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不完全自殺マニュアル―思い出をありがとう― ◆0RbUzIT0To




草原に佇む少女の身を、悲しみの風が覆う。
決して癒える事の無い心の傷。
最愛の、文字通りずっと一緒に歩んできた妹との突然すぎる永遠の別れ。

雲に陰る満月を見ながら、少女はただ何をするでもなく呆けるのみ。
瞳からは光が消え、全身を無力感が支配する。
まだ幼い少女にとって、あの出来事はそれ程までに影響を及ぼすものだった。

「真……美……」

頬を伝う、一筋の涙。
今はもういない、自分の分身とも言える愛する妹をただ思う。
それからしばらくし……少女は地べたにへたり込む。

どうして、妹が死ななければならなかったのか。
どうして、私が死ななかったのか。
どうして、妹を助けられなかったのか。
どうして、私だけが生き残ってしまったのか。

悲しみの次は、疑念。
何故、どうして、あの男達は私たちの絆を引き裂いたのか。
少女にはどうしてもわからなかった。
きっと、答えはどれだけ考えても出てくるものではないだろう。

少女は、頭を抱えて震え始める。
疑念の次は、大きな絶望。

真美と一緒でなくちゃ、アイドルをするのも楽しくない。
真美と一緒でなくちゃ、ご飯だって全然おいしくない。
真美と一緒でなくちゃ、いたずらが成功しても面白くない。
真美と一緒でなくちゃ……。
真美と一緒でなくちゃ……。
真美と一緒でなくちゃ……。

「真美と……一緒で、なくちゃ……」

これから先の未来、妹がいない未来なんて、考えられない。
ずっとずっと、少女と妹は一緒にいたのだから。
妹を失う事は、きっと少女にとって体の一部を――魂を失う事と酷似していた。
そして、大きな絶望を味わった者がする事はただ一つ。

少女は、背負っていた袋を下ろすと、中を開く。

いつもは元気で、少しいたずら好きな少女の姿はそこにはない。
今ここにあるのは空ろな瞳で袋の中身を調べる、ただの幼く哀しい愚者の姿のみ。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

『『……それにしても長い橋だ』』

幾ら暗がりだからって、橋の向こう側が見えないのは異常としか言い様がない。
いや、確かにデジタルワールドとかならこういう無駄に長い橋とかもあるけれど、
太一やヤマト達の世界にはこんな長い橋なんて無いはずだ。
あったとしても、その数は少ないはず。

『ピエモンもいるし、やっぱりここはデジタルワールドなのかな?』
『でもさっきも見ただろアグモン。
 ヤマト達の姿は見えなかったけど、さっき俺たちがいた場所には人間が沢山いた。
 あんなに大勢の人間がデジタルワールドに入れるとは俺は思えないよ』
『じゃあ、ここは一体?』
『それは……俺にもわからないよ』

そもそも、ここがデジタルワールドだとしたら不自然な点がある。
辺りを見ても植物なんかはデジタルワールドのそれとは異なる点が多いし、
先ほど言ったように大勢の人間がデジタルワールドに入れるものとも思えない。
後者に関してはピエモンがそのような事が出来るような道具や能力を手に入れたとも考えられるけれど……。

……それに、ピエモンの横にいた新種のデジモンのような奴も気になる。
もしかしたら、アイツが何か細工をしたのかもしれない。

『今は考えるより動こうよガブモン。
 僕たちにわからない事でも他の人にならわかるかもしれない。
 そういう人たちを見つけて、一緒にピエモン達をやっつければいいんだ!』
『ああ、わかったよアグモン』

自分と同じような考えをしてくれる人を探し出して、協力を申し出る。
そして、いるかもしれない太一やヤマト、ピヨモン達を探し出して守るんだ!

思案しながらだった為に緩めていた足の運動量を加速させる。
……と、前方から何か人が走ってきた。
人? ……人なのだろうか?
彼女の服装は太一やヤマト達のそれとはかけ離れているし、角みたいなものも生えている。
でも、それ以外の部分は人間と一切変わりないし……やっぱり人間?
いや、今はとにかく話しかけないと。

「「ねぇ君! ちょっと止まって話を……」」
「うわあああああああああああああああん!」

……行っちゃった。

『どうしたんだろう、あの子……』
『なんだか泣いてたみたいだけど……まさか!?』

嫌な予感がする。
一瞬だけしか顔は見えなかったし、体型だってよく見た訳じゃないけどあの子は小さな女の子だ。
そんな女の子が泣きながら全力で走ってくる……もしかしたら、殺し合いに乗ってる人に襲われたのかもしれない!

『行くぞ、アグモン!』
『うん!』

そんな奴を野放しになんてしておけない!
逃げていったあの女の子を追いたい気持ちもあるけれど、今はそれよりも危険だと思われる人物の対処の方が先決だ。
そう簡単に……人を殺させてたまるもんか!

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

全く、あのつるぺた幼女のせいで無駄な時間を過ごしてしまった。
早く山頂に上って愛しの彼を探し出さなければ彼の生存確率が下がってしまう。
もしも、奴のせいで彼を助け出せない結果になってしまったならば……。
私と出会った事を地獄の沙汰で後悔して貰おう。

……草むらの中に人影が見える。
ごそごそと何をしているのかは知らないが、一応接触をしておくべきだろう。
先ほどのようなつるぺた幼女の如く礼儀を知らない奴ならば取り除くまでだ。

「そこのあなた、質問がある」
「…………」

返答は、無し。
確かに私の声は小さいが聞き取れる範囲の声のはずだが?
……ああ、なるほど。私を殺人鬼と勘違いして警戒しているのかもしれない。
先ほどまで盛んに動いていたというのに、突然動きが止まったのもそのせいだろう。

「安心して、私はあなたに危害を加えるつもりはない」

貴様が正直に有益な情報を与えてくれるのならばな。

「私の名前は長門有希、探している人がいるので答えて欲しい。
 キョンという名の男子高校生を見かけなかっただろうか?」
「…………」

返答は、無し。

ほほう、なるほどなるほど……。
名前まで名乗って、警戒を解くように諭しても未だに無視と。
……このような非常識な輩は、生かしておくわけにはいかない。
今の私には相当エラーが溜まっている、怒りという名のエラーがな。

「貴様! 余程死にたい……」

――――――――

……いかん!余りのエラーの数と目の前の非常識な光景のせいで一瞬フリーズしてしまった。
しかし、一体どういう事だこれは!
先ほどまで動いていたはずの少女が……腹に剣を刺されて死んでいるだと!?

「馬鹿な……!」

草むらの中とはいえ、あれだけ動いていたのだから気のせいという事は無いだろう。
私が声をかけた瞬間に殺されたのだとしても、だとすると殺人者はどこに消えたという話だ。
もしや、これは……。

「自殺、か……?」

理由は知らないが、そう考えるより他ない状況だ。
腹に刺さっている剣は少女の手に持たれているし、
この様子は引き抜こうとした訳ではなく自分から突き刺したと考えるのが正しいだろう。
しかし、声をかけた途端に自殺をするなどついていない……!
せめて私の質問に答えてから自殺をしてもそう遅くはないだろうに!
……まあ、いつまでも苛々しても仕方がない。今はとにかく先を急がなくては。
この死んだ参加者の支給品も奪って……。

「ガルルキャノン!」
「ッ!?」

左後方から冷気の塊と思わしき物体が接近。
瞬時に情報操作を行い対物障壁を形成、冷気弾はその対物障壁にぶち当たり、一部に傷をつけて跳ね返る……が!
おかしい……!この程度の攻撃ならば障壁は傷一つつかないはず。
いや、この際考察は後回しだ!
私はその場から跳躍し、冷気弾を飛ばしてきた方向に目を向ける。
いた!怪しげなマントを纏った、怪しい男……?
いや、人間ではない。少なくともまともな人間には見えない!

「貴様! 一体、何のつもりだ!?」
「「それはこっちの台詞だ!!」」
「うるさい! 一々ハモるんじゃねぇ!!」

こっちの台詞だと?何のつもりかは知らんが、喧嘩を売るというのなら買ってやる!
この私に挑んできた事を地獄で懺悔するがいい!!

『あいつ……! 人間じゃないね!』
『ああ、人間の姿をしてるけど人間じゃない。
 あんなジャンプ力とバリアみたいなものを作った能力からして、少なくともそれだけは言える!』

急いで来たものの、既に事は終わった後だった。
あの悪魔のような顔をした少女は、既にあの剣を手に持った少女を殺した後だったんだ!

「「行くぞ、悪魔め!」」
「ほざけ、変態マント野郎!」

ガルルキャノンで相手を牽制しつつグレイソードを振り上げて突進!
冷気の塊はやっぱりアイツのバリアで弾かれてしまう。
でも、それは予想の範囲内だ!

「「くらえぇっ!」」

大きく振りかぶったグレイソードを少女に向けて思い切りよく振り下ろす。
バリアと剣との間で火花が散る。
更に体重をかけるにしてバリアを破壊しようとすると……バリアが、割れた! って!?

嘘だろ……!?
悪魔が……グレイソードを受け止めた!?

『おかしいよガブモン! グレイソードが効かないなんて!』
『いや……よく見るんだ、アグモン!』

ぽとり、ぽとり――。

何かが、私の手の中から落ちた。
これは……人間の、指? でも、一体、誰の……?
私が……このような、ただデカいだけの剣で切られる訳が無い……。
デカいだけの剣なんか、に……。

――――――!!

「あああああああああああああッ!」

情報分解、再構成、改変、照射!
あの忌々しい私のバックアップと同じ技というのは癪だが今はこの目の前の変態に対しての怒りのエラーがMAXだ!

「死ねぇえええええええええ!」

数十の槍が目の前の変態に向かってゆく!
畜生!さっきからどうなっている!何故、あの程度の槍が数十本しか作れないのだ!
この……この指先にしたってそうだ!何故、私の指先が欠落している!?
信じたくない! 信じたくないが私の情報改変能力が低下しているという事なのか!?

「くっそおおおおおおおおおおおおおおお!!」

悔しいが、腹立たしいが、忌々しいが!この場は退散した方がいい!
信じたくはないが私の能力が低下しているのならば、戦闘は不利になるだけだ!
あの変態野郎に背を向けて、走り出す。
私はまだ、こんな所であのメスガキのように死ぬ訳にはいかないんだ!
愛しの彼に会うまでは! まだ!!


【B-3 草原/一日目・黎明】
【暗黒長門(長門有希)@涼宮ハルヒの憂鬱(暗黒長門シリーズ)】
[状態]:右手の指先欠損
[装備]:トカレフTT-33(8/8)
[道具]:支給品一式、きしめん@Nursery Rhyme
[思考・状況]
1.オメガモンから逃走
2.B-3山頂から、愛しの彼(キョン)を探す
3.邪魔をする奴は容赦なく殺す


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

『ぐ……う……』

あいつは……逃げたのか。
くそっ……! こんな槍が無ければ、追えていたのに……!

『大丈夫か……アグモン……?』
『うん……』

肩から突き刺さった槍を引き抜き、座り込む。
強敵だった……バリアを破壊出来たのは、たまたまガルルキャノンを受けて装甲が薄くなっていた所を叩けたからだろう。
もしそうでなければ、きっとグレイソードはアイツにまで届かなかったはずだ。
次に会った時、また同じようにあいつを追い込める保障はどこにもない。

『ガブモン、ごめん……』
『……何謝ってるんだよ』

あの時、本当は彼女にトドメを刺せたはずだった。
グレイソードを受け止めたのにはびっくりしたけど、あのまま押し切れば彼女の胴体を切断する事も出来たんだ。
そうすれば、この槍の攻撃を受ける事も無かったのに。
僕には……それが、出来なかった。
例えこの少女を殺したとしても、人間じゃなかったとしても、やっぱり……。
彼女を殺すという事が、僕には出来なかった。

『……落ち込んでる暇は無いよ。
 この子を弔ってあげたら、また急いで皆を探さなきゃ』
『うん……そうだね』

肩は痛むけど、仕方が無い。
戦闘で慣れっことは言わないけど、これは僕が失敗したから出来てしまった傷。自業自得って奴だから。
だから、我慢しないと。それに、こんなのは僕が救えなかったこの子の痛みに比べれば全然大した事無い。

「……ごめんね、助けてあげられなくて」

僕たちは女の子の前で膝をつき、お祈りをした。
せめて、この子が天国では幸せになってくれるように……。
………。

『そろそろ行こうか、アグモン』
『うん……』

女の子の手から剣を手放させ、胸の前で両手を組ませてから僕たちは立ち上がり、女の子に背を向ける。
後ろ髪を引かれる思いだけど、僕たちは行かなきゃいけないんだ。
これから……この子のような犠牲者を出さない為にも。








―――その時、彼女のデイパックが、眩い光を放った


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ここは……どこだろう?
足元はふわふわしてるし、なんだか不思議な感触。
あれ? いつの間にか私、天使セットの衣装に着替えてる?
っていうか私、何でこんな所にいるんだっけ?

「亜美……」

あ!千早ちゃんだ!
って、千早ちゃんも天使セットを着てるの?

「亜美!」

おわっ!真美いつの間にいたの!?
っていうか、真美まで天使セット着ちゃってるのはどうして?

「亜美、よく聞いてね……」

な、何?千早ちゃん。
私、千早ちゃんに別にいたずらなんて何もしてないよ?
千早ちゃんの手鏡に72って落書きしたりしてないもん。

「亜美……ここはね、亜美が来ちゃいけない所なの」

へ?

「正確には、まだ来ちゃいけない所なの……」

まだ来ちゃいけないってどういう事?
なんで私が駄目で千早ちゃんと真美はいいの?

「私たちは、逆に亜美がいる所にはいけなくなっちゃったから……」

うーん、よくわかんないけど仲間外れにされて嫌な気分。
っていうかどうして亜美のいる所に行けないの?何がどう違うの?

「何も違わないよ、亜美」

どういう事、真美?

「ただ、いる場所が違うだけだよ。
 私はここにいるし、亜美は向こうにいる。それだけの事だから」

言ってる意味がわからないよ真美。
もうちょっとわかりやすく言ってよ。

「真美はもう、本当は亜美と会っちゃいけない……ああ、違う。
 今はまだ、会っちゃいけないんだ」

どして?

「真美と亜美が住んでる場所が違うから」

まだ来ちゃいけないとか、会っちゃいけないとか、住んでる場所が違うとか……。
よくわからないけど、真美と亜美が別れちゃうって事?

「しばらくね」

そんな! どうして真美はそんなに落ち着いていられるの!?
ほら、亜美は今ここにいるじゃん!
会っちゃ駄目とか来ちゃ駄目とか言ってるけど、ここにいるじゃん!
なのに会えないっておかしいよ!私も、真美と一緒に住む!

「それは駄目よ、亜美」

どうして、千早ちゃん!?

「私と真美はね、亜美に……。
 ううん、亜美だけじゃない。春香とやよい、真にはしばらくここに来て欲しくないの」

酷い!どうしてそんな事言うの!?
それに、しばらくって、どれくらいなの!

「そうね、天寿を全うしてあと70年や80年……出来れば、もっと長い間ね」

長っ!?
そんなに待ってたら、亜美達みんな皺くちゃのお婆ちゃんになっちゃうよ!?

「そうなってくれたら、私たちはとても嬉しいわ」
「うん、そうだね」

えぇー、亜美お婆ちゃんになんかなりたくないよぉ。

「いーや、亜美はお婆ちゃんにならなきゃ駄目だよ!
 皺くちゃのお婆ちゃんになって、沢山の子供や孫に見守られてからこっちに来るの!」

うぅ……。
……別れなきゃ、駄目なの?

「そうよ、これは決まり……というよりも、私たちの望みね」

真美はそれでいいの?
私たち、離れ離れになっちゃうんだよ?
もう一緒にご飯食べたり、アイドルしたり、いたずらしたり出来なくなるんだよ?

「……そりゃ、真美だって亜美と一緒にいたいよ?
 だけどね、それ以上に真美は亜美と別れたいの」

真美!それ矛盾ってヤツだよ!

「んー、難しくてなんて言えばいいのかわかんないや。
 でもね、亜美覚えていて」

よしきた!

「亜美の言う通り、真美と亜美はずっと小さい頃から一緒だったよ。
 だから亜美が真美と離れて寂しいっていうのはわかるし、真美だってそう。
 だけどね亜美、双子だからってずっと一緒にはいられないんだよ?
 高校生とかになったらお受験で学校が離れるかもしれない。
 結婚なんかしたらお家も別々にしなきゃならない。
 いつかは、お別れする時が来るんだよ」

それは……亜美もわかるよ。
でも、それはもっと大きくなってからでしょ?
今はまだ一緒にいたいよ。

「でも、今がそのお別れの時になっちゃったんだよ。
 これは、もう仕方の無い事なんだ」

……もう、駄目なの?

「……うん」

……どうしても、駄目なんだね?

「真美だって、ずっと亜美と一緒にいられると思ってたけど……。
 でも、それはもう無理だから……。
 亜美も、もし真美と同じ立場だったら真美にここに来ちゃ駄目って言うでしょ?」

それは……そうかも、しれないけど。

「それじゃあ、わかってくれるよね……亜美」

……わかったよ。
本当は、嫌だけど……真美とは離れ離れなんて、嫌だけど。
でも、真美が言うように亜美も真美の立場だったら、きっと同じ事を言うと思う。
真美が思ってる事は、亜美にだって、わかる。
だってここは、本当はとても悲しい場所のはずだから……。

「うん……」

亜美、真美と別れる……。千早ちゃんとも、別れる。
でも絶対に真美と千早ちゃんの事は忘れない。
ずっとずっと、亜美は二人の事、忘れたりしない。
70年、80年……ううん、100年くらい後にまた、ここに来るから。

「うん、待ってるよ亜美。
 ……別れても、私と千早ちゃんはここにいるから」

うん……。

「だから……だから、泣かないでね」

泣かないよ……もう……泣かない。

「もう絶対……自分からここに来ちゃ駄目だからね。」

うん……もう、絶対にあんな事しない。

「亜美……またね」

うん。
真美も、また……元気でね。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

デイパックの中から、輝く球体が現れた。
その球体の名は復活の玉。
かつて魔王に挑んだ勇気ある仙人掌を救った玉が、静かに、ゆっくりと少女の遺体へと吸い込まれ……。
そして、一際大きく輝くと一瞬にして消えうせた。

それから数秒、突如少女の体が動き始めた。
その細腕では己の体に剣を刺し自害する事は出来なかったのか。
その傷は、致命傷ではあったものの、完全に命までは奪わなかったのか。
不完全な自害の末に、少女が見たものは幻だったのだろうか。
傷ついた腹は修復され、指先が、手が、腕が、少しずつ少しずつ動いてゆく。

――もう、泣かないよ。

全体を動かし、最後に、その大きな瞳を開き――少女は、目覚めた。
その瞳には、しっかりと前を向く事の出来る光が灯っている。

――別れても、真美は向こうにいるだけだから。
 ――また、会えるから。
  ――きっとまた、ずっとずっと後に、会えるから。
   ――だから、その間だけ。
    ――さようなら、真美。




【B-3 草原/一日目・黎明】
【オメガモン@デジモンアドベンチャー】
[状態]:左肩負傷
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(全て未確認)
[思考・状況]
1:一体、何が起こったんだ!?
2:主催者打倒
3:ゴマモン達と合流
4:人をなるべく助ける
※オメガモンは本来モビルスーツ並みのサイズですが、大柄の成人男性並みに縮まっています。合体も解除する事ができません
※長門を危険人物と認識。

【双海亜美@THE IDOLM@STER】
[状態]:正常
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、妖精の剣@ドラゴンクエストシリーズ、他未確認支給品0~1
[思考・状況]
1:もう、泣かない。
2:何があっても生きる。
3:人は絶対に殺さない
※復活の玉は壊れました。再生は二度と出来ません。

【復活の玉@ドラゴンクエストマイナーモンスターズ】
魔王ミルドラースとの最終戦、最後の一人となった勇者ダニーとミルドラースとのタイマンの際、
倒れたダニーを救った玉。
その結果、ダニーはミルドラースを見事打ち破る。
本来の効果は死亡した者を復活させる事だが、
制限の為にそこまでの効果はなく、微かに生きている者の傷を修復するのみである。
使用すると壊れる。



sm36:海☆馬☆王 時系列順 sm42:落ち着け前原K!
sm37:湖畔協奏曲第一幕 “名もなき王と歌姫” 投下順 sm39:ぽよまよ ~口先の魔術師~
  双海亜美 sm59:オメガとかちは大変な魔理沙を巻き込んでいきました
sm22:島根起動 オメガモン sm59:オメガとかちは大変な魔理沙を巻き込んでいきました
sm20:ぺったんぺったんつるぺったん ~五十歩百歩~ 暗黒長門 sm55:愛しの彼が見つからない



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