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行く先は ◆2VgTRcP6n6




「くっそぉ……」
園崎詩音を埋葬した後、永井博之と水銀燈の二人は、仲間を探すためE-4の市街地エリアに来ていた。
しかし今の彼、博之にとっては仲間探しなどよりも先に煙草を補給することが重要であった。
先程からイライラしてたまらない。一刻も早くニコチンを摂取せねばならない。
だがこの辺り一帯に存在する建物と言えば、いかにもRPGとかに出てきそうな塔くらいで、煙草屋はおろかコンビニすら無い。
「煙草の吸いすぎは健康に悪いわよぉ? 血圧上がっちゃうし。乳酸菌摂ったらぁ?」
「うるさいの、ちょっと黙っとけ! ……ん?」
傍でからかう水銀燈を一蹴し、必死に煙草を探す作業を続けようとする博之の動きが止まった。
彼の目はある一点に釘付けになる。
近くには塔がそびえ立っているが、そのふもとをよく見ると……自動販売機があった。
「よっしゃ、ついとるな俺」
すぐにそれの元へ駆け寄る博之。だが。
「そういや金無かったわ……」
金が無ければ煙草は買えない。目の前の機械は無情だった。
もしかしたら入れっぱなしの小銭があるかも、と僅かな期待を込めて服やズボンのポケットを弄るが、無い。
「水銀燈、お前金持ってないか?」
「あると思うぅ?」
「……無いよな、普通」
勿論、金を入れるだけが煙草を手に入れる手段ではない。
多少強引な方法、例えばこの手に持つ金属バットで自動販売機をぶっ壊すという手段もある。
だが、もしそのような光景を他の参加者に見られでもした時には目も当てられない。一発で危険人物だと断定されてしまうだろう。
「あー、もう嫌や、ほんと」
博之は落胆して俯く。これを機に禁煙でも考えてみようか……などと思い始めた時。
視界の隅で何かが光った。

一瞬小銭かと思ったが、そうではない。
博之はそれに手を伸ばす、と同時にやや顔をしかめた。何故ならば、その物体からはかなりの刺激臭が放たれていたからである。
「車の鍵……か? それにしても、すげぇ臭いだな」
「本当に臭いわねぇ……さっさと捨てた方がいいんじゃないかしら?」
「いや、もしかしたらもしかするとこの鍵、脱出のための超重要アイテムかもしれんぞ。
 こういういかにもどうでも良さそうなアイテムが文字通り脱出の鍵になったりすることもあると思うねん、俺」
「ただの臭い鍵にしか見えないんだけどぉ」
「そんなんゆうても、何かの役に立つかもしれんし持っとって損はないやろ」
そう言って博之はその鍵をズボンのポケットの中に押し込んだ。

と、その時。
塔の入り口の扉が重そうな音を立て、ゆっくりと開いた。
博之と水銀燈は咄嗟に視線をそちらへ移し、身構える。そしてそこから出てきたのは……。
「なんだ、幼女か」
「!!」
塔から出てきたのは、一人の小学生くらいの少女だった。その手には巨大な鋏らしき物体が握られていたが。
ほっとするのも束の間、少女はこちらを見て驚いたような顔をすると、即座に二人に背を向けて走り出した。
「あ、ちょ、逃げんでもええやろ!」
博之は慌ててその少女を呼び止めようとするが、少女は足を止めることなく、巨大な鋏を半ば引き摺るようにしながら走り去って行った。
「行ってもうた……。あんなちっこい子一人で行動してたら危ないっちゅーに」
少女が逃げて行った方向を呆然と見つめている博之に、水銀燈は言った。
「もし追いかけるつもりなら、止めておいた方がいいわよぉ?」
「なんで」
「あんな小さい子を仲間に入れても足手まといにしかならないしぃ」
水銀燈は実に現実的な言葉を口にした。
「だからって見捨てるのはあんまりじゃないのか?」
「それに」
博之の言葉を遮り、水銀燈は言った。

「あの子、あちこちに血が付いてたわよぉ? 既に誰かを殺してる可能性も十分あるわよねぇ?
 大体そこまで言うなら博之、どうしてあなたはあの子のことをすぐに追いかけなかったのかしら?」
「…………」
博之は言葉に詰まった。全く水銀燈の言う通りだったからだ。
彼もしっかり見ていたのだ。少女の服や顔、その手に持つ鋏に血のような液体が付着していたことを。
そのために、追いかけることを躊躇してしまったのだ。
「でもなぁ、あんなちっこい子が人殺すって相当ありえん話なんだが」
「こんな状況だもの、子供が狂って殺人に走るなんて不思議でもなんでもないわよぉ?
 さっき襲い掛かってきたあの女みたいに。誰に対しても油断しちゃ駄目、ジャンクになりたくなかったらね」
確かにそうかもしれない、と博之は思う。
ふと、自分の兄も餓鬼の頃に色々悪いことをやっていたことを思い出した。子供だからこその狡賢さと言うものもある。
このような場では子供すらも簡単に信用できないということだ。
だが、しかし……。
「まだあの子が無害な子供だと思っているみたいねぇ……。だったら、実際に確かめてみればどうかしらぁ?」
いたずらっぽく笑いながら言い、水銀燈は塔の入り口へと視線を向ける。
「私の推測が正しければ、塔の中に可哀想なジャンクが一つくらい転がってるはずだけど」
「……そうだな。それで白黒はっきりつくだろ」
博之は開け放たれた扉を避けて、塔の中に入ろうとする。そんな時だ。
放送が鳴った。

                       ○

耳が痛くなるような不気味な笑い声を最後に、空に映し出されていた悪魔の立体映像が掻き消える。
この殺し合いの主催者である悪魔、マルクによってなされた第一回目の定時放送は、
塔から逃げ延びた彼女、キョンの妹にも確実に届いていた。
その主な内容は、ゲームが始まってから僅か六時間の間に命を落とした参加者達の名前であり……。
「キョンくん……」
彼女の愛しの兄である、キョンの名前も含まれていた。
覚悟はしていた。この殺し合いで生き残るということは、自分以外の全員を殺さなければならないということだから。
寧ろ、自分が手を下す必要も無くなり、早い内にこの悪魔のゲームから開放されたことは喜ぶべきことかもしれない。
だが、どうしてこうも悲しいのだろう。
突然聞かされた実の、愛しの兄の死。それによって齎される感情を押し殺せというのは、まだ幼い彼女にとってはあまりに酷な話で。
キョンの妹は誰にも見られないように建物の陰に隠れながら、ひっそりと泣いた。

それから何分経っただろうか。
涙も少しずつ収まってきた頃、彼女は決意を込めて立ち上がった。
こんなところでいつまでも泣いているわけにはいかない。自分には絶対に成さねばならないことがある。
この殺し合いで勝ち残り、愛しの兄を生き返らせ、生きて彼と結ばれることだ。
彼女は重い鋏を引き摺りながら、近くの民家に侵入する。
勿論、替えの服を探すためである。それに顔や鋏に付いた血も落とさなければならない。
クローゼットやタンスの中を漁り、自分のサイズにあった服を探す。
ほどなくして、納得のいく物を見つけることができた。
洗面台で顔を洗い流し、鋏に付着した血液を塗らしたタオルで一適残さず拭き取り、新しい服に着替える。
幸い、ライフラインは停止していないらしく、水道を使うことができた。

さて、準備は整った。
今の自分はどこからどう見ても普通の少女。怪しまれる要素は殆ど無いはず。
この外見を利用し、誰かに取り入って守ってもらい、最終的には優勝する。大丈夫、演技力には自信がある。
それに、自分は既に人を一人殺している。その経験は十分役に立つはずだ。
ただ、唯一の懸念事項は、塔の中と外で出会ったあの四人だ。
血が付いた状態の自分を見られてしまったのだ。まず間違いなく疑われていることだろう。彼らには二度と遭ってはならない。
必然的に行動範囲が狭められるが、そんなことを考えていても仕方が無い。
「キョンくん……あたし負けないから。絶対にキョンくんを生き返らせてみせるから。
 だから、それまであたしを見守ってて」
そう呟いて、キョンの妹は民家を後にし、再び戦場へと赴く。
両手に握る巨大な鋏が、朝日を浴びてギラリと光った。

愛しの兄を失った哀れな少女。
その兄を生き返らせるべく、少女はこの悪魔のゲームで勝ち残ることを改めて決意する。
果たして、彼女の行く先は。



【E-4 南西部/一日目・朝】

【キョンの妹@涼宮ハルヒの憂鬱&愛しの兄が振り向かない】
[状態]:かなりの疲労(多少回復)、精神的疲労
[装備]:庭師の鋏@ローゼンメイデン
[道具]:なし
[思考・状況]
1:あの四人(ティアナ、永井兄弟、水銀燈)から離れるため、西へ移動する。
2:誰かに取り入り、漁夫の利を狙う
3:最終的には優勝し、キョンを生き返らせ、彼と結ばれる。

※E-4の民家に血の付いたキョンの妹の服が残されています。


【E-4 塔の前/一日目・朝(六時ジャスト)】

【永井博之@永井先生】
[状態]:疲労、全身打撲、鼻骨折(やばい角度に曲がってるのは戻りました)
[装備]:金属バット、薬草(69/99)@勇者の代わりにry、塩素二号の鍵@化学の教材ビデオ
[道具]:支給品一式*3、甲羅セット@スーパーマリオシリーズ、座薬@東方project
    ゴム@思い出はおくせんまん、自動ぶんなぐりガス(1/2)@ドラえもん
[思考・状況]
1.塔の中を調べる。
2.煙草吸いたい。
3.薬草無くなったら体力ヤバイな。
4. 水銀燈と一緒なら生き残れるかもな。
5.人は殺したくないが、戦うのは水銀燈。最悪仕方ない
[備考]
博之の周囲で刺激臭がします。

【水銀燈@ローゼンメイデン】
[状態]:軽症(博之から体力を吸って回復中)
[装備]:真紅のローザミスティカ@ローゼンメイデン(真紅の技が使えます)
[道具]:三幻神@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(ラーのみ使用可だが遊戯、海馬などのみ)
    オレイカルコスの結界@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ (24時間使用不可)
[思考・状況]
永井博之と契約
1.塔の中を調べる。
2.あの少女(キョンの妹)を警戒。
3.長身のピエロを殺す。その仲間も殺す。
4.仲間を探して、脱出する。役に立たないなら別行動してもらいたい。
5. 脱出不可なら最後まで生き残る。最悪優勝するしかないのか?
6.ピエロの思惑に乗りたくないから、できるだけ人は殺さない。
7.襲ってきた奴とは戦う。殺すのも仕方ない。
8.少女の持っていた鋏に見覚えあり。
[備考]
ピエモンが自分の世界で何かしていたということがわかりました。
その情報はまだ永井博之にも話していません。



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sm68:「薔薇大戦 ~ 混世魔王 VS 白い魔王」(後編) 投下順 sm70:Cry for me, cry for you
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sm60:ひろくんのローゼン☆テンセイ 永井博之 sm87:メタル・ギア・ティアナ
sm60:ひろくんのローゼン☆テンセイ 水銀燈 sm87:メタル・ギア・ティアナ



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