ぶれ☆いぶ ◆OZbjG1JuJM
人は非常識な出来事に巻き込まれてもそれはそれで
割と順応しやすいって聞いたことある気がする。
かくいう私も、多分その一人になるのかもしれない。
ようやく動悸の収まった胸を撫でながら、ここで出会ったあいつの帰りを待つ。
ちなみにこの動悸の要因は二つ。
一つはあのピエロみたいな奴と、化け物の起こした惨劇を目の当たりにしたこと。
交通事故に遭遇することはあれど、人が殺されるのを目の前で見ることになるなんて思わなかった。
自分とあまり年の変わらない少女が。まだ小学生ぐらいの少年が。
この辺りに飛ばされた時だって、自分や友人達が殺されるかもしれないという恐怖に押しつぶされそうだった。
そして、それを良くも悪くも軽く吹っ飛ばしてしまったのが第二の要因。
あ、帰ってきた。
「取れたよ！ 魚だーい！」
緊張感のかけらもないはしゃぎ声で『アザラシ』が取れたての魚を投げてよこした。
名前は忘れちゃったけど、食卓で見た覚えもあるしそこそこ美味しかったというのも記憶している。
「…ん、ありがと。ゴマモン」
「ひひ」
アザラシ──いや、ゴマモンと名乗った不思議な生き物はいたずらっぽい笑みを浮かべて
岸にあがってきた。
変てこな島に飛ばされて、得体のしれない生物と交流する。こなただったら小躍りするような状況かも
しれない。……ここが、殺し合いの場でなければだけどね。
つかさ達はどうしてるんだろう。名簿がなかったから分からないけど、もしかしてみんなも
ここに呼ばれてるのだろうか。
だったら今すぐにでも探しに行かなきゃならない。だけど……怖い。
今まで当たり前のようにあった日常が、友人が、目の前で失われるのが怖い。
……私、どうすればいいんだろう……
「？ 元気ないじゃんさー、かがみ」
「……そりゃ元気もなくなるわよ。普通だったらね」
軽く皮肉めいた一言だったのだけど、ゴマモンはさして気にした様子もなく焼いた魚を平らげながら、
「よくわかんないんだけどさー」
丸かじりだから骨も残らない。焼き魚を食うアザラシなんて見たこともないが、実際アザラシじゃなさそうだから
当然のことなのかもしれない。
「なんとかなるって」
いつの間にか配られた支給品をごそごそと調べながら、なおもどことなく気の抜けた口調で彼は続ける。
「ま、オイラも怖くないってわけじゃないよ。
丈ももしかしたらここにいるかもしんないし。……でもボーっとしてるわけにもいかないだろ？」
デイバッグから出てきたのは薬のようなもの、それと拳銃。
オイラには使えないやとぼやきながらそれをこっちの方に差し出してきた。
「無理かもしんないけど、仲間に死なれるくらいならやれるだけのことはやろうぜ。
どうせこんな時にはこうしたらいいなんて答え、ないんだからさ」
恐らく──本人としては適当に励ましの言葉をかけただけなのかもしれない。
でも。……ほんの少しだけど。
いざとなったらやっぱり腰が抜けちゃうかもしれないけど。
……勇気っていうのかな、これって。それとも……なんだろう。
震える手で拳銃を拾った。上手くつかえる自信はないけど、丸腰よりはマシだ。
もし私が動かなかったせいで皆が死んだら、その方が後悔することになるんだもん。
望みは薄いかもしれないけど、上手くいかないかもしれないけど、でもやるしかない。
「だから、なんとかなるって！」
ゴマモンの根拠のない笑顔にふっとため息がもれる。なんだか、いつもの調子が戻ってきたみたい。
「……ん、そうかもしれないわね」
そうと決まったらいつまでもここにはいられない。けれど、貴重な水と食料がある場所だ。
もしものために移動経路は記録しておくべきね。
地図を出して、恐らく現在位置だと思われるところに印をつけた。あとは定期的に記録していけばいい。
「心配かけて悪かったわね。……じゃ、みんなを探しに行くわよ！」
「がってんだい！」
【柊かがみ＠らき☆すた】
[状態]：健康
[装備]：ニューナンブ（弾数5/5）＠現実
[道具]：支給品一式、不明支給品1～3個（武器はなかったものと思われる）
[思考・状況]
１．こなた達とゴマモンの仲間を探す
２．人は殺さない
３．みんなで脱出
【ゴマモン＠デジモンアドベンチャー】
[状態]：健康
[装備]：なし
[道具]：支給品一式、ピーピーマックス*3＠ポケットモンスター
[思考・状況]
１．丈達とかがみの友人を探す
２．ピエモンと悪魔みたいなデジモンを倒す
【ピーピーマックス】
ポケモンのＰＰを回復してくれる薬。
当ロワでは魔力回復にも使えます。
最終更新：2010年03月18日 10:49
