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落ち着け前原K! ◆lbhhgwAtQE





『オタク』そして『魔法使い』。
それらは、エアーマンのコンピュータと照合しても一致するデータがない存在。
つまり、彼女らはエアーマンにとって、そしてワイリーにとってはイレギュラーな存在だ。
世界征服を目指す彼らにとって、イレギュラーはあってはならない事態。

「……そうだ。ワイリー様の世界征服にイレギュラーなどあってはならない……!」

エアーマンは一人心地に呟く。
新たなデータ――獲物を求めて。

そして、そんな彼が見つけたのは――――


  ▽  ▽  ▽  ▽

「はぁ、なるほど。ポケモンねぇ……」

目の前にいる黄色い生物は“ピカチュウ”なるポケットモンスター、縮めてポケモンの一種である事。
そして、そのピカチュウは自分の飼い主であるサトシや仲間のポケモンを探しているという事。
本来はこうして言葉を介して喋れることは、出来ず道具に頼っているという事。

当初は戸惑っていた圭一だったが、ピカチュウとの会話(念話?)でそのあたりの事情は把握した。
『分かってくれた、僕のこと?』
「あぁ。色々と信じがたいが……まぁ、目の前にこうしてお前がいるんだ。信じるほか無いだろうよ」
『ありがとう。えぇっと……』
「圭一だ。前原圭一」
遅れながらに圭一は自己紹介をする。
『ありがとう。圭一。えっと、それでこれからきみは、どうするつもりなの?』
「どうする……って、そりゃ仲間を集めてこの下らないゲームをぶっ壊すのさ。レナ達がいたら、当然合流もする」
『レナ、っていうのはきみの友達?』
「あぁ。レナや魅音、沙都子に梨花ちゃん、それに詩音は俺の大事な仲間だ」
ただ、名簿がない以上、他に知人がここに来ているのかは不明のままなのだが。
「……ま、てなわけで互いに探し人がいるわけだし、一緒に探して回るか? 一人――いや一匹でいるよりいいだろ?」
『うん。僕もそれを言おうと思ってたんだ』
「そっか。なら、とりあえずは南の方にある街に向かってみようぜ? 街なら人が集まってるだろうし、レナたちがいなくても俺たちと同じ意志を持つ仲間が見つかるかもしれないしよ」
『でも、人が集まる所だと、あの悪魔の誘いに乗った人達もいるかも……』
「まぁな。でも、そんなの気にしてたら、何も出来なくなっちまうよ。どこかに隠れてるってのもまっぴらゴメンだしな」
笑顔を見せながら圭一はピカチュウを諭す。
そして、ピカチュウは、そんなやや強引ながら頼もしい彼を見ながら、自分の主人でもある少年の存在を思い出していた
「ま、そんなわけで、さっそく――」
『あ、ちょっと待って!!』
「――って、何だよ。人がせっかく気合を……」
『出発する前に、きみに渡しておきたいものがあるんだ』
迷いのない、まっすぐな心を持った彼ならば信頼できるだろう。
そう考えたピカチュウは自らのデイパックから、その小さな手で二つの道具を引きずり出した。

『僕は電気で攻撃できるからね。このテレパしい以外はきみに渡しておくよ』
「お、いいのか。悪いな――って、おいおいこりゃあ……」
圭一は出された二つの道具を見て、目を丸くした。
それもそのはず。
何せ、その目の前に置かれた道具は、やはりというか何というか彼に配られた二つの道具同様に、普通ではなかったのだ。
一つは、黒い車のようなオモチャ。説明書きによるとスイッチを入れるとモーターの力で動き出すらしい。
『アストロレンジャーズ使用の公式マシン! トルク重視仕様だ!』と注釈が入っていた。
そして、もう一つは、紛う事なき鋸であり……
「これまた癖のある武器だわな……」
『えっと……迷惑だった?』
「いんや。無いよりましだよ。それにこれがあれば枝とか切ったり色々使えそうだしな。てなわけで、こいつはありがたく貰わせてもらうよ」
圭一はオモチャと一緒にその鋸を自分のデイパックにしまおうとする。
だが、その時――――
『圭一、危ない!!』
突如聞こえたピカチュウの叫び声。
そして、それと同時に突風がこちらを襲い、圭一の衣服を、皮膚を切り裂いてゆく。
「うおっ!! な、何だ、この風……! 鎌鼬かよ!」
『きっと誰かが風を操ってるんだ! ピジョンのかぜおこしみたいn』……ピカピ?」
「……へ? ピカピ?」
「ピカピカッ? ピカ……」
「おいおい、こんな時に時間切れかぁ? 勘弁してく――うおぁっ!!」
テレパしいの効果切れを惜しむ間もなく風は襲う。
「どこからともなく鎌鼬……こいつはマズいんじゃないのかぁ?」
「ピカピカッ!」
「ん、何だピカチュウ? ……まさか敵の位置が分かるのか?」
「ピカピッ! ピィィィカァァァチュゥゥゥゥ!!!」
ピカチュウは、圭一の問に答えるようにいきなり電撃を風上へ向けて放った。
……すると、今度はどこからともなく声がして
「ぐあっ!!! で、電気を放っただと……!」
「ど、どこから声が……って、な、何だ、ありゃ!?」
声のするほうを見やる圭一。
そんな彼の目に飛び込んできたのは、まさに異様としか言い様の無い青色の扇風機的な生物であった。

  ▽  ▽  ▽  ▽


ただの人間と小動物。
外見からはそうとしか判断できなかったが、先ほどの『オタク』のような例がある。
だから、データ収集のためにもすぐには殺せない。
エアーマンは、そう考えて闇から一人と一匹を襲っていた。
じわりじわりと、エアシューターで甚振りながら。
するとどうだろう、小動物は突如、自分に向かって電撃を放ってきたではないか。
やはり、この地にはまだまだ未知の存在が多くいるらしい。
「電気を武器にする小動物か……。おい、貴様らはどこのロボットと科学者だ?」
「はぁ? ロボット……それに科学者? お前何言ってるんだ?」
「質問に答えろ。貴様らは何者だ? 答えない場合は……」
エアーマンは左腕を目の前の少年へと突き出す。
先ほど直撃を食らい、回路が多少ショートしたとはいえ、シューターは使用可能だった。
すると、少年は一瞬目を剥き、すぐに返答をしだした。
「あぁ、分かった、分かったから! 俺は前原圭一。そんで、こいつはピカチュウっていうポケモンだ」
「ポケモン……? ロボットのシリーズ名か?」
「さぁな、俺もこいつに会ったばかりで詳しくは分からねぇ」
少年はともかく、小動物の方はポケモンという種類の戦闘用生物と認識すべきだろう。
これでまた一つ、データが収集できた。
「……それよりもお前は誰だ? 何で俺達を襲う?」
「俺はエアーマン、ワイリー様に作られた戦闘用ロボット。貴様らを襲うのは勿論、貴様らのデータを収集する為、そして優勝してワイリー様の世界征服を再開する為だ!」
そう言ってエアーマンはエアーシューターを改めて突き出し、圭一達へと竜巻を放とうとするが――


  ▽  ▽  ▽  ▽

「ピカピカッ!!」
そこへ飛び出してきたのピカチュウだった。
彼は、果敢にも全身を帯電させながらエアーマンへと向かっていった。
「ピ~~~カ~~~ヂュゥゥゥゥウウ!!!」
ピカチュウの10万ボルトがエアーマンを襲う。
しかし、対するエアーマンはそれに動じることなく、エアーシューターから竜巻を放つ。
「電撃など導体である空気を掻き乱せば軽減できる!! 食らえ!!」
「ピカッ!? チャァァァ!!」
「ピカチュウ!!」
竜巻により電撃は拡散され、そのまま竜巻はピカチュウを一直線に襲った。
圭一は竜巻により切り刻まれたピカチュウへとかけよる。
「おい、大丈夫か? しっかりしろ!」
「ピ……カ……チュ……」
どうやらまだ意識はあるようだ。
圭一はそのことにひとまず安堵するが、すぐに顔をしかめる。
……そう、事態はまったく好転していないのだ。
「さて、そのポケモンとやらが動けなくなってしまったようだが、貴様はどうする? 抵抗するか?」
「……くっ!」
「抵抗しなければ、痛みも無く一瞬のうちに殺してやろう。『ポケモン』というデータを収集させてもらったせめてもの礼だ」
エアーマンは余裕を見せながら、圭一に語りかける。
圭一はそんな彼を睨みつける。……が、それだけで何ができるというわけでもなかった。
(クソッ! どうする……。鋸とフライパンで反撃出来るのか? ……いや、俺が突っ込む前に奴は竜巻を使うはずだ……)
エアーマンと圭一の距離はある程度離れている。
この状況では、竜巻という飛び道具を持つエアーマンの方が有利なのは自明の理。
しかも、相手はロボットを自称しているため、打撃や斬撃がどこまで通じるかは未知数だ。
(どうする前原圭一……落ち着いて考えるんだ。COOLになるんだ……。落ち着け前原圭一……。落ち着けK……!)
高鳴る鼓動を必死に抑えながら、事態を好転させるべく圭一は思考を回転させる。
ここで焦っても待っているのは確実な死のみ。
この場を乗り切るためには、戦力を頭で補うしかない。
自分達、そして敵の現状を知れば、打開策は見つかるはずだ。
圭一は必死に探す。その打開策を見出す為の鍵を。

そして、そんな中で彼はそのデイパックの中に眠る一つのアイテムの存在を思い出した。
(そうか、こいつを使えばもしかしたら……)
それはある種の賭け。
だが、今はそれしかなかった。
「……さぁ、どうする? 抵抗をやめて素直に俺に倒されるか?」
「……はっ! んなの決まってるだろ……。…………絶対にノゥ!」
圭一はエアーマンの言葉に啖呵を切って拒否する。
すると、エアーマンは残念そうな顔を一瞬見せ、その左腕を改めて圭一へとかざす。
「そうか。……なら、竜巻地獄で苦しみながら死ぬが――――」
「ちょぉぉぉっと待ったぁっ!!」
「……!?」
突如叫ぶ圭一に驚いたエアーマンはエアーシューターを発動させるのを止めてしまう。
「……どうした? やはり苦しむのが怖くなったか?」
「いいや違うね。……俺はお前に言いたいんだよ。本当にお前は俺を倒せるのかな、ってな」
「何? それはどういうことだ?」
先ほどまでと打って変わっての余裕の言葉、そして笑みにエアーマンは思わず戸惑う。
「貴様が俺を倒せるとでも言うのか? 何の力も持たない人間の分際で」
「お前の言う通り、確かに俺はただの人間だ。だがな……人間だって道具を使えば機械に勝てるんだぜ?」
そう言って、圭一が取り出したのは先ほどピカチュウから譲り受けた黒い車のオモチャ。
それを見て、エアーマンは思わず唖然とする。
「おい、まさか貴様はそれで俺を倒せるとでも言うのか……? ふざけるのも程ほどに――」
「おっと! 見かけで判断すると痛い目に遭うぜ? ピカチュウの電撃にやられた時みたいにな!」
「……何ぃ?」
その言葉に思わずエアーマンは後ずさりをし、圭一はそんな彼の様子を見て、言葉を続ける。
「お前、確かワイリーとかいう奴が作ったロボットだったよなぁ?」
「気安く呼び捨てにするな。ワイリー様、だ!」
「ま、どっちでもいいがな。……とりあえず、お前がワイリー“様”の作ったロボットだとしたら、やっぱりこいつはヤバイなぁ。あぁ、メチャクチャヤバい」
「…………」

  ▽  ▽  ▽  ▽

Dr.ワイリーに作られた純粋な戦闘用ロボットであるエアーマンといえど万能ではない。
彼にも葉による攻撃が苦手という弱点があり、特にリーフシールドを有するウッドマンとの相性は極めて悪い。
そして、目の前の人間はそんな彼の弱点を知っているかのような口ぶりで話を進めていた。
「こいつは俺に支給された道具なんだけどな、どうやらワイリー“様”の作った風を起すタイプのロボに有効らしい」
「……まさかライト博士の発明品か?」
「ライト博士? あぁ、確かにそんな名前の博士が作ったとか説明書に書いてあったなぁ」
自分と戦闘したことのあるロックマンを開発したライト博士ならば、自分の弱点も知っているはず。
ならば、そのライト博士が自分対策に作った発明品が目の前にあるのだとしたら、それは大いなる脅威だ。
『オタク』の持っていた紙切れが思わぬ損傷を与えた例もあった為、エアーマンは距離を置いて、それを警戒する。
「貴様……それをどうする気だ?」
「勿論……こうするんだよ!!」
「!!??」
エアーマンが反応するよりも早く、少年はそのオモチャのスイッチらしきものを入れ、即座に地面にそれを置いた。
その道具名を叫びながら。

「GO!! バックブレーダァァァァァ!!!!!」

その車はエアーマン目掛けてまっすぐ走り出す。
まるで、彼を狙う死神のように。
「行けぇえええ!! エアーマンをぶっ倒すんだ!!!」
「……クッ! ならば、こちらも応戦するまで!!」
自分に近づく黒い影に動揺していたエアーマンも、すぐにエアーシューターで竜巻を生み出し、応戦に入る。
「ワイリー様が生み出してくれた俺がライト博士の発明品などに負ける筈がない!!」
右手を薙ぎ、竜巻を一斉にバックブレーダーへと向かわせるエアーマン。
すると、その竜巻は単純な直線運動を続けていたそれに直撃、バックブレーダーは宙に舞い上がり、砕け散った。
「……!? 破壊されてから効果を表すタイプか?」
炸裂弾のように、内部に葉のような自身の弱点となるような小道具が仕込まれているのかもしれない。
彼は新たな竜巻を待機させ警戒しながら、砕けて落下してゆくバックブレーダーを目で追ってゆく。
……だが、それは地面に飛び散っても一向に変化を見せない。
そして、そこでエアーマンはようやく気付く。
「…………まさか!?」
だが、もう遅い。
目の前にいた人間と小動物の姿は消え去り、暗闇の向こうへと消え去っていた。



【B-5 森付近/一日目・黎明】
【エアーマン@ロックマンシリーズ】
[状態]:ボディの一部に軽い火傷、左腕で回路のショート(戦闘には支障無し)、エネルギー消費(中程度)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(1~3)
[思考・状況]
1.騙されただと!?
2.他の獲物を捜しながら、元の世界にはなかったデータを集める
2.『オタク』(こなた)と黒髪の人間(真)、圭一、ピカチュウは必ず倒す
3.優勝して元の世界に帰り、ワイリー様の世界制服計画を再開する

【備考】:首輪の代わりに動力源に爆弾が埋め込まれています



「……はぁっ、はぁっ! なんとか逃げ切ったか……」
森林の中、ピカチュウを抱えながら、圭一は疾走していた。
少しでもあの風使いから遠ざかる為に。
「しかし、まさかあれが役立つとはなぁ……」
バックブレーダーを使ったハッタリは、まさに彼の起死回生の策だった。
今回は相手が自分の話に乗ってくれ、バックブレーダーにばかり関心を向けてくれたから良かったが、もし最初からハッタリだと思われ、自分目掛けて攻撃されていたら……。
想像するだけでぞっとする話だ。
「あんなやつが、他にもこの殺し合いに乗ってるんだとしたら……相当気合入れないといけないな」
どうやら、ゲームを破壊するということは、口で言うよりも遥かに難しいことのようだ。
だとすれば、何の力も持たない自分がどこまで出来るのか……。
圭一はそんな不安が脳裏をよぎる。
だが。
「へっ、逆境上等! その困難に反逆してやるよ。部活で鍛えられた俺を舐めるな!」
すぐさま、その不安は彼の中から消えてゆく
そして、残ったのは、この殺戮を何としても食い止めようとする強い意志だった……。


【B-4・黎明 森内部】
【前原圭一@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:全身に軽い裂傷、かなり動揺
[装備]:カワサキのフライパン@星のカービィ
[道具]:支給品一式、チョココロネ@らき☆すた、ゼットソーハードインパルス@現実
[思考・状況]
1.陽が昇るまで森の中に身を隠す。
  その後に市街地へ向かい、自分とピカチュウを出来れば治療したい。
2.いないと信じたいがレナ達を探す。
  出来れば対主催思考な人物とも協力したい
3.人は殺さない
4.ゲームの破壊

【ピカチュウ@ポケットモンスター】
[状態]:中程度のダメージ、気絶中
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、テレパしい@ドラえもん(残り4粒)
[思考・状況]
1.気絶
2.サトシと仲間たちを探す。人は殺したくはないがある程度の戦闘は止むを得ない
3.ゲームの破壊

【テレパしい@ドラえもん】
食べるとテレパシーが使えるようになる椎の実。クルミにハチミツをかけたような味らしい。
本来は伝えたくないことまで伝わってしまうがこのロワにおいては普通にテレパシーとして使える。
ただし継続時間は一時間と短く、内容量も5粒と少ない。


【バックブレーダー@落ち着けハマーD  破壊】



sm38:不完全自殺マニュアル―思い出をありがとう― 時系列順 sm51:ピタゴラ……
sm41:楽太郎(ラピュタ王)の陰謀 投下順 sm43:英雄
sm02:風に尋ねられて立ち止まる 前原圭一 sm61:自信か慢心か?
sm02:風に尋ねられて立ち止まる ピカチュウ sm61:自信か慢心か?
sm14:オタクとアイドルの奇妙な遭遇 空気男が倒せない エアーマン sm70:Cry for me, cry for you



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