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ボクが庶民で君が王でさらにアンタも王で ◆irB6rw04uk





時間はそろそろ草木も眠る丑三つ時。
そんな草木を掻き分けて遊戯は進む、体を痛めたためか移動スピードは少々遅かった。
だが目的地に向かって確実に向かっていた。

「相棒、先程ムスカに打たれた薬だが……」
『わかってるよ、もう一人のボク、だいぶ体が楽になってきたみたいだね』
ムスカに打たれたC-120、特殊な医薬品だが薬は薬、何らかの効果がある。
その本来の効果が健康な体に投与されたため、過剰に効き過ぎたため現在の症状を引き起こしているのだ。

本来のC-120は重病者なら一日に3回も打たなければいけない、長続きしない薬物なのだ。
この後は引き潮のように次第に波は引いていくだろう。

「相棒、許してもらえないかもしれないが、本当にすまないと思っている」
『…………』
「今まで色々なことがあったが相棒は俺を何度助けてくれただろうか? 今思い返せば、俺一人で勝てたゲームなど数えるほどしかない。
 いまさらかもしれないが……相棒、今まで有難う」
『――もう一人のボク……そうだね、キミは一人では何も出来ないへたれだもんね。まったく、しょうがないな~』
「あ、AIBO……この野郎、頼りにしてるぜ」

『ふふふふふ、助けがほしければ何時でもいいなよ。キミじゃ勝てない敵をボクがぶっ飛ばしてやるから……ところで、もう一人のボク……』
「ああ、相棒。分かってるぜ……かくれんぼは終わりにして出て来いよ!!」


遊戯は足を止める、歩くスピードが遅かったことからある副産物が手に入った。
それは周りの音がとてもよく聞こえると言う点だった。
人間は基本的に後ろからの音は聞き取り辛い構造になっている。
遊戯が早く歩いていたなら自身の足音などでかき消されて聞き取れなかっただろう。

「ふはははは……よく分かったな、小僧」
「――ムスカ!」
「年上を呼び捨てしてはいけませんとママに習わなかったかね? ムスカ大佐と呼びたまえ」

後ろの木の陰から出てきた奴はあのムスカだった。
俺の罰ゲームを受けてもう回復してくるとは……少しお仕置き(罰ゲーム)がぬるかったみたいだな。

「ククク、何度きても一緒だぜ! この虫野郎。今度はそのおもちゃで勝負するつもりか?」

相手にもわかるようにムスカが持っている自動拳銃……コイツはつかさが持ってたトカレフか。に視線を送る。
ムスカはその視線に気が付くと口を大きく開けて笑い始めた。

「はっはっは、これがおもちゃに見えるとは大した脳みそだな……小僧ぉぉおお!!」

言い終わると同時にムスカはトカレフをバッとこっちに向けてきた。
その動作とほぼ同時に俺はすばやく予め持っていたカードをムスカに見えるように突き出す。

「ほぉう、小僧! 何のつもりだ?」
「お前も大した脳みそだな、このカードに見覚えはないか?」
「はっ、そのカードは……」


「聖なるバリアミラーフォースだと!?」


「どうした楽太郎? 撃って来いよ」
「Kiss☆Summer!!」

挑発的な態度をしてみると素直に切歯扼腕して悔しがるムスカ。ふははははは、ひどく滑稽だぜ。
相手はトカレフ、日本人ならほとんどの人が知っているであろうやーさんのメインアームだ。
(とはいっても中国産のノリンコのものがほとんどだが)
命中精度は低いと言っても仮にもソ連で正式採用された銃だ。この種類の銃が何百ガロン血を吸って来たのか……考えるのもおぞましい。

距離は十分にとってあったとしても『当たらない』という確証は無い。
だから、ミラーフォースを構えた。

ムスカから奪ったカードだ、奴がこのカードの効果を知らないはずは無い。
相手の攻撃を全て反射して反撃するカード。
ムスカが引き金を絞れは遊戯に向かうはずの弾丸が自分に帰ってくるのだ。

「このままじゃ膠着状態ではないか? どうするつもりだ」

どちらかが引けば撃たれる、簡単な絵図だ。
遊戯はニヤリと笑い、口を開いた。

「ククク、ちょっとしたゲームで決着をつけようぜ、ムスカ!」
「ゲームだと? それのどこに私の利益があるのかね?」
「あせるなよ、ゲームに勝ったら商品としてミラーフォースを使って無い状態でお前にやるぜ」
「ほぉ……おもしろい」
ミラーフォースはこの殺し合いの場では最強クラスの武器だ。
これを未使用で手に入れられるというのは大きな利点だった。

「ゲームに必要なものが一つある。ムスカ、お前のその銃だ。」
「ふっ、いいだろう。カードと交換だ」

ムスカはトカレフを地面において数歩下がった。
遊戯はカードを投げてムスカに渡した後、トカレフに近づいて拾う。ムスカは何時でも飛びかかれる距離に立っている。

それから一時、トカレフを腰に挟んで遊戯は準備を進める。
テニスのガットを外し8本の糸にする。
それを4本ムスカに渡した。

トカレフは木の間に挟んで固定してある。

「コレで何を勝負するつもりかね」

4本の糸を不思議そうに見つめているムスカは遊戯にたずねた。
クククク、と笑った後、遊戯はルールを説明し始める。

始めにお互いに4本の糸のうち1本をトカレフの引き金に結ぶ、そして8本糸をトカレフの目の前に立ち、交互に引くと言うものだ。
なお、糸がどこにつながれているか分からないように途中に木の葉で隠されて分からないようになっている。

「まず俺が先に結ばさせてもらうぜ」
「勝手にしたまえ」

遊戯はその糸の一本を引き金に結んだ後3本の糸をたらし、木の葉のかなを通して4本が顔を出す。

「ムスカ、お前の番だぜ」
「みせて上げよう、私の本気を」

同じようにムスカも糸を結ぶ。
結び終わると遊戯の最後のルールが告げられた。

「銃を発砲させたら負けだ! それ以外のルールは無い」

           〆

「キミから先に引きたまえ」
先行は遊戯だ。このゲームは後攻のほうが有利になるようになっている。
いや、むしろ確実に後攻が勝つと言ってもいいだろう。
ムスカはルールを聞いた瞬間にそれに気づき、先行を遊戯に進める。

お互い、4本を結んで、その後シャッフルなどはしていない。つまり、4本の行き先は『知っている』ことになる。
8本中4本を知っていると言う事は最後には2本の導火線しか残らないのである。それを引く運命にあるのが先行なのだ。

「そうか、なら俺から行かせてもらうぜ」

その言葉を聞き、ムスカは勝利を確信する。
所詮子供……こんな平等で無いゲームを考え付くなんてな。

その考えも一瞬で崩壊することになった。

遊戯は、ムスカが結んだほうの糸を引いたのだ。
そしてそれは『導火線』ではないハズレのほうだった。

「ふぅ、セーフだぜ。次はお前の番だぜ」
ため息をついて額の汗を袖でぬぐいながら遊戯はムスカに言う。

ムスカは遊戯に言われるまま銃の前に立つ。目の前には7本の糸。
自分が知っている糸は残り3つ……そして安全なのは後2つ。
ちらっとトカレフを見る。銃口は真っ直ぐこっちを見下ろしていて距離は数メートル程度しかない。無人発砲だからといっても外れることはまず無いだろう。
小僧のように相手の糸を引くか? いや、もしかしたら『導火線』かもしれない……
狙うのは危険か?
結局悩んだ末、自分の知る糸を引いた。これで残り1本……

次のターン

遊戯は自分の知っている糸を引いた。
これにムスカはニヤリと笑う。

ムスカの番の時には迷わず自分の知っている糸を引いた。
それは当然ハズレである。

次のターン

ここにきてムスカの表情は反転することになる。
遊戯は自分の知っている糸だったからさっさと引いてしまった。

残る糸は3本、そのうち『導火線』は2本……1/3と言うシビアな状況だからだ。
そのうち1本は知っているので確率は、1/2! 決して高い数値ではない。
自分の知る安全な糸はすでに無い。

ムスカの目線は何回も何回もトカレフと糸の間を往復する。

「ははは、ムスカ! 『三分間待ってやる』」
「だ、黙れ!! 小僧!!」

焦っているためか小僧の声が私をイライラさせる。
確立は1/2ではないか! 何を恐れる?
半分の確立で私は死ぬのか?
ここを乗り越えれば小僧の負けは確定だ!
小僧より私の心配をしたらどうかね?
私は死に掛かっているのだよ?
どうすれば小僧を殺せる?
「ムスカ、三分経ったぜ! 答えを聞こうじゃないか」
「はっはっはっはっは、私としたことが…こんな簡単な答えがあるじゃないか?」
「クククク、どんな答えだ?」

今、ミラーフォースは自分の手元にある。
そして小僧は武器を持っていない。
さらに武器は私の目の前、ここにあるじゃないか?

「死ねええええええええええ!!!」

パァン!!

1発の銃声が山に響き渡った。

「ゲームオーバー」


どさっ!
ムスカの体は糸が切れたマリオネットのように力なく崩れ落ちた。
額からはまん丸の7mm大の穴が開き、後頭部は西瓜を棍棒で殴ったがごとく、はじけ飛んでいた。

「『銃を発砲させたら負け』お前の負けだ。ムスカ……」

遊戯はムスカの亡骸からミラーフォースのカードを取りながらつぶやいた。
ムスカはトカレフを取りに木の葉の中に足を踏み入れた。その瞬間に銃が火を噴いたのだ。
木の葉の中には『導火線』が眠っている。それと同時に『地雷』まで眠っていたのだった。
遊戯の仕掛けた引き金に続く糸、それは少し長く、木の葉の中を回路のように張り巡らされていて、少し宙に浮いていたのだった。
もし上に重量がかかれば糸が引かれ引き金を引く仕組みだった。

もっとも、ムスカがそのまま糸を引き、それがハズレだったら銃弾を受けたのは遊戯だっただろう。

「ルールとマナーを守って楽しくデュエルしていれば運命は変わったかもな……」


【ムスカ@天空の城ラピュタ 死亡】

【残り22人】


【C-3 南部/二日目・深夜】
【武藤遊戯@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】
[状態]:発熱、発疹、瞳孔の拡大、中度の精神疲労、頬に傷、全身いたるとことに擦過傷、SOS団名誉団員、闇AIBO
[装備]:千年パズル(初期装備)、テニスのラケット(ガットなし)、トカレフTT-33(2/8) 、DMカード(真紅眼の黒竜(次の夜まで仕様不可)、プチモス、カタパルト・タートル、(次の朝まで使用不可)、ブラックマジシャン(次の夕方まで使用不可)、 魔導戦士ブレイカー(次の午後まで使用不可)、聖なるバリアミラーフォース@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
[道具]:-
[思考・状況]
1:AIBOを表に出したくない。
2:AIBOを元に戻したい。
3:海馬と、仲間の友達を見つけたい。
4:このくだらないゲームを破壊し、主催者に闇の罰ゲームをかける。
5:春香と魅音に感謝。
※闇のゲームは行えますが、罰ゲームに制限がかかっています。(再起不能には出来ない程度)
※今のAIBOとカタパルトタートルに何か同じものを感じました。

【表遊戯の思考】
基本行動方針.自分に危害を加える者は容赦なく殺す
1.しょうがないな~
2.ヘタレならしょうがない
3.エアーマン、阿部は許さない
4.海馬と仲間の友達を見つけたい
5.ゲームを終わらせ、主催者を倒す
6.エアーマンを倒したらE-4の塔で仲間達と合流する
7.あの夢についての情報を得る。
※闇AIBO
ニコニコの闇AIBOタグで見られる、腹黒AIBO。
AIBOの持ち味である優しさが欠損して、笑顔で毒舌を言ってくれます。
ルールとマナーを守らずに楽しくデュエルしますが、過度の僕ルールは制限されるかも。
※C-120を打たれました。薬が切れる半日ほど全身の発疹、発熱、瞳孔の拡大、妄想が起こります。
 峠は越したようです。徐々に回復に向かうでしょう。



sm177:The Book 時系列順 sm176:両手には飛び立つ希望
sm179:月夜を隠さない程度の能力 投下順 sm181:全並行世界ナイトメア(前編)
sm174:されど奈落に花は咲く ムスカ 死亡
sm174:されど奈落に花は咲く 武藤遊戯 sm184:( ゚∀゚)o彡゜シルバー!シルバー!(前編)



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