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対象n ◆qwglOGQwIk




「ふう……」
あの悪魔の放送が終了するとともに、私は溜息を吐く。
ゆめにっきでぼやけていた頭でも、なんとか放送を聞き取ることが出来た。
最も、一部は処理し切れなかったので軽いメモを取っておいた。
ゆめにっきのことは一旦忘れようという意味を込めて、まずは名簿の確認をする。

まず、とても意外だったのはあのニートが生き残っていること。
無能を絵に描いたようなニートが私のようなやる気ある参加者に出会えばその時点で終わりだろう。
もちろんその逆でたまたま誰とも会わずに生き延びれたということもあるが、その可能性は低い。
仮にそうであったとしても次の放送で分かるだろう。誰にもあっていないとしても、その状態は長くは続かずに死ぬだろう。
だがニートは運良くそうでない参加者に保護されたため、生き延びれる状態になっているということだ。
運良くと言ったが、正しくはそれほど運良くなくともニートが生き残れるように細工されているとも言える。
なぜなら私の知り合い、つまりニート軍からの参戦者が異常に多いことだ。
霊夢、アリス、優曇華、魔理沙、圭一、詩音、魅音、富竹、レナ、水銀燈、そして私。
単純に70人中に11人の知り合いが居ることになる。1/7ともなれば結構な確立だ。
これに加えて元々乗り気でない人種を含めれば、半分程度がニートに好意的な人間と見ることが出来る。
当然この事実は私にも跳ね返ってくることになる。私が倒すべき敵の1/7が知り合いということになる。
単純な武力対決なら負けはしないだろう。
ニート軍で私に勝る武力を持ち合わせているのはここには居ないオヤシロ、赤坂、葛西、小此木隊長ぐらいなものだ。
だが、私は自業自得とはいえ左肩を負傷してしまった。これでは勝てる勝負も勝てなくなるのはあの大陸で学んだことだ。
幸いにも左腕は十分動くが、無理をすれば危ないだろう。
最も、問題はもう一つある。ゲンドウ軍の連中だ。
死んでしまったらしいキョンは除外しても、チョウモン、チョウソウ、ハルヒといった猛者が残っている。
直接対決で勝てるかといえば怪しい。ここに来る前にも散々チョウモンとチョウソウには苦渋を飲まされた。
現在負傷中のこの身では、奴らを相手にすることは出来ないだろう。

となると、だ。
既に1/7が脱落、うち一人はニート軍の人材。
このまま時を身に任せ、私同様敵が消耗するのを待ったほうが良いのでは無いかと考えられる。
私に何の落ち度が無ければその手段で良いのかもしれない、だが既に私は一人取り逃がしている。
その取り逃がした一人が私の危険性を伝え、私を排除すべく徒党を組んで襲い掛かられれば終わりだ。
長丁場である以上積極的に討って出る必要は無いが、場の状況を細かく把握しておく必要があると言える。
ニート軍の知り合いとなら、話せば共闘も出来るかもしれない。
ひとしきり考察を続けながら、私は味気の無い食事をする。
喉を通る食物の感覚が、私を妄想の世界から現実へと引き戻す。

そう、解決しなければいけない問題が二つ。
ひとつはゆめにっき。この先何が記述されているのかは気になるが、吐き気を催すほどのそれをもう一度目に入れる体力も自信も無い。
せっかく取り込んだ食物をまた吐いてはたまらない。
そしてもう一つは、左肩の怪我。
適切な応急処置は済ませているため、雑菌さえ入らなければいずれは完治するだろう。その頃にはこの殺し合いはとっくに終わっているだろうが。
薬局でさえ包帯、消毒薬、ギブスといった治療具が無い以上、これ以上本格的な左腕の治療をすることは難しいだろう。
支給品を当てにするというのは不確実であるため、残った腕を有効活用できるようにするしかないのだ。
ならば片腕で振り回すことのできる剣を、使いこなせるようにするのが最善の手段である。
だがこの鳥を模った柄を持つこの剣、とても扱い辛い。
剣の重心が変な所に取り付けられているため、下手をすれば振り回すつもりが振り回されるだろう。
名剣には違いないだろうが、じゃじゃ馬であるため乗りこなすのは大変そうだ。
左手が殆ど使用不能な現在、仕える武器が片手剣であるというのはありがたい。
できれば使い慣れた弓や矛槍のほうが良かったが、贅沢は言えない。

「さて……と」
食後の運動もかねて、私は王者の剣を室内で素振りする。
完全に使いこなすのは不可能だろうが、それでも感覚を掴んでおけば十分運用可能になるだろう。
重心をコントロールするのではなく、流されるようにひゅんひゅんと剣を振り回す。
通常の剣の型はまったく通用しないその奇妙な感覚に、一度は剣に振り回される羽目になる。
お陰で、壁に深い傷がついてしまった。
次はよりスムーズに、鳥が風を切るような感覚で剣を薙ぐ。
ひゅんひゅんと、ひゅんひゅんと、ぎこちなかった私の剣はようやくスムーズに動いてくれるようになった。

そうして素振りを続けるうち、私の目の前に音も無く悪夢が現れた。
鳥人間と形容して良いのか分からないソレは、あのゆめにっきに現れた奴そのものであった。
下らない、妄想に過ぎない。と頭の中で分かっていても、それは私に原初の恐怖を呼び覚ますかのように近づいてくる。
冷や汗が流れ、鳥人間はもう目の前に近づいてくる。
それがどうした、あの狂人の日記に私が付き合う必要なんか無い。アレに意味なんか無いんだ。
切り裂け、私の剣。
ひゅかっとその空間を切り裂いて、妄想の中の鳥人間は真っ二つに割れて消えた。
鳥人間を切り裂いたと思えば、次は白黒の女の子。これも一撃で叩き割った。
次は目玉の大群、少々骨が折れたが全て一撃で切り裂いた。
腕も、足も、幽霊も、風切るその剣で断ち切った。
そうやって切ることで、少しずつ、少しずつであるが、夢から覚めるような感覚が体の感覚を戻す。

そして最後に現れた妄想。それはニートと姫様であった。
楽しくパソコンの前で談笑する二人、その二人を見て、私は強引に剣を止めた。
彼らが何を言っているのか私には分からない。だがとても楽しそうに笑っているのは理解できた。
そう、それはかつて私たちが楽しんでいた異常な日常の一ページ。
そこに私は作ったご飯を運び、二人に食事の時間だからパソコンから離れるようにと催促をする。
そんな溜息だらけだけど、楽しかった日常が最後に現れた。
本当にくだらないと思った。あのにっきのせいでこんな白昼夢やら妄想やらを見る私の未熟さに。
何故切れない、切らなければ進めないのに?戻れないのに?
私は、誰のために戦っている?

――そう、姫様や皆のためだ。この命は私だけの物じゃない。
ニートが居なくなれば、あの中国大陸の皆を戻すヒントが消えてなくなる。
そのニートは殺し合いの術中、いつまで持つかは怪しく、脱出の道のりは無い。
だからこそ私は、悪魔に魂を売ってまで戦わなければいけないのだ。
切れ、切ってしまえ。
姫様が居ないことは名簿で何度も確認した。"輝"も"夜"の字も無かった。
これは唯の妄想なんだ。ではニートは?居る、だから?
切るしかない。脱出が不可能な以上、ニートを切るのは必然。

だから、その二人を、切った。
ひゅかっと音がして、妄想は立ち消えになった。
ガツンと床に大きな音がして、剣が刺さる。
汗をかきながら息を吐く私は、思わず頬をつねった。
痛い。でもその感覚が、今は現実だということを教えてくれる。
この殺し合いが現実で、日常はゆめのなか。
殺し合いに夢はいらない。とことん現実を突き詰めなければいけないのだ。

床に刺さった剣を引き抜き、服をパタパタさせて体をクールダウンさせる。
ゆめにっきをディパックに収納した後、水分を補給する。
その後外の様子を軽く探るが、人の気配は感じられない。
そうと分かった私は、水浴びでもして汗を洗い流そうと思った。
まだまだ先は長い。焦りは禁物と言い聞かせ、私は服を脱いでシャワールームに入った。




【E-3 町・薬局内部/一日目・朝】
【八意永琳@東方シリーズ&新世紀 東方三国志~ひぐらしの憂鬱~】
[状態]:肩に怪我(処置済み)、精神的疲労大、気分やや改善
[装備]:王者の剣@DQ3
[道具]:支給品一式(食料一食、水一本消費)、ゆめにっき@ゆめにっき
[思考・状況]
1.汗を流す。その後は付近を探索し、参加者を殺す。
2.ニートや皆を探す、必要なら共闘も考える
3.できれば怪我の本格的な治療をしたいが、期待はしない
4.ゆめにっきのことは一旦忘れる
5.ゲームに優勝し、悪魔と取引をして皆が元通りになれることを願う。



※永琳は自分の力が封じられていることを認識しました
※ゆめにっきを半分読みました
※海馬瀬人、外山恒一に関してはそれぞれ社長、活動家として認識しているため永琳の考察対象には入っていません。



sm72:蒼い鳥 時系列順 sm74:イチローのレーザービームでバトロワ会場滅亡
sm72:蒼い鳥 投下順 sm74:イチローのレーザービームでバトロワ会場滅亡
sm57:題名なんておこがましいと思わんかね 八意永琳 sm82:ウッドマン?が倒せない



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