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蝶々と薔薇と乙女 ◆7d53oKGJP2




蝶と薔薇と乙女 二重極域乙女


蝶々とは言っても何故か糸を吐き、硬くなることが出来る寸胴体型の紋白蝶。
薔薇とは言っても片方の腕を失ったのに幸福な状態のボロボロな呪い人形。
乙女とは言っても完全に秋葉原色に染まったオタッキーな一般少女。

これは彼女達の愛と葛藤と物語り…かどうかは判断できない。
この殺戮のゲームの中にあるにしては意味がわからないチーム。
放送の少し前になればE-4の塔に向かうのだが…
それにはまだ、時間が残りまくっているのである。
周囲にマーダーがいるかもしれない状況で迂闊に動くわけにもいかず、
とりあえずコロネに見張りをしてもらっているのだが。

「クンクン、あなたにお茶も菓子も出すことが出来なくて恥ずかしいわぁ。
 今は乳酸菌しかなくてぇ……でもこれも結構おいしいのよぉ?
 あなたがいっつも飲んでいる紅茶には劣るかもしれないけど。」

独りで延々と動かないヌイグルミに話しかける水銀燈を尻目に、
こなたはフタエノ極意書を読み続けていた。

『フタエノキワミ、アッー!』
「ふたえのきわみ、あー…」
『.rar!』
「らる…」
『シークレットソード・トゥー! グゥルェーン・カイナァ!』
「しーくれっとそーどとぅー、 ぐれんかいなぁ…」
『ガトツ・ズィロスタイル!』
「がとつぜろすたいる…」
『マコトCCO!』
「まことしーしーおー?」
『強姦パゥダァ!』
「強…」

読んでも読んでも、むしろ読むほどに意味がわからなくなってくる。
自分はこれを習得していいものだろうか? どんどん不安になってくる。
何故ならば『フタエノキワミ』を使っている主人公らしい男が噛ませ犬にしか見えないからだ。
フタエノキワミって、すっごく弱いんじゃ…
でも、大きな木を殴り倒しているところを見ると、威力は高いようだ。
しかし次のページでは渾身の一撃と見える攻撃を素手でキャッチされている。
そして「アッー、ァッー…」と地面を転がり悶える。

「あれ、読み終わっちゃった」

彼女がどう思おうが、ページは終わっている。
このフタエノ極意書、完全にネタアイテムだったのだろうか。
どちらにしろ、休むどころか目が疲れるだけの結果になってしまった。

「どこの誰が買ったのやら…」

そう思いながら裏表紙を見ると、そこには思いがけない文字があった。

『 税込み 10000円 』

そのありえない値段に驚いて、つい呆然としてしまった。


「クンクンに前から訊きたかったんだけど、クンクンはどんな子がタイプなのぉ?」

見回りから戻ってきたコロネが見たものは、答える口のないヌイグルミに変な質問をぶつける壊れた人形だった。
もしかして見た目だけじゃなくて、本当に壊れてしまっているのでは?
と心配するが、単なる恋煩いの一種であると無理やりに納得した。

「フリッフリフリ、フリー?(ヌイグルミに話しかけても無駄でゲスよ?)」
「あぁら、見張りご苦労様。それで、なんかあったぁ?」
「フリ…」

何もなかったと言う様に首を振るバタフリー。
この時、彼は自分が地雷を踏みそうだったという事を知らない。
もし水銀燈の前でクンクンを単なるヌイグルミ扱いなんかしたら…?
どちらにしろ、言葉が通じない事で彼は事無きを得たのだった。

「何もなかったのねぇ。じゃ、また行ってきて」

なんというドSっぷり。そこのヌイグルミとバタフリーとでは、扱いがこうも違うのか。
まあ、水銀燈の目がクンクン以外の何も見ていないのを見ればわかるのだが。

「あ、コロネおかえり」

親であるこなたがようやく自分に気付いたが先程よりも疲れていないか?
ポケモンである自分には関係のない話だが、あの本を読むのはすごく疲れるようだ。
本当は読んでいた時間が全て無駄になった……という脱力感からそんな表情だったのだが。
仕方ないと思い、何もなかったことを伝えるとコロネはもう一度周囲の見張りにつく。

蝶々と薔薇と乙女 水銀燈混乱


「こなたぁ、あなたはどんな女の子が究極の少女だと思う?」

突拍子もない質問ではあったが、水銀燈は真面目に訊いているようだ。
こなたをリラックスさせる気遣いもあったのかもしれないが、理由の大半は暇つぶしである。
ネットラジオでもできればそれで時間を潰すのだが、残念ながら環境もリスナーもない。

「究極の少女……うーん?」

水銀燈は自分の父であるローゼンの事、また彼の為のアリスゲームの説明をした。
アリスゲームで最後まで勝ち残ったドールはアリス、つまり究極の少女になるのだと。

「ようするに、一番萌える女の子になれればいいんだね?」
「…………萌えですってぇ?」

質問をした水銀燈が逆に首を傾げる事になる。
究極の少女は最も萌える少女……これは水銀燈の中では新説となるのだが、
いまいち意味がわからない。

「一番可愛い子になれればいいんでしょ、要するに」

(雛苺くらいの子供にもわかるくらいカンタンに言えばそうなるかしらぁ?)

「じゃあ、萌えっ娘になればいいんだよ!」

今まで至高の少女とは何か? という問いに
『どんな花よりも気高く、どんな宝石よりも無垢で、一点の穢れも無い、至高の美しさを持った究極の少女』
という答えが姉妹の中で共通していたが、『萌え』の二文字で終わらせられる事になるとは思わなかった。

「……で、それにはどうすればいいのかしらぁ?」

もちろんこなたの答えを鵜呑みにしたわけではない。
ただ、延々と時間を潰すのは癪なので、流し半分な答えしか出さなかった。

「その胸に巻いた包帯と男物の上着でも結構な高ポイントだよ~!」

よくはわからないが、こなたはよっぽどこの格好を気に入っているらしい。
もしかして自分の父も似たようなものなのか? と思ったが、姉妹の服は全てドレス。
つまりコレは違うのだと思う。

「服装じゃなくて、……うーん」

「お父さんは他にどんな子を作ったの?」

自分の姉妹の事を訊かれるとは思わず、水銀燈は顔をしかめる。

頭によぎるのは……第五ドール、自分のライバル、真紅。
真っ赤なドレスに女王気質で……自分をジャンク呼ばわりしたドール。
(アンタをジャンクにするのは私なのに、勝手にジャンクになられるのは困るわぁ)
ピエモンを殺しても彼女が戻ってくるかはわからない。
(この私以外のヤツにジャンクにされて、一体どう開き直るつもりかしらぁ?)
でも、自分が殺し合いに乗らないのは真紅を笑ってやる為。

「そうねぇ、お高く留まってたクセに肝心なところでヌケてる妹がいるわぁ。
 元の世界に帰ったらまず最初に馬鹿にしてやる。
 アリスゲームを止めるだの私を止めるだの言っておきながら……」

そこまで言って口ごもる。
アリスゲームに積極的だった自分が、このゲームを止めようとしている。
何の因果かは知らないが、自分も随分と変わったものだと思い知らされる。
真紅の周りにいた妹達。彼女達もアリスゲームには乗りたくなかったようだ。
(アリスゲームを止めようとしたアンタの心境、悔しいけど今なら理解できそうねぇ……)

次に思い出すのは第三ドール、翠星石。

「人見知りで臆病なくせに、生意気な妹もいるわぁ。
 双子の片割れがいないと何もできないくせに口だけは達者で
 姉妹で争うのが嫌だ~なんて最後まで言ってたわ……」

最初からアリスゲームに異を唱え、姉妹で仲良く暮らす事を望んでいた。
『動かなくなる妹を見たくない』と、ゲームに乗ったドールから他のドールを庇い続けた。
それを引き裂いたのは……自分である。
彼女の双子の片割れを倒し、ローザミスティカを奪った自分。
マーダーという言葉が自分自身のイメージと重なり、思わず身震いする。
(ふん、罪を償うって決めたばかりなのに……)

第四ドール蒼星石と第六ドール雛苺の事も思い出す。

「ジャンクになってしまった妹もいるわぁ。
 どうしようもない甘えん坊と、生真面目でミーディアムの言う事に何でも従っちゃう子だったわ」

自分が彼女達をジャンクにするきっかけを作ったのだ。
許されない。許されるはずが無い。でも、償ってみせる。
そのために自分は今ここにいるのだから。

(あと他に誰かいたかしらぁ?)

『ふっふっふ~♪ ローゼンメイデン一の頭脳派、このカナ――』

「そんなところねぇ」

『金糸雀のことを忘れちゃ嫌なのかしら~ッ!』

(あぁ。……カナブン?)

今、やたらとリアルな声が聞こえた気がしなくもないが、多分気のせいだ。
乳酸菌を飲んでリラックスするべきだ。
乳酸菌はいい。全てを包み込むような素晴らしさだ。

(博之がまた混乱しているのかしら? 何をやってるんだか……)

「みんな可愛い女の子だね。」

こなたがあろうことか、にっこり笑いながら感想を述べていた。

「ちょっと聞いてたの? 今の紹介の何処に可愛い部分があるってのぉ?」
「皆可愛いよ。水銀燈も。」
「……?」

さっきから調子が狂いっぱなしだ。自分のミーディアム……いや、元・ミーディアムのめぐにも、調子を狂わせられ続けていた。
まさか同じような『私はジャンクなの~』だの『私の命を吸い取ってぇ~』なんて言い出したりしないだろうか?

「幸せを守ろうとするのも、誰かと一緒にいたいと願うのも、大事な人の願いを叶えたいと思うのも、
 全部全部、女の子にとって大事なものだよ。 み~んな可愛い姉妹じゃないの」
「答えになってないじゃない。みんながみんな『可愛い』じゃあお父様も困るわよ」

めぐと同じ台詞を吐くかと思えば、真紅と同じ言葉だった。

「お父さんは、全員可愛いから『一番可愛い子』を決められなかったんじゃないかな?
 多分、皆に囲まれてハーレムをしたかったんだよ。 ハーレムって憧れるよね!」
「ハーレム……? お父様が、ハーレムですってぇ!?」
「だから色んな性格の子を揃えたんじゃないのかな? その時々のニーズに応えるために」

(お父様が……お父様が……!
 ハーレムをしたいがためにドジっ娘とツンデレっ娘とボクっ娘と女王っ娘とロリっ娘を作ったのぉ!?
 いやでも、ドレスだという統一はあっても性格に統一感は全然無かったし…)

水銀燈はへたれこんでしまい、今まで自分の中にあった父のイメージがガラガラと音を立てて崩れていくのを感じた。

「お父様……」
「きっとお父さんも、みんながアリスになろうと頑張ってるのを見て萌えてるんだよ!」
「い……嫌あああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

まるで、自分がローゼンメイデンではなく、ただの未完成の人形であると知った時のようなショック。
今まで信じてきた絶対なる『父』の偶像が、単なるオタクと同じレベルであるとこなたは言うのだ。

(真紅の家に他の人形が集まっていたのは、それに気付いたからだっていうのぉ?
 いいえ、博之の所為ね。博之が変な事ばっか考えてるから私が混乱するんだわぁ! 博之、少しじじゅうしなさいよぉ!?)

博之がどんな目にあっているかなど全く気にもせず、水銀燈は今の精神状態をミーディアムの所為にする。

(落ち着きなさい……落ち着くのよ水銀燈、COOLになりなさぁい?
 お父様が何であろうと、今までとやる事は何も変わらないのよ。きっとそうよぉ。
 最も愛されるドールになるために、『萌え』を極めればいいのよぉ!)

「こなた、私はどんな『萌え』をすればいいのぉ!?」
「ツンデレでドジで女王様気質でロリっぽいボクっ娘になればいいんだよ、くんくん」

水銀燈の茶(ヤクルトだが)の相手をしていたぬいぐるみのくんくんが、代わりに結論を出す。

「わかったわくんくん、私、お父様の為に頑張るわぁ!」




こうして水銀燈は究極の乙女となるために、ツンデレでドジで女王様気質でロリっぽいボクっ娘を目指す事になった。



                                               ~ニコニコ動画バトルロワイアル Fin~

蝶々と薔薇と乙女 不安


「――ぎんとう、水銀燈、水銀燈!」
「う、う~ん…………ハッ!!」
「水銀燈、目が覚めた? ものすごい表情でうなされてたから起こしたんだよ」
「あ、、、ありがとう。何時の間に眠ってたのかしら?」
「コロネがもう一度見回りに行った後にはもう寝てたよ」

(危ない危ない、無用心だわぁ。どんな夢だったかしらぁ。 危なかったような惜しかったような気がするわぁ。)

目が覚めてもそこは見慣れぬ部屋の中で、やはり死のゲームは続いていると実感する。
傾きかけた赤い日が暖かい光を家の中に落としており、自分が随分と眠っていた事を知る。
くんくんのぬいぐるみはそのままで、水銀燈は何故かホッとする。だがそれも束の間。

「次の放送まで、あと3時間くらいかな。圭ちゃん達はまだ帰ってこないんだ……」

こなたの表情が暗くなる。日中に出かけたピッピと圭一が帰ってこない、それはつまり
二人の身に何かあったという可能性。そして、確かに塔には銃を振り回すマーダーがいたのだ。
だが、水銀燈の指にある薔薇のリングはそのまま。つまり、博之は生きているのだ。

「放送の一時間前になったら塔に向かおう」

こなたの疲れは大分マシになったようだ。
いつまでもここでじっとしているわけにもいかない。少し早目にでも、塔へ向かうべきか。

「わかったわぁ、体の調子もよくなってきたし、いつでも出発できるわよ」

夢の中身がなんであれ、眠ったのは水銀燈にとってプラスだったようだ。
オタチのパンチにより麻痺していた体も、眠った事で痺れがほとんどなくなっていた。

(今のうちに確かめておかなきゃねぇ)

水銀燈は自分と真紅が有していた能力を検証する。すなわち、人形の操作。
幸いにも部屋には沢山のぬいぐるみがあるので、被検体には困らない。

(やっぱり制限は強いわねぇ…)

家の外に誰もいないのを確かめて、窓からこっそり小さいぬいぐるみを飛ばしてみるが、
20メートルあたりでポトリと地面に落ちてしまう。力が届かなくなってしまうのだ。
また、別の大きなぬいぐるみに部屋の本棚を持ち上げさせてみたが、かなり苦戦している。
博之から大量に体力を吸収すればもっと力は出るだろうが、そんな事をして博之が死んだら意味が無い。

愛しのくんくんや他のぬいぐるみを袋につめ、準備は整えた。
こなたも、あの漫画本を一応持っていくようだ。

「こなた、そのフタエノキワミというのは習得できたのぉ?」
「ううん、ずっと意味不明だったよ…」

塔へ出発するまであと二時間。
圭一とピッピは、帰ってこない。


【E-4 民家/一日目・午後】
【泉こなた@らき☆すた】
[状態]:顔面強打、右腕打撲、腹部強打、(これらの痛みはひきました)  強い決意
[装備]:おたま@TOD、団長腕章@涼宮ハルヒの憂鬱、フタエノ極意書@ニコニコRPG
[道具]:支給品一式*2、DMカード(ブラック・マジシャン・ガール、ホーリーエルフの祝福)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(現在使用不可)、カワサキのフライパン@星のカービィ
デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、コロネ(バタフリー)@キャタピーだけでクリアに挑戦(残り100%)、テニスボール テレパしい@ドラえもん(残り3粒、初音ミク@現実
モモンの実*3@ポケットモンスター、オボンの実*3@ポケットモンスター
ポケモンフーズ一日分(一食分消費)@ポケットモンスター
[思考・状況]
1.つかさを助けたい。
2.家で塔に来る仲間を待つ。
3.放送前後になったら、集まらなくても塔に。
4.バトルロワイアルから脱出する
※フタエノキワミを習得しました。攻撃力が二倍になり、急所に当たりやすくなります。
 しかし習得した事を自覚できていません。パンチを使えば気付くでしょう。

【水銀燈@ローゼンメイデン】
[状態]:まひ(ほとんど回復)、右腕欠損、腹部強打、強い決意、包帯人形、男物の上着、ジャンク、幸せ
[装備]:真紅のローザミスティカ@ローゼンメイデン(真紅の技が使えます)
[道具]:三幻神@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(ラーのみ使用可だが遊戯、海馬などのみ)、ぬいぐるみ沢山
オレイカルコスの結界@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ (24時間使用不可)
ヴェルタースオリジナル@ヴェル☆オリ、くんくん人形@ローゼンメイデン、ヤクルト(残り5本)@乳酸菌推進委員会
[思考・状況]
永井博之と契約
1.博之の帰りを待つ。
2.『アリス』の捜索の為にどこに行くかを、今後来る人たちとも話し合う。
3.ゲームに乗っていそうな人間達に警戒。
4.ピエモンを殺す。その仲間も殺す。
5.仲間を探して、脱出する。役に立たないなら別行動してもらいたい。
6. 殺した詩音の姉への償いをする。
7.ピエロの思惑に乗りたくないから、できるだけ人は殺さない。
8.襲ってきた奴とは戦う。殺すのも仕方ない。
9.少女の持っていた鋏に見覚えあり。
10.くんくんと乳酸菌に囲まれて幸せ。
11.博之、混乱してる?
[備考]
ピエモンが自分の世界で何かしていたということがわかりました。
マヒは眠り状態になった事でほとんど回復しました。
人形の操作能力をテストしました。重いものはあまり持ち上げられず、20メートル以上飛ばせません。



sm118:悲鳴、ハック、Boatにて 時系列順 sm124:人として軸がぶれすぎて、もはやぶれてない(前編)
sm120:Sheep counts 投下順 sm122:身体は子供、頭脳も子供
sm109:最初の過ちをどうか(後編) 泉こなた sm132:黒い花の向こうへとたどり着けるなら
sm109:最初の過ちをどうか(後編) 水銀燈 sm132:黒い花の向こうへとたどり着けるなら



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