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メタル・ギア・ティアナ ◆KJJLTUDBrA




ティアナが放送を聴いたのは、小部屋の調査を開始してからしばらくのことだった。

■ ■ ■ ■ ■

「ん……?」

どこからか響いてきた笑い声に、ティアナは持っていた本から顔を上げた。
本の題名は『弾幕講座』。死体周りの検分が終わった後、本棚で見つけた本である。
彼女は一瞬何か起きたのかと思ったが、すぐにあのピエロ達の言っていた放送だと気付いた。
部屋の中なので少し聞き取りにくかったのだが、重要な部分を聞き取るだけなら何ら問題はなかった。

「もう、十人も……」

放送の終了とともに、眉をひそめて呟くティアナ。その口調にはわずかな焦りが見て取れた。
ティアナは傍らの死体をちらりと見やる。
思い浮かぶのは、最速クリアなどとふざけたことを言っていた男と、この部屋にいた一人の少女のこと。
あの少女もまた、あの男のように殺し合いに乗ってしまったのだろうか。

「……どちらにしても、保護しなきゃいけないことには変わらないわね」

やれやれ、と彼女は首を振ると、とりあえず持っていた本をデイパックに放り込み、代わりに一枚の紙を取り出した。
先ほどの放送で言われていた名簿である。そこには確かに、以前はなかった文字が浮かび上がっていた。
それに目を通し、知り合いの名を探す。

(よかった、なのはさんがいる。あの人と合流できれば、当分は安心だ)

高町なのはは彼女の恩師であり、力や強さの象徴でもある。
少なくともティアナには、1対1であの人を倒しうる存在など、想像もできなかった。

(でも、さっきから念話がどことも通じないのよね。妨害を受けてるのか、そもそも距離が離れすぎているだけなのか)

小さな不安を抱えたまま、彼女は再び名簿に目を通す。

(他に私の知り合いは、いないわね。しかしこういうのは……)

仲間が巻き込まれなかったことを喜ぶべきか、それとも仲間が少ないことを嘆くべきか。
ティアナは複雑な気持ちだった。

「……まあいいわ。確認はこれぐらいにして、他を調べましょ」

名簿をデイパックにしまうと、後回しにしていたテーブルの上のものに手をつける。
何故後回しにしていたのかというと、それらがあまりにも使えないように見えたからだ。
もっとも、先に調べた本棚には『弾幕講座』という弾幕のよけ方の載っている本ぐらいしか役に立つものはなく、
他には『DTMマガジン』などという彼女には良くわからない雑誌ぐらいしかなかった。
その『弾幕講座』も、ティアナにはとても実戦で使えるようには見えなかったのだが。

(えーと、このビー玉は普通ので、この筒も……『くうき砲』? ただのおもちゃね)

そうして、色々なものを横に除けていくと、ダンボールだけが最後に残った。
ノート程度の大きさに畳まれたダンボール。それを広げてみてティアナは絶句した。
試しにもう一度畳んでみると、ダンボールは元のノートサイズに戻る。

「…………」

いったいいかなる仕組みなのか。
そのダンボールは展開すると、大の大人がすっぽり入れるほどの大きさになったのだ。

「……なに、これ」

もちろんティアナも、デバイスのような小さなアクセサリが、
巨大な杖などに変形するのは見知っているが、あくまであれは魔法の産物である。
魔法もなしに、このようなことができるなど、ティアナは見たことも聞いたこともない。
いったいどこの世界のものだろう、と思いながら、彼女は箱型にしたダンボールをテーブルに置いた。

「でも、戦闘では使えないわね。せいぜい被って隠れるぐらい、か。ま、この部屋はこんなものね」

次の部屋に行こう、とティアナは最後に部屋をぐるりと見回してみることにする。
煌々と輝く明かり。テーブルの上の使えないものの数々。本棚に納められた良くわからないたくさんの本。
そして物言わぬ、少女の死体。

「このあたりを一通り調べ終わったら、弔わせてもらいます」

死体に手を合わせ、とりあえずデイパックに荷物を詰め込もうと手を伸ばしたその時、
少しばかり遠くで『バタン』という音がした。

「…………?」

手を止めてティアナは振り返る。耳を澄ますと、わずかだが足音が聞こえ、それがこちらへ近づいてきているのがわかる。

(あのチンパンジーね。遅いから見に来たのかしら)

まだ他の部屋を調べていない、と伝えようと、ドアに近づく。
そして、ノブを回して少しだけドアを開いた時に、もうひとつの事実に気付いた。
──足音が一つ多いということに。

(! あいつじゃないの!?)

慌ててドアを閉めた所為で、ガチャンと少し音が出る。それが聞こえたのか、2つの足音が少し小走りになる。

(どうする、どうする私!)

相手が殺し合いに乗っていなければ、何の問題もない。
だがそうでない場合、こちらは使い慣れない鉈が一本、そして相手は二人である。

(やり過ごすにも、デバイスなしじゃ幻術も難しいし、隠れようにも隠れる場所なんか……ってあった!)
ティアナの視線がテーブルの上のダンボールに吸い寄せられた。だが、逆に目立つようにも思える。

(あーでも、考えてる暇なんてなないか!)

鉈を引っつかみ、ダンボールを被る。
そのままティアナがドアの横にしゃがむのと、ドアが開くのは、ほぼ同時だった。

■ ■ ■ ■ ■

「あらあら、どうやら大正解だったみたいよぉ?」
「…………」

水銀燈が手で指した方を見て、永井博之は思わず手で口を押さえた。
現代日本では、死体を見る機会などほとんどないに等しい。ましてや背中をメッタ刺しにされた死体など、
一生で一度見るか見ないか、といったものだろう。彼の反応は、実に一般人らしいと言えた。
対する水銀燈も、口調こそいつものままだが、多少表情を引き締めている。

「しかし、ひどいわねぇ。なにもここまでしなくても、人間なんて簡単にジャンクになるのにぃ」
「……水銀燈。おまえ、その言い方はかなりアレやぞ」

博之の言うことなど意に介すことなく、水銀燈はズイズイと部屋の奥へと進む。

「おい、水ぎ──」
「変ね」

水銀燈が突然立ち止まる。そのため、彼女の後ろを歩いていた博之は少しつんのめった。

「……っつつ。なんぞ見つけたんか? 水銀燈」
「あなたは疑問に思わないのぉ? この部屋を見て」

博之は少し首をかしげて部屋を見回す。
天井で輝く蛍光灯。所々の壁には血痕がついている。
テーブルの上にはデイパックとともにおもちゃのようなものが散乱し、本棚にはなにやらたくさんの本が並んでいる。
そして、部屋の入り口の横にはダンボール箱が伏せてあった。

「特におかしなとこはないけどなぁ。なんでこんなとこに電気が通ってるかってのが不思議やけど」
「そこじゃないわぁ、ひろゆき。あれよ、あれ」

水銀燈が指差したのはテーブルの上である。

「ん? 確かに散らかってるけどそれが……」
「あなたは馬鹿ぁ? わたしが言いたいのは、どうしてあの子はデイパックも他のアイテムも持って行かなかったのか、ってことよぅ」
「あー、それは動転してたとか……」
「ふつう、動転してたらあの鋏も放り出していくでしょぅ? あの鋏だけ後生大事に持ってる意味がわからないじゃない」

そこまで言われて、博之はやっと水銀燈の言いたいことに気付いたようだった。

「なるほど。つまり、誰かに見られたから、デイパックも取らずに逃げたって言いたいわけな?」
「まあ、わたしの考えは推測に過ぎないけどねぇ。でも、もしかするとまだ誰かこの近くにいるのかもしれないわぁ」
「そういえばそうやな。この部屋に来たのもなんか音が聞こえたからやし。じゃあ、まだ探せば──」
「いぃえ。どうやらあちらから来たようよ」

水銀燈の言葉に博之が振り返る。すると、入り口の影から人影が現れ、博之は驚きの声を上げた。

「ジーコ!」
「ひ、ひろゆき! おまえ無事だったか!」

おもわず永井浩二は博之に駆け寄る。まさに感動の再開である。
だが、この二人に限ってはそんなことがあるはずもなく……。

「……ってくっさ! めちゃくっさ! おまえ、俺の落とした鍵を拾ったやろ」
「鍵? さっき拾うたけど、あれお前のなん? じゃったら返そうか……」
「いや、捨てろ。それは捨てろ、くさいから」

すぐにそんな兄弟げんかを始めてしまった。
しばらくあっけに取られていた水銀燈だったが、このままじゃ埒が明かない、と口を開いた。

「……ほらぁ、二人で盛り上がってないで、わたしにも説明しなさぁい。ひろゆき、この男は誰?」

それを聞いて、二人はやっと兄弟げんかをやめる。

「ああ、そういえば紹介してなかったな。こいつは俺の兄貴のジーコ。前にも言ったようにネットで配信とかやってる」
「わたしはローゼンメイデン第一ドールの水銀燈よ。よろしくぅ」
「あ、そういえばお前らティアナ見なかったか? この辺を調べてるはずなんやけど。あと俺はジーコじゃのーて浩二な」

水銀燈と博之は顔を見合わせた。
「いや、見てないな」
「そうねぇ、見てないわねぇ。というか誰よ?」

「……まぁ、さっきからここにいたんだけどね」

三人がそれぞれ『え?』と振り返り、声のしたほうに目をやるとそこにあったのはダンボール。
そしてガバ、とダンボール箱が持ち上がると、その中から出てきたのはティアナであった。

■ ■ ■ ■ ■

「そうねぇ、もう一人いいかしらぁ」

衝撃的なティアナの登場から数十分。
混乱の収拾や、ティアナの説明などでだいぶ時間が取られたものの、
ティアナたちはさっきまで浩二がいた部屋に向かっていた。
死体がある部屋ではだれも長居したくないことと、多少広いこと、
そしてデイパックなどは向こうの部屋に置きっぱなしだったからである。
だが、途中で情報交換をしたものの互いに持っている情報は少なく、
せいぜい『高町なのは』と『永井けいこ』についての情報を交換する程度だった。
そして、この二人を探そう、という方針が決まり、もうすぐ部屋に着くというときになって、水銀燈が突然口を開いたのだ。

「この、アリス=マーガトロイドというのもぉ、ついでに探してくれない?」
「別に良いけど……知り合いですか?」

ティアナが当然の疑問を口にする。

「そうねぇ。もしかすると知り合いかもしれないしい、そうでないかもしれないわねぇ」
「「「?」」」
「まあ、わたしにも色々とあるのよぅ。色々とね……」

全員がわけのわからないといった顔をする中、水銀燈は、あいまいに言葉を濁しただけだった。



【E-4 塔内部/一日目・朝】
【永井博之@永井先生】
[状態]:疲労、全身打撲、鼻骨折(やばい角度に曲がってるのは戻りました)
[装備]:金属バット、薬草(69/99)@勇者の代わりにry、塩素二号の鍵@化学の教材ビデオ
[道具]:支給品一式*3、甲羅セット@スーパーマリオシリーズ、座薬@東方project
    ゴム@思い出はおくせんまん、自動ぶんなぐりガス(1/2)@ドラえもん ビー玉(30個ほど)@ピタゴラスイッチ
[思考・状況]
1.とりあえず『なのは』『けいこ』『アリス』の捜索。
2.小部屋の死体の埋葬。
3.煙草吸いたい。でも禁煙するか……。
4.鍵は捨てないつもり。
5.薬草無くなったら体力ヤバイな。
6. 水銀燈と一緒なら生き残れるかもな。
7.人は殺したくないが、戦うのは水銀燈。最悪仕方ない
[備考]
博之の周囲で刺激臭がします。

【水銀燈@ローゼンメイデン】
[状態]:健康
[装備]:真紅のローザミスティカ@ローゼンメイデン(真紅の技が使えます)
[道具]:三幻神@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(ラーのみ使用可だが遊戯、海馬などのみ)
    オレイカルコスの結界@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ (24時間使用不可)
[思考・状況]
永井博之と契約
1.とりあえず『なのは』『けいこ』『アリス』の捜索。
2.あの少女(キョンの妹)を警戒。
3.長身のピエロを殺す。その仲間も殺す。
4.仲間を探して、脱出する。役に立たないなら別行動してもらいたい。
5. 脱出不可なら最後まで生き残る。最悪優勝するしかないのか?
6.ピエロの思惑に乗りたくないから、できるだけ人は殺さない。
7.襲ってきた奴とは戦う。殺すのも仕方ない。
8.少女の持っていた鋏に見覚えあり。
9.アリスという名前がどうしても気になる。
[備考]
ピエモンが自分の世界で何かしていたということがわかりました。
その情報はまだ永井博之にも話していません。

【ティアナ=ランスター@魔法少女リリカルなのはStrikers】
[状態]:健康
[装備]:鉈@ひぐらしのなく頃に
[道具]:支給品一式*2 ダンボール@メタルギアシリーズ 本『弾幕講座』
[思考・状況]
1:とりあえず『なのは』『けいこ』『アリス』の捜索。
2:小部屋の死体の埋葬。
3:塔の周囲に危険がないか確認する
4:殺し合いに乗っていない人達を集める
5:その後、どうにか殺しあわずに済む方法は無いかを考える
6:人殺しはしたくない
※キョンの妹の危険性には気づいているが、それでも信じたくない

【永井浩二@永井先生】
[状態]:基本的に健康だがニコチン不足
[装備]:なし
[道具]:支給品一式*2、強制脱出装置@遊戯王(次の0時まで使用不可)、くうき砲@ドラえもん、他未確認支給品
[思考・状況]
1:とりあえず腹が減ってきた
2:煙草欲しい
3:死にたくはない
※キョンの妹を警戒

※全員がダンボール@メタルギアシリーズの効果に気付いていません。
※小部屋内にあったアイテムは、適当に分配されました。



sm79:ミナミヘミナミヘ 時系列順 sm76:勇気を受け継ぐ子供達へ
sm86:アイドルとして音程がぶれている 投下順 sm88:そして伝説の木の上で
sm69:行く先は 永井博之 sm94:愛媛のジャンク/凡人打開配信(前編)
sm69:行く先は 水銀燈 sm94:愛媛のジャンク/凡人打開配信(前編)
sm54:体は大人、頭脳はチンパン ティアナ=ランスター sm94:愛媛のジャンク/凡人打開配信(前編)
sm54:体は大人、頭脳はチンパン 永井浩二 sm94:愛媛のジャンク/凡人打開配信(前編)



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