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黒い花の向こうへとたどり着けるなら ◆1SKekTLbsk




結果として、圭一の支給品は無事であった。

彼の執念にはすさまじいものがあった。
彼はデイバッグを近くの木に投げ飛ばし、その枝に引っ掛けることに成功したのである。
もしかしたらそんなことをしなければ、彼は生き残れたのかもしれない。
腕や足を折ってしまっても、誰かに助けてもらえたかもしれない。
けど、その選択肢を彼は選ばなかった。
受身を取って生き残れても、仲間を救う大切な薬が壊れてしまったかもしれない。
そう、彼は自らの命を絶たれたとしても仲間を助けることができればよかったのだ。
彼は最後の瞬間まで笑顔を絶やさなかったに違いない………。


「………圭一くん、ごめんね。でも私、もう間違えないよ……」

圭一の亡骸に目を背けず、涙を流さずレナは言う。
その瞳の奥には確かに青い炎が揺らめいていた。
圭一のような派手さはないが、静かに熱を帯びる青い炎。
それは、彼女が完全に雛見沢症候群を克服した証でもあった。

「外山さんも、ごめんなさい。あなたの意思は必ず継いで見せます。」

運ばれてきた外山の死体にも謝罪を述べる。
そのまま二人を皆で運んでいき………。

「さ、穴、掘ろか………」

博之が呟いたのを合図のように、皆が黙々と作業に取り掛かる。
もはや何度目か考えるのも嫌になる、この世でもっとも悲しい穴掘りだった。

今、この下には計6人が埋まっている。
襲撃者はどうだかわからないが、他の皆はきっと仲良くなれるだろうと、レナは思った。
聞けば浩二も相当のカリスマだったらしい。
きっと、あの世で三者三様の熱いトークを繰り広げているに違いないと考えると、不謹慎とはいえ、少し気分が晴れる気がした。

(絶対、皆と一緒に脱出してみせる!)

そう決意し、自らの過ちの象徴である鉄塊鉈を、墓標代わりに地面に突き立てる。
それは悲しみの象徴でもあり、天に向かってそびえるそれは、これからの道を指し示す意思でもあった。



供養が一通り片付いたあと、とりあえず、水銀燈達と合流することで話は決まった。
かなりの情報が錯綜したせいで、放送前にじっくり話し合う必要を感じたからだ。

「そだな、早いとこ、この腕水銀燈に届けなあかん。あいつすねとるかもしれんわ」
「情報交換も詳しい支給品の確認もあとね。今、襲撃されたりしたらたまったもんじゃないもの」
「正直、今日は俺もいっぱいいっぱいだ、こんなもんなら、ウルトラの星をもう1回やったほうがいいって感じちまう」

目の見えない博之や力の弱い妹はもとより、魔力切れのティアナ、銃撃を受けているレナ、朝から戦い続きのキバとピッピでは満足には戦えないだろう。
だから皆が寡黙になって、足を進めるのは無理もないことだった。
そして、皆が皆周りを警戒していたが、幸運なことに、道中で特に変わった様子はなかった。
彼らが行き来していたのは街の東のE-4。
西側ではおぞましい殺戮があって、あり、あろうが、彼らには何の影響も及ぼさなかったのだ。

お日様の力がそろそろのころ、彼らは目的地に着いた。
門番をしていたコロネが騒ぐが、ピッピを見つけてすぐに落ち着き、帰還を知らせる。

「あ、おかえ……り………?」
「………あらあら、これは色々聞かなくちゃならなそうだわぁ」

想像以上に多い人間と、そこにいない人間。
彼女らもなんとなく察することができた、この場に帰ってきていない人間がどうなったのかを。
ことの成り行きをすべて包み隠さず話し終えると、水銀燈も何か思う節があったようだが、こなたへの衝撃は大きいものだった。
彼女はうつむき、悲しみに浸っていたが、それでけりがついたかのように顔を上げ、

「………、圭ちゃんは最後、後悔してなかったんでしょ。だったらいい!」

涙を振り払ってきっぱり言った。

「大丈夫、責任を持って私が全世界に萌えを広めてみせよぉ!」
「って、それは大きく違うと思うぞ!」

キバがすかさず突っ込む。
だが、そんな会話に乗ってくる物が一人。

「いいねいいね、かぁいい人は、みんなレナがお持ち帰りするんだよぅ、はう!」
「おっ、乗ってきたねー、さすが圭ちゃんの親友だっ」

嫌な方向に流れそうになった空気は、一気にぶち壊されたが、彼女らの暴走はしばらく止まりそうに無い。
予想外な流れに、突っ込みを入れたキバすら唖然とするほかなかった。

そんな様子を外から眺めてる水銀燈。
自分はついていくことができないので、こうして遠くを見るような目で眺めることしか出来ないのだ。

「………このノリにはついていけないわぁ」

半ば独り言のように、ためていた空気と共に言葉を吐き出す。
それに呼応するかのように、博之が言葉を返す。

「お前に同意や水銀燈、空気変わりすぎてついていけねーわ。あ、そだ、水銀燈」
「なにかしらぁ?」
「そこにいるんやな、ほい」

博之が差し出したのは、古泉に斬られた腕。
そこで水銀燈ははっとする。

「なんだ、はよ受け取れよ」
「博之、浩二と母親………」
「ジーコもおかんも死んでしもたな。だが俺は生きとる、目ぇ見えんし、元気とは言えんけどな」
「……………」

少し、空気が沈む。
しかしそれを、打ち破るかのように手を握り締めて博之は言葉を紡ぐ。
強い強い意志を込めて。

「死んでしもうたもんは変えられん、生き残った奴が死んだ奴にできることは意思を受け継ぐっちゅうことだけや。
 おかんの分も、ジーコの分も生きて、あの糞主催者に泣きべそかかせて、皆の墓の前で土下座させてやるって決めたんや」

闘志にあふれるその言葉。
その言葉を水銀燈は受けて………。

「……………プッ」
「?」
「………アハハハハハハハハ。笑うしかないわぁ、アハハハハ」

吹き出した。

博之は何か自分がおかしいことでも言ったのかと、首をかしげる。

「何ぞおかしい、笑いとったつもりはあらんはずやが」
「”慰める”なんて慣れないことしようと考えてた私が馬鹿かしらぁ、ほんと」

博之は水銀燈の動向を察する。
どうやら、落ち込んでいると思ってくれていたらしい。
柄にも無く励まそうとしたら、的外れだったのでおかしかったのだろう。

「………心配かけてたみたいな、気持ちは受け取っとくわ、ありがとな」
「お礼言われるようなことは何もしてないんだけどねぇ」

ジーコ、おかん、俺、まだまだがんばれる。だから安心して待っといてくれ。
心の中で、博之はそう呟くのだった。



さらに2人から離れた1団。
もはや世界から隔離されているといってもいいだろう。
妹が口を開く。

「キバ君、もしかして私達って空気ってやつなの?」

悲しかな、その言葉は実に的確だった。

「あっちもこっちも妙な流れになってるし、ついていくことができないな」

最初の突っ込み以降、何にも言えなかったキバも脱力してしまっていた。
見れば隣のピッピもダラリとしてしまっている。

「僕も、なんか疲れが押し寄せてきました」

そんな中、ティアナは微笑を浮かべる。

「いいんじゃない、正直、すこし気が抜けたわ」

ティアナは、このつかの間の平和を見て思う。
死者に報いることは、意思を受け継ぐことなのだと。
兄の思いと共に、浩二となのはさんの思いも引き継いでいこうと。
生き残った者はそれがあれば何度でも立ち上がれるはずだと、こんな光景を見ている今ならわかる。
それが大切なことなのだと、改めて胸に刻んだ。



しばらくして、いったん皆が落ち着き、本格的な情報交換が始まった。
人が死んだ、殺した、などのところは、流石に空気が少し重たくなるが、その重さが長引くことはなかった。
なぜなら、人の死をどう償うか、そのことは皆、知っていたからだ。
皆が皆、十字架をかばいあうことで、心を許しあっていた。
だから、殺し合いの会場で、最も似合わない時間が広がっていったのは、あたりまえだったのかもしれない。

「どうも、俺はキバっていいます」

「アキバって言うんだ、へぇ~」「アキバ君ねぇ、なかなか面白い名前じゃないかしらぁ?」

二人同時にアキバ呼ばわりされる。
彼にとってそれは禁句、禁忌、触れてはいけないところ。

「だ……か……ら………」

長いための後………。

「"ア"を付けるなぁ~!」

家の中にキバ君の叫びが空しく響く……。


こんな出来事があったり。


「ねぇ博之さん?」
「ん? なんやティアナ?」
「私じゃないわよ、今話しかけたのはレナちゃん」
「あ~~っ! 目が見えへんのにそないに声が似とるとわからへんわ」

先ほどから何度も博之は、2人を間違えてばかりいた。
ただでさえ目が見えないので混乱するところに、声までそっくりな人間がいては見分けがつかないのもしょうがないが、
こうも何度も間違えてしまうのは、ひとえに彼女らの声が似すぎているからだ。

「博之さんが間違えるのも無理ないと思う、正直、聞き分けられないし」
「実は、おふた方の声は、私の友達ともそっくりなんだよね~。なにかの偶然とは思えないね~」
「そういうこなたさんは、私のお兄ちゃんの友達と、声がそっくりすぎですよう」
「およ、そういったこともあるんだねぇ」

目をぱちくりさせるこなた。
腕の団長腕章の持ち主だとは、多分、露とも思っていないのだろう。
そんなやりとりを聞いている博之は頭を抱えた。

「頭痛ぅなってきた、はよ目ぇ見えるようにならんと、頭がパンクしちまうわ。で、結局何用なん?」

気を取り直し、こんどこそレナに向き合う博之。

「あ、できたらでいいんですけど、その鉈、いただけませんか?」
「鉈って………、ああ、これか、もともとティアナのやからな。 やってもええか?」
「別に、私はかまわないわよ」
「だそうや、ほいよ」

目が見えないのでバッグごと渡す。
それをひったくるように取り、中身をすごい勢いでかき回した後、

「はぅ~、ありがと~、やっぱりなじんだやつが一番だよ~」

鉈に頬擦りを始めるレナ。
普段のレナも相当変わった人間であることを、周りが理解するに足る行動。
当の本人は、愛用の鉈をぎゅっとだきしめ、満足していたので、回りの人がどんな目を向けていようと、おかまいなしだった。


こんな出来事があったり。


「こっ、このダンボールは!?」

たたんであったダンボールを見ると、キバが素っ頓狂な声を上げた。
そこまですごい品などとは考えてもいないティアナは聞き返す。

「何? 単なる収納性が異常に高いだけだと思ったんだけど、何か特別な力があるのかしら?」

その言葉を受けて、嬉々としてしゃべりだすキバ。

「こいつはとある伝説の傭兵が愛用してたダンボールだっ!
 例えジャングルだろうが、要塞島だろうが、こいつがあれば絶対安全まちがいないっぜっ!」

ビシィ!
そんな効果音が少し聞こえた気がした。
圭一の魂でも少し宿ったのかもしれない、でも、そんなノリで言われても信憑性に欠けてしまう。
ティアナは少しため息をつく。

「ちょっとうさんくさいわね、正直当てにならない………」

なぜか手元のカードから熱意を感じる、気のせいだろうか?

「………、しかし、このカードねぇ………」

自分の手元のカードをもう1度見てみるが、持っている3枚のカードのうち、1枚は自らがよく知る仲間の描かれたカードであった。
なぜこんなところに封印されてしまっているかはわからない。
他のカード同様、呼べば出てくるらしいから、真相は本人に聞けばわかるかもしれないが、それにしても謎が多い。

「………、今考えてもしょうがないわね」

ただでさえ謎が多いこの状況、ひとつ謎が増えてもあまり変わりは無い。
むしろ不安なのは機動六課の方である。
戦力を3人も欠いて大丈夫なのか、とにかく今は脱出を急ぐべきである。


こんな思いが裏にあったりした。


支給品の分配や、それぞれの動き方についても食事をしながら綿密に話し合った。
キバは、ティアナからロールバスターを受け取り、メタルブレードのチップをはずしたメガバスターを渡す。
そしてロールバスターにメタルブレードを装てんした。
ティアナはレナにサイレンサー付き拳銃を渡し、鋸を圭一の遺品から貰い受けた。
DMカードの類はすべて妹に渡したが、博之からの意見で黒騎士の魔剣少女とセイバーはティアナが持っていることになった。
くうき砲と暗視ゴーグルとバットはこなたへ。
鋏は水銀燈の知人の物だったらしいので、妹は素直にそれを渡した。
変わりにおたまとフライパンを受け取ると、何かを思い出すかのようにカンカンと、それらをぶつけて鳴らしていた。
ピッピにはテレパしいを持たせた、彼のほんやくコンニャクは残り少なかったし、先ほどの分の効果は切れてしまっていた。
残った包丁は博之が自分のデイバッグにしまった、目が治らなくとも牽制は使えるはずと思ったからだ。

そしてティアナからの情報で、塔の隠し扉を調べてみることにした。
隠し扉の中なら、こもっても日が暮れてから安全だろうし、主催者打倒に役に立つものがあるかもしれないと意見があったからだ。

「でも、あの中には危険な黒い花があったから、十分注意しないといけないわよ」
「黒い花?」
「ええ、見た目は腰の高さくらいの間抜け感じの花なんだけど、鉄パイプが簡単に噛み切られたわ、奥のほうに群生してたの」

聴いた瞬間、キバは博之の方を向く、博之は目が見えないから向きかえりはしなかったが、その表情はキバと同じものであった。

「キバ………、お前はどう思うこの話?」
「あれしか考えられないでしょう、あの憎っき輩、孔明と並ぶ俺の友達の代名詞!」
「お前もそう思たか、俺も絶対そうやろうと思った」
「ブラックパックン! やなことがたくさんあったが、こんなところで奴が出てくるとは思わなかった!」

キバの言葉に憎しみが篭る、博之は大いに共感したが、他のみんなにはその理由がいまいち理解できないのはしょうがないだろう。

「で、そのブラックパックンってのはどんな物なの、対処法はあったりする?」
「奴には物理的攻撃はほとんどきかんぞ、地面ごと吹き飛ばすような大規模な奴ならわからんけどな。
 塔の中でそんなんぶっ放したら、俺ら全滅間違いなしや。」
「ただひとつ効果的なのは、銀のPスイッチ、あれがあれば奴らを無力化できる。
 けど、んなもん都合よく近くにあるわけ「あったわよ、銀のスイッチなら」ねえからな………って、あったのかっ!」

キバは思わず手を床にたたき付けてしまっていた。
顔全体に「そうなら早くそういってくれ!」と書かれているのが、誰からでも読み取れる。
そんな様子を見て、ティアナが続ける。

「浩二の持ってた鍵、あれの車に積んであった、ただ、鍵とは比べ物にはならない刺激臭で、詳しくは調べられなかったわ」
「あれはひどく臭うからなー、んなもんの塊の近くにいったらやべぇだろな」
「ガスマスクなんて誰も持ってないし、取り出すのには苦労しそうね」

「誰か忘れてないかしらぁ? 私まで勝手に人間扱いしないでほしいわねぇ」

少しムスっとしたような声が、水銀燈から発せられる。
おおよそ人ではない彼女なら……、と回りにそんな空気が流れる。

「そんな臭う物に私も近づきたくはないわねぇ。ただ手段ならないわけじゃないわぁ」

そういって手元の人形を1つ、動かしてみせる。

「すごーい。これ、水銀燈さんの力なの?」
「本当だったら、もう少し自由に動かせるんだけどねぇ、この制限、微妙に細かく行き届きすぎだわぁ」
「なら当面の問題はないみたいだね、急いで移動して、なるべく落ち着いたところで放送は聞こう」

レナの言葉受けて、全員が立ち上がり荷物を持つ。
水銀燈の麻痺は完全に回復していたし、博之も妹の先導で問題はなさそうだった。
そして、彼らは家を出て塔を目指す、外はもう太陽は地平線にだいぶ近くなってきていた。
この少し前、外をフシギソウが暴走していたのだが、行き会わなかったのは幸運の極みだったのだろう。



塔の隠し扉に着くころには、太陽と地平線は仲良しこよしだった。
全員が中に入ったことを確認すると、早速作業に取り掛かる。
水銀燈が7~8体の人形を取り出し車めがけて飛ばす、そしてトランクを開ける。
中を調べさせるとスイッチ以外の物も入っているようなので、人形に命じて全て回収させた。
出てきた物は銀のPスイッチ以外に、中に何か入った南国のプリントの袋、そして数枚のカードだった。

「目的の物はこのスイッチかしらぁ、それでこっちは……」
「ハワイのお土産が入ってるよ~、でも、臭いが少し染み付いてるよ、これぇ」
「で、このカードはなんだろう、やっぱり他のカードと同じものなのか?」

キバはカードを拾って数え上げる、その枚数は3枚。

「なになに? "進化の繭"、"ゴキボール"、"コカローチ・ナイト"?」
『うわー、あんまり見てて気持ちのいいカードじゃないなぁ………』
「悪趣味ね、好んで持つような人がいるとは思えないわ」

ピッピとティアナが顔をしかめる、こんなカードを好む人は世界に1人くらいに違いない。

「この進化の繭ってのは、どうやら基礎となるカードがないと使い物にならないみたいだ、
 それにあったとしても、呼び出しに時間がかかるみたいだ、他のは………」
「"このカードは破壊されてもデッキの一番上に戻る、ただし1日に4回まで"、単純に24時間に5回呼び出せるってことかな?かな?」
「効果だけ見ると当たりだけど、この攻撃力なんかを見ると、他のカードに比べて低いわよ」
「盾にするくらいにしか出来なさそうだねぇ」
「最後のは………、いろんな意味でスカだな………」

これらのカードも他のものと同様、妹に渡しておく。
彼女はそれらのカードをすぐに、重ねてあるカードの一番下に押し込んでしまった。
あんまり見たくない絵なのは周知のことなので、皆も(無論、博之は目が見えないのでわからないが)なんにも言わなかった。



カードの確認が終わると、ブラックパックンの処理に話は移った。
キバと博之が皆に銀のPスイッチの効力を説明する。

「つまり、効果が続いている間は無害なコインに変わるってことかしらぁ」
「ああ、その間にコインに何かしら衝撃を与えれば、コインのまま戻らなくなるんだ」
「ふうん、こんな黒い花残してたら危なっかしいから、スイッチを押すと同時に総出でコインを回収しましょう」
「そのほうがええ、隅の方に1本残ってて間違えて踏んでしもたりしたら、目も当てられん」

全員が、ブラックパックンを駆除する用意が出来ると、キバがいつもの調子で、銀のスイッチを踏む。
へこんだスイッチから、聞く人を焦らせるような音楽が流れると同時に、全員がコインを掻き分け始める。
さながら年末大掃除のような様相で1箇所に固められたコインは、スイッチが消えた後も黒き悪魔に変わることは無かった。

「終わったな」

安堵の声を漏らす博之。

「これで先が調べられる、で、このコインはどうする?」
「特別な力はなさそうなんだけど………」

ティアナがコインを数枚持ってみる。
たいした重さは無く、それなりに頑丈そうだが、防具には使えそうもなかった。
せいぜい投げるくらいしか用途がないだろう。

「やっぱり使えそうにないわね、置いていっていいんじゃない?」
「う~ん、特に貴重なものでもなさそうだし、私もいらないと思う」

そんな中、水銀燈は人形にコインを持たせていた。
ためしに投げさせたり、構えさせてみたりしてその感触を確かめているようだ。

少しの間、コインであれこれ試したあと、

「いくつか持たせておけば、それなりに応用できそうだわぁ」

と、だけ言い、満足したように人形と一緒にコインを何枚かしまった。
その後、やり残したことが無いことを確かめると、一向は足を進めた。



そう深く進まないうちに開けたところに出る。

「うおっ」

正面に並ぶ改札口、左には券売機が並んでおり、その反対にはどこでも見かけるようなベンチがある。
当然、改札の奥には線路が延びていた。
そう、ここは誰が見ても………。

「駅かな?かな?」
「駅だね」
「駅だわぁ」
「駅だねぇ」
『僕も駅としか言えないなぁ』

そこは、少しノスタルジックな地下鉄の駅だった。
特に危険なものが無かったそこで、一向はそこで放送を待つことにした。



8人の少数派はしばしの休息を得た。
やがて現れるだろう悪魔の声に真っ向から立ち向かうために。
電車の来ない線路はどこまでも続いていた。


【E-4 塔内隠し部屋/一日目・夕方】
【永井博之@永井先生】
[状態]:疲労(ほぼ回復)、精神疲労(やや回復)、全身打撲、失明、顔面怪我、鼻骨折、肩部・太腿・脇腹銃傷、腹部強打(全負傷部位を薬草で治療中)
[装備]:薬草(10/99)@勇者の代わりにry 、包丁@フタエノキワミ アッー!(るろうに剣心 英語版)
[道具]:支給品一式*3(食料三食分・水一食分消費)、座薬@東方project、ヲタチ(残りHP80%)@ポケットモンスター
ゴム@思い出はおくせんまん、自動ぶんなぐりガス(残り1/5)@ドラえもん、ヴェルタースオリジナル*2@ヴェル☆オリ
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.放送を聞いてから今後の動きを決める。
3.目が見えないから状況がいまいちつかめない
4.愛媛のカリスマで目が見えなくてもなんとか頑張る
※レナとティアナの声を時々間違えます。

【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:右手に切り傷、右腕銃傷
[装備]:サイレンサー付き拳銃(1/6)@サイレンサーを付けた時とry、鉈@ひぐらしのなく頃に
[道具]:支給品一式*2(食料一食分・水一食分消費)、雛見沢症候群治療セット1日分(C-120、注射器、注射針)@ひぐらしのなく頃に、
テニスボール、オミトロン@現実? モモンの実@ポケットモンスター
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.放送を聞いてから今後の動きを決める。
3.圭一の思いを継いで、対主催思考の仲間を探す。
4.また今度こなたさんとはゆっくり話をしたい。
5.罪滅しをする
※八意永琳が何か知っているのかだと思っています。
※時期は大体罪滅し編後半、学校占領直前です。
※雛見沢症候群は完治しました。

【友人@自作の改造マリオを友人にプレイさせるシリーズ】
[状態]:全身に軽い切り傷、左肩切り傷、あごに切り傷、背中打撲
[装備]:ロールバスター@ロックマンシリーズ、メタルブレードのチップ(装着済み)
[道具]:支給品一式(食料一食分・水一食分消費)、桃太郎印のきびだんご(24/25)
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.放送を聞いてから今後の動きを決める。
3.キョンの妹を守って見せる!
4.この世界から脱出したい。
5. 宇宙人とかありえない。え、マジで宇宙人?
6.作者に会ったら説明を求めた後ぶん殴る(いないし、関係ないかもと思ってきてます)
7. なんか妙なデジャブが多い。

【キョンの妹@涼宮ハルヒの憂鬱&愛しの兄が振り向かない】
[状態]:多少の疲労、精神的疲労(ほぼ回復)、頬に軽い切り傷、複雑な気分、頭部に打撲&出欠
[装備]:おたま@TOD、 カワサキのフライパン@星のカービィ
[道具]:支給品一式(食料一食分・水一食分消費)、DMカード(オレイカルコスの結界 (次の早朝まで使用不可) 三幻神(ラーのみ使用可だが遊戯、海馬などのみ、他は次の早朝まで使用不可)、
ブラック・マジシャン・ガール(次の深夜まで使用不可)、ホーリーエルフの祝福(次の深夜まで使用不可)、青眼の白龍*2(次の午前まで使用不可)、強制脱出装置(次の0時まで使用不可)、
死者蘇生(次の昼まで使用不可)、コカローチ・ナイト、進化の繭、ゴキボール)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ、携帯電話@現実
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.放送を聞いてから今後の動きを決める。
3.もう誰も殺さない、罪滅しをする。
4.キバくんには死んで欲しくない。
5.さっきの虫のカードはできれば使いたくない。

【ティアナ=ランスター@魔法少女リリカルなのはStrikers】
[状態]:魔力僅かに回復、やや疲労
[装備]:ゼットソーハードインパルス@現実、リアルメガバスター(269/300)@デッドライジング、
[道具]:支給品一式*4(食料四食分・水三食分消費)、ダンボール@メタルギアシリーズ、本『弾幕講座』、
DMカード(黒騎士の魔剣少女、セイバー)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(次の昼まで使用不可)、
ヴェルタースオリジナル@ヴェル☆オリ、アイテム2号のチップ@ロックマン2、鉄パイプ
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.放送を聞いてから今後の動きを決める。
3.殺し合いに乗っていない人達を集める
4.その後、どうにか殺しあわずに済む方法は無いかを考える
5.カードが少し気になる
6.人殺しはしたくない
7.主催者を捕まえて願いを叶えさせる
※ダンボール@メタルギアシリーズの隠密効果を知り、多少信用しました。
※外山のデイパックに入っていたアイテム二号のチップは、気付かずに自分のデイバッグに移してしまっています。
※咽、鼻、目の痛みは引きました。

【ピッピ@ポケットモンスター(ピッピのゆびをふるのみで殿堂入りを目指す)】
[状態]:強い決意
[装備]:リーフシールド@ロックマン2(技マシン的な使い方でポケモンは使える)
[道具]:支給品一式(水一食分消費)、ほんやくコンニャク(1/4)(半分で八時間)@ドラえもん、
テレパしい@ドラえもん(残り3粒、五寸釘@現実、モモンの実@ポケットモンスター、
オボンの実@ポケットモンスター、ポケモンフーズ一日分(二食分消費)@ポケットモンスター
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.放送を聞いてから今後の動きを決める。
3.もう逃げない。仲間のことは絶対に守る。
4.あの怪しいポケモンとトレーナーを倒し脱出
※首輪は頭の巻き髪についてます
※ピッピは、はたく、うたう、おうふくビンタを使えることを思い出しました。ただし、まったく使ってこなかったため、かなり信用に欠けます。

【泉こなた@らき☆すた】
[状態]:顔面強打、右腕打撲、腹部強打、(これらの痛みはひきました)、強い決意
[装備]:くうき砲@ドラえもん、団長腕章@涼宮ハルヒの憂鬱、フタエノ極意書@ニコニコRPG
[道具]:支給品一式*2(食料一食分・水一食分消費)、暗視ゴーグル@現実、
デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、コロネ(バタフリー)@キャタピーだけでクリアに挑戦(残り100%)、
テニスボール、初音ミク@現実、モモンの実*3@ポケットモンスター、オボンの実*3@ポケットモンスター、
ポケモンフーズ一日分(二食分消費)@ポケットモンスター
[思考・状況]
1.つかさを助けたい。
2.圭一の思いを継いで、対主催思考の仲間を探す。
3.放送を聞いてから今後の動きを決める。
4.バトルロワイアルから脱出する
※フタエノキワミを習得しました。攻撃力が二倍になり、急所に当たりやすくなります。
 しかし習得した事を自覚できていません。パンチを使えば気付くでしょう。

【水銀燈@ローゼンメイデン】
[状態]:右腕欠損、腹部強打、強い決意、包帯人形、男物の上着、ジャンク、幸せ
[装備]:真紅のローザミスティカ@ローゼンメイデン(真紅の技が使えます)
[道具]:ぬいぐるみ沢山 、ヴェルタースオリジナル@ヴェル☆オリ、くんくん人形@ローゼンメイデン、
ヤクルト(残り4本)@乳酸菌推進委員会 、庭師の鋏@ローゼンメイデン、銀コイン@スーパーマリオワールド
[思考・状況]
永井博之と契約
1.放送を聞いてから今後の動きを決める。
2.『アリス』の捜索の為にどこに行くかを、今後来る人たちとも話し合う。
3.ゲームに乗っていそうな人間達に警戒。
4.ピエモンを殺す。その仲間も殺す。
5.仲間を探して、脱出する。役に立たないなら別行動してもらいたい。
6. 殺した詩音の姉への償いをする。
7.ピエロの思惑に乗りたくないから、できるだけ人は殺さない。
8.襲ってきた奴とは戦う。殺すのも仕方ない。
9.くんくんと乳酸菌がいっしょにいて幸せ。
※ピエモンが自分の世界で何かしていたということがわかりました。
※マヒは完全に回復しました。
※人形の操作能力をテストしました。重いものはあまり持ち上げられず、20メートル以上飛ばせません。
※銀コインを数枚、人形に持たせています。
※自分の右腕は荷物と一緒にしまってあります。



※塔内の隠し部屋の奥には駅がありました。
 電車は来るのか、どこに続いているのかは、次の書き手さんにおまかせします。
※それぞれの情報は全て共有しました。
※E-5の6人の死体が埋まっているところに、鉄塊鉈が刺さっています。
※農二のハワイのお土産@科学の教材ビデオと銀コインがE-4の塔内の隠し部屋の床に落ちています。
※銀コインも集めても1UPしません


「YAHOOOOOOOOOOOOO!!!!!」

時は少し戻る。
塔から離れた花畑に大きな声が響く。

「これぞ天のTASならぬKASけ!
 このまま一気にバグに突っ込んでパーペキクリアしてやるぜぃえぃえ~!!!!」

友人が押した銀のPスイッチの効果でブラックパックンがコインへと変わった花畑を、尋常じゃない速度で駆ける男が1人。
その名はKAS、TASと対を成す髭男。

彼には目の前のバグが全てであり、その先になにがあろうとかまわない。
進め、進め、KAS、君の行く先に、きっと未来はある!
ここで立ち止まるわけにはいかないのだ。

だが、そんな彼でもとまってしまう時がある。
理由はただ1つ。

「でも腹が減ったZE~~!!!!」

高鳴る腹の音と花畑に響く叫び声。
その叫びからいくばくか過ぎたころ、悪魔の声は流れ出した………。


【D-3 花畑/一日目・夕方(放送開始直前)】
【KAS@KAS動画】
[状態]:チビマリオ、右拳骨にヒビ、お尻に火傷、やや疲労、やっぱりハイテンション、強い決意と熱い闘志(?)、空腹
[装備]:スパイダーブレスレット@東映版スパイダーマン、バーサーカーソウル@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
[道具]:支給品一式(食料全て消費)
[思考・状況]
1.とりあえず何か食べたい
2.この下のバグに突っ込んでやるぜ!
3.あいつ(谷口)の死の責任を取る!!
4.このカード、あいつの仲間に渡したいけどどいつが仲間なんだろ?
5.今度はTASにもケラケラにも負けない。
6.カイバーやレムー達みたいな仲間キャラがいればいーなー
7.このクソゲーをぶち壊してボスのスットコドッコイを倒して土下座させて
悪い奴以外全員生き返らせるぜ!!!!
※危険人物についてくらいは聞いていました。
※チビマリオ状態ですがマント、フラワー、キノコの何れかを手に入れれば元の大きさに戻ります。
※谷口の支給品はD-3花畑付近に埋葬されました。アイスソードは柄だけになって墓標代わりになっています。
※花畑の一部のブラックパックンが潰れました。中に変な花が入ってる黒い氷のようなものがあるようです。
※強い冷気を与え、かつ瞬時に攻撃を加えればブラックパックン倒せる可能性がありますが、かなりリスクが高いです。
※外から地面の何かに続く一部のブラックパックンが、銀コインに変わったまま放置されています。
 そのほかはブラックパックンに戻りました。
※空腹はまだ生死にかかわるものではありません。


※進化の繭 攻撃力0、守備力2000

原作扱いで、単体では使えません。
プチモスに装備させることで効果を発揮します。
原作では実はラーバモスに装備しているが、そこは突っ込み不可の形で。
一定のターンが経過するごとに、破壊してモンスターを出せる。
なお、召還はカード使用者が宣言することでおこなう。
時間経過が足りないと、なんの変化も無い。
また、究極完全体が、召還可能になると、自動的に羽化します。

※ラーバモス 攻撃力500、守備力400

進化の繭を装備したプチモスが自分のターンのみ数えて2ターン経過で召還できる。
実際のところ4ターン、装備することも考えると5ターンかかってしまうが、それに見合った力は無い。
ただ、ターンの概念が無いから、それなりの速さで出せるかも?
それでも弱いことには変わりが無いが。

※グレートモス 攻撃力2600、守備力2500

進化の繭を装備したプチモスが自分のターンのみ数えて4ターン経過で召還できる。
実際のところこの進化系は表記ターンの倍に1ターン分を出した分かかるため、出すのは非常に困難。
これもターン概念がないことに期待するしかない。
原作には毒鱗粉で相手の攻撃力を下げる効果と地上の敵なら全体攻撃できる効果を持っていた。
これらが備わっているかどうかは書き手さんにおまかせします。

※究極完全体グレートモス 攻撃力3500、守備力3000

進化の繭を装備したプチモスが自分のターンのみ数えて6ターン経過で召還できる。
実際のところなんと13ターン、最も召還しずらいカードといっても過言じゃないだろう。
召還のコストに見合わないが、攻撃力、守備力は嫁すら圧倒する。
ただそれでも召還が(ry

※ゴキボール 攻撃力1200、守備力1400

釣り専用カード。
「羽蛾さん、これゴキボール! レアカードじゃない!」
「覚悟しろよ……、この虫野郎!」

実は今絶版で、手に入れることが非常に難しいノーマルカード。
さらには、アメリカのマクドナルドのハッピーセットにレアカードとして付いてたこともあったらしい。
ハンバーガーとゴキボールのセット………、恐るべきドナルド。

※コカローチ・ナイト 攻撃力800、守備力900

破壊されると、そのターンの終わりにデッキの一番上に戻る効果を持つ。
これだけ聞くと使い勝手がよさそうだが、単純にドローの邪魔になるだけの効果である。
ただ、ターン制が無いので即復活するという、ある意味ロワで化けるカード。
制限として効果発動は4回まで、最初に出した後24時間たつと、この効果は復活する。
24時間たって、効果発動回数が残っていても、4回以上にはならない。
また、実際では出来なかったバーサーカーソウルとのコンボが、回数は限られてるもののできるかもしれない。



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