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*それが俺のジャスティス ◆jU59Fli6bM (非登録タグ) [[パロロワ]] [[ニコニコ動画バトルロワイアル]] [[第228話]] ---- こちらKAS、ただ今城の中を絶賛逆走中だ。 大走脱したいのは山山なのだが、問題は……この首輪だ! このオサレ首輪を外すにはどこへ逝くべきか教えてくれっていう! やはりもう一回戻ってあいつに教えてもらうべきか? いや、戻ることはできない(反語)。 あんな沢やかに送り出してもらったんだ。今さら道案内の為に戻るなんて、あのアレだ……かっこ悪い。 だからここは俺の勘を頼りにメインコピュータみたいなのをを探り出してやるぜ! マルクに合ったらフボルッコされるかもしれないから、それは注意すルパン三星! それにしても首輪というのは面毒さいな、大差…… 何、通信相手などいない? べ、別に俺は応答が欲しくてやってるんじゃないんだか… 「うぁあああ!!」 うぁあああ! 曲がり角の先の悲鳴に思わずハイリターントルネードスピン! そうだ、この辺りは奇妙な●REC軍団がいたんだたったた! 落ちつけイニシャルK! ここで見つかったら名も知らないあいつの行動が泡の水っていう…… 「――なんてこったい! 俺のブルーレイと心の友が首っKILLされちまった……、二つの意味で」 「ううっ……、こいつは俺のソウルブラザーだったのに……」 ん? なんだ、よく見たらあいつらオペレータールームから出ていった奴らジャマイカ。ぼろぼろだけど何かあったのか? 「なあ、俺らこれからどうなるんだ? 戻っても逃げても殺されるんじゃ……」 「殺されなかっただけマシなんだろか……。それともこれから休暇無しの奴隷人生?」 「いや、それより上の問題があるだろ! 俺らのサボタージュを知ったマルクたんが……、次にどこに行くか分かるか!?」 その声が響いた後、一切の音が消える。し~んという音が俺の頭に広がった。 ……って、何で周りの奴ら、鳩が茸鉄砲くらったような顔してんだ? マルクに首っKILA☆されたのもよく分からんし、つまり俺にはよく分からん。 「そうだ、お、俺にも見えてた……。マルク様が急いでオペ室に戻られる可愛い後ろ姿を……」 え? あの部屋に戻る? ……よ、よっていう! 「馬鹿かお前、なら行くところは決まってるじゃねーか!」 「お前が馬鹿だ! こうしちゃられねぇ、俺らも早く戻って謝らないと!」 「や、やべぇぞ!俺らのせいであいつも巻き添えは、なんか……アレだ、やべぇぞ!」 その叫び声を川切りに、突然全員が先頭争い100M走を始めた。 俺はしばらくその背を見ながら聞いたことを思い返す。 『マルクがオペレタ室に戻る』 つまり、今奴らが心配してるのは――。 そう信確した瞬間、俺の背中をシトカできない寒気が50cm走していった。 ちらっと倒れているRECモンスター達を見やる。その頭には真っ赤な血や見事なデスィクが咲いていた。 あいつらもこんな姿にされてしまうのだろうか? 敵だけど、悪い奴らじゃなかったのに。 ここでヌルーすればあいつらを見殺しだ。でも俺が行ってまた捕まれば子も元も無いっていう! どうする、どうする俺!? 「――ああ、そうだ。俺がやった」 オペレータールーム。 そこでは部屋いっぱいに張り詰めた緊張感が、向かい合う2人を包んでいた。 「ここの部屋の奴ら全員だけじゃ飽き足らず、KASも開放だって? お前は何考えてるのサ?」 腕を組んで目の前のデジモンを睨みつけるマルク。その顔からはいつもの能天気な様子は消えている。 口調こそそのままだが、その声は温度を感じさせないほど淡々としていた。 「……そうだな、職場環境の安泰のためだと言っておきますか」 「職場環境?」 「ただでさえ少ない休憩時間を、俺達はどれだけ待ち、どれだけ欲していたかお前には分からないだろう。 俺達は、本来なら休憩時間だったんだ。なのに、いくら待っても交代の奴らは帰ってこない! これはどういう事なんだ ?」 怯まずに意見するオペレーターのデジモン。 しかし、その言葉を聞いたマルクの頭には疑問符が浮かんでいた。 先ほど厨房であれだけのデジモンの群れを見た後なのだ。確かにサボり魔もいたが、半数は休憩時間の奴ら。 エリート達は真面目に働いていたし、交代時間も守らずにぶらぶら歩いているゆとりとはレベルが違う。 ……少しロリコン気質なのは別として。 なのに、それから何時間か経った今でも一行に現れないらしい。 明らかな変異。 先ほどから気になっていた人員不足の問題が、また拡大しているという事実。 いくら主催だからといって、城の情勢全てを把握することはできない。マルクはなんとなくその事に危機感を覚えた。 見えないところで何かが起こっているのだろうか。 ……だが、それとこれとは別だ。そう思ってマルクは口を開く。 「さあ、僕にも分からないのサ。そんなこと初めて知ったよ」 「……本当なのか?」 「もちろん。でもサ……、それが僕を盗撮したりKASを逃がしたりする理由にはならないよね。」 デジモンは、まあな、と答えてふいと目を逸らした。 「じゃあどうしようかな。ここの奴ら全員いなくなっちゃったし、許可した君がそれなりの罰を――」  『ま、待ってくれぇ!!』 マルクが悪戯っぽく笑った瞬間、その後ろで弾けるようにオペレーター室の扉が開いた。 直後、一気になだれ込んでくる十数匹のデジモン達。 これには2人も驚き、目を見開く。 「お、お前ら!?」 「俺らがっ!」 「俺らが勝手に出て行ったんです! 」 「こいつは関係ナッシングなんです!!」 「「「マルクたんの制裁なら受けますから、どうか許して下さいぃぃい!!」」」 土下座しながら必死に懇願する傷だらけのデジモン達。 呆然とその軍団を眺めていたマルクだったが、すぐに持ち直していつもの表情となった。 先ほどとは違い、呆れたように笑顔を浮かべている。 「あ~、分かった、分かったのサ。サボリに関しては事情があったからね。 僕は君達が今までよくやってくれたのは知ってるのサ! だから、多めに見てあげようかな。 ……その代わり、今からちゃんと働いて欲しいんだけど、いい?」 組んでいた片手を曲げ、頬杖をつきながら上目遣いで話すマルク。ロリコン全員が一斉に首を縦に振る。 マルクはそれを見て満足したように頷くと、今度は先ほどの居残りデジモンに向き直った。 「でも、お前は別の問題だよ。どうしてKASを逃がしちゃったのサ?」 「…………」 沈黙するデジモン。他のロリコン達もKASが忽然と消えていることに気付き、初めて今の事態を理解する。 そして、ざわ……ざわ……、とどよめき始めるオペレーター室。 「結局黙っちゃうんだね、仕方ないね。君もKASのなけなしの魅力にあてられちゃったなんてねぇ。 でも、君は貴重なエリートの一人だから、できれば消したくないのサ。だから―― KASを捕まえて来い。今ならそれで許してやるのサ」 強く言い放ったマルクの言葉に、部屋の全員が沈黙した。 ロリコン達の目線が一匹のデジモンとマルクの間を行ったり来たりしている。 そのデジモンは顔をしかめてから、 ためらいなく答えた。 「できない」 マルクが失望したようにため息をつく。 「そう、残念」 これ以上勝手なことされると困るしね。 そう呟くのが聞こえ、周りのデジモン達は身を震わせた。 馬鹿か、駄目だ、早く謝れ、という悲鳴にも似た囁き声が部屋中に広がる。 マルクは無言で腕を振り上げると、その声さえもなくなった。それと同時にそのデジモンは口を開く。 「俺は、後悔してないからな」 少し震えた、それでいてはっきりした言葉。その言葉をデジモン達は息を潜めて聞いた。 「俺も……、お前らと同じだ。馬鹿なことに命賭けてるんだ」 マルクの頭上に光が集まり、弾幕を形成していく。 「だがな、馬鹿な行為だろうが! 絶対に! 俺はそれを曲げねぇ! 一㍉たりとも譲る気はねぇ!! ――それが俺の正義〈ジャスティス〉だから……!」 鮮やかな閃光が辺りを包んだ。 デジモン達は魅せられるように、しばらくそれを眺め続けていることしかできなかった。 「じゃあ、僕は厨房を見てくるから後片付けよろしくね。サボっちゃ駄目だよ」 ◆ KASがオペレーター室に着くと、そこには焼け焦げた匂いが漂っていた。 全滅はしていない、デジモンは先ほどと同じように働いている。それを確認してほっとため息をつく。 しかし、部屋は誰もいないのかと勘違いするほど静まり返っていた。 KASは嫌な予感を感じつつ、奥に向かって叫ぶ。 「カロリーメイトをくれたオペーレタ! いるか!?」 返事は無く、代わりに部屋のデジモン全員がKASを睨んだ。これにはKASも驚いて固まる。 「KASだな? お前を、逃がした奴か?」 「ああ、どっちもYESだ」 「そうか」 前に聞いたロリコンの声とは全然違う、重く鬱になるような声が答える。 その様子でなんとなく分かってしまい、聞きたくないと思いながらもKASは言葉を待った。 「あいつはな、マルクに殺された」 「……そうか、やっぱr…」 「お前を逃がしたからあいつが殺されちまったんだぞ、なのに何で戻ってきた!!」 「あいつはな、お前のせいで死んだんだ!!」 「逃がすようにお前がたぶらかしたのか!」 KASの言葉が罵詈雑言に飲まれて消える。 いつの間にか、オペレーター室中のデジモン達が立ち上がって喚いていた。 彼らはそれぞれの鬱憤を晴らすかのようにKASに言葉をぶつける。 しかし、KASは負けじと叫んだ。 「分かった!!」 その声に答えるように全員が口を閉じた。そのまま訝しげにKASを見ながら立ち尽くす。 「……何が分かったってんだ」 「俺のせいであいつが死んだなら、俺が全責任を取る! 絶対だ!! 俺丸ごと賭けてもいい、俺はシリアルフレークにも墓の下のKASにもならない!」 何の根拠も無しに自信満々で答えるKAS。 デジモン達が顔を見合わせ、困惑する。 彼らも動画の中のKASやマルクと話すKASを見ていた。故にこの小人がどういう奴かは知っていた。 知っているつもりだった。 「意味が分からねえぞ。そんな簡単に言えることか!」 「そうだ、さっさと失せろ!」 「お前らが駄目でも俺はあいつと約束したんだ! 必ずあいつの分まで生きて、あいつの願いを絶対叶える!! だからそのために教えてくれっていう!! どこに行けばこの首輪は取れるのか!」 KASは何を言われても怯まず、前を向いて熱く叫ぶ。 あげくのはてには敵であるデジモン達に秘密事項を聞く有様だ。 その主張は、端から見ればただの軽々しい馬鹿だろう。 しかし、一部のデジモン達の目には、わずかにKASの姿があのデジモンと重なって見えた。 マルクに臆せず向かっていった、あの姿に。 「……あいつの願いって、何だったんだ?」 ぽつりと、一匹のデジモンが尋ねた。 「あいつは俺が、俺の動画が好きだって言ってくれた。俺はあいつに最高のKAS動画をPUすると誓ったんだ!」 そこでようやくデジモン達は、あのデジモンがKASを助けた理由と、最後に言った言葉の意味を理解した。 ロリコン達はマルクの盗撮のために命を賭けた。 あのKASファンはKAS動画のために命を賭けた。 結局どちらも自分の信念に従ってやっていたのだ。 「新作KAS動画が見たい、か……、あいつらしい。 ……お前の首輪を取るには、機能を停止させないといけない。メインコンピュータを探すんだ」 「おまっ、いいのか?!」 横のデジモンが驚いて声を上げる。答えたデジモンはゆっくりと頷いて言った。 「あいつが、ソウルブラザーが命賭けて守った奴なんだ……。だから俺も少しだけ、期待してみたくなってな」 デジモン達の状況は変わっていた。 いくら待っても来ない交代のため、今やオペレーターの仕事は永遠に終わらないものとなっている。 それに加えて、マルクの信頼と同僚の何人かを失った。自業自得とはいえ、今の環境には全員が絶望していたのだ。 殺し合いが早く終わってほしい。それがオペレーター達の総意だった。 もちろん、マルクに歯向かおうという気を持った者はいない。彼らはまだまだロリコンだ。 ただ、先ほどの事件の所為で、マルクに対する恐怖の方が勝っていた。 「……今回だけ、いや、今のだけだぞ」 「分かってる」 「失礼だな、俺は秘密をそんなホイホイ喋る奴に見えるのかっていう! でも恩に切るぜ!」 「ああもう、お前も分かったから早くいけっていう! 間違った、早く行け、KASが!」 デジモンがしっしっと手を払うのを見て、任せろ! と出て行くKAS。 疾風の如くオペレーター室を後にし、すぐにその姿は見えなくなった。 「……死ぬなよ」 だんだんと小さくなっていく足音を聞きながら、一匹のデジモンは呟いた。 【クッパ城/二日目・夜中】 【KAS@KAS動画】 [状態]:拘束、首輪装着、軽傷、右拳骨にヒビ、チビマリオ、知恵熱 [装備]:シルバースキン@真赤な誓い、洞爺湖の木刀@銀魂、レムーのリボン(バンダナ)、首輪探知機(残り電池80%)@バトルロワイヤル、M1911A1@MGS3残り弾数(6/7) [道具]:カロリーメイト@大塚製薬、USBフラッシュメモリ@現実(8GB) [思考・状況] 1.大脱走 2.あのデジモンの為にも生きて帰って、最高のKAS動画を作る 3.このクソゲーをぶち壊して主催を土下座させても、悪い奴以外全員生き返らせたりはできないってことなのか? うーん……わからん 4.レムーはきっとみんなと来てくれる! というかはやく来て! 5.閣下の分も生きる。絶対に生き残る 6.あのカード、どこ行ったんだろ?   7.笛が気になる。 あれがもう一本あればボスの所まで行けるはず……って既にここじゃねーか! 8.なんであんな所に孔明の罠があったんだ? ※ニコニコ動画に関する記憶が完全に戻りました。 ※涼宮ハルヒ、永井博之、カービィの三人が放送前に死んだと勘違いしています。 【マルク@星のカービィ】 [状態]:体の複数箇所打撲(ほぼ回復)、悪魔の道化、髪が桃色 [装備]:萌えもんアカギパッチ@萌えっ娘もんすたぁ [道具]:超進化プラグインS*4@デジタルモンスター [思考・状況] 基本:自分の楽しみのため、オールスター入りを果たすため、なんとしてもバトロワを完遂させる。 1:人員不足が気になるので厨房を見に行く。 2:KASは首輪探知機で探そう。手伝ってくれる部下いないかな、ふとまし長とか 3:KASを人質にして霊夢を連れてこさせ、ラスボス戦に相応しい超弾幕バトルを繰り広げる。 4:三国志状態ももう終わるかな? ラスボスとして準備を始める。 ラスボスを他の奴に譲るつもりはない。 5:なんか妙な事になっちゃったけど、まあいいや。レバ剣あたりを手に入れて今後のために弾幕を改良していく 6:ピエモン無事かなあ ※涼宮ハルヒ、永井博之、カービィの三人は放送前に死んだと勘違いしています ※霊夢の性格に制限が効いているという推測はどうやらハズレのようです ※レヴァンテインが散ったことをまだ知りません ※クッパ城内部でのマルクの評価がさらに高まりました。カービィ派のデジモンはもうほとんどいません。 これによりクッパ城内部のデジモンはマルクの命令を優先します。マルク>ピエモン ※城の結界の一部に損傷があったようです。 ※ピエモン支援隊がクッパ城を出発し、ピエモンの元へ向かっています |sm226:[[星神飛行 HALッ☆]]|[[時系列順>ゲーム終了までの本編SS]]|sm227:[[明日の勇気 受け継ぐ者(前編)]]| |sm227:[[明日の勇気 受け継ぐ者(後編)]]|[[投下順>201~250]]|sm229:[[悪ノ召使]]| |sm222:[[伝説のパソコンハッキング~裸間撮影、パシャ☆]]|KAS|sm230:[[第二次ニコロワ大戦Ⅰ ――War to End All wars]]| |sm222:[[伝説のパソコンハッキング~裸間撮影、パシャ☆]]|マルク|sm230:[[第二次ニコロワ大戦Ⅰ ――War to End All wars]]| ----
*それが俺のジャスティス ◆jU59Fli6bM (非登録タグ) [[パロロワ]] [[ニコニコ動画バトルロワイアル]] [[第228話]] ---- こちらKAS、ただ今城の中を絶賛逆走中だ。 大走脱したいのは山山なのだが、問題は……この首輪だ! このオサレ首輪を外すにはどこへ逝くべきか教えてくれっていう! やはりもう一回戻ってあいつに教えてもらうべきか? いや、戻ることはできない(反語)。 あんな沢やかに送り出してもらったんだ。今さら道案内の為に戻るなんて、あのアレだ……かっこ悪い。 だからここは俺の勘を頼りにメインコピュータみたいなのをを探り出してやるぜ! マルクに合ったらフボルッコされるかもしれないから、それは注意すルパン三星! それにしても首輪というのは面毒さいな、大差…… 何、通信相手などいない? べ、別に俺は応答が欲しくてやってるんじゃないんだか… 「うぁあああ!!」 うぁあああ! 曲がり角の先の悲鳴に思わずハイリターントルネードスピン! そうだ、この辺りは奇妙な●REC軍団がいたんだたったた! 落ちつけイニシャルK! ここで見つかったら名も知らないあいつの行動が泡の水っていう…… 「――なんてこったい! 俺のブルーレイと心の友が首っKILLされちまった……、二つの意味で」 「ううっ……、こいつは俺のソウルブラザーだったのに……」 ん? なんだ、よく見たらあいつらオペレータールームから出ていった奴らジャマイカ。ぼろぼろだけど何かあったのか? 「なあ、俺らこれからどうなるんだ? 戻っても逃げても殺されるんじゃ……」 「殺されなかっただけマシなんだろか……。それともこれから休暇無しの奴隷人生?」 「いや、それより上の問題があるだろ! 俺らのサボタージュを知ったマルクたんが……、次にどこに行くか分かるか!?」 その声が響いた後、一切の音が消える。し~んという音が俺の頭に広がった。 ……って、何で周りの奴ら、鳩が茸鉄砲くらったような顔してんだ? マルクに首っKILA☆されたのもよく分からんし、つまり俺にはよく分からん。 「そうだ、お、俺にも見えてた……。マルク様が急いでオペ室に戻られる可愛い後ろ姿を……」 え? あの部屋に戻る? ……よ、よっていう! 「馬鹿かお前、なら行くところは決まってるじゃねーか!」 「お前が馬鹿だ! こうしちゃられねぇ、俺らも早く戻って謝らないと!」 「や、やべぇぞ!俺らのせいであいつも巻き添えは、なんか……アレだ、やべぇぞ!」 その叫び声を川切りに、突然全員が先頭争い100M走を始めた。 俺はしばらくその背を見ながら聞いたことを思い返す。 『マルクがオペレタ室に戻る』 つまり、今奴らが心配してるのは――。 そう信確した瞬間、俺の背中をシトカできない寒気が50cm走していった。 ちらっと倒れているRECモンスター達を見やる。その頭には真っ赤な血や見事なデスィクが咲いていた。 あいつらもこんな姿にされてしまうのだろうか? 敵だけど、悪い奴らじゃなかったのに。 ここでヌルーすればあいつらを見殺しだ。でも俺が行ってまた捕まれば子も元も無いっていう! どうする、どうする俺!? 「――ああ、そうだ。俺がやった」 オペレータールーム。 そこでは部屋いっぱいに張り詰めた緊張感が、向かい合う2人を包んでいた。 「ここの部屋の奴ら全員だけじゃ飽き足らず、KASも開放だって? お前は何考えてるのサ?」 腕を組んで目の前のデジモンを睨みつけるマルク。その顔からはいつもの能天気な様子は消えている。 口調こそそのままだが、その声は温度を感じさせないほど淡々としていた。 「……そうだな、職場環境の安泰のためだと言っておきますか」 「職場環境?」 「ただでさえ少ない休憩時間を、俺達はどれだけ待ち、どれだけ欲していたかお前には分からないだろう。 俺達は、本来なら休憩時間だったんだ。なのに、いくら待っても交代の奴らは帰ってこない! これはどういう事なんだ ?」 怯まずに意見するオペレーターのデジモン。 しかし、その言葉を聞いたマルクの頭には疑問符が浮かんでいた。 先ほど厨房であれだけのデジモンの群れを見た後なのだ。確かにサボり魔もいたが、半数は休憩時間の奴ら。 エリート達は真面目に働いていたし、交代時間も守らずにぶらぶら歩いているゆとりとはレベルが違う。 ……少しロリコン気質なのは別として。 なのに、それから何時間か経った今でも一行に現れないらしい。 明らかな変異。 先ほどから気になっていた人員不足の問題が、また拡大しているという事実。 いくら主催だからといって、城の情勢全てを把握することはできない。マルクはなんとなくその事に危機感を覚えた。 見えないところで何かが起こっているのだろうか。 ……だが、それとこれとは別だ。そう思ってマルクは口を開く。 「さあ、僕にも分からないのサ。そんなこと初めて知ったよ」 「……本当なのか?」 「もちろん。でもサ……、それが僕を盗撮したりKASを逃がしたりする理由にはならないよね。」 デジモンは、まあな、と答えてふいと目を逸らした。 「じゃあどうしようかな。ここの奴ら全員いなくなっちゃったし、許可した君がそれなりの罰を――」  『ま、待ってくれぇ!!』 マルクが悪戯っぽく笑った瞬間、その後ろで弾けるようにオペレーター室の扉が開いた。 直後、一気になだれ込んでくる十数匹のデジモン達。 これには2人も驚き、目を見開く。 「お、お前ら!?」 「俺らがっ!」 「俺らが勝手に出て行ったんです! 」 「こいつは関係ナッシングなんです!!」 「「「マルクたんの制裁なら受けますから、どうか許して下さいぃぃい!!」」」 土下座しながら必死に懇願する傷だらけのデジモン達。 呆然とその軍団を眺めていたマルクだったが、すぐに持ち直していつもの表情となった。 先ほどとは違い、呆れたように笑顔を浮かべている。 「あ~、分かった、分かったのサ。サボリに関しては事情があったからね。 僕は君達が今までよくやってくれたのは知ってるのサ! だから、多めに見てあげようかな。 ……その代わり、今からちゃんと働いて欲しいんだけど、いい?」 組んでいた片手を曲げ、頬杖をつきながら上目遣いで話すマルク。ロリコン全員が一斉に首を縦に振る。 マルクはそれを見て満足したように頷くと、今度は先ほどの居残りデジモンに向き直った。 「でも、お前は別の問題だよ。どうしてKASを逃がしちゃったのサ?」 「…………」 沈黙するデジモン。他のロリコン達もKASが忽然と消えていることに気付き、初めて今の事態を理解する。 そして、ざわ……ざわ……、とどよめき始めるオペレーター室。 「結局黙っちゃうんだね、仕方ないね。君もKASのなけなしの魅力にあてられちゃったなんてねぇ。 でも、君は貴重なエリートの一人だから、できれば消したくないのサ。だから―― KASを捕まえて来い。今ならそれで許してやるのサ」 強く言い放ったマルクの言葉に、部屋の全員が沈黙した。 ロリコン達の目線が一匹のデジモンとマルクの間を行ったり来たりしている。 そのデジモンは顔をしかめてから、 ためらいなく答えた。 「できない」 マルクが失望したようにため息をつく。 「そう、残念」 これ以上勝手なことされると困るしね。 そう呟くのが聞こえ、周りのデジモン達は身を震わせた。 馬鹿か、駄目だ、早く謝れ、という悲鳴にも似た囁き声が部屋中に広がる。 マルクは無言で腕を振り上げると、その声さえもなくなった。それと同時にそのデジモンは口を開く。 「俺は、後悔してないからな」 少し震えた、それでいてはっきりした言葉。その言葉をデジモン達は息を潜めて聞いた。 「俺も……、お前らと同じだ。馬鹿なことに命賭けてるんだ」 マルクの頭上に光が集まり、弾幕を形成していく。 「だがな、馬鹿な行為だろうが! 絶対に! 俺はそれを曲げねぇ! 一㍉たりとも譲る気はねぇ!! ――それが俺の正義〈ジャスティス〉だから……!」 鮮やかな閃光が辺りを包んだ。 デジモン達は魅せられるように、しばらくそれを眺め続けていることしかできなかった。 「じゃあ、僕は厨房を見てくるから後片付けよろしくね。サボっちゃ駄目だよ」 ◆ KASがオペレーター室に着くと、そこには焼け焦げた匂いが漂っていた。 全滅はしていない、デジモンは先ほどと同じように働いている。それを確認してほっとため息をつく。 しかし、部屋は誰もいないのかと勘違いするほど静まり返っていた。 KASは嫌な予感を感じつつ、奥に向かって叫ぶ。 「カロリーメイトをくれたオペーレタ! いるか!?」 返事は無く、代わりに部屋のデジモン全員がKASを睨んだ。これにはKASも驚いて固まる。 「KASだな? お前を、逃がした奴か?」 「ああ、どっちもYESだ」 「そうか」 前に聞いたロリコンの声とは全然違う、重く鬱になるような声が答える。 その様子でなんとなく分かってしまい、聞きたくないと思いながらもKASは言葉を待った。 「あいつはな、マルクに殺された」 「……そうか、やっぱr…」 「お前を逃がしたからあいつが殺されちまったんだぞ、なのに何で戻ってきた!!」 「あいつはな、お前のせいで死んだんだ!!」 「逃がすようにお前がたぶらかしたのか!」 KASの言葉が罵詈雑言に飲まれて消える。 いつの間にか、オペレーター室中のデジモン達が立ち上がって喚いていた。 彼らはそれぞれの鬱憤を晴らすかのようにKASに言葉をぶつける。 しかし、KASは負けじと叫んだ。 「分かった!!」 その声に答えるように全員が口を閉じた。そのまま訝しげにKASを見ながら立ち尽くす。 「……何が分かったってんだ」 「俺のせいであいつが死んだなら、俺が全責任を取る! 絶対だ!! 俺丸ごと賭けてもいい、俺はシリアルフレークにも墓の下のKASにもならない!」 何の根拠も無しに自信満々で答えるKAS。 デジモン達が顔を見合わせ、困惑する。 彼らも動画の中のKASやマルクと話すKASを見ていた。故にこの小人がどういう奴かは知っていた。 知っているつもりだった。 「意味が分からねえぞ。そんな簡単に言えることか!」 「そうだ、さっさと失せろ!」 「お前らが駄目でも俺はあいつと約束したんだ! 必ずあいつの分まで生きて、あいつの願いを絶対叶える!! だからそのために教えてくれっていう!! どこに行けばこの首輪は取れるのか!」 KASは何を言われても怯まず、前を向いて熱く叫ぶ。 あげくのはてには敵であるデジモン達に秘密事項を聞く有様だ。 その主張は、端から見ればただの軽々しい馬鹿だろう。 しかし、一部のデジモン達の目には、わずかにKASの姿があのデジモンと重なって見えた。 マルクに臆せず向かっていった、あの姿に。 「……あいつの願いって、何だったんだ?」 ぽつりと、一匹のデジモンが尋ねた。 「あいつは俺が、俺の動画が好きだって言ってくれた。俺はあいつに最高のKAS動画をPUすると誓ったんだ!」 そこでようやくデジモン達は、あのデジモンがKASを助けた理由と、最後に言った言葉の意味を理解した。 ロリコン達はマルクの盗撮のために命を賭けた。 あのKASファンはKAS動画のために命を賭けた。 結局どちらも自分の信念に従ってやっていたのだ。 「新作KAS動画が見たい、か……、あいつらしい。 ……お前の首輪を取るには、機能を停止させないといけない。メインコンピュータを探すんだ」 「おまっ、いいのか?!」 横のデジモンが驚いて声を上げる。答えたデジモンはゆっくりと頷いて言った。 「あいつが、ソウルブラザーが命賭けて守った奴なんだ……。だから俺も少しだけ、期待してみたくなってな」 デジモン達の状況は変わっていた。 いくら待っても来ない交代のため、今やオペレーターの仕事は永遠に終わらないものとなっている。 それに加えて、マルクの信頼と同僚の何人かを失った。自業自得とはいえ、今の環境には全員が絶望していたのだ。 殺し合いが早く終わってほしい。それがオペレーター達の総意だった。 もちろん、マルクに歯向かおうという気を持った者はいない。彼らはまだまだロリコンだ。 ただ、先ほどの事件の所為で、マルクに対する恐怖の方が勝っていた。 「……今回だけ、いや、今のだけだぞ」 「分かってる」 「失礼だな、俺は秘密をそんなホイホイ喋る奴に見えるのかっていう! でも恩に切るぜ!」 「ああもう、お前も分かったから早くいけっていう! 間違った、早く行け、KASが!」 デジモンがしっしっと手を払うのを見て、任せろ! と出て行くKAS。 疾風の如くオペレーター室を後にし、すぐにその姿は見えなくなった。 「……死ぬなよ」 だんだんと小さくなっていく足音を聞きながら、一匹のデジモンは呟いた。 【クッパ城/二日目・夜中】 【KAS@KAS動画】 [状態]:拘束、首輪装着、軽傷、右拳骨にヒビ、チビマリオ、知恵熱 [装備]:シルバースキン@武装錬金、洞爺湖の木刀@銀魂、レムーのリボン(バンダナ)、首輪探知機(残り電池80%)@バトルロワイヤル、M1911A1@MGS3残り弾数(6/7) [道具]:カロリーメイト@大塚製薬、USBフラッシュメモリ@現実(8GB) [思考・状況] 1.大脱走 2.あのデジモンの為にも生きて帰って、最高のKAS動画を作る 3.このクソゲーをぶち壊して主催を土下座させても、悪い奴以外全員生き返らせたりはできないってことなのか? うーん……わからん 4.レムーはきっとみんなと来てくれる! というかはやく来て! 5.閣下の分も生きる。絶対に生き残る 6.あのカード、どこ行ったんだろ?   7.笛が気になる。 あれがもう一本あればボスの所まで行けるはず……って既にここじゃねーか! 8.なんであんな所に孔明の罠があったんだ? ※ニコニコ動画に関する記憶が完全に戻りました。 ※涼宮ハルヒ、永井博之、カービィの三人が放送前に死んだと勘違いしています。 【マルク@星のカービィ】 [状態]:体の複数箇所打撲(ほぼ回復)、悪魔の道化、髪が桃色 [装備]:萌えもんアカギパッチ@萌えっ娘もんすたぁ [道具]:超進化プラグインS*4@デジタルモンスター [思考・状況] 基本:自分の楽しみのため、オールスター入りを果たすため、なんとしてもバトロワを完遂させる。 1:人員不足が気になるので厨房を見に行く。 2:KASは首輪探知機で探そう。手伝ってくれる部下いないかな、ふとまし長とか 3:KASを人質にして霊夢を連れてこさせ、ラスボス戦に相応しい超弾幕バトルを繰り広げる。 4:三国志状態ももう終わるかな? ラスボスとして準備を始める。 ラスボスを他の奴に譲るつもりはない。 5:なんか妙な事になっちゃったけど、まあいいや。レバ剣あたりを手に入れて今後のために弾幕を改良していく 6:ピエモン無事かなあ ※涼宮ハルヒ、永井博之、カービィの三人は放送前に死んだと勘違いしています ※霊夢の性格に制限が効いているという推測はどうやらハズレのようです ※レヴァンテインが散ったことをまだ知りません ※クッパ城内部でのマルクの評価がさらに高まりました。カービィ派のデジモンはもうほとんどいません。 これによりクッパ城内部のデジモンはマルクの命令を優先します。マルク>ピエモン ※城の結界の一部に損傷があったようです。 ※ピエモン支援隊がクッパ城を出発し、ピエモンの元へ向かっています |sm226:[[星神飛行 HALッ☆]]|[[時系列順>ゲーム終了までの本編SS]]|sm227:[[明日の勇気 受け継ぐ者(前編)]]| |sm227:[[明日の勇気 受け継ぐ者(後編)]]|[[投下順>201~250]]|sm229:[[悪ノ召使]]| |sm222:[[伝説のパソコンハッキング~裸間撮影、パシャ☆]]|KAS|sm230:[[第二次ニコロワ大戦Ⅰ ――War to End All wars]]| |sm222:[[伝説のパソコンハッキング~裸間撮影、パシャ☆]]|マルク|sm230:[[第二次ニコロワ大戦Ⅰ ――War to End All wars]]| ----

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