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「マルクの本心」を1㍉も知らない私が警戒してみた ◆wC9C3Zbq2k





 朝の放送を終えたマルクが憔悴した顔で寝室へ去ってゆく。
ピエモンは気配が遠のいていくことを確認したのち部下のデジモンにメールの件を訊ねた。
船内にあるコンピュータからハッキングされていたようだ、という内容について。

「私たちをなめている参加者がいたようですね」
「管理体制が甘かったのは認めますが、いくら上手な偽装でも半日もあれば見破れるッス」

 頼もしい言葉にピエモンは頷く。偽装は寿命は少し伸びるが最後まで騙せるものではない。
ニコニコ動画でさえモロ18禁ものに関しては巧妙にうpされようと全て消去しているのだ。

 ログインを禁止してしまうかという問いに首を振り、ピエモンは命令を出す。

「アイスデビモンに早急に伝えておけ。接続自体はまだ切らなくていい」
「でも潜行任務中ですからすぐには捜査に行ってもらえませんし、危険なのでは?」
「『もう殺しあうしかない』と思わせるにはギリギリまで期待させる事も重要なんですよ」
「希望が絶望に変わったときが見ものってわけっすね。さすがピエモン様!」

 ピエモンにとってこのゲームの参加者の反逆自体はあまり脅威ではない。
彼らはこちらが首輪をはめることに成功した時点ですでに詰んでいるに等しい存在。
脱出法を探ろうが首輪を外そうと頑張ろうが、能力制限下ならこちらの敵ではないのだ。
怖れるべきは先程のインフェルモンのような想定外のものの急襲と―――マルク本人。
そう、なにより共催者のマルクの真意がわからないことがピエモンは不安でならない。

 ついさっきもコイヅカ氏と連れ立って今更バトルロワイヤルを開催した目的を告げに来た。
だがその内容は限りなく陳腐。「ただ楽しそうだったから」なんて誰が信じるだろうか。
必ず裏がある。マルクがただの魔力に恵まれた馬鹿ではないことはピエモンも知っている。
本当の目的などなく何も隠し事をしていないとしたらいろいろと辻褄が合わないのだ。
彼は直属の部下を持たず、デジモン達に囲まれていても全く反乱を恐れてはいない。
共催者に権力が集中している事に何の危機感も持たないのは馬鹿でない限り力のある証拠。
先程の腹の探りあいでは戦艦ハルバードを披露してくれた。しかしあんなものでは足りない。

「まったく、無邪気に見えて底の知れない奴だ……」

 ニコ厨のふりをして(実際そうなのだが)動画からヒントを探り、見当はついている。
反乱を怖れない理由から考えていった結果、マルクの所持品はおそらくマスターボール。
仕える主のいないモンスターをたった一投で強制的に服従させてしまう怖ろしい道具だ。
たとえそれがミュウツーでもエスタークでもゼラでも ―――ピエモンであっても。

 円滑に進めば今日中にもゲームは終結する。そのときマルクは何をしようというのだろうか。
完遂で目的も達せられるのであればそのまま素直にノヴァを譲渡してくれる可能性は高い。
ピエモンの見る限り彼は残虐ではあるが同時に紳士でもある。契約で嘘はつかないはずだ。
だからこそ、今すべきことはバトルロワイアルを盛り上げ優勝者が出るよう尽力すること。
わかってはいるのだ。わかっては……。

 しかしバトロワが失敗した場合を想定し、最悪の事態にも備えておかなければならない。
どれだけ裏方が優勝者が出るよう調整しようと実際に殺し合いをするのは参加者たちなのだ。
生き残った全員が非戦を望み二十四時間ルールで心中などされてはとても成功とはいえない。
残った者同士で相討ちになり優勝者すら出ない事になればそれもバトロワとしては失敗だ。
そうなったとき、マルクはおそらく隠していた本来の目的のために動きだす。

 そうなればピエモンも、懸命に働いてくれた部下たちも、「支配」されることだろう。
今までそうしてこなかったのは指示がなくとも動ける協力者のほうが都合が良かっただけ。
異空間への幽閉を経験したピエモンだからこそ、自由を奪われる恐怖は身に凍みている。
すぐにでも力が必要だ。マルクと拮抗し、危険な企てならば阻止できるだけの力が。
対抗手段として密かに開発を進めていたジアースも従来の欠点を解消するに至らなかった。
失敗作でも存在を教えたことで抑止力になるかと思えば相手も戦艦持ちだ。効果は望めない。

 進化。それはもちろん考えた。デジモンである以上まっさきに。
ゴマモンのような矮小な存在でさえ一日もたたずに七大魔王の姿にまで進化できたのだ。
それを望み条件を整えさえすればピエモンも究極体へと進化を遂げられることだろう。
特別な存在でなければ完全体にすらなれないという常識は、ここでは通用しないのだから。
そう、ゴマモンの進化に驚くピエモンにマルクは確かにあの時こう言ったのだ。

「ここでは特別な存在になることなんて簡単サ! ヴェルタースオリジナルいるかい?」

道具1つでありえないことが簡単に起こる。ここはそういう危険な空間だ。

 だからこそただの進化では足りない。究極体といえどそれもやはりモンスター。
マスターボールの強制力に打ち克つだけの圧倒的な存在にならなければ意味がないのだ。

「神(笑)か……」

とある参加者の態度を思い出し苦笑する。だが冗談ではなく神になるのが最善だ。
既にそのための手段は存在するのだから。ピエモンは手にしていた千年リングを握り締める。
これぞアクナムカノン王が創りし秘宝にして滅びし邪神の魂を内に秘めし器。
適応者にこそなれなかったが、道具の力を制御して情報を引き出すことには成功した。
異界の暗黒神を降ろし、自分と同化させる。この空間ならそれができるというのだ。
ノヴァ程万能ではなさそうだがその力があれば全世界の支配だって可能かもしれない。

 必要な条件は、深き憎悪・完全なる暗黒・月の魔力・冥き王を生贄に捧げること。
その上で「いいですとも!」をブレイクワードにする必要もあるらしいがこれは後回しだ。

(生贄か……)

 ピエモンは思案する。生贄をどうやって集めるか。
条件に符合しそうな参加者で生き残っているのは古泉・春香・永琳・遊戯の各1名ずつ。
マルクに気付かれず行うのは難しいのでバトロワ完遂後が理想だが、悠長にはしていられない。
死者は「喰われる前に」蘇生できる形で回収。生存者はマルクが動いた直後に出向いて拉致。
こんな前提が必要になるほど死者が食物として扱われている現状を嘆きたくなる。

 だが方針は決まった。バトロワ完遂に努力する。裏では新世界の神になる準備を整える。
両方やらなくちゃいけないのがつらいところだが、覚悟はとっくにできている。

「最後に笑うのは……私だ!」



【クッパ城/二日目・朝】
【ピエモン@デジモンアドベンチャー】
[状態]:健康
[装備]:不明
[道具]:千年リング、アシストフィギュア×3
[思考・状況]
1.ノヴァを手に入れるため、なんとしてもバトロワを完遂させる。
2.バトロワが完遂できなかった場合マルクが裏切ると予想。対抗するため神を目指す

※ピエモンは生贄に最適の参加者がいることにまだ気付いていません

【備考】
  • アイスデビモンにnice boat.からハッキングした者がいるという連絡を入れました。
 解決の優先順位は低いので、すでに違う方向に向かっていれば船には行きません。






 一方、それだけピエモンに警戒されているマルクはというと……
隠れた野望など別に持ってはいなかった。今までのことはすべてピエモンの杞憂に過ぎない。
楽しそうだからバトロワを始めて、信用できそうだから部下がデジモンだけでも気にしない。
魔術師としての実力があることと脳内が愉快なことは決して矛盾するものではないのだ。

「うぅー。こんなにすいみん不足なのにやんないといけない事が増えたのサ」

 マルクは寝室で毒づく。ハイポーションで回復したとはいえ激務後は休みたい。
ピエモンが勝手にロボットなんて作るから余計な仕事が増えるのだ。怒りたくもなる。

 すべきこと。いくつかの支給品に仕込んである「萌え画像集.zip」の開放条件の変更。
参加者がジアースに遭遇した場合、自動的に解凍され中のsrwファイルが開かれるように。
その拡張子こそ、用意しただけで使うつもりはなかった巨大ロボの現実化プログラム。
あれと相対するということは脱出に成功したかその寸前だろう。ならそれくらい問題ない。
ひとまず寝て、起きてからピエモンにばれないようその変更内容を打ち込むことにしよう。

 このバトルロワイアルは、必ずしも優勝者を出す必要はないのだから。

 コイヅカ氏は殲滅を口では望んでいるけれど、それ以上にどのキャラも愛してしまっている。
動画にして見せしめにすると言ってはいるがこんな内容では抑止効果が期待できそうにない。
視聴者に恐怖させるには独善や絶望、疑心暗鬼が必要だ。なのにみんな団結してしまった。
殺すだけなら今すぐ全員殺せるのだ。そうやって帰らぬ人にしたほうがよほど脅しになる。

 個人的にももっと極限状況下での狂気に染まって殺しあってほしかったが、もう期待薄だ。
マルクが作りたいのは評判を呼ぶ動画。殺し合いに固執してつまらなくなってはいけない。
自分のオールスター入りのためにもルールを守ることより面白さを重視すべき局面に思える。
だからこのゲームの結末はどう転ぼうが構わない。生き残って脱出されても別にいい。
ここまで淘汰しておけばオールスターの持つ閉塞性だけは自動的に解消されることだろう。

 それに、諦めず主催者に立ち向かってくる彼らに「勝利したくはない」。
このまま優勝者が出れば主催側の完全勝利。ピエモンならそれで喜ぶだろうがマルクは違う。
今までの人々の記憶に残るようなラスボス達はみんな負けることで人気を得ているのだ。
クッパ・ワイリー・バイキンマン。何度も敗北を味わう中で彼らはスターとして認められた。
自分もそんな名悪役達のように強烈な強さを見せつけるやられ役でありたいとマルクは思う。
上手にラスボスを演じて負けてあげてもそれはそれでバトロワという物語の完遂だ。
だからどちらかというと対主催のほうがいいのだ。少なくともマルクにとっては。

 ピエモンは反対するだろうが彼だってニコ厨。動画が減りすぎれば損をする立場だ。
オメガモンももういないし、ノヴァの譲渡という約束さえ守ればわかってくれるだろう。

 優勝なら優勝で勿論かまわない。ここから心躍るような大虐殺があれば考えだって変わる。
ただやっぱり、折角改造したクッパ城には誰か1人くらい挑んでほしいなと思いながら……
マルクはひとときの眠りについた。目覚ましをセットすることさえ忘れて。



【クッパ城/二日目・朝】
【マルク@星のカービィ】
[状態]:睡眠中、悪魔の道化
[装備]:萌えもんアカギパッチ@萌えっ娘もんすたぁ
[道具]:超進化プラグインS*5@デジタルモンスター
[思考・状況]
1.自分の楽しみのため、オールスター入りを果たすため、なんとしてもバトロワを完遂させる。
2.面白ければすべてよし。参加者が城まで来るようなら喜んでラスボスを演じてあげる

【備考】
  • iPODやXBOX等のデータ領域に「萌え画像集.zip」という偽装ファイルが入っています。
 ジアースと戦わないといけない局面になるとそこからなんらかの巨大ロボが出てくるはずです。
  • クッパ城の内部は改造されているようです。全自動鬼畜ステージくらいはあるかもしれません。



sm190:第五回定時放送 時系列順 sm192:俺にフラグは通用しねえぜ!
sm190:第五回定時放送 投下順 sm192:俺にフラグは通用しねえぜ!
sm190:第五回定時放送 ピエモン sm202:ニコニコ流星群は大変なオペレータールームでトルネードスピィィンをうおっすまんごゆっくりぃ!!
sm190:第五回定時放送 マルク sm202:ニコニコ流星群は大変なオペレータールームでトルネードスピィィンをうおっすまんごゆっくりぃ!!



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