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全並行世界ナイトメア(前編) ◆CMd1jz6iP2





「つかさー、早くしないと学校に遅れるわよー」
お姉ちゃんの声が聞こえる。
今日から衣替えだって忘れてて、支度が遅れちゃった。
お姉ちゃんを遅刻させるわけにもいかない。私は急いで部屋を飛び出して――

そこに立っていた、アザラシのような生き物と目があった。
「――お、お姉ちゃん、今行くねー」
私は、家の外へと急いだ。

「おはようございます、つかささん」
「おはようつかさ、てか、ギリギリじゃん。もっと時間に余裕持って登校しないと」
「うう~、こなちゃんのくせにー」
いつも遅刻が多いのはこなちゃんなのに。そう文句を言って――
家からずっと付いてくる、アザラシの視線を無視し続けた。

「フルボイスで逆リメイクされないかな。PC版のFate」
「いや、Fateにエロはいらんだろ。まったく、いつもエロゲーばっかりやって」
「そうですね。アーチャーさんやランサーさんも人気らしいですね」
「あれ、でもお姉ちゃんの買ってるラノベの最新刊で……」
「だー! あ、あれくらいはいいのよ!」
視線を無視する。

無視する、無視する無視する、無視する、無視する無視無視無視無視無視むしむしむしむしむし

「どうして」
無視しきれなくなったとたん、夢が崩れてしまった。
もう、周りには楽しい日常はなく、暗闇だけが広がっていた。
「夢くらい、楽しいのを見ていいじゃない!」
現実に、夢も希望も残ってないんだから、夢の中ぐらい希望に満ちていてもいいはずだ。
「邪魔しないでよ。お姉ちゃんを殺して、私の邪魔までしようっていうの?」
ゴマモンは、何も言わず暗闇の中に立っている。
「ゴマちゃんが……お姉ちゃんを殺さなかったら、何も起きなかった! ずっとみんなで一緒だった!」
その言葉に、能面のようだったゴマモンの表情が歪む。
「謝ってよ。私達の幸せを奪って、ごめんなさいって! 謝ってよぉ……」
ボロボロと涙がこぼれるのを、ゴマモンは見つめる。
「わ、わたしも……ゴ、ゴマちゃんにしたこと、あ、あやま……」
「――そんなの、今更どうしようもないだろ」
初めて、ゴマモンが口を開いた。
「お前が何を言っても、もう遅い。おいらはお前に殺されたんだから」
「そ、んな……なら、他のみんなは? いさじさん、福山さん、おじ……」
「五月蝿いな。みんな、もうお前に話すことなんかないってさ」
体が崩れ落ちるのを、支えられない。

「お、お姉ちゃんは?」
「――ぶぁーか。会わせるわけないだろ、お前なんかと」
もう、耐えられない。夢の中だっていうのに、意識がもっと深いところに落ちそうになる。
「もうヤダ。疲れたから、そっちに行く。もう、楽になりたいもん」
「勝手にすればいいだろ。……その前に、おいらに吐いた言葉を思い出すと、もっと楽になるよ」
もっと楽になる? その言葉に、靄のかかったような記憶を辿る。

『しっかりして、ゴマちゃん。このまま死んだら、大変だよ?』
あれ?
『だって、ゴマちゃんは殺した人の仲間全員に謝って、許してもらえないと、死んでも許されないんだよ?』
アレ、アレ?
『馬鹿だなぁ、ゴマちゃんは。お姉ちゃんを殺したくせに、なんで私が許すの?』
ア―――レ――

「おいら、何度も聞かされたよ。死んでも苦しむことになるから、死ぬことも許されないってさ」
「う、あ……違う、これは……ゴマちゃんを、利用するために」
「違うよ、本当のことだ。つかさが、そう言ったんだから」
ゴマモンは、死んだ。なら……この言葉が事実かどうか知っている。
「ヒック……うぁああああ……!」
このまま死んだらどうしよう。もう、許してくれる人なんていないのに。

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……謝る、私が……私が悪かったの。
許してください。なんでもしますから、許してください!」
「だから、死んでるおいらが許せるわけないじゃんか。
それに、おいらはつかさに言ったよ。生きてる間、ずっと罪を謝り続けたのに、つかさは本当は聞いちゃいなかった」
あれ、と考える。ゴマモンの謝罪の言葉……文字通り、死ぬほど謝らせたはずなのに……覚えてない。

「……おいら、もう行くよ」
「ま、待って! お、お願いだから……私、酷い子だって認めるから、教えて、教えてよ!」
「思い出しなよ、聞いてたはずなんだから。……ついでに、他のみんなの言葉もさ」


「う、ぁ……」
目覚めた。
目を開き、始めに目にしたもの。
「魅音ちゃん」
私に、泣けばよかったと言ってくれた人。私を、抱きとめてくれた人。
それを、私は自分で奪ってしまった。
彼女は、強くなんかなかった。いさじさんや、おじいちゃんたちとは違う……

「……そうじゃない」
強くなんか、なかった。いさじさんも、福山さんも、おじいちゃんも、スパイダーマさんも、春香ちゃんも、誰一人強くなんかなかった。
スパイダーマさんやおじいちゃんは強かった。けど、それより強い人は……あの相撲取りみたいな人がいた。
「私が、弱いから……強いふりをしてくれてたんだよね」
私が怯えないように、私を勇気付けるために。
それなのに、気づきもしなかった。弱さを盾に逃げ続けたら、すべて失っていた。

「強い人」を演じた彼らの声は、皮肉にもつかさに届かなかった。
つかさとあまり接点のなかった魅音。周りの「つかさちゃんを守ろう」という一体感をいまいち読めなかった魅音。
それは、つかさと同じ視点に立つことに繋がり、魅音は、誰にも成せなかったことをやり遂げた。
ただ、そもそもが魅音の仲間である、谷口によって引き起こされたことだというのは、残酷な運命といえるのかもしれない。

「いさじさん」

『道を……誤っちゃだめだ!!』
ごめんなさい。私は過ちを犯し続けました。

「おじいちゃん」

『言ったじゃろ、ワシは命を賭けてつかさちゃんのことを守ると』
今も生きてるよ。おじいちゃんみたいに、自分の味方を殺してのうのうと。

「ゴマちゃん」

『嫌だ、嫌だよ!許して、おいらを許してよ!』
思い出したよ、ゴマちゃん。私は、許しを請うゴマちゃんを、けっして許さなかった。
ごめんね。私には……ゴマちゃんを許す資格はないよ。
ゴマちゃんのことは、おじいちゃんも、いさじさんも、お姉ちゃんも……みんな許してくれるよ。
私は……無理だろうけど。

みんな、私に思いを伝えてくれていた。
私は聞くことすらしなかったけど、誰もが私を愛してくれていた。勇気付けてくれた。
「きっみがくれたゆうきは、おっくせんまん、おっくせんまん……」
iPodから流れてくる歌を口ずさむ。

「私に勇気をくれた人は、みんな死んじゃった」
……そうだっけ?

『はるちゃんは人殺しじゃない』

「はるちゃん!」
気持ち悪い、気持ち悪い。内臓がひっくり返りそうなぐらい、血も何もかもぶちまけたい。
「どの口で……人殺しの私が、どの口で!」
謝ろう。
許されなくてもいい。殺されたって構わない。
もう、後悔だけはしたくない。
魅音の手を握る。僅かに、温かみが残っていた。

「魅音ちゃん、この帽子……形見に貰っていくね」
この帽子を、はるちゃんに届けようと思った。
そして、魅音ちゃんが最期まで立派だったことを伝えよう。
同時に、私の罪も伝えないといけないけれど……罰は、うけないといけない。
帽子を被り、魅音のディパック中身も一つに纏める。
その際、魅音の刀とモンスターボールを取り出した。
「行ってきます。……また、ね」

まだ疲れが残る体を酷使して、駆ける。走る先は、道ではなく、崖。
一秒でも早く、春香と合流するための最短距離は、ここを飛び降りること。
ジャンプするが、少し地面が近い。飛行石が、地面に近づいても発動しない。
「……っ!」
あわや直撃か、という寸前、飛行石が輝いた。
地面を転がるが、あちこち擦り剥いた程度で済んだ。

「……遊戯君?」
誰もいない。この辺りに落ちたのではないのか、そもそも時間が経っているのだから移動したのか。
探そうとも思ったが、出会えば殺される。まだ、春香にあっていないのに、それは避けたかった。
「……ごめんね」
再び走り出す。その頃、ムスカと遊戯が生死をかけたゲームをしていることなど、知る由もなかった。


町に向かっていたはずのハルヒは、橋に逃げ戻っていた。
「はぁ、はぁ……一体なんなのよ、あれは!」
とりあえず薬局に戻ろうと歩みを進めているうちに、恐ろしい光景に出会ってしまった。

とんでもない光線のぶつかり合い、飛び交う蝙蝠。
あの相撲取りのような超人の戦いに巻き込まれたら、命がいくつあっても足りない。
(迂回しましょう。古泉たちがいるには搭のはずだし……ッ!?)
戦っているうちの一人の顔が、月明かりで見えた。
(萃香!?)
角がなかったが、あの顔と小ささは間違いない。
でも、他の二人は?
ロールでもニートでもない。古泉たちも知らない第三勢力と、合流済み?

(あっちが失敗してどうするのよ!)
もし古泉たちがヘマをやったのだとしたら、町に向かうのは危険すぎる。
既に死んでいることも視野に入れないといけない。
及び腰になってしまったハルヒは、また橋に戻っていた。
少し待てば、あいつらの戦いも終わる。
そうすれば、町に確認にいくことも……

「ハァ…ハァ…」
(――だれか、いる?)
荒い息づかいに、息を潜ませる。
慎重に、橋の影から覗き見る。

その光景が、信じられない。
(たべ、てる――)
墓を掘り起こして、人を食べている。
レナが埋めた死体を、バリバリと食べている。
(ば、バケモノ……)
ハルヒは橋に戻る。このまま見つかれば、自分まで食われてしまうと。
ガタガタと、震えながら待つ。あのバケモノが、山なり町なりに消えてくれることを。

(こいつは……TASだ)
ヴァンデモンの感情は、その死体が誰か気づいた瞬間に僅かに落ち着きを取り戻した。
「あれだけ格好つけてたくせに、あっさり死んでるなんてね」
「お笑い、実に滑稽」
「それじゃあ美味しく頂きましょうか」

吸血鬼。その名に偽りありとでもいうように、その体を貪り食う。
僅か数分で、原型もわからないような服の残骸しか残らず食べてしまう。
最速の男、TASはあまりにもあっけなくこの世から痕跡を消した。

次に、ピッピ、コロネを一飲みにしてしまう。
「不味い」
「糞のような味。ああ、腹が立つ」
それでも、データ量は中々のものだった。
情報改変で、治療を開始する。

「腕が……治らない」
本家の長門ですら、指の欠損を再生できなかった。
捻じ曲がっていたのは治ったが、動かない。
能力の酷使による疲労も激しい。そして、ついに少し明るくなってこようとしている。
「あまりデータ量を期待できないけど、このチビも食べてしまうか」
何の力もなさそうな少女。おやつ程度にしかならない。
それでもと、その腕を掴み、喰らおうと牙を向けた。


「――なにしてるの?」
悪寒が、全身を襲う。
それほど、冷たい声だった。
振り向くと、山の方角から来たらしい少女の姿があった。
「放せ……こなちゃんを、放せえ!!」

つかさは、目の前の光景を認めたくなかった。
人間じゃないバケモノが、人を食べてる。
そして、今まさに次の食事になろうとしている、親友。
私は間に合わなかった。こなちゃんは死んでしまった。
――だけど。

「なにかな、お嬢ちゃん。食事の最中なんだけど?」
吐き気が込み上げるのを、押し戻して叫ぶ。
「私の友達は、お前の食事なんかじゃない!」
おじいちゃんのクレイモアなら、こいつを倒せるはずだ。
でも、位置が悪い。ちょうど、こなちゃんが直線上にいる。

(そうだ、あれがある。光の護封剣!)
24時間に1度使えるというカード。あれが今使えるかはわからないけど、それしか方法はない。
一歩離れてディパックに手を突っ込む。
(あっ、これじゃない!?)
あせって取り出したのは、意味不明の宝石だった。

「ふん」
小ばかにするような声。その直後、つかさの周囲が円状の光に覆われる。
「な……なんじゃこりゃー!」
円が収束し、つかさの両手両足を拘束する。
「魔力も、力も無い小娘なら、バインドも簡単に決まるね」
ヴァンデモンは、つかさに近づくとディパックを漁りだす。
「どれ、何を使うつもりだったのかな?」
豊富な支給品の数に、感心していたヴァンデモンの動きが止まる。

「ぐ……グギャギャギャギャ! 見つけた、ついに見つけたよー!」
その手に、小さな機械が握られていた。
デジヴァイス。ヴァンデモンが捜し求めた進化するための道具。
(えっ、今の声って?)
その声が、園崎詩音のものと似ていると、つかさは気が付いた。
「へぇ……良く見たら返り血らしき跡が。なんだ、ゲームに乗ってる子でしたか」
「でも、まだ甘いところがある。こんな精神では私を究極体には出来ない」
今度は、違う声。つかさは、目の前にいるのが何なのかわからなかった。

「そうですねー。じゃあ、あの死体を……この子の眼前で食べてやりましょうよ」
「あはは、いいねそれ! 身も心も真っ赤に染まるよ!」
ああ、なんだ。こいつも狂ってるんだ。つかさは、そう冷静に理解していた。
きっと、自分も大差なかったんだろう。
(これから、こなちゃんが食べられるのは……私への罰なのかな)
ヴァンデモンは背を向け、デジヴァイスとディパックを片手に、こなたの死体の元へと戻っていく。
(嫌だよ、こんなの。私への罰に、どうしてこなちゃんが巻き込まれなければいけないの?)
そんな理不尽があっていいはずがない。
それでも、つかさの体はバインドで動けない。
出来ることなど、何もない。ただ、iPodから流れる音楽を聞くことぐらいしか……
(ダメだよ……・諦める、もんか!)

「ようやく、運が向いてきたね」
これで、うまく究極体に進化できればこちらのものだ。
この能力を更に有効に活用できるようになれば、もはや敵などいないと笑う。
死体の腕を掴もうとして……妙な音に、ヴァンデモンは後ろを振り向いた。

「なに?」
先ほどまで、そこにいたはずのつかさが、いない。
そこにいたのは、奇妙な魚が一匹。無駄に『じたばた』していた。
「こいつが、あの小娘を逃がしたの? で、でもあの一瞬で、消えるわけがない!」
周囲を見渡す。
と、ヴァンデモンの目にうっすらと明るくなった空が映る。

「いけない、もう少しで日の出か。……ん?」
薄暗い光を背に、つかさは立っていた。
「せっかくバインドを解いたのに、逃げないなんで馬鹿だね!」
再び、バインド。しかし、それはあっさりとかわされた。
銃声が響く。
防御魔法に阻まれ届くことはないが、何か様子がおかしい。


――ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤーイヤ――ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤーイヤ――
――ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤーイヤ――ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤーイヤ――


たいやきを、なんとかモンスターボールから出し、バインドを破ってもらったつかさ。
直後、彼女を不思議な感覚が襲った。
今、目の前に相手にならないような怪物がいるというのに。
つかさは、この曲が流れて出したとたん、どんな攻撃も当たらないと確信していた。
「喰らえ!」
嫌な予感を感じ取ったのか、ヴァンデモンもつかさを黙らせるべく動いた。

――魂の話を聞かせてよ――瞳を逸らさず見つめてよ――貴方は私が何処にもいないと思ってる――

「こなちゃんは、私のことを探してくれてたのかな?」
うどんげの弾幕を、かわす。まるで向こうから避けていくかのように。
ヴァンデモンの体が揺らぐ、まだ回復しきっていないのだ。
「グギャギャギャ! この時のための銃ですよ!!」
ベレッタが火を噴く。

――Something somewhere anytime anyplace――吹けば飛ぶよな夢だけが――
――you don't make her on your dream and change――二人を結んでる――

「きっと、私が人殺しだなんて……思ってもなかったのかな?」
つかさが、飛ぶ。ありえない跳躍、ありえない回避。
「空も飛べない人間が、空中で銃が避けられるかあああ!!!」
狂ったように、しかし照準を合わせ引き金を引き続ける。
「ナイトレイド!」
さらに、蝙蝠の群れがつかさを襲う。

――全てを見せる星の導きに背いて――まっすぐに駆け上がる――空にある扉へ――何処までも私は行くの――

「その期待には応えられなかったけど……その償いに、こなちゃんが眠るのを守るから」
銃弾が、頬をかするのも気にせず、つかさは宝石を蝙蝠の群れに投げつけた。
宝石を中心に、蝙蝠の群れに大穴が開く。
「なっ――!?」
とんでもない武器なのかと、向かってくる宝石にヴァンデモンは残った魔力を総動員して迎撃に当たる。
「ディバインバスター!」
砲撃魔法を受け……宝石は一瞬で蒸発した。
あまりの呆気なさに、一瞬だけ呆けて……自分の失態に青ざめる。

――全てを(本当の)――見せる(貴方と) ――星の(本当の私が)――導く(出会える)――優しい(場所まで) ――明日(きっと行けるはず)――

「ど、どこに消えた!」
つかさの姿を見失った。ディバインバスターを放った硬直が、まだ体の自由を奪っている。
銃声。
私は撃っていない、とすれば――そこまで考えたヴァンデモンの目に、灼熱の痛みと暗闇が襲う。
「が――ぎあぁぁ!!?」

――それより(運命に)――明るい(背いて)――未来(涙を散らして)へと(それでも会いたい)――
――行くから(We will reach to nowhere land.)―― Take me to the nowhere land)――

「だから―――ごめんね」
つかさの銃撃は、ヴァンデモンの左目を捉えた。
SIGP210の命中精度は、トカレフの比ではない。それでも、つかさの腕で狙えたのは、偶然か、このBGMのせいなのか。
2射、3射と撃つが、今度は情報改変によるバリアに阻まれる。
「ひゃはは! そんな銃で私を殺せるわけないでしょう!」

「――その声、園崎詩音さんだね?」
「わ、私のオリジナルを、知っている!? なら教えなさい、お姉は……お姉はどこです!」
その言葉の意味が、心配か悪意かは、つかさには伝わらなかった。
「魅音ちゃんは……私が、殺した」
ただ事実だけを口にして……その暴走を、見た。
「ガアアアアアアアアアア!!!」
ブラッディストリームが、再び狂ったように地を、空を駆ける。

――全てを見せる星の――導きに背いて――まっすぐに駆け上がる――空にある扉へ――

腰に下げた、刀に手をかける。
魅音には抜けなかった、その神の刀は

――優しげに微笑む――運命に背いて――貴方にもし私を――捜す勇気があれば――

――初めて、その刃を見せた。
「なぎ払え!!」
抜き放たれ、振り下ろされた閃光は、赤い奔流を断ち切ってもなお止まらない。

――何処にでも私はいるの――

「ギィィィ――ァァァァァァァァアア―――……」
鬼狩柳桜より放たれた、バリアをも打ち破る光が、ヴァンデモンを飲み込んだ。

――ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤーイヤ、ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤーイヤ――



sm179:月夜を隠さない程度の能力 時系列順 sm181:全並行世界ナイトメア(後編)
sm180:ボクが庶民で君が王でさらにアンタも王で 投下順 sm181:全並行世界ナイトメア(後編)
sm179:月夜を隠さない程度の能力 博麗霊夢 sm181:全並行世界ナイトメア(後編)
sm179:月夜を隠さない程度の能力 KAS sm181:全並行世界ナイトメア(後編)
sm174:されど奈落に花は咲く 柊つかさ sm181:全並行世界ナイトメア(後編)
sm176:両手には飛び立つ希望 涼宮ハルヒ sm181:全並行世界ナイトメア(後編)
sm179:月夜を隠さない程度の能力 チューモン sm181:全並行世界ナイトメア(後編)



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