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阿部高和はキョン君の大切なものを盗んでいきました ◆qwglOGQwIk




気がついたら一面雪景色とは、あの悪魔達はずいぶんと嫌がらせが好きらしい。
というか、殺し合い以前に寒くて死ぬだろう。マジでそれどころじゃない命の危機だ。
突然殺し合いに巻き込まれた俺が言うのもなんだが、もうちょっと普通の戦場っぽいのを用意するって言うのが筋だろう。
山から遠くを見ると祠が見える辺りがまた憎い。
あそこまで歩けということか。もはやこれは新手の虐めだとしか思えないぞ。
と言っても歩くしかない。さすがにこのまま凍えて死ぬのは嫌だ。というか殺し合いも凍死も真っ平御免だ。
とりあえず祠へ行って暖を取る。それから古泉や長門に助けを求める。
後、ハルヒの奴も探してやらんといかんな。
これだけ大規模な誘拐事件で、俺だけ巻き込まれてハルヒは巻き込まれてないなんてことはないだろう。
もしそうなら納得いかん。なんで平凡だけが取り得の男子高校生がこんな現実離れした出来事に巻き込まれなきゃいけない理由があるのか。
それだけではない、あの場には悪魔だったり明らかに人間以外の生物だったりと、現実離れした出来事が次々と起こっているのを目撃した。
仮にハルヒが居ない場合、何故俺がこんな大掛かりな殺し合いをやらなければいけない?
殺し合いに限らず、大きなイベントや事件には何らかの利害が絡むのが普通の道理といったところだ。
残念だがいたって普通の男子高校生の俺でも該当する理由が一つだけある。ハルヒ絡みや宇宙人や未来人の派閥といった所だ。
そうなれば、何らかの理由でハルヒを巻き込まない訳には行くまい。
……いかん、マジで寒くなってきた。考察なんてしてないで少し走るか。

20分ほど歩いたか、今度は雪の森の中へと突入した。地図によれば例の祠まで後半分といった所か。
だが、疲れる。平凡な町の暮らしをしている身には、雪道はちょっとばかりハードすぎる気もしないでもない。
この状態で誰かに襲われたら、足の間隔が徐々に無くなりつつあるこの状況では逃げ切れまい。

「よう」

後ろから声がする。一応声をかけてくれる辺り、どうやらこの悪趣味な殺し合いには乗り気でないようだ。

「はぁ、一体なんでしょうか?」

目の前には、青いツナギを着たガタイのいい男が佇んでいた。

「俺は阿部高和っていうんだ。よろしくな」
「はぁ、俺は周りからキョンと呼ばれている者ですが……」
「そうか、よろしくなキョン君」

そういってフレンドリーに手を出してくる阿部高和という男。
そんなに悪い人じゃなさそうだし、握手をしながらニコニコと笑いかけてみることにした。
そんなわけでこの殺し合いの場で始めてあった人間と、情報交換をしてみることにした。
阿部さんは自動車の修理工をやっているらしく、こんな場所には巻き込まれる縁なんて思いつかないのだと。
うーむ、ちょっとワルっぽい雰囲気はあるけど、俺が見た限りではそんなに変な人には見えない。
少なくともハルヒが喜ぶ人種ではあるまい。謎だ。
あの悪魔は一体どういう基準でこの悪趣味な殺し合いに参加する人物を選んだんだ?
その後は支給品を見せ合うことにした。阿部さんはずいぶんと物騒な銃を取り出して見せた。AK74というアサルトライフルらしい。
まあ、殺し合いとは縁が無い日本人には手に余る武器だけど、いつ襲われるか分からない身としては自衛の手段があるのはありがたい。
ちなみに俺の支給品はノートパソコン。こんなものでどうやって人を殺せと?

「ははっ、キョン君は意外とラッキーかもしれないぜ。ノートパソコンには何か役立つ情報があるかもしれないしさ」
「ですが、こんな雪景色の中でノートパソコンを弄っても、何か分かる前にこっちが凍えてしまいそうです」
「そうだなぁ、とりあえず祠へと向かうとするかぁ」
「ええ、そうしましょう」

そんなわけで立ち話もアレといった所なので、落ち着ける祠へ向かう一歩を踏み出す。
ふと気がつけば、俺は真っ白な雪に顔をめり込ませていた。どうやら雪に脚を取られて転んでしまったらしい。

「ぷはっ!」
「おやおやキョン君、もうへたばったのかい」

悔しいが少しばかり疲れているのは事実だ。というか足が痛い。

「いやいや阿部さん、心配しなくても大丈夫ですよ」
「まぁまぁ、疲れてるのに無理はよくないぜ」
「確かにそうですが、今は歩かなけりゃいかんでしょう」
「まあ意地を張るなって、俺の背中でも借りてみないかい」

そういって阿部さんは俺の目の前でしゃがみこむ。
……まあ、俺が足を引っ張って阿部さんに迷惑をかけるわけには行かないし、世話になるとしよう。

「すみません阿部さん。背中、借りますね」
「ははは、いいってことよ。その銃はキョン君に貸すよ、何か会ったら頼むぜ」

阿部さんは背中に人一人を抱えているにも拘らず、結構なペースで雪道を歩いている。
これで俺が背中を借りなかったら、祠にたどり着くまでの時間はかなりかかるだろう。
どうやら、俺もそろそろ体力作りというものを考えなければいけないらしい。

そんなわけでしばらく阿部さんの広くて暖かい背中に揺られた俺は、やっと暖かな祠へと到着した。
祠の中はいわゆる典型的な西洋の教会風といった所で、左右に広がるソファーが徒然と並んでいる。
聖堂の真ん中には神父さんが祈りを捧げそうな台座があり、上を見上げれば大きな十字架が掲げられている。
そんなコテコテの教会から奥へと進み、暖炉のある部屋へと到着した。
早速俺は暖炉に火を灯すと、雪道で凍えた体を温めることにする。
……いかん、安心したら急に下半身が催してきた。

「阿部さん、すいませんがちょっとトイレへ行ってきます」
「ん?キョンもなのか、俺も付き合うぜ」

どうやら連れションということらしい。
谷口や国木田に連れまわされることはあったが、まさか大人の男性とお付き合いをすることになるとは。
男の尊厳を挫かれてはたまらない為、阿部さんのほうは見ないことにしよう。

「ん、これは……」
「どうやら、先客が居るみたいだな」

トイレへ向かう最中に見つけたのはディパック。
俺たちも持っているタイプで、これはつまり先客が誰かここに来ているということを示している。
だが、何故このディパックをここにおいておく?罠で無い限りはこんな所にディパックを捨てておいたりはしないだろう。

「……罠、でしょうか」
「男は度胸、ここは確かめてみようぜ」

阿部さんの言うことも最もである。念のため袋を振ってみて中身を確かめる。
音を聞いた限りでは特に変なものが入っているとは思えない。意を決して中身を確かめることにする。
中身は空っぽぐらい予想していたが、予想に反して中身はなんと支給品が一式詰まっていた。
それに加えて、なにやらカードのようなものまで入っている。説明書も同封されていたので呼んでみる。

「えー……、バーサーカーソウル。手札を全て捨てることで効果発動。
 デッキからカードを引き、そのカードがモンスターで、それを墓地に捨てることで自分フィールド上の攻撃力1500以下のモンスターは何度でも追加攻撃ができる。
 目の前に掲げて、速攻魔法発動!バーサーカーソウル!と叫ぶと効果が発動します」

なんだこの説明文は、どう見ても唯のトレーディングカードとしか思えない。

「一体何なんでしょうね……」
「さあ、俺には分からん」
「そうですね。ま、何があるか分からないし貰っていきますか」

そして俺はその謎のディパックを持っていき、ポケットにカードをしまうと、当初の予定通りトイレへ向かうことにする。
仮に人が居てもだ。こんな所にディパックを置いておくような馬鹿は警戒をする必要すらないだろう。

そんなわけで、何故か西洋風の祠に取り付けてある一般的な日本のトイレで用を足している最中のことだった。

「やらないか」
「は、はぁ?」

一体阿部さんは何をやりたいんだろうか、それとも何かのメッセージだろうか?
なんて思ったのも束の間、阿部さんはツナギのジッパーを目の前で下ろしたではないか。
股間には阿部さんの立派なアレが、一体なんだこれは。
阿部さんも普通の人だと思っていたが、前言撤回。

「このままじゃ、収まりがつかないんでね。悪いなキョン、いちいち誘惑してくるお前が悪いんだぜ」

理解不能、逃亡決定。
だがしかし、俺は不幸にも回り込まれてトイレの床に押し倒されてしまう。

「がはっ!」
「俺はノンケでも構わずに食っちまう人間でね」

ノンケって一体なんなんだ。だがじたばたと足掻いても効果は無い。
俺の必死の抵抗にも拘らず、北高の制服は次々と脱がされて行く。
もう誰でもいい、助けてくれ。このままじゃ死ぬより辛い目に会いそうだ。

「WAWAWA忘れ物~」

そんな俺の願いが通じたのか、トイレの入り口に人が来たではないか。
しかもラッキーなことに谷口、アホで頼りないがこの状況では貴重な顔見知りの友人だ。

「緊急事態だ。助けてくれ!」
「…………すまん、ごゆっくりぃぃぃぃぃ」

谷口、殺す。

「なんか変なのが来たが、俺達の愛の語らいの前に消えていったみたいだな」

谷口のアホに期待したのが馬鹿だった。こうなったら自分でなんとかするしかない。
ポケットの中にはカードが一枚。もうこうなったらもうこれに賭けるしかない。

「速攻魔法発動!バーサーカーソウル!」
「キョン君、こんなところでカードを振りかざしても無駄だぜ……」

くそ、無駄だったか。人も大概だが物にまで裏切られるとはショックだ。
この状況助けてくれるなら誰でもいい。長門、早く助けにき……




「アッー!!!!!!!!!!!!!」



【キョン@涼宮ハルヒの憂鬱 死亡】
【残り 67人】


【A-1 祠】
【阿部高和@くそみそテクニック】
[状態]:満足
[装備]:AK74@現実
[道具]:支給品一式*3、ノートパソコン@現実、バーサーカーソウル@遊戯王デュエルモンスターズ
[思考・状況]
1.ああ、満足したぜ……
2.せっかくだから男は全部食っちまうんだぜ(性的な意味で)

※祠のトイレには見るも無残なキョンの死体が転がっています



すまん、キョン。
俺にはあの薔薇色空間に突っ込む度胸は無かったんだ。分かってくれ。
俺、お前のことはずっと忘れないからな。


【A-1 雪原】
【谷口@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1.いたたまれないので逃げる
2.すまんキョン、いつか屍は拾ってやる。


※バーサーカーソウル

手札を全て捨てることで効果発動する。
デッキからカードを引き、そのカードがモンスターで、それを墓地に捨てることで自分フィールド上の攻撃力1500以下のモンスターは何度でも追加攻撃ができる
目の前に掲げて、速攻魔法発動!バーサーカーソウル!と叫ぶと効果が発動する。
ここで問題なのはモンスターカードの存在。デッキからモンスターカードをドローできなければ何の効果も無い。
つまり単体ではただのゴミ。おまけに一度使用するとしばらく使用不能。



sm05:いわゆる一つの裏技 時系列順 sm07:ニートロールムスカ添え
sm05:いわゆる一つの裏技 投下順 sm07:ニートロールムスカ添え
  阿部高和 sm49:俺のターンはまだ終了してないっぜ!
sm00:本日は──動画にごアクセス頂き キョン sm49:俺のターンはまだ終了してないっぜ!
  谷口 sm39:ぽよまよ ~口先の魔術師~



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