裏返る。うう、ついにおしおきの時ベジか? 「お前もう電車の撤去しなくていいから」 「えっ?ほんとベジか!?」 レッドベジーモンの顔が一気に明るくなった。裏切り者疑惑はいつの間にか晴れていたのだろうか。 何にせよ、電車の撤去なんて重労働はとても嫌だったのでこれは嬉しい。 「今からお前の仕事は阿部さんの監視に変更だから」 「は?」 「裏切り者かもしれない奴を本部の近くで働かせるのは問題あるだろ? 本来なら処刑されるはずなんだけど、若本様が特別に阿部さんの監視役をすれば許してやるだってさ。良かったな」 湧いてきた希望が一瞬にして絶望に変わる。 レッドベジーモンはめのまえがまっくらになった。 「がんばってねー」 【アイスデビモン】 [状態]:健康 [装備]:エネミーコントローラー型首輪起爆装置 [道具]:不明 [思考・状況] 1.デジモン達を指示して電車の撤去作業を進める 2.本部に参加者を行かせないためにも駅を死守する 3.ニート、KAS、塔組を警戒 [備考] ※一匹のデジモンが駅を禁止エリアにした方がいいという事と、塔組ニートKASが駅に侵入し、その後引き返した事を伝えに行きました。 ※勘違いして裏切ったゆとりは死にました。現在駅では電車撤去作業を続行中。本部との通信も回復していません。 ※塔組とニートKASの監視が厳しくなりました。  ▼ ▼ ▼ 「ニートさーん!どこにいるんですかー!」 「ロール。もう塔にはいないんじゃないか?」 「いますよ。足を怪我しているニートさんがそんなに移動出来るとは思えません」 私はもうかれこれ一時間ほど、ニートさんを捜索しています。ニートさんはどこにもいません。 萃香さんは探索から戻って来た時、塔の屋上から仲間になってくれそうな人を見つけたと言っていました。 今すぐにでも会いに行きたいという感じで、実際に一人で行こうとしたのですが、ニートさんがいなくなった事を説明すると、 『ロールを一人にするのは心配だ』と言い、捜索を手伝っていてくれます。 正直言って、ニートさんと二人になる方が危険だと思うんですけど……(足手まとい的な意味で) 「ひょっとして……誰かにさらわれちゃったんでしょうか」 「うーん。あんな奴さらってどうするんだ?」 「…………確かにそうですね。何の得もなさそうです」 「ロール。確かにあいつは怪我してて動けないかもしれないけどさ。いないものは仕方ないよ」 萃香さんが諭すように言います。でも諦めたくない。 時間だけが無常に過ぎていきます。 次の放送でニートさんの名前が呼ばれるかもしれないという事を考えると……。 探さざるを得ません。 私はニートさんのデイパックが落ちていた場所を見つめました。 (Yahoo!) 「……? ロール、今何か聞こえなかったか?」 「え……?」 (YahooYahooYahoo!) 「ほんとだ。確かに聞こえます」 「だろ。何なんだこの声……」 Yahoo!という声は次第に大きくなっていきます。何かが近づいてきているかのように。 「この声、壁から聞こえてきていますよね?」 「うん。何でだろう?ニートの声ではないよな」 場面変わってここは塔の隠し部屋。駐車場のある所だ。 「無職!!あそこがゴールだな!!」 「うんwwwちょっとスピード緩めてくれww怖いw」 ニートの言葉を無視し、KASは跳ぶ。 ホッホホッワッハアーホッ! 三段ジャンプの後にボディアタック。この方法で何かに飛び込めば、第三者からすれば非常に華麗に見える。 まあ、無駄な行為だが……。 ともかくその方法でKASはニートを抱えたまま、一見壁にしか見えない回転扉に飛び込んだ。 私は目を疑った。今まで壁だった所が突然回転して、人が出てきたからです。 さすがの萃香さんも驚いています。 「ふうっ!さすが俺!TASをも超えるスーパーテクニックktkr!あれなんだお前ら?」 それはこっちの台詞です。壁から飛び出してきたのは妙に小さくて言っている事もよく分からない奇人。 そして…… 「ニートさん!」「ニート!」 私と萃香さんは声を揃えて言いました。ニートさんが飛び出してきた変な人に抱えられています。 「おwwロールちゃん萃香ちゃんお久wwww」 「ニートさん大丈夫ですか?いったい何があったんですか!?」 「それはもう心躍る涙と感動の大冒険!無職と俺の大活躍を特別に聞かせt」 「私はニートさんに聞いてるんです!!」 よく分からない変の人の言葉を遮り私はニートさんに詰め寄りました。 ニートさんは変の人から飛び降りました。そして見事に着地しています。 え、足怪我しているんじゃ…… 「ロールちゃんww蛇口こっちだったなちょっと水飲んでくるwwww」 ニートさんは元気よく走り出しました。怪我っていうのはやっぱり嘘だったんですね。萃香さんが呆れています。 ふふふ萃香さん。呆れちゃ駄目ですよ。ニートという生き物はこんなもんなんですから。誰かが怒らないと駄目なんです。 やっぱり萃香さんはまだ慣れていないんですね。私?そりゃ私は慣れてますよ。ずっと一緒でしたもん。 私は大きく息を吸い込みました。そして……叫びました。 「ニートッッッッ!!!!!」 ニート、萃香さん、変な人全員驚いています。ニートは立ち止まり振り返りました。相変わらずの半笑いです。 「うはwww何そのかつてない怒りwwwこええよw」 「ニート、自分の行動をよく振り返れ。私に嘘を吐いていませんか?」 「……あwww」 もうニートさんったら本当に最低なんだから♪ 「ぬわーw」 夜の塔にニートの悲鳴が響いた。 「そこの小さい人、情報交換でもしますか」 どれぐらい時間が経ったでしょうか。気絶していたニートは目覚めました。 「おお無職!もう目覚めないかと思って心配しタコス!オレ分かる?KASさんだ」 KASさんが心配そうにニートを覗き込みました。しばらくの間、行動を共にしていたからでしょうか。 KASさんはニートに多少の友情を抱いているみたいです。 全くニートのどこを気に入ったのやら……変な人通し気が合うんでしょうか。 「あwwロールちゃんひでえwww頭にたんこぶが出来てるw」 「たんこぶぐらいで済んだ事を喜んでください」 全くもう、人に心配させるだけさせといて……本当に最低なんだから。 ニートさんが気絶している間、私とKASさんと萃香さんの三人で情報交換をしました。 KASさんの性格と妙な口調のせいでかなり時間が掛かりました。 KASさんの知り合いに遊戯さんから聞いた海馬という人がいたのには驚きました。 KASさんは海馬さんの事を話した後、すぐに何かを思い出したかのように走ってどこかに行こうとしましたが、 それを萃香さんは止めました。 萃香さんはKASさんが危険人物ではなく、中々強い人という事が分かると、KASさんに私の護衛を頼み始めました。 そしてKASさんを無理やり頷かせた後、 『外にいた仲間になってくれそうな人を連れてくる。ついでに富竹達も探してくる。 KAS、私が戻ってくるまでロールの護衛をしてくれ』 と、要約するとこんな感じの事を言い、塔から出て行ってしまいました。 私は一緒に行きたかったのですが、『夜だから危ない。塔は安全だからここにいろ』と強い口調で言われてしまいました。 何か考えがあるのでしょうか。うう、私もハルヒさん達を探しに行きたいのに。 隠し部屋、電車の撤去、若本、主催者の本拠地……脱出ルート。 私は頭の中を必死に整理します。 萃香さんはKASさんの話をほとんど聞かずに出て行きました。 今思えば、無理やり止めてでもKASさんの話を一緒に聞くべきだったのです。 KASさんとニートが体験してきた一連の出来事は、殺し合いという最悪なゲームを壊したい私達にとってまさに重要な事でした。 「だから俺は無職じゃないwwニートっていうカッコいい名前で呼べwwww」 ニートのクソめ。無職とニートってのは同じ意味なんだよ。 「どう考えても無職の方がカックイイ!!俺のネーミングセンスは最強と言わざるを得ない」 「カスに言われたくねーよwww」 「なんか微妙に発音違うぜ!!」 KASさんとニートが仲良さそうに会話している中に割り込むのは少し気が引けますが、 色々とKASさんに聞きたいですから仕方ありませんね。 「KASさん!ちょっと質問させて下さい!」 「お前は駅では足手まといだったと言わざるを得ない!」 「あwww何言ってんのお前wwあれは全部俺のおかげwwwあいつら俺の睨みにビビってたw」 「……あの!」 「だいたいお前軽すぎだろ!!まさか人一人抱えたまま幅跳び出来るとは思わなかった!お前の体貧弱すぎ!!」 「俺よりチビな奴に言われたくないwww」 「…………」 やめた。馬鹿と馬鹿の罵り合いにはついていけない。 KASさんの言った事を紙に纏めたので、確認のために見てもらおうと思ったのに。 合っているかどうか気になるけど、多分大丈夫よね。 疲れるからもう二度とKASさんと話したくないし。 私は紙をもう一度、見直しました。 紙には次の事が書かれています。 ・塔には隠し部屋があり、その奥には駅がある ・電車は全く通っていなかった。この事から次の事を推測する。  →電車の撤去という言葉から何らかの理由で壊れた電車が線路を塞いでいると推測。  →現在、主催側は撤去作業を進めていると推測。 ・線路沿いを歩いていけば主催者の所に辿り着ける(KAS談)。 ・主催者側は首輪をゲームのコントローラーのような物を使っていつでも爆発させる事が出来る。 ・KASとニートの話から透明マントを纏った化け物が参加者を監視していると推測する。  →KASによると化け物はそれほど強くない。 ・『若本』という強そうな化け物が下っ端化け物を指揮している。 これらの情報は、言わば私達参加者の生命線。絶対に脱出して主催者をやっつけてみせます。 「ロールちゃん腹減ったwwwテーブルかけ使って何かうまい物食おうぜwww」 「自分の支給品のパンを食べればいいじゃないですか」 「あー!畜生萃香の奴さっさと帰ってこねえかなあ!!早くカイバー達に俺の大冒険活劇を聞かせてやりたいッッッ!!!」 「KASさんは一々騒がしすぎるんですよ!!もっと静かにしてください!」 「うはwwwロールちゃんも充分うるさいww」 「…………ハア」 自然にため息が出てしまいました。ああ萃香さん早く帰ってこないかなあ。仲間って誰なんでしょうか。 富竹さん達じゃないようですし。名前聞いても教えてくれない辺りどこか怪しい。 それにしても……こんな事言っても無駄ですけど護衛よりはメンタルケアの専門家の方が欲しかったですねえ……。 あー、なんか今までの二倍疲れる…………。 【E-4 塔/一日目・夜】 チーム共通の思考 1 萃香が戻るまで塔で待機 2 主催者のスットコドッコイを倒す 【KAS@KAS動画】 [状態]:チビマリオ、右拳骨にヒビ、お尻に火傷、やっぱりハイテンション、 強い決意と熱い闘志(?) [装備]:スパイダーブレスレット@東映版スパイダーマン、バーサーカーソウル@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ [道具]:支給品一式(食料全て消費) [思考・状況] 1.一応ロールの護衛をする。でも早く海馬達の所に行ってバグの事を色々教えてやりたい 2.主催者をぶっ飛ばす前にTASと決着をつけたい 3.あいつ(谷口)の死の責任を取る!! 4.このカード、あいつの仲間に渡したいけどどいつが仲間なんだろ? 5.このクソゲーをぶち壊してボスのスットコドッコイを倒して土下座させて 悪い奴以外全員生き返らせるぜ!!!! ※第三放送を禁止エリア、死亡者共に聞き逃しました。一応禁止エリアの方は最後の-4というところだけは聞こえました。 ※チビマリオ状態ですがマント、フラワー、キノコの何れかを手に入れれば元の大きさに戻ります。 ※放送により、ニコニコ動画に関する記憶が徐々に戻ってきています。 【ニート@現実&新世紀 東方三国志~ひぐらしの憂鬱~】 [状態]:疲労、SOS団名誉会員、頭にたんこぶ [装備]:ケンジのカメラ@ポケットモンスター、塊@塊魂 [道具]:支給品一式(水無し)、うまい棒、津田英治ブロマイド(音声付き)@大変な途中下車シリーズ) [思考・状況] 1.腹減ったなwwwww 2.ハルヒとトミーどこにいるんだろうなwwww 3.部下たちとか知り合いとかとっとと探すかwwwwww? 4.またロールちゃんに嫌われたぜwwww 5.あの化け物(レッドベジーモン)どうなったんだろうなwwwwww [備考] ※ニートは性能がへっぽこなので、技能はほとんど成功しませんが、楼船・教唆の技能は、能力に無関係な技能なので、通常通り発動します。 ※海馬、外山に関しては「社長」「活動家」として名前を覚えている為、ニートには認知されていません。 ※ニートは馬鹿なので駅で体験した事も次第に忘れていきます。 【ロールちゃん@ロックマンシリーズ】 [状態]:健康、軽度の精神的疲労、ニートマスター [装備]: AK74(17/30)@現実、予備弾薬各100発@現実 [道具]:支給品一式(水一本消費)、バルサミコ酢@らき☆すた、グルメテーブルかけ(残り20回)@ドラえもん ノートパソコン(バッテリーほぼ消耗)@現実、 マネキンの腕、傘@現実 塔の『バグ』について纏めた紙 [思考・状況] 1.ニーKASから得た情報をどうすれば生かせるかな。とりあえず紙に纏めたけど 2.ハルヒさんを助けて、富竹さんを治す。どこにいるんだろう。 3.萃香が戻ってくるまでここで待機、お願いだから早く帰ってきて 4.ニート氏ね、KASもうぜえな 5.遊戯達の知り合い(海馬他)も探す 6.ロックマンと再開したい ※ニートの扱いを何か悟ったようです。これからはあまり疲れることはないでしょう。 ※萃香への信頼度が上がりました。 ※紙には次の事が書かれています。 ・塔には隠し部屋があり、その奥には駅がある ・電車は全く通っていなかった。この事から次の事を推測する。  →電車の撤去という事から何らかの理由で壊れた電車が線路を塞いでいると推測。  →おそらく撤去が終われば電車は通ると推測。 ・線路沿いを歩いていけば主催者の所に辿り着けると推測する。 ・主催者側は首輪をゲームのコントローラーのような物を使っていつでも爆発させる事が出来る。 ・KASとニートの話から透明マントを纏った化け物が参加者を監視していると推測する。  →KASによると化け物はそれほど強くない。 ・『若本』という強そうな化け物が下っ端化け物を指揮している。 塔の階段を最速で駆け下りる。 ニートのせいでずいぶんとスタートが遅れてしまった。 まあ、その代わりKASというロールの護衛が出来たからいいけどな。 さて、確かこっちの方向だったな。奴らの移動スピードは遅かった。絶対に追いつけるはずだ。 つるぺたを全員保護して塔にお持ち帰りすれば、ロールと合わせてつるぺた三人になるな。 最高だ!!阿部、ついに夢が叶いそうだよ。 巨乳もなんとかして駆逐してやりたいな。でもニートとの約束があるしなあ。 【伊吹萃香@東方Project(つるぺったん)】 [状態]:軽い怪我、体力中回復、妖力小回復、魔力再び枯渇(両方回復中)、夢の実現への希望、ちょっと服がボロボロ [装備]:ミニ八卦炉@東方project [道具]:支給品一式*2(食料、水1食分消費)、秘密の鍵@スーパーマリオワールド 日本酒(残り半分)、ワイン、A.C.E.3@現実(少し詩音の血がつい ている)、DMカード(エネミーコントローラー、融合) [思考・状況] 1.塔組を追跡してつるぺた二人(こなた、妹)を塔にお持ち帰りする 2.負けたからには、ニートに従うとするか 3.つるぺた保護。ついでにニート保護。 4.阿部のことは・・・あいつなら無事だろうから保留。 5.巨乳死すべし。でも仕方ないから中止。向こうから襲い掛かってきてくれれば… 6.せっかくなので腕試し。主催者と戦いたい 7.貧乳はステータスだ!希少価値だ! |sm152:[[二人合わせばレッドベジーモンの知恵(前編)]]|[[時系列順>第四回放送までの本編SS]]|sm154:[[月のネズミ]]| |sm152:[[二人合わせばレッドベジーモンの知恵(前編)]]|[[投下順>150~200]]|sm153:[[サイレント魔女]]| |sm152:[[二人合わせばレッドベジーモンの知恵(前編)]]|KAS|sm162:[[砕月]]| |sm152:[[二人合わせばレッドベジーモンの知恵(前編)]]|ニート|sm162:[[砕月]]| |sm152:[[二人合わせばレッドベジーモンの知恵(前編)]]|ロールちゃん|sm162:[[砕月]]| |sm152:[[二人合わせばレッドベジーモンの知恵(前編)]]|伊吹萃香|sm156:[[Stars Strike(前編)]]| |sm152:[[二人合わせばレッドベジーモンの知恵(前編)]]|アイスデビモン|sm169:[[第四回定時放送]]| ----

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