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迷走Mind ◆wC9C3Zbq2k




「萃香たちは死亡していない……」
「阿部を送り込んでから放送までそれほど間はありませんでしたからね」
ふるふると首を振る永琳。
「違うの。あの世に飛ばされてるんじゃないかと思わなかった?」
「本の題名通りなら悪夢の中でしょう。確かに生きた心地はしませんでしたが」
「監視役なんてどうやってついていったのかしら。わからないって不安なものね」

 放送後。集中を欠いた表情でゆっくり話す永琳に古泉が心配そうな顔をする。
ロールと話し少年を受け入れたあとの彼女の様子は客観的に見ても不審というほかない。
なにせ全員殺さないといけない立場なのに全身火傷で気絶状態の役立たずを引き取ったのだ。
なんらかの意図がないとおかしいのにずっとこんな調子。まるで目的を見失ったかのようだ。

「どうするつもりなんですか?」
「ハルヒが想像以上によくやってくれたから、次は私達で城に行って策を講じるべきね」

 言っていることはそれなりにまともだ。だが、
「そうじゃなくてですね」
古泉は怒りを露にする。
「本当にこの弱そうな少年を殺さず仲間にするのかってことを僕は聞いてるんです!」

 ニートというのが彼女の仕えていた主だとして、何故遺言を守る必要があるのか。
この局面で歩くにも支障がありそうな怪我人を仲間に引き入れて何のメリットがあるのか。
そもそも彼は殺し合いに乗らない側の人間のはずであり、だとすれば殺しておくべき存在。
今から本格的な手当てをし、目覚めさせ、勧誘する。そんな時間を費やす価値があるのか。
古泉が問い詰めていくが、それでもやはり永琳に今までの覇気は感じられない。

「情にほだされるだなんて貴女らしくもない……」 
矢継ぎ早の質問に戸惑う永琳を責めるかのように古泉はため息をつく。


「僕は八意さんを信頼できる人だと思っていましたが、考えを改める時のようですね」
 そして、最後通告。
お互い参加者である以上手を組むのは利害の一致だけでなく背中を預けられることが重要。
だからこそ、不信の芽である勝手な行動を自分は慎んできたはずだ。だというのに。
永琳のやったことは完全にその範囲を逸脱してしまっている。古泉は滔々とそう告げた。

「そうね。私が一樹の立場でもこの決断には異論があって当然だと思う」
「そうですよね。ニートという方はあなたにとってそれほど大切だったと?」

「……ええ。まだ不思議なくらいだけど」
「つまり、僕と敵対するリスクを負ってでもこの少年を保護するというんですね」
「そう。そうなってでも二人の最後の願いを聞き届けるわ。この彼と優勝を目指すことになる」

 その非道をニートは責めるだろう。だが死者は生き返ってこそ文句を言う権利があるのだ。
一度決めたことは覆さない。優勝して全員生き返らせ、彼らの非難は全て受け止める。
遊戯というこの少年を助けると約束はしたが、まだ主催者に反逆する理由はどこにもない。
あの魔術師が放送時にちらと見せた魔力は制限下にある自分では到底敵わぬものだった。
死すらなかったことにできる可能性はほんの少しだが高まったと言ってもいい。

 言葉と裏腹に全く敵意が見うけられない古泉に、念のため永琳は王者の剣を構える。
ここでは手を組めないということはすなわち敵になること。優勝を目指す以上間違いなく。
古泉がいなくなるのは大きな痛手だし、もっと他に方法はなかったのかと思いはする。
だが自分の決断に後悔はない。皮肉にも古泉のおかげで心の整理がついた。

 ここまで一緒に歩んできた仲だから斬るのは忍びないが、敵対するなら殺す。
ここで見逃せばいずれ大きな障害になる。それが古泉のような優秀な者ならなおさら。
彼には計算ずくの関係でもいいから仲間でいてほしかった。そう永琳が思っていると、


「では行きましょうか。その前に彼、遊戯くんの手当てをするべきですかね」
「……え?」

 古泉が深く頭を垂れる。
「試すような真似をして申し訳ありません。まあここはお互い様ということで」
その態度ですぐさま永琳も理解した。彼に自分と敵対する気はなくなったと。

「えーと……つまり、私が迷ってさえいなければついてきてくれたわけね」
「お察しの通りです。僕はいつもの八意さんでさえあれば信用に値すると思ってますから」

 なんのことはない。判断が冷静だったかどうか試されていたのだ。
お詫びにと古泉が笑顔を崩さぬまま武藤遊戯の治療の手伝いを申し出る。
永琳も彼の治療を優先することに同意し、適当な家の前で見張り用のオタチを召喚した。
遊戯のために薬を作らなければならない。火傷は手当てが遅れれば治りも一気に遅くなる。
日本酒で溶いた食料に鎮痛剤のほか、座薬の中身や亀の甲羅の粉末を加えていく永琳。

「これが火傷用の薬になるんですか?」
「粗悪品なことは認めるわ。知識や技術が十分でも材料がないと薬はできないもの」

 そう言いながらできた塗り薬をぺたぺたと服を脱がせた遊戯の身体に塗りこんでいく。
手伝える事のなくなった古泉は遊戯のディパックと衣服のポケットを探る作業にとりかかる。

「ぐあっ」
「起きないで。相当疲労もたまっているようだから一度体を休めてもらわないと」
うめき声を完全無視するその姿勢に、古泉は医療従事者の常を見たような気がした。


「ひとまずはこれでいいわ。彼の持ち物チェックはどうだった?」
 治療を終えて問いかける永琳に、深刻な面持ちとなった古泉が報告する。
「拳銃が二丁と予備の銃弾がふんだんに入っていました。何発も撃っているようですね」
「大収穫ね。そのまま持たせるつもりはないけど戦闘経験があるならお荷物にはならない」

「DMカードというものも持っていました。サトシ君も持ってましたよこんなカード」
そう言いながら使用方法を説明する。説明を聞いた永琳はこの戦場の破天荒さを呪った。
「なにこの効果。無茶苦茶ね。攻撃力の数値はいくらあればどれくらい強いのかしら」
古泉は続ける。

「それと……涼宮ハルヒの所持品が全て彼の手に渡っています」
「!」

 涼宮ハルヒは捨て駒として扱ったとはいえ古泉がこちらに引き込んだ仲間だ。
永琳の作戦で竜宮レナの集団、いわゆる塔組に離間の計を仕掛けに行ってくれた。
放送を聞く限り彼女は作戦に成功したはずだ。合流させないどころか壊滅に追い込んでいる。
何故か萃香は塔組と同行していたが、まさか総崩れと全く無関係ということはないだろう。
ともかく結果としてハルヒは生き残っており、塔組はレナ以外全員あの世かあの本の中だ。

 だとしたら、どうして。
「拘束されて荷物を奪われたか、荷物を諦めてでも逃げ延びたか……一樹はどう思う?」
「遊戯くんを起こせば話は聞けるでしょう。今のままでは判断材料が少なすぎます」

 彼女が死んでいてくれればわかりやすかったのにというニュアンスで古泉が語る。
ハルヒもこれだけ自分を嫌っている相手をよく仲間として扱えたものだと永琳は思う。
だが遊戯を起こすことには反対した。彼は消耗しすぎているし、まだ使い潰したくはない。
よってもう少し待つことを提案する。

「とはいっても時間は惜しいわね。レナはもう城へ着いているでしょうし」
永琳はレナの行動力を熟知している。彼女なら残存勢力をかき集めるくらいのことはやる。
だからこそ妨害し続けなければならない。ゲームを破壊されてしまわないように。
「でしたら移動しましょう。少年一人くらいなら僕が背負えます」

 続けて永琳は古泉に指示を出す。
「それから銃を試射して、使えそうなほうを持っていて。火器を扱った経験は?」
「ありませんね。あいにく僕は日本に暮らす普通の男子高校生でしたから」
「普通ねぇ……私の知っている日本出身者は大概な連中ばかりだわ。あなたも含めて」
うちの姫様の素行が悪いのも日本みたいな場所で育ったからだと永琳は信じている。

 外で数発ずつ銃声を響かせたのち、古泉は使わないほうのベレッタを永琳に渡した。
「じゃあ行きましょうか。遊戯くんが軽そうで助かりました」
「悪いわね。お願いするわ」
精神面の疲弊が大きい古泉だが、肩に深手を負った女性に負担を押し付けようとは思わない。
代わりに遊戯の荷物は永琳が引き受ける。ラケットはゴミとしてぬいぐるみ共々処分した。

「行き先は城 ―――ですよね」

 古泉が問う。
残り生存者20名。そのうち4名がゆめにっき内に監禁済みなので自分達を除いて13名。
レナたちが向かう予定だった城に今誰が何人いるかはわからないが、正念場のはずだ。
「近くまでは行きたいけど少し動きを控えるわよ。彼が動けないと困るし」
彼の背で眠る遊戯に視線を送って永琳が答える。彼女は既に戦力として計算しているらしい。
「彼を利用して城の内情を探るんですね。わかります」

 相手に味方と思わせることのできる人間は彼だけだ。自分たちは知られすぎている。
そういうことだろう。偵察要員になれば上出来だし人質にしても損はしない。


 そうして彼らは川沿いを行く。
人ひとり背負って歩くのはそれなりの負担なので歩みこそ遅いが、それでも順調に。
やがて朝もやの先に見えてきた黒いものの正体に気づいた古泉が永琳に問いかける。

「……客船が見えてきましたね。実にいい船です」
nice boat. 見る者は皆それをそう呼ぶ。
「誰かの支給品、または噂に聞く幽波紋ね。最初からある物なら地図に載っているはず」
「なるほどそういう考えもあるんですね。ディパックの中に客船か……」

 誰かはいるのだろうが遠距離から探っただけでわかるような強い気配はない。
確実なのは誰がいるにせよ、うかつに踏み込めば危険だということだけ。
入ってみたくもあるが怪我人を連れている今は無理だ。三人は川沿いから遠ざかった。

 しばらくすると古泉の歩みが永琳にもわかるほど鈍ってきた。
一般男性が厳しくなる重量といわれる米俵が1つで約30.5kg。当然少年でももっとある。
鍛えているわけではない彼にとって遊戯を背負いながら歩くのはさぞきつかったのだろう。

「ここで休憩しましょう」
急いではいるが疲れ果てていては意味がない。永琳が言い出さない古泉のかわりに宣言した。
辺りに遮蔽物のない荒地でもう一度オタチに見張らせ、遊戯の目覚めを待つことにする。
中距離からでも丸見えの場所だが、隠れた位置から銃器で狙われる危険よりはまだいい。
苦役から開放された古泉もゆっくりとへたり込み、水を飲もうと―――

 したところで、尻に当たった異物に気付いて彼はそれを拾い上げた。
「笛?」
「ただの笛じゃなさそうね。でも不潔だから吹かないで」
誰が口をつけたかもわからない上に野晒しで放置されていた笛だ。古泉も吹く気はない。
ただ、この笛に何か期待できるものを感じて、彼はそれをディパックに入れた。


 そして時間は過ぎ、助けられた少年はゆっくりと揺り動かされ目を覚ます。
「いたたた…… ここは?」

 傷だらけの彼の眼前には、剣を突きつける叫び顔のゾンビマスク。
「寝起きにいきなりで悪いけど、質問させてもらうわ。武藤遊戯」
「……ゲームには乗ってるよ。ムスカを殺したのは僕だもの」

「咄嗟の判断としてはいい線だけど、嘘は感心しないわね。それにそんな事は聞いてない」
「そうですよ? 彼女はあなたとニー」
馬マスクの男の発言を手で制して女性の声は遊戯に問いかけた。

「―――貴方は優勝したら何を望む? 返答次第では殺さずにいてあげる」

【E-2 荒地/二日目・午前】
【武藤遊戯@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】
[状態]:中度の精神疲労、全身に傷と火傷(手当て済み)、SOS団名誉団員、闇AIBO
[装備]:なし
[道具]:支給品一式*2
[思考・状況] 基本行動方針:自分に危害を加える者は容赦なく殺す
1.ステルス対主催として行動。
2.この二人誰? どうしようもう一人のボク……って千年パズルまでない!
3.エアーマン、阿部は許さない
4.海馬と仲間の友達を見つけたい
5.ゲームを終わらせ、主催者を倒す
6.エアーマンを倒したらE-4の塔で仲間達と合流する
7.あの夢についての情報を得る

※闇AIBO  ニコニコの闇AIBOタグで見られる、腹黒AIBO。
AIBOの持ち味である優しさが欠損して、笑顔で毒舌を言ってくれます。
ルールとマナーを守らずに楽しくデュエルしますが、過度の僕ルールは制限されるかも。

【備考】遊戯だけ第五回放送を聞き逃しました

【八意永琳@東方シリーズ&新世紀 東方三国志~ひぐらしの憂鬱~】
[状態]:肩に怪我(手当て済み)、体力消耗・中、背中に火傷(手当て済み)、古泉を信頼
[装備]:王者の剣@DQ3(刃毀れ)、小型爆弾*4、ベレッタM92F(12/15)
ゾンビマスク@現実(ゾンビーズ)、ヲタチ(残りHP60%)@ポケットモンスター
[道具]:支給品一式*3(食料四食分・水二食分消費)、蒼星石のローザミスティカ
ゴム@思い出はおくせんまん、自動ぶんなぐりガス(残り1/5)@ドラえもん、ヴェルタースオリジナル*1@ヴェル☆オリ
真紅のローザミスティカ@ローゼンメイデン、くんくん人形@ローゼンメイデン、ヤクルト@乳酸菌推進委員会、水銀燈の体
包丁、デジヴァイス@デジモンアドベンチャー 、生乾きの北高の制服@涼宮ハルヒの憂鬱、テニスボール
毒入りパン、千年パズル、DCS-8sp*6、予備弾薬各100発@現実(ベレッタM92F用26発消費、トカレフTT-33用8発消費)
《DMカード》真紅眼の黒竜(夜まで仕様不可)、プチモス、カタパルト・タートル、
ブラックマジシャン(夕方まで使用不可)、魔導戦士ブレイカー(午後まで使用不可)、
聖なるバリアミラーフォース(次の朝まで使用不可)、
[思考・状況]
1.遊戯を仲間にする。返答が遅いようなら信用できないので人質として扱う
2.遊戯からハルヒがどうなったのか聞き出す
3.遊戯から生前のニートの様子を聞きたい
4.古泉一樹と武藤遊戯、三人で協力して優勝を目指したい。
5.城へ向かい、できる範囲で参加者を始末
6.ゲームに優勝し、悪魔と取引をして皆が元通りになれることを願う
7.優勝しても元通りと言う願いが叶えられるかどうかが少し不安

※もしレナ達が脱出に成功したなら仕方ないので優勝を諦め、それに便乗しようと考えています。
※ハルヒの能力については半信半疑です

【備考】遊戯への質問に深い意味はありません。迷いの有無を見るつもりです

【古泉一樹@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:頭部鈍痛、八意永琳を信頼、 グロッキー(わりと)
[装備]:ゆめにっき@ゆめにっき(手の形に血が付着) 、トカレフTT-33(8/8)
アニマルマスク・サラブレット@現実、 逆刃刀@フタエノキワミ アッー!(るろうに剣心 英語版)
[道具]:支給品一式*2(食料一食、水三本消費)、
赤甲羅@スーパーマリオシリーズ、笛@スーパーマリオ3、睡眠薬一包み、
糸(あと二メートルほど)、裁縫針、武器になりそうな薬物、小型爆弾、DCS-8sp、退魔の剣@怪~ayakashi~化猫
[思考・状況]
1.永琳の茶番に付き合って遊戯を試す
2.萃香たちも阿部も、他が片付くまではゆめにっきから出さない
3.ゆめにっきを上手く使って闘う。
4.殺し合いにのっていない参加者を優先的に始末。相手が強い場合は撤退や交渉も考える。
  レナ達のゲーム破壊を防ぐためにも、他のマーダー達に協力を呼びかける
5.八意永琳、涼宮ハルヒと協力する。八意方はかなり信頼
6.涼宮ハルヒと一緒に脱出できるのなら脱出でも悪くはない
7.優勝して「合法的に愛しの彼とニャンニャンできる世界」を願う(ただし、生き返らせることを優先)

※古泉は絶対に脱出なんて出来ないと考えています。
 が、万が一、レナ達が脱出に成功したならそれに便乗しようと考えています
※ゆめにっき@ゆめにっき
 本編には出てこない日記、絵本の形式で書かれています。
 2m以内で最後のページを見た人は強制的にゆめにっきの世界に飛ばされます。出てくるには日記が開いている状態で頬を抓れば出てこられます。
 一部監視が行き届いていない所がありますが2人は知りません。あと薬が塗られているので並大抵の事じゃあ燃えません。
※主催者側に強い疑いを持っています



sm199:つかさですが、城の皆の服装が異様です 時系列順 sm196:Ontology
sm194:ゆっくりした結果がこれだよ!!! 投下順 sm196:Ontology
sm189:月(後編) 武藤遊戯 sm197:王様「HA☆NA☆SE!このガチホモ野郎!!!」
sm189:月(後編) 八意永琳 sm197:王様「HA☆NA☆SE!このガチホモ野郎!!!」
sm189:月(後編) 古泉一樹 sm197:王様「HA☆NA☆SE!このガチホモ野郎!!!」



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