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ゆっくりしていってね!!! ◆jU59Fli6bM





◆ゆめのせかいで いろいろてにいれておきて またゆめのなかへ エンディングまでいけるといいね。



会場では時報が鳴り、姿を変えたピエロが全体に映し出される時間。
悪夢の放送の時間。
しかしここ、ゆめにっきの世界はその声を通すこともなく、無常に時を刻み続ける。
時が止まっているかのように時が進んでいく。
ここは夢だろうか。現実だろうか。
分からないのも夢の特性。


◆ゆめにっきへ ようこそ。



「私も嬉しいよ。……あなたを殺したくて仕方がなかったから」


妹が視線で刺し殺せるような目で阿部を睨む。
阿部は道端の石ころでも見るかのような目で妹を一瞥し――何も無かったかのように話を続けた。
「萃香ちゃん、何があったかはこの際どうでもいい。こいつらと行動を共にしている理由は何だ?」
「理由っていったら成り行きもあるけど……」
萃香が妹の殺意の宿る目を見る。
そして阿部をまっすぐに見据えて言った。

「――私には、約束があるから」

「……そうか」

決別の時間は短かった。
阿部が発言し終えるのと、その脚が座っている萃香の顔面目掛けて飛んでいくのは同時だった。
萃香もとっさにミニ八卦炉を盾にして直撃を防ぐ。
衝撃で吹き飛ばされる体を受け身に転じ、すぐに身体を起こす。
始めからそう来ることは分かっていたような動きだった。
「おま、なんなんぞ!!いきなり現れていきなり何しよるか!」
「阿部…!!」
博之と妹がそれぞれ武器を構える。
「…所詮は女だな。まあ今となってはソウルフレンドも優勝の障害だ、どちらにしろ丁度いい」
阿部は刃物や銃を突きつけられても余裕の笑みを見せる。妹が阿部の前に立ち塞がって言った。
「殺してやる……!阿部、私が殺してやる!」
「ああ、来いよ。いつでも殺してやるよ」
阿部が蔑むように吐き捨てる。その目はさっきと変わっていなかった。
「妹!お前も少しはじじゅうせんか!」
博之にとって妹が間違った行動に出ないかが気がかりだった。
殺人者の前なのに、この態度では本当にいつ死んでもおかしくない。
「ひろくん、ごめん。でも私、こいつが憎い」
「……じゃあ尚更やが、わざわざケンカ売るな」
「……」
庭師の鋏を持つ妹の腕が静かに震える。本心では殺しなどしたくない。
しかし彼女の心のもう片面は阿部への殺意が渦巻いていた。
それは怒りと恐れの入り交じった震え。身体は正直に動いたが、怖くないといえば嘘だった。
しかし彼女は心の中で嘘をつき続けた。

「阿部……一つ聞く」

萃香が小さな、それでいてしっかりした声で訪ねる。
「…何だ」
「いつから優勝が目的になった」
阿部は少し眉をひそめてから、話し始めた。
「いいところを聞くな。せっかく再会したんだ、教えてやろうか?その理由を」
萃香も妹も、博之もが無言で耳を傾ける。

妹の愛しの兄であったキョンを無残に殺した男。
道具も持たず生身で生き延びているのは、常人とは思えない強靭な体とその自信を持っているから。
しかし3人の前に現れたのは、以前の行動方針とは違う『優勝』の為に殺しに来たから。

彼を変えてしまった、優勝を目指す理由は――




「勃たなくなった息子を治してもらう為だ」


ゆめにっきの中の異様な空気さえ、一瞬固まった気がした。



しばらくして、地面に一人のいい男が転がることになる。

「ん?おい。これはどういうことだ?」
「どうもこうもないやろが、それ以上子供の前で汚い事話すな」

本当に(違う意味で)危ないと理解した博之は、水銀燈の能力を使い、この場を抑えた。
阿部の上半身は何枚もの羽根で拘束され、その腕は肩から肘まで胴体にぴったりとくっついている。
「まあ、やろうってんなら俺は受けでも構わないぜ。萎えてる息子でもいいならお前と」
「おぃぃぃぃいい!!!いいから黙っとくれぇぇぇええ!!!!」
『そうだそうだ!!さっきから萃香ちゃん殴ったりお前はそれでも男か!謝れ!ボインょぅι゛ょ何でもバッチコイな俺
に謝れ!』
「お前も少し黙っとけ!!!」
萃香はともかく、まだ子供の妹には明らかに不適切な内容の会話が飛び交う。
どないせいっちゅーんや!!と心の中で叫ぶ。
博之は、修羅場を沈めるために最善を尽くそうと努力するのであった。
唯一の幸いは、妹の注意が別に向けられていたことだった。

「ねえ、ひろくん……あれ」

しかし、それも幸いであると同時に別の不幸でもあった。


博之が後ろから近づく気配に気付き、振り向く。
森の暗がりから誰かが出てくるのが見えた。
いや、それは果たして人間なのだろうか。ほっそりした体、鳥のような頭、紫に光った目……。
どこから見ても奇怪な生物がこちらに向かって歩いてくる。

「ななな、なんでこんなんばっかなんやが!こういうんは、あ、あれだ、こっちくんなww」
「ひろくん…落ち着いて」
「…あれ、何なんだ?」
『き、きめえってレベルじゃねーぞ!』
「ウホッ…」

全員が素直な気持ちを口走る。その中も、鳥人間は独特の動きで近づいてくる。
真っ直ぐに歩かずに時々止まったり斜めに逸れたりするのが逆に気持ち悪い。
「…あの動き、仲間にしてくれとかそういうんじゃ、ないよな。襲いにきてたりするのか?」
「うーん、この世界に入られて怒ってたりして」
「そんな理不尽な」
それを知ってか知らずか紫色の瞳がこちらを向き、約2名の背筋を凍らせる。
思わず博之が銃を撃って牽制するが怯む様子もない。
『あいつ怪しさ全開じゃねーか!逃げるなら今のうちだぞ!てか怖いから逃げてくれお願いします』
今度は懇願し始めるクロスミラージュ。
鳥人間は見かけとは裏腹に動きが早く、その距離はいつの間にか1mほどに縮まっていた。
博之は何となく追い詰められるような感覚に陥った。おもむろに固まっている萃香を抱える。
『うおぁ!来る!!』

次の瞬間、その手が伸ばされ――博之は咄嗟に手元の物で刺した。




★ほうちょう★


◆こうかが ないようだ


「ぎゃああああああああああッッアァッ!!」

3人は一斉に駆け出した。

後ろのばけものは鋭く目うぇお光らせて走りた、博之はさげビ声ををしなから、萃kはひろゆ背中きにしがみつくなげあ

ら妹とはそれふた人り2ぬあきれながあべはちょ…とざねんそuなか…おおsいなnnnnがgggggrgrrrrrrrtanashinn-nn--.-

      • -
…… Not found





「あれ?」

レッドベジーモンが不思議そうに監視モニターを覗きこんだ。
「どうした!脱出派に動きか?」
「やっぱり昨日のは気のせいじゃ……」
「だからどうしたと言っている」
「おかしいんです、これを見てください」
彼が指差したのは――

正常に表示される4つの点。

「ゆめにっきの4人がどうした?」
「あ、あれ?」
「全く、今はふざけてる時期じゃないだろ?真面目にやらないと上の奴等にかもされるぞ」
隣のデジモンはそう言って自分の仕事に戻っていった。
「おかしいな、確かにさっき、技術的な問題がどうって……」
首を傾げて、彼もまた監視に戻った。



「ゼェ…ゼェ……死ぬかと…思った……」
その頃、4人はある部屋にいた。あの森の世界から脱出し、別の扉の中に入ったのだ。
妹の提案で出た扉から左にまわることにし、手始めに怪しげな奥の扉へ。
中は普通の部屋、萃香が良かったとため息をついた。

「やっぱり、あの人怒ってたね……」
「人か、あれ…?」
(ああいうのとやるのも悪くなかったが…惜しいな)

萃香はベッドで休むことにし、妹と博之は阿部に注意しながら散策を始める。
博之がテレビ全体に映る目玉に悲鳴を上げる中、妹はあるものに目がいった。

それは机の上に置いてある日記帳。
何の変哲もないただの日記帳のはずだった。
しかし、何故かどうしても気になった。
妹は誰かに呼ばれるように机に近づいていき、それを手に取る。

「ゆめ、にっき?」


表紙には女の子らしい文字でそう書いてある。
本を開き、ページをめくる。人の日記を読むのはなんとなく気が引けたが、結局強い好奇心には勝てなかった。
日記の内容は題名の通り、このおかしな夢について。
1日目、変な絵と共に、じてんしゃに乗った、落書きの中や森の中に行った、と文が続く。
彼女はこの日突然おかしな夢に迷いこんだのだろうか?
2日目、ほうちょう、ほうちょう、と可愛げのある文体とは逆に言っていることがおかしい。
3日目、4日目と読み進めた妹は、この夢の世界は彼女のものだと気付いた。
彼女の記憶にある様々なものが混ざり合い生まれた世界、そして日が経つにつれ混沌としてくる文章と絵。
どれもが彼女の不安定な心を示していた。

12日目、はやく ねなきゃ あれ でも ここは ゆめのなか? はやく ねなきゃ はやくはやくはやくはやく
13日目、まど つ き

妹が静かに本を閉じる。日記はここで終わっていた。
不思議と不快にはならなかった。
ただ、どうして、と思った。
どうしてこんな夢を見るようになったのだろう、どうしておかしくなってしまったのだろう、と。
信号機を使うと壊れてしまう白黒の少女、電気を消すと恐ろしい姿になるポニーテールの少女、
決して仲間には入れない鳥人間の集団……これは、彼女の心の何を写したのだろう。
妹は、少しだけ彼女のその後を考えて、すぐに止めた。

「なあ、妹。さっきから何を熱心に読んどるのや?」

不意に後ろから博之が顔を出してきた。
「……この夢を見てた子の、日記帳」
「日記?こんな夢を見る奴の?」
「……ねえ、ひろくん、萃香も、話したいことがあるの。聞いてほしい」
「どうしたんや?」
「話?」
妹は一つ頷いてから話し始めた。

「この世界は、夢だけど現実なんだと思うの」

2人はしばらくの間、その言葉を理解しようと頭を捻らせる。
「元々、この夢は一人の女の子だけの世界だった。その女の子は多分もう、いない。けどこの夢は…残ってるの。
何でだと思う?」
「…この世界も作られたものってことなんか?」
妹の話を半信半疑で聞きながら博之が尋ねる。
「私も、そうかなって思った。そうじゃなきゃ、私たちが入れないもの」
「じゃあ、作ったって奴はもしかして……」
萃香の言葉に、博之もあ、と声を挙げる。
「じゃあここは……主催者の"作った"女の子の夢の世界、だと」
妹の目に少し影が落ちる。
全員が考えに耽り、部屋の中は全くの無音となった。
妹はなんとなく、こんな時レナちゃんがいればな、と思った。
頭の中を整理してから、またそれぞれが口を開く。阿部だけが退屈そうにそれを見ていた。

「前に会場が作り物だって話したが、それならここだって十分あり得るな」
「意図的に入れたんだろうな、おまけ感覚で。でなけりゃ私達とっくにルール違反で首無しだよ」
『確かに人を移動させる魔法もある…だが、人の、それも夢の世界なんてもの本当に作れるのか?』

妹がその質問を聞いてうつむいた。
「それは…分からない。主催者でも、夢の中に行くっていうのはできるのかどうか……」
「できると思うぞ」
「え?」
その言葉に驚いて頭を上げる。
「水銀燈には……人の夢の中に入れる力を持つ妹がいたんや。それに水銀燈の話だと、
主催者はこの殺し合い以前にも水銀燈の世界でうろついて何か企んどったらしい。
人の夢の中を点々としてる途中に、偶然見つけたのかもしれん…」
萃香もそれに付け加えるように言った。
「あのピエロ達ならやりそうなことだ。そいつの不安定さ、今にも狂って壊れそうなこの世界も……
あいつらには、面白いおもちゃ同然に見られていたのかも」

「でも、それが分かったところで……」
妹がまた下を向くのを見て、博之がその頭を叩く。
「安心しろや、俺らがあいつら涙目にしてついでにこんなニセ夢消さしてやる、いいな」
妹は少し笑って言った。
「うん、そうだね…!」
「よし、そうと決まれば行くぞお前ら!おっかないが次の扉だ!」
「次はあの化け物いなきゃいいなぁ」
萃香を背負った博之が勢いよく扉を開ける。それに妹が続き、最後に阿部が出て、扉が閉まった。

(俺だったらウホッ!男だらけの酒池肉林な世界を作るのに…)
阿部は3人と1つの会話を聞いて、阿部は密かにそう思っていた。





次の扉の先も不思議で不安定になる感覚は同じだった。
しかし、この夢自体が何なのかを知った為か、前よりは楽に思えた。
「前はきっと、理解できないのが怖かったんやな…」
博之が呟くと、上の萃香がからかうように言った。
「人間、理解できないものに恐怖を感じてしまうんだってさ」
博之が短く返した。
「鬼でも同じやったやないか」
萃香が膨れて反論しようと口を開くが、妹にそれを遮られる。

「あ、あれ見て!誰か…誰かの」
「「……透明人間…?」」

前言撤回、恐いものは恐い、萃香と博之は同時に思った。
相変わらず怖いもの知らずな妹が、今度は透明人間に近づいていく。
「い、妹!そいつも危ないかもしれんぞ!離れ――」
博之が言い終わらないうちに、妹はこちらに手招きをしてから透明人間の体に触れる。
直後、妹の体が消えた。
「な」
博之の動きが固まる。
あれは単に飛ばされただけだろうか、それとも。
「博之…ここは、妹を信じて触ってみなよ」
「お前…他人事だと思って」
「私もやるよ」「俺が先に行ってもいいんだぜ?」
博之は少し悩んでいたが、そこは男の中の男ひろくん、すぐに覚悟を決めた。
「分かった…妹と…この夢を信じて……」
女の子の服を来た透明人間が手を伸ばす、博之と萃香、後から阿部もそれに触れ――

長いような短いような道を飛んでいった。




目の前に広がるは広い森と平原、遠くに見えるは街と山、そして立っているのは――大樹の頂上。
妹は朝日が昇る快晴の空を見上げて、1人で立っていた。

「おお……」
「も、戻ってこれたの?」
「……」

3人も無事に到着したのを見て、妹は複雑な表情になった。
「うん…確かに、確かに戻ってきたんだよ。私たちそこから出てきたんだ」
妹は大樹に開いた大きな穴を指差す。それは外からではただ黒々とした空間しか見えないが、とりあえず会場には戻れたらしい。
そう、とりあえずは。

「でも、ここの周り全部……禁止エリアなんだ……」

すぐに全員の顔が絶望に変わっていくのが分かった。
ここA-5は幸運にも禁止エリアではなかったが、森の外に続く道は全て禁止エリア。これでは戻ろうにも戻れない。
つまり『出られた』が『戻れた』わけではなかった。

突然、間抜けな声を出して、博之がゆっくり倒れた。

背中の萃香も一緒に、重力に任せるまま横倒しになる。
「うわっ!!そんなにオーバーにならなくてもいいじゃないか!……あれ?」
博之は、寝ていた。
萃香が揺り動かしても、んにぃぃ~と声を出すだけで起きる気配は無い。
後ろに誰かが立っている気配に気付く。
全身に悪寒が走った。
頭を上げようとして――首を捕まれた。

『くそひろ、寝てる場合か!!あわばばば、萃香ちゃん!』
萃香の体が宙に浮く。そして地に叩きつけられる。
弱った体はそのままくず折れ、倒れて動けなくなった。
虚ろな目で上を見上げ、呟く。

「阿部」

そう呼ばれた男は大きな笑みを浮かべた。気付けば阿部を拘束していた羽根も消えている。

「ど…して」

「うるさいな、今が殺すのに絶好だったんだよ。腕全部をしっかり縛っておくんだったな……」

阿部が見せたのは、何故これに気付かなかったのだろうか……時計型麻酔銃。
博之じゃない、自分のせいではないか。
萃香の顔が真っ青になる。
「いい男は後でのお楽しみだが……羽根も取れたのは幸運だな。お前らはここで終わりだ。あの気の狂ったような
世界での行動、結局は無駄だったじゃないか。俺は俺の役割をやって出してもらう、確実な方法を取るね」
「…許さない!!」
妹が叫びながら鋏を向ける。
阿部は躊躇することなく妹の前まで走り、頭を伏せて攻撃をかわす。
その場で鋏を左に受け流し、妹の鋏を持つ手をひねる。
鋏は彼女の抵抗も虚しく阿部の手に落ちた。
「いやっ、離せ!」
「女は嫌いだが、うるさい女はもっと嫌いだな、大人しくしろ」
一発殴って妹を黙らせ、後ろでフラフラと立ち上がる萃香に向かって叫んだ。
「さあ、こいつが惜しいならそれ以上近づくな、そのまま後ろに下がれ」
萃香の体がビクッと震えたように見えた。
一見絶対絶命といったところだろう。だが、阿部は一つ見落としていた。
妹の手には、まだ打開の方法が残っていることに。
おそらく、使えば阿部は殺せる。いや、殺すことになる。
殺しをしないと決めた妹には苦渋の決断だった。しかし、迷っている暇はない。

「萃香ちゃん、下がって……私を信じて」
「お前は黙ってろと言ったはずだ。さあ決めろ!」
萃香は小さな呻き声を出しながら、妹を見つめた。それに妹が視線を返す。
悩み、悩み、悩んで…
後ろに下がった。



sm193:コンペイトウ・アタック 時系列順 sm194:ゆっくりした結果がこれだよ!!!
sm193:コンペイトウ・アタック 投下順 sm194:ゆっくりした結果がこれだよ!!!
sm189:月(後編) 阿部高和 sm194:ゆっくりした結果がこれだよ!!!
sm189:月(後編) 永井博之 sm194:ゆっくりした結果がこれだよ!!!
sm189:月(後編) 伊吹萃香 sm194:ゆっくりした結果がこれだよ!!!
sm189:月(後編) キョンの妹 sm194:ゆっくりした結果がこれだよ!!!



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