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**リィンカーネーション(前編) ◆qwglOGQwIk (非登録タグ) [[パロロワ]] [[ニコニコ動画バトルロワイアル]] [[第183話]] [[春閣下]] ---- 城に辿り着いたエアーマンは、城に居るであろうゲームに乗らない人間を慎重に探し始める。 テニスボールを使って一騒ぎ起こすにも、相手の顔が分からなければ意味が無い。 最初にとり逃したオタク達やロックマンの知り合いなどに、自分の悪評を広められている可能性は高いからだ。 だからこそ接触は慎重に、こちらから先手を取らなければならないのだ。 どこからか騒ぎの物音が聞こえるため、相手の位置は大体把握できる。しかし詳しい位置が分からない。 こういうときにロムスカの持っていた首輪探知機があればいいんだが、とエアーマンは心の中で毒付く。 物音の中心、城の大広間の方を通路の陰からこっそり見る。 変な格好をした男が紫色の化物に襲われているのが見えた。 やや後方に緑色の帽子をかぶったヒゲの女と、男がもう一人。 見知った顔は居ない、か? 既に相当な時間が経過している以上、参加者達の情報交換によってエアーマンの評判は地に落ちているだろう。 見知った顔は居ないとはいえ、ほぼ間違いなく危険だと思われていると考えられていて間違いは無いだろう。 テニスボールを見せて仲間にならないかと誘い、あの三人を混乱させるのが今までの考えであった。 だが、紫色の化物と言うイレギュラーの存在がやっかいである。 見たところ無差別に人を襲うアレに加勢して三人組を倒すか、もしくはイレギュラーな化物を倒して友好をアピールするか。 最悪三対一と多勢に不勢となりかねない以上、判断に苦しむ場面である。 さて、どうするか……。 呆然と立ち尽くしていた海馬には、やよいクリーチャーの飛びかかりにさえ反応できなかった。 「ぐ、ぐあああああぁぁぁッ!」 「ヴッヴー」 海馬の腹部にかじり付いたやよいクリーチャーは、その肉を旨そうに齧る。 痛みでようやく我に返った海馬は、手に持ったゴッドクラッシャーでやよいクリーチャーの頭部を思いっきり殴りつけた。 やよいクリーチャーはゴッドクラッシュの衝撃で怯み、紫の肉片をあたりに撒き散らしていた。 やよいクリーチャーに齧られて赤く滲む腹部を抑えながらふらつく海馬は、後ろからやってきた日吉と亜美に受け止められる。 「大丈夫か!」 「兄(c)! ねぇあれって……」 「ああ、やよい…………だ……」 「嘘……でも……」 「何にしても、やるしかねぇだろうが!」 日吉は再び海馬達に飛び掛ってきたやよいクリーチャーをフライパンで叩き落し、もう一撃加えて吹き飛ばす。 「まったく、話す暇すら与えちゃくれないとはよ」 「済まない、俺がやよいから目を離さなければ……」 「でも、あれってやよいっち何でしょ? 何か変な薬でも飲んだだけでそのうち元に戻るんじゃないの?」 「分からない……」 「それは無理だろ、この化物は俺達のことすら覚えてないみたいだぜ。  だから、これ以上被害が増える前に止めを刺してやるのがせめてもの情けだろうが」 そう言った日吉は体勢を整えていたやよいクリーチャーに接近し、フライパンで更に追撃を加える。 反撃の暇さえ与えることなくフライパンで痛めつけられているやよいクリーチャーからは、ヴッヴーという弱弱しい声しか聞こえてこない。 べチャリ、ヌチャリと紫の肉片と体液が飛び散り、広間を汚していた。 それを見た亜美は、やよいクリーチャーと日吉の間に立ちふさがった。 「もうやめてよピヨくん! やよいっちが可哀想だよ!」 「だからこいつはやよいじゃなくてただの化け物だろうが!」 「でも……、でも亜美はやよいっちを見捨てることはできないよ!」 「じゃあどうするって言うんだよ!」 「とんだ茶番だな、さっさと殺してしまえばいい。できないなら俺がやってやる、貴様ら纏めてな!」 物陰から出現したエアーマンはエアーシューターを日吉、亜美、やよいクリーチャーに浴びせる。 奇襲によってエアーシューターの直撃を食らった二人と一体は仲良くズタズタにされ、吹き飛ばされることになった。 「亜美! 日吉! 貴様ぁぁぁ!!!!」 激昂した海馬はエアーマンに向かって突撃するが、エアーマンが巻き起こした旋風によってやすやすと吹き飛ばされてしまう。 壁に叩きつけられた海馬に向かってエアーマンは更に追撃を仕掛けに行く。 「さて、今楽にしてやるぞ」 「やらせるかよ!」「やらせないよ!」 エアーシューターが放たれる直前、亜美が飛びかかり、日吉が突撃を仕掛けてきた。 エアーマンは頭上の亜美を避けたものの、フライパンの強烈な一撃で吹き飛ばされることになった。 「糞ッ……邪魔をするなら貴様らから先に殺してやる!」 「やれるもんなら…」「…やってみろ!」 日吉と亜美は再び連携攻撃を仕掛けるが、エアーマンはそれをやすやすと避ける。 逆にエアーマン腹部より巻き起こった旋風であっさりと吹き飛ばされてしまう。 日吉と亜美は何とか受身を取って床との激突を和らげ、立ち上がった。 だが二人の息は荒く、立ち上がるのもやっとといった様子であった。 エアーシューターの直撃の代償は重く、二人の体も服もズタズタに切り裂かれていた。 明らかに重傷とも言える傷を負っていてさえ、二人は戦うのを止めようとはしなかった。 「しつこい奴らだ……立ち上がるのもやっとの癖に粋がるな!」 「てめえなんかに誰が負けてたまるかって言うんだよ……」 「あんたなんかに……絶対負けない!」 「フン……なら掛かって来い!」 エアーマンは二人を挑発するも、両者ともに動かない。 既に二人には戦う体力はもう無いと踏んでいたエアーマンは、挑発をして確かめてみたと言う訳だ。 結果は動かず。エアーマンは背中を翻して海馬のほうへ向かう。 「ぐっ……、貴様の相手はあの二人じゃないのか?」 「奴らは後でゆっくり始末してやるさ」 エアーマンは海馬の胸部に腕を押し付ける。 それを見て日吉と亜美が動くも、もう間に合う間合いではなかった。 放たれると思ったその瞬間、やよいクリーチャーはエアーマンに飛び掛っていた。 バランスを崩したエアーマンの放ったエアーシューターは、明後日の方向へと放たれた。 エアーマンの胴体に齧りつくやよいクリーチャーを、エアーマンは腕で殴りつける。 それでもやよいクリーチャーが怯まなかったため、旋風で吹き飛ばす。 体勢を整えようとした矢先、突撃を仕掛けていた日吉と亜美がエアーマンに強烈な一撃を加える。 「どいつも……こいつも……邪魔をするなああああぁぁぁぁ!」 「何度も何度もやらせてたまるかってんだよおおぉぉぉ!!!」 エアーマンはエアーシューターを日吉目掛けて放つ。 だが日吉の翻したヒラリマントによって、逆にエアーマンがエアーシューターに切り裂かれることになった。 その隙を見逃さず、亜美の仕掛けたスピンジャンプがエアーマンを痛めつける。 「ぐあっ……」 「それで終わりか、ロボット野郎?」 「舐めた口を聞くなあああぁぁ」 激昂したエアーマンが逆に日吉へと突撃を仕掛ける。 だがヒラリマントによって突撃の矛先は本来の方向から反れ、そこへ亜美のスピンジャンプを食らう羽目になる。 「カイバーマン、ゴッドクラァァァッシュ!!!」 吹き飛ばされたエアーマンを、海馬がゴッドクラッシュを大きく振り回して胴体を砕く。 ゴッドクラッシュの一撃を食らったエアーマンが壁に強く叩きつけられる。 よろよろとした動きで起き上がるエアーマンであったが、先ほどの一撃によって腹部の扇風機が潰れていた。 追撃を仕掛けてきた三人に試しに旋風を巻き起こしてみるも、巻き起こる風は先ほどと比べて明らかに弱い。 それどころか、今にもショートを起こして止まりそうな程であった。 だがその僅かな風でも、満身創痍の三人を足止めするには十分な威力があった。 エアーマンは、使わないだろうと思っていた月牙をその手に持つ。 「サテライト30!」 三体に分裂したエアーマンがそれぞれ日吉、亜美、海馬に襲い掛かる。 日吉はヒラリマントで何とか初激を避けるものの、亜美と海馬はエアーマンの体当たりに押し負けてしまった。 初激を乗り切った日吉には、三体のエアーマンが同時に襲い掛かる。 ヒラリマントで回避しきれないと判断して空中に退避するも、それを予想していたとばかりに更に上にいた四体目のエアーマンが更に空中から襲撃する。 「がはっ……」 エアーマンの攻撃によって地面に勢いよく叩きつけられた日吉は、そのまま動かなくなる。 「チョロチョロチョロチョロ目障りだったが、これで止めだ!」 「ウン、ソレムリー」 エアーマンが一体に戻り止めを刺そうと思った所へ、更なる乱入者が登場する。 「次から次へと、何なんだ貴様らは! 「あら、悪人面らしく台詞も陳腐なのね」 「このような年端も行かぬ子供を弄ぶなど、恥を知れ!」 「ぽよ!」 朝倉の仕掛けた一撃によってエアーマンのボディに大きく亀裂が入り、もはや戦闘どころでは無かった。 迫りくる弾幕を避けるのに精一杯で、反撃する機会すら見えそうに無かった。 次々と繰り出されるレーザー、そして石槍に剣閃。 サテライト30の分裂によって何とか致命傷を防ぐも、敵だらけの状況下ではもはや防戦一方であった。 「糞ッ、これでも食らえ!」 防戦一方で体力を削られ、後が無いと判断したエアーマンはエアーシューターをアリス目掛けて放った。 白黒の女と小さな人形の弾幕が止んだ一瞬、エアーマンは先ほどから戦闘に参加していないアリスを目標にしたというわけだ。 だがアリスは、巻き起こる突風を難なく回避する。 「こんなそよ風じゃ幻想郷に行ったら……」 「わ、わー、あの子裸だー」 「え、きゃああああああぁぁあ!!!!」 「ぽよ!ぽよ!」 突風で胴着が巻き上がった結果、アリスの裸体は観衆の下に晒される事になった。 あわててアリスは胴着を抑えるも、突風がパタパタと服をたなびかせていた。 エアーマンの残した風は思いのほか強く、服を手で押さえていてさえ下腹部の大事なところがチラチラと見えていた。 「これは……」 「どどどどーまんせーまん!」 アリスの目の前には鼻血を吹いている彦麿と、何やら恍惚としている変な海馬が居た。 亜美はあちゃーと腕を抱え、アリスは顔を真っ赤にしてその場に座り込んでしまった。 カービィはというとうつむいたり変な動きをしているアリス達の様子を眺めているだけだった。 「そ、それより奴は!」 「逃げたか……ふぅん……ふぅん……ふぅん……」 エアーマンが逃走し、事無きを得たと思っていたその場に、やよいクリーチャーがよろよろと歩いてきた。 激闘によって海馬達と同じように消耗していたやよいクリーチャーは、それでも臓物を求めてよろよろと彼らの元へ這いずっていた。 ヴッヴーという弱弱しい叫びが、既に消耗しきっていることの証でもあった。 「やよい……」 「やよいっち……」 海馬と亜美はやよいクリーチャーを見て、ただ何もできなかった。 やよいの面影を残すツインテールの片方は肉片となって欠け、体液がダラダラと漏れる化物になっていた。 それでも、やよいを攻撃することなどできるはずが無かった。 そこへ、彦麿が前へ出る。 「あの世にもいけず、この世にとどまる魑魅魍魎か……。  今、楽にしてやるぞ……」 「待て!」 「やよいっちは……!」 「渇ぁぁぁぁぁぁぁぁつ!」 彦麿の一渇によって、やよいクリーチャーの体が光に包まれる。 そこへ駆け出した亜美と海馬が彦麿の肩を掴む。 「貴い様ああぁぁぁぁぁ!!!」 「待ってお兄ちゃん!」 「やよいっち!?」 「その声はやよい、やよいなのか!」 海馬と亜美が声の方向を見れば、やよいだった光がそこにあった。 「お兄ちゃん、亜美、死んじゃってごめんなさい」 「やよい……」 「嘘でしょ……やよいっち」 「ごめんね、亜美ちゃん。それにお兄ちゃん。私からお願いがあるんです。  二人とも、私の分まで精一杯生きてください。  わがままな話ですけれど、私の代わりに妹や弟のことをお願いしたいんです」 「ああ、してやる、してやるとも!」 「やよいっぢ……分がったよ…………ぐすっ……」 「ありがとう亜美。  それとお兄ちゃん、私はお兄ちゃんの妹になれて本当に幸せでした。ありがとう」 最後の言葉を交わした光は、徐々に弱弱しくなって消えていった。 そしてその場には、元の絞殺死体となったやよいの姿だけが残されていた。 「成仏しろよ」 彦麿はやよいの死体に一瞥し、黙祷を捧げた。 海馬も亜美も、今は亡きやよいに黙祷を捧げた。 「これで一件落着といいたい所だが……」 「そうだ、すっかり忘れてたけど、ピヨくん!ピヨくん!  ねぇ、ピヨくんが息をしてないの!」 亜美は日吉の元へ駆け寄り、様子を見る。 亜美の言うとおり日吉に息は無く、周りに散乱する血からそれは死んでいるようにも見えた。 「落ち着け亜美、まずは心臓だ!」 海馬が日吉の胸に耳を当て、様子を見る。 かすかに心臓の鼓動は感じられるものの、その鼓動は少しずつ小さくなっていった。 「まだ心臓は動いてる。医療道具を持ってくるから待っていろ!」 「兄(c)、亜美はどうすればいい」 「応急処置を頼む、できるか?」 「分かった!」 亜美は日吉の顎を持ち上げ、鼻を摘むと口から思いっきり息を吹き込む。 その後胸に手を当て、心臓マッサージを行う。 「なぁアリスよ、回復の魔法とかは無いのか?」 「私は七色の魔法使いよ、使えない魔法なんて無いわ。ただ……」 「ただ……?」 「最近そういう魔法を全然使ってないから、ちょっと時間がかかるわ」 「人命が掛かってるんだ、できるならばなるべく早くやってしまおう」 「えーと……」 アリスは色々な術式を日吉に向かって繰り出す。 だがどうにも利きが悪いといった様子で、次々に言霊を変えていた。 「変ね、これで良かった筈なんだけど……」 「……ったく、何やってんだお前ら…………」 「ピヨくん! ピヨくん! よかった!」 「うーん、これかしら……」 「ああ、さっきので頼む」 日吉はアリスに向かって指示を放ち、アリスは反応を確かめながら魔法を行使する。 日吉の話によるとどれも利いているが、種類によって効果が違うらしい。 アリスがしばらく魔法を行使し続けた結果、日吉は立ち上がることが出来るほどに回復していた。 「それにしても疲れたわ、普段使ってないのが悪いんだけどかなり無駄な魔力を消費した感じね」 「うむ、よくやったぞアリス」 「彦麿もね、まさか本当に陰陽術が使えるとは思わなかったわ」 「酷いぞアリス!」 「だって胡散臭いんだもの」 おろおろとする彦麿たちは、少しばかりして海馬の戻りが遅いことに気がつく。 少し怪しいと思ったアリスと彦麿とカービィは、亜美に教えられた医療品のある部屋へと向かっていたが、途中の通路で海馬が倒れていた。 「やれやれ、病人が二人目ね」 ■       ■       ■ 「糞ッ……糞ッ……」 一瞬の隙を突き、逃走に成功したエアーマンであったが、その体はボロボロというのにふさわしかった。 腹部の扇風機はひしゃげ、胴体には亀裂、頭部もへこんでいた。 加えてサテライト30の連続使用による消耗も相当な所に達していた。 「まぁいい、次がある。この体はロムスカかTASの奴に……」 「はぁ~い」 城外に出ようとしたエアーマンに戦慄が走る。 次の瞬間、エアーマンの右腕は目の前に現れた木刀によって叩き落されることになった。 「ぐ、ぐおおおお」 「残念だけどもう次は無いわね、ポンコツはポンコツらしくここでとっとと散りなさい」 「貴……様…………!」 エアーマンの前に現われ、シルバースキンを解除して現われたのは仕留めたはずの春香だった。 右腕を失ったエアーマンはエアーシューターによる反撃すら出来ず、その場に立ち止まるだけだった。 「逃げられると面倒だから張り込んでたけど、正解ね……」 「何だと!?」 「一部始終はきっちり見させて貰ったわ、コレのお陰でね」 と、春香は首輪探知機をエアーマンに見せびらかす。 「フン……ロムスカの奴め」 「これからあんたも同じ目にあうんだけどね」 「ふん、お前なんかに負ける俺ではない」 「悪いけどさっきまでの私と思わないほうが良いわよ、ポンコツ」 「減らず口を……!」 城外に続く入り口は春香が立ち塞がり、城内には取り逃がした7人がいる。 退いても駄目、となれば進むしかなかった。 だがエアーマンの体当たりは春香に当たることなく、逆に木刀の一撃でなぎ払われる。 そこへ春香が追撃を仕掛け、足をもぎ取った。 「これでもう満足に動けないでしょ?」 「舐めるなぁぁぁぁ!!!」 エアーマンは残った左腕で右腕を回収する。 もはやエアーマンには何も出来ないと判断した春香はその悪あがきの様子を嘲笑する。 エアーマンは右腕を元に戻そうとするも、精密機械であるロボットの体は元には戻らない。 「ほらポンコツ、そっちが何もしないならこっちから行くわよ」 「舐めるな小娘、俺は絶対に負けないッ!!!」 「悪人の言う台詞じゃないわね」 エアーマンの決死の突撃を前に、春香はゆっくりと木刀を振りかぶる。 頭に血が上って突撃しか出来ないエアーマンは、春香にとって単なる的でしかなかった。 逆に、逃げられたほうが面倒になるので、わざわざ挑発まで仕掛けたというのだ。 止めの一撃をエアーマンの頭部目掛けて振り下ろし、その体は糸が切れたようにばらばらになる。 「油断したな」 「なっ!?」 春香の目の前には仕留めた筈のエアーマンが居た。 それも右腕を再生すらして。 「食らえ! エアーシューター!」 エアーマンは春香の胸部に右腕を押し当て、ゼロ距離でエアーシューターを繰り出す。 その衝撃に耐え切れず、春香は大きく吹き飛ぶ。 「ふはははは、Dr.ワイリーの最高傑作、エアーマンは絶対に負けないのだ!」 エアーマンは声高らかに叫ぶ。 右腕は一種の賭けだった、だがそれは成功した。 体に受けた傷はサテライト30で再生できなかったが、それでもやらなければ負けていた。 エアーマンは全ての力を右腕に注力した、右腕が落とされて間もないせいか、はたまたエアーマンの闘争心の賜物か。 欠けた月を補うようにして、彼の右腕は旨く分裂体に引き継がれることになった。 「はぁ、ちょっと油断しすぎたわね」 戦慄するエアーマンの前に、先ほど直撃を加えて吹き飛ばしたはずの春香が立ちふさがる。 春香の体は赤銅色に染まり、圧倒的な圧力とともにエアーマンに一撃を加える。 エアーマンが再び反応する時間さえなく、春香の拳はエアーマンのボディを砕いた。 体を失いバランスを崩すエアーマンに向かって更に拳を加え、徹底的に解体した。 ほんの僅かな時間で、エアーマンは単なる壊れた機械へと早変わりしてしまった。 「本当、油断したわね……」 春香はエアーマンの右腕にディパックを回収する。 そして闘争心を沈めるも、ヴィクター化した体は中々元には戻らなかった。 「変ね……、あの一撃が堪えたのかしら」 |sm182:[[月時計]]|[[時系列順>第五回放送までの本編SS]]|sm183:[[リィンカーネーション(後編)]]| |sm182:[[月時計]]|[[投下順>150~200]]|sm183:[[リィンカーネーション(後編)]]| |sm166:[[黒より暗い人物(後編)]]|天海春香|sm183:[[リィンカーネーション(後編)]]| |sm170:[[人はそれを――]]|エアーマン|sm183:[[リィンカーネーション(後編)]]| |sm173:[[バラモスの代わりに臓物喰らい尽くすことになった]]|海馬瀬人|sm183:[[リィンカーネーション(後編)]]| |sm173:[[バラモスの代わりに臓物喰らい尽くすことになった]]|日吉若|sm183:[[リィンカーネーション(後編)]]| |sm173:[[バラモスの代わりに臓物喰らい尽くすことになった]]|双海亜美|sm183:[[リィンカーネーション(後編)]]| |sm173:[[バラモスの代わりに臓物喰らい尽くすことになった]]|矢部野彦麿|sm183:[[リィンカーネーション(後編)]]| |sm173:[[バラモスの代わりに臓物喰らい尽くすことになった]]|アリス・マーガトロイド|sm183:[[リィンカーネーション(後編)]]| |sm173:[[バラモスの代わりに臓物喰らい尽くすことになった]]|カービィ|sm183:[[リィンカーネーション(後編)]]| ----

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