ぺったんぺったんつるぺったん ~五十歩百歩~ ◆qwglOGQwIk




長門有希は情報統合思念体へとコンタクトを試みるも、やはりコンタクトを取ることは出来なかった。
十分な試行回数を試したにも拘らずコンタクト不能であったため、ここは情報統合思念体が観測できない別空間と判断し試行を打ち切った。
その後は周りの風景を眺め、この殺し合いの主犯格と見られる悪魔について考察し、涼宮ハルヒ絡みでもなく、SOS団内関係者によるものでも無いと推察した。
一通りの状況把握を終えた後、長門は第一にすべきことを考える。

それは、愛しの彼の早急な保護に異ならない。
いや、できれば絶体絶命のピンチの時に颯爽と助けに入るほうが美しいだろう。
そうなれば、まずは彼の座標位置を特定しなければならないと判断する。

つり橋効果、などと言った言葉が長門の脳裏に浮び、頬を赤く染める。
ひとしきり妄想を終えた後、長門は支給品を確認する。

出てきた支給品はトカレフ、そして炭水化物系の食物、いわゆるきしめんであった。
トカレフは情報改変を加えれば十分強力な武器であると判断し携帯、きしめんによる栄養補給はまだ早いとディパックへとしまう。
地図で現在位置を確認する。どうやらB-2の橋でまず間違いが無いだろうと結論付ける。
長門の目的地はB-3の山頂と決定し、移動を開始した。
山頂ならばこの地図に書かれている範囲を一望するには十分であり、情報改変で視力を向上させれば愛しの彼を早急に発見できるからだ。
長門が橋を渡り終えようとしたそのとき、目の前に人影が見える。
それはコスプレと言うにはリアルすぎる角に民族衣装を持つ、鬼としか比喩できない女だった。

長門は一瞬考え、目の前の鬼とコンタクトを取ることに決めた。
愛しの彼の情報を所持している可能性がわずかながらあるならば、引き出せる情報は引き出したほうがいいからである。

「そこのあなた」
「ああ、やっと話してくれた。もしかしてしゃべれないかと思ったよ」
「そんな話はいい、キョンという中肉中背の男子高校生を知っているなら話して欲しい」
「人に話を聞く前に、名乗るのが礼儀だと思うけどな。
 そんな礼儀知らずには、話す情報なんて微塵も無いね」

話の腰を素早く折る目の前の鬼女に、長門は一瞬怒りを覚えるも冷静に受け答える。

「失礼。私は長門有希」
「……」
「……」
「なぜ黙っている、あなたは名乗れと言った」
「ちゃんと名乗らなきゃ駄目じゃないか、あなたも人間じゃないんだろう? 」

自分のことを一目でTFEI端末と見破る目の前の鬼女に戦慄を覚えるも、敵対する様子は無いため正直に受け答えする。

「私は対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース、長門有希」
「私は小さな百鬼夜行、伊吹萃香さ」
「萃香、私に質問に答えて欲しい」
「ああ答えるよ。残念だけどそんな奴は知らない。私がこの宴会に招待されて始めてあった奴がお前さ」
「そう、さよなら」

期待されていた情報は予想通りとはいえ得られなかったため、長門は橋を抜けて通り過ぎようとする。
しかし目の前に萃香が立ちふさがる。

「待ちなよ」
「あなたには私を拘束できる権限は無い、違う? 」

「いいや、違うね」
「……」

長門には何故違うのかが理解できなかった。彼女には何か別の理由があるのだろうか。
それとも、嘘をついていたのか等と考える。

「この宴会のルールはさっき説明されたよね。殺し合いってさ」
「だが、それに私達が従う道理は無い」
「いいや、宴会には宴会のルールがある。それに従うのが礼儀だと私は思うのさ」
「……あなたはこの殺し合いに乗っていると」
「せっかく萃(あつ)まったんだ。鬼にはなかなか力試しの機会と言うのが無くてさ
 人間だろうが無かろうが関係ない、私の相手をしてもらおうじゃないか」


ぷちっ


「黙れつるぺた幼女、私の邪魔をするな
 もし愛しの彼を襲ってみろ、地の果てまで追いかけてお前を惨たらしく嬲り殺してやるからな……」
「つ…」

「つるぺたって言うなぁ!!!」

長門の目の前に立ちふさがった萃香は、彼女に眼を飛ばされると人間離れした速度で橋を駆け抜けていった。
長門は障害が取り除かれたことを把握し、当初の目的を果たすべく失踪する。




別に萃香は長門の脅しにびびった訳ではなかった。
幼児体型が当たり前の幻想郷でもさらに幼児体型の萃香は、自分の発育を気にするお年頃だったというだけであったとさ。

【B-2 橋・東端/一日目・深夜】
【暗黒長門(長門有希)@涼宮ハルヒの憂鬱(暗黒長門シリーズ)】
[状態]:健康
[装備]:トカレフTT-33(8/8)
[道具]:支給品一式、きしめん@Nursery Rhyme
[思考・状況]
1.B-3山頂から、愛しの彼(キョン)を探す
2.邪魔をする奴は容赦なく殺す

【B-2 橋/一日目・深夜】
【伊吹萃香@東方Project(つるぺったん)】
[状態]:ハートブレイク
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品
[思考・状況]
1.つるぺたって言うなー!
2.せっかくなので腕試し



※トカレフTT-33(8/8)
割と有名な拳銃、弾丸は7.62mmモーゼル弾。今回のはロシア純正でございます。
名誉日本人トムが大好きな最後まで取っておく銃。


※きしめん@Nursery Rhyme(True My Heart)
ニコ厨の皆なら一度は打ったよね!素直な気持ちはきしめえええええええええええええええ
出展元ゲームのナーサリィライム自体とは何の関係も無い。
調理済みでラップがかかってるのでいつでも食事可能。割り箸もついてます。



sm19:歌、覚えていますか 時系列順 sm21:クロックタワー
sm19:歌、覚えていますか 投下順 sm21:クロックタワー
  暗黒長門 sm38:不完全自殺マニュアル―思い出をありがとう―
  伊吹萃香 sm48:天地魔闘してすぐめい☆おー ~狂気の高町教導官~



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最終更新:2010年03月18日 10:52